目次
• 監督署へ確認する前に準備が必要な理由
• 項目1 工事概要と相談したい範囲を明確にする
• 項目2 対象候補となる作業内容を分解する
• 項目3 図面・工程表・施工計画書をそろえる
• 項目4 仮設計画・掘削・解体・設備変更の有無を整理する
• 項目5 工事開始日と対象候補作業の開始日を確認する
• 項目6 社内判断と迷っている論点を整理する
• 項目7 相談結果を記録する様式を準備する
• 監督署確認前に避けたい準備不足の例
• 監督署確認後に社内で行うべき整理
• 現場情報を正確に残すことが対象判断を支える
• まとめ
監督署へ確認する前に準備が必要な理由
88条申請の対象かどうかを判断する時、社内で判断しきれない場合に監督署へ確認することがあります。特に、仮設足場、型枠支保工、掘削、土留め、解体、有害物質関連作業、機械設備や工作物の設置・移転・変更、重機や揚重設備の使用などが関係する工事では、届出要否の判断に迷う場面があります。
ただし、監督署へ確認する前に、社内で必要な情報を整理しておくことが重要です。工事件名だけを伝えて「88条申請の対象ですか」と聞いても、具体的な判断に必要な情報が不足しているため、一般的な回答しか得られない場合があります。監督署に確認する目的は、曖昧な不安をそのまま投げることではなく、工事内容を整理したうえで、どの点が対象判断で迷うのかを明確にして相談することです。
88条申請の対象判断では、工事の名称よりも、実際に行う作業の内容が重要です。同じ「改修工事」でも、足場を組むのか、 掘削を伴うのか、設備を入れ替えるのか、既存部分を解体するのか、有害物質の調査結果があるのかによって確認内容は変わります。同じ「設備更新工事」でも、単なる部品交換なのか、主要な設備の設置や変更なのか、重量物の搬入や基礎改修を伴うのかで、対象判定の論点は変わります。
監督署へ確認する前に準備しておくべきことは、工事概要、作業範囲、施工方法、使用する仮設設備、掘削や解体の有無、設備変更の内容、工程、開始日、社内での暫定判断、迷っている点です。これらを整理してから相談すれば、会話が具体的になり、確認結果も社内で記録しやすくなります。
また、監督署確認は工程管理とも関係します。届出が必要と判断された場合、工事開始前に書類や図面、施工計画、安全対策資料などを準備する必要があります。施工直前になって確認すると、届出準備が工程に影響する可能性があります。したがって、監督署への確認は、着工直前ではなく、施工計画が固まり始めた段階で行うことが望ましいです。
この 記事では、「88条申請 対象」で検索する実務担当者に向けて、監督署確認前に準備するべき7項目を整理します。社内安全担当、現場担当、工事責任者、協力会社との確認を進める時に、そのまま使いやすい実務目線で解説します。
項目1 工事概要と相談したい範囲を明確にする
監督署確認前に準備する一つ目の項目は、工事概要と相談したい範囲です。88条申請の対象判断では、まず「どの工事について相談するのか」を明確にする必要があります。工事件名だけで相談すると、対象判定に必要な情報が不足します。
工事概要として整理する内容は、工事件名、施工場所、発注者、元請、協力会社、施工予定期間、工事の目的、対象となる建物や工作物、施工範囲です。特に施工場所は、どの敷地、どの建物、どのエリア、どの設備に関する工事なのかを説明できるようにします。
相談したい範囲も重要です。工事全体に ついて相談するのか、特定の作業について相談するのかを明確にします。例えば、全体工事の中に、仮設足場、掘削、既存設備撤去、設備搬入、電気工事、外構工事が含まれる場合、すべてを一括で相談するのではなく、88条申請の対象候補になりそうな作業を分けて整理します。
監督署へ確認する際には、「本工事全体のうち、今回確認したいのは既設設備の撤去と新設設備の据付に伴う作業です」「外構工事のうち、掘削と土留めに関する届出要否を確認したいです」「改修工事のうち、仮設足場と解体範囲について対象判断に迷っています」と説明できる状態にしておきます。
相談範囲が曖昧だと、監督署から確認される内容も広がり、必要な資料を再度整理しなければならないことがあります。反対に、相談範囲が明確であれば、どの資料を提示すればよいか、どの作業について回答を得たいのかが分かりやすくなります。
また、対象外と考えている範囲と、判断に迷っている範囲を分けておくことも重要です。例えば、「舗装復旧部分は社内で対象外と整理していますが、追加掘削を伴う部分について判断に迷っています」といった形です。これにより、相談の焦点が明確になります。
工事概要を整理する時は、現時点の情報で構いません。ただし、未確定事項は未確定として明記します。協力会社が未定、仮設計画が未提出、工程が暫定、解体範囲が調整中といった場合は、その状態を伝えます。未確定事項を隠したまま相談すると、後から施工方法が変わった時に再確認が必要になります。
工事概要と相談範囲を明確にすることは、監督署確認の出発点です。ここが整理できていないと、後続の作業内容、図面、工程、施工方法の説明も曖昧になります。
項目2 対象候補となる作業内容を分解する
二つ目の項目は、対象候補となる作業内容を分解することです。88条申請の対象判断で最も重要なのは、工事名ではなく作業内容です。監督署へ確認する前に、工事に含まれる作業を分解し、対象候補になりそうなものを整理します。
例えば、「建物改修工事」という一つの工事件名の中には、足場設置、外壁補修、屋上設備撤去、内装解体、設備配管更新、電気工事、搬入作業などが含まれることがあります。このうち、どの作業が88条申請の対象確認に関係するかを見ます。
作業を分解する時は、仮設、土工、解体、改修、設備、搬入、機械使用、高所作業、有害物質関連作業などの観点で整理します。仮設では、足場、支保工、作業構台、仮設通路、仮設道路などを確認します。土工では、掘削深さ、土留め、地山条件、地下埋設物を確認します。解体では、撤去範囲、既存材料、有害物質調査、追加撤去の可能性を確認します。設備では、設置、移転、更新、改造、能力変更、主要構造部分の変更を確認します。
作業内容を分解する目的は、監督署へ相談する時の論点を明確にすることです。「この工事は対象ですか」と聞くよりも、「この工事では高さのある仮設足場を設置する計画があり、足場の規模と構造から88条申請の対象になるか確認したいです」と伝える方が、相談内容が具体的になります。
また、作業内容を分解すると、社内で確認済みの項目と未確認の項目を分けやすくなります。例えば、掘削はない、解体はない、設備の主要変更はない、しかし仮設足場の扱いに迷っている、という整理ができます。これにより、監督署確認の時間も短くなり、回答内容も記録しやすくなります。
対象候補の作業を分解する時は、協力会社の施工方法も確認します。元請側の想定では対象候補がないように見えても、協力会社が実際には足場を組む、重機を使う、追加掘削を行う、仮設構台を設けるといった場合があります。監督署へ確認する前に、協力会社から施工方法の予定を聞き取っておくことが大切です。
未確定の作業がある場合は、対象外とせず、判定保留として整理します。例えば、「協力会社の仮設計画が未提出のため、足場に関する対象要否は未確定」「掘削深さが最終決定していないため、土工部分は再確認 予定」といった状態です。
監督署へ確認する前に作業内容を分解しておけば、相談後に社内で何を判断すべきかも明確になります。対象となる作業、対象外と整理できる作業、追加資料が必要な作業を分けて管理できます。
項目3 図面・工程表・施工計画書をそろえる
三つ目の項目は、図面、工程表、施工計画書をそろえることです。監督署へ確認する時に、口頭説明だけでは工事内容が正確に伝わりにくい場合があります。対象判断に関係する資料を準備しておくことで、相談内容を具体的に説明できます。
まず準備したいのは、平面図、断面図、配置図、仮設計画図、解体範囲図、設備配置図などです。図面があれば、どこで、どのような作業を行うのかを説明しやすくなります。掘削や足場、設備設置、解体範囲は、文章だけで説明するよりも図面で示した方が分かりやすいです。
工程表も重要です。88条申請の対象判断では、対象候補作業の開始日が関係します。全体工期だけでなく、足場組立、掘削開始、解体開始、設備搬入、機械据付、仮設撤去などの開始予定日を確認します。監督署へ確認する前に、工程表の最新版を用意し、対象候補作業の開始日を説明できるようにしておきます。
施工計画書や作業手順書も準備します。正式版がまだない場合でも、案の段階で構いません。施工方法、使用機械、仮設設備、搬入経路、作業手順、安全対策が分かる資料があると、対象判断の論点を整理しやすくなります。協力会社から正式な施工計画書が未提出の場合は、未提出であることを明記し、現時点の予定を説明できるようにします。
資料をそろえる時は、版番号や作成日も確認します。古い図面や工程表をもとに相談すると、後から変更があった場合に再確認が必要になります。監督署へ確認する前に、社内で「どの資料が最新版か」を確認しておきます。
また、資料を出すだけではなく、相談したい箇所を分かりやすく示します。図面上に対象候補の位置を示す、工程表で対象候補作業に印を付ける、施工計画書の該当ページを整理するなどの準備をしておくと、相談がスムーズになります。
図面、工程表、施工計画書が未確定の場合は、その状態を正直に整理します。監督署への確認は、確定資料がそろってからでなければできないというものではありませんが、未確定の情報を前提にした相談であることを明確にする必要があります。後で施工方法や工程が変わった場合は、再確認が必要になる可能性があります。
資料をそろえることは、監督署への説明だけでなく、社内の判断記録にも役立ちます。どの資料をもとに相談したのかが残っていれば、後から判断経緯を追いやすくなります。
項目4 仮設計画・掘削・解体・設備変更の有無を整理する
四つ目の項目は、仮設計画、掘削、解体、設備変更の有無を整理することです。88条申請の対象判断で迷いやすい部分は、これらの作業に集中しやすいです。監督署へ確認する前に、該当の有無と内容を社内で整理しておく必要があります。
まず、仮設計画を確認します。足場を設置するのか、支保工を使うのか、作業構台や仮設通路を設けるのか、仮設道路を作るのか、仮設設備の高さや構造、設置期間はどうなっているのかを整理します。仮設設備は、工事本体とは別に計画されることが多く、確認が抜けやすい項目です。
次に、掘削や土留めを確認します。掘削の有無、最大掘削深さ、掘削範囲、土留めや山留めの有無、地山の状態、地下埋設物、近接構造物、地下水の影響などを確認します。掘削作業は工程の早い段階で行われることが多いため、対象要否の確認が遅れると着工に影響します。
解体や改修についても整理します。既存建物や 設備を撤去する場合、撤去範囲、解体方法、対象建材、有害物質調査の状況、追加撤去の可能性を確認します。改修工事では、図面に明確に記載されていない既存部分の撤去が発生することがあります。事前調査が未完了の場合は、対象外とせず、未確定として整理します。
設備変更では、新設、移設、更新、改造、主要構造部分の変更、能力変更、付帯設備の変更を確認します。設備工事では「更新」や「交換」という言葉が使われることがありますが、実際には基礎工事、搬入、据付、既設撤去、重機使用を伴う場合があります。監督署へ相談する前に、設備変更の具体的な内容を確認します。
これらの項目は、監督署への相談時に必ず聞かれやすい部分です。仮設はありますか、掘削はありますか、解体はありますか、使用機械は何ですか、設備の変更内容は何ですか、開始日はいつですか、といった確認に答えられるようにします。
また、該当なしの場合でも、どの資料を見て該当なしと整理したのかを残します。例えば、「仮設 足場は使用しない計画であり、協力会社の施工方法確認済み」「掘削は伴わない」「既存建材の撤去範囲は調査済み」「設備変更は軽微な部品交換のみ」といった記録です。
仮設計画、掘削、解体、設備変更の有無を整理することで、監督署への確認内容が具体的になります。対象判断の論点を絞り込み、必要な資料や追加確認事項を明確にできます。
項目5 工事開始日と対象候補作業の開始日を確認する
五つ目の項目は、工事開始日と対象候補作業の開始日を確認することです。88条申請の対象判断では、対象かどうかと同じくらい、いつ着手するのかが重要です。届出が必要な場合、工事開始前に準備を完了させる必要があるためです。
監督署へ確認する前に、全体工事の開始日だけでなく、対象候補作業の開始日を整理します。例えば、全体工事の開始日は6月1日でも、仮設足場の組立は6月3日、掘削開始は6月10日、解体開始は6月15日、設備搬入は6月20日というように、作業ごとに開始日が異なる場合があります。
88条申請の対象確認では、届出対象となる可能性がある作業の開始日が重要です。全体着工日だけを見ていると、対象候補作業の開始日を見落とすことがあります。監督署へ相談する時も、「対象候補作業はいつから始まる予定か」を説明できるようにしておきます。
また、工事開始日が暫定の場合は、その旨を整理します。発注者調整中、協力会社の工程待ち、資材納期未確定、許認可待ちなどにより日程が変わる場合があります。未確定の場合でも、現時点の予定日と、確定予定日を整理しておくとよいです。
開始日が迫っている場合は、届出準備に必要な期間も確認します。監督署へ確認した結果、届出が必要と判断された場合、書類作成、添付図面整理、施工計画書作成、社内承認、発注者確認などが必要になる場合があります。施工直前に対象と分かると、工程調整が必要になる可能性があります。
工程変更がある場合も注意が必要です。当初は後工程だった作業が前倒しになる、追加工事が先行施工になる、仮設設備の設置が早まるといった場合は、88条申請の対象要否を再確認する必要があります。監督署へ確認する前に、工程変更の有無と変更後の開始日を整理します。
開始日を確認する時は、工程表の版も確認します。古い工程表をもとに相談してしまうと、後から最新工程とのズレが発生します。監督署へ相談した資料と工程表の版を記録しておけば、後から説明しやすくなります。
工事開始日と対象候補作業の開始日を整理することは、監督署確認を工程管理に結びつけるために欠かせません。対象判断だけでなく、判断後にいつまでに何をするかを決めるための重要な情報です。
項目6 社内判断と迷っている論点を整理する
六つ目の項目は、社内判断と迷っている論点を整理することです。監督署へ確認する前に、社内でどこまで判断したのか、何に迷っているのかを明確にしておく必要があります。
社内判断とは、現時点で社内として整理している対象要否の考え方です。例えば、「現時点の施工計画では対象外と考えているが、仮設足場の高さと構造について確認したい」「掘削深さが基準に関係する可能性があり判断に迷っている」「設備更新が主要構造部分の変更に該当するか確認したい」といった内容です。
この整理がないまま監督署へ確認すると、相談内容が広がりすぎてしまいます。監督署へ相談する前に、社内の工事責任者、安全担当、施工担当、協力会社で一度確認し、何が論点なのかを絞り込みます。
迷っている論点は、具体的に書き出します。例えば、仮設足場の対象要否、支保工の構造、掘削深さと土留めの扱い、解体範囲と有害物質調査の関係、 設備の新設や変更の扱い、工事開始日の考え方、追加工事の対象確認などです。
論点を整理する時は、「対象か対象外か」だけではなく、判断に必要な不足情報も確認します。協力会社の施工計画が未提出、仮設計画図が暫定、解体調査結果が未受領、設備仕様が未確定、工程が調整中といった場合は、監督署への相談時にその前提を伝えます。
社内判断と迷っている論点を整理することで、監督署への確認結果を社内で活用しやすくなります。例えば、監督署から「その条件であれば対象となる可能性があるため、施工計画が確定した段階で再確認してください」といった回答を得た場合、社内でどの資料を確定させるべきかが分かります。
また、社内判断を残しておくことは、後からの説明にも役立ちます。監督署へ確認する前に社内で対象候補を検討していたこと、どの資料を見てどの点に迷っていたのか、相談後にどう判断したのかを追えるようになります。
監督署確認は、社内判断を丸投げする場ではありません。社内で可能な範囲まで整理し、判断が分かれる点や確認したい点を明確にしたうえで相談することで、実務に使いやすい回答を得やすくなります。
項目7 相談結果を記録する様式を準備する
七つ目の項目は、相談結果を記録する様式を準備することです。監督署へ確認しても、その結果を記録していなければ、後から判断経緯を説明しにくくなります。相談前の準備として、相談結果をどのように残すかを決めておくことが大切です。
記録すべき内容は、相談日、相談先、相談者、工事件名、相談した作業範囲、提示した資料、質問内容、回答内容、社内での最終判断、未確定事項、再確認条件です。特に重要なのは、提示した資料と前提条件です。同じ工事でも、図面や施工方法が変われば判断が変わる可能性があるためです。
相談結果の記録では、回答内容だけを切り取らないようにします。「対象外と言われた」とだけ書くのではなく、どの作業について、どの条件を前提に、どの資料をもとに確認したのかを残します。例えば、「施工計画書案、仮設計画図、工程表をもとに、現時点の足場計画について相談した結果」といった前提が必要です。
また、監督署への確認結果が一般的な助言である場合もあります。その場合は、社内で最終判断を整理します。相談結果をそのまま結論として扱うのではなく、社内の安全担当や工事責任者が、提示した資料と回答内容を踏まえて最終的な対象要否を記録します。
判定保留の場合も記録します。監督署確認の結果、「施工方法が確定してから再確認が必要」「追加資料が必要」「現時点では判断できない」となることがあります。この場合は、対象外とせず、判定保留として扱い、次に何を準備するのかを明確にします。
記 録様式は、施工前チェック表、会議議事録、社内確認票、変更管理表など、会社の運用に合わせて構いません。ただし、相談結果が図面や工程表、施工計画書と紐づくように管理します。資料が別々の場所に保管されていると、後から確認しにくくなります。
相談結果を記録する様式を事前に準備しておけば、監督署確認が終わった後に記憶に頼ってまとめる必要がなくなります。会話の直後に、確認内容と次の対応を記録できるため、判断の抜けや誤解を防げます。
監督署確認前に避けたい準備不足の例
監督署へ確認する前に避けたいのは、情報が曖昧なまま相談することです。代表的なのは、工事件名だけで問い合わせるケースです。「改修工事ですが対象ですか」「設備工事ですが88条申請は必要ですか」と聞いても、具体的な施工内容が分からなければ判断は難しくなります。
次に避けたいのは、施工方法が未確認のまま相談することです。協力会社がどのような仮設設備を使うのか、掘削方法はどうするのか、どの重機を使うのか、解体範囲はどこまでなのかが分からないままでは、対象判断に必要な情報が不足します。
古い資料をもとに相談することも避けるべきです。図面や工程表が改訂されているのに、古い資料で相談すると、回答の前提が実際の工事とずれてしまいます。監督署確認前には、資料の最新版を確認し、もし暫定資料で相談する場合はその旨を伝えます。
また、工事全体の開始日だけを確認し、対象候補作業の開始日を把握していない状態も危険です。届出が必要になる可能性がある作業がいつ始まるのかを確認していなければ、準備期限を判断できません。足場組立、掘削開始、解体開始、設備据付など、対象候補作業の開始日を整理します。
社内の迷っている論点を整理せずに相談することも避けます。何を確認したいのかが曖昧だと、回答も曖昧になりやすくなります。監督署へ確認する前に、社内で対象候補 と考えている作業、対象外と考えている作業、判断に迷っている点を整理します。
さらに、相談結果を記録する準備がないまま確認することも問題です。確認後に「誰が何を聞いたのか」「どの資料を見せたのか」「どの条件で回答を得たのか」が分からなくなると、社内判断に使いにくくなります。
監督署確認は、準備が整っているほど実務に使いやすいものになります。逆に、準備不足のまま相談すると、追加確認が必要になり、工程にも影響します。相談前の整理が、対象判断の精度を大きく左右します。
監督署確認後に社内で行うべき整理
監督署へ確認した後は、相談結果を社内で整理します。監督署から回答を得た時点で完了ではありません。その回答をもとに、社内として対象、対象外、判定保留、再確認必要のいずれかを整理し、関係者へ共有します。
まず、相談結果を記録します。相談日、相談先、相談者、提示した資料、質問内容、回答内容、前提条件を残します。特に、回答がどの資料とどの施工条件に基づくものかを明確にします。後から施工方法や工程が変わった場合、その回答をそのまま使えるかどうかを判断するためです。
次に、社内の最終判断を整理します。監督署確認の結果を踏まえて、対象となる場合は、届出準備を進めます。対象外と整理する場合は、対象外とした理由と前提条件を残します。判定保留の場合は、不足資料、確認担当、期限を決めます。
関係者への共有も必要です。工事責任者、現場担当者、安全担当、協力会社、必要に応じて発注者へ確認結果を共有します。特に、対象になる可能性がある場合は、工程と届出準備に影響するため、早めに共有することが重要です。
監督署確認後は、工程変更時の 再確認条件も残します。例えば、仮設計画が変わる、掘削深さが変わる、解体範囲が増える、使用機械が変わる、対象候補作業の開始日が前倒しになる場合は、再確認する必要があります。この条件を議事録や施工前チェック表に明記します。
また、届出が必要と判断された場合は、資料準備の担当者を決めます。図面、工程表、施工計画書、安全対策資料、協力会社資料など、必要な情報を誰が集めるのかを決めます。工事開始日から逆算して、社内確認と提出準備の期限を設定します。
監督署確認後の整理を怠ると、せっかく確認した内容が現場に反映されません。確認結果を記録し、社内判断に落とし込み、工程と資料準備に反映することが大切です。
現場情報を正確に残すことが対象判断を支える
88条申請の対象判断で監督署へ確認する際、図面や工程表だけでなく、現場情報を正確に残しておくことも重要です。現場の状況は、図面だけでは分かりにくいことがあります。掘削予定位置、足場設置予定範囲、解体対象箇所、搬入経路、重機配置場所、既存設備の位置、周辺構造物との関係などは、現地確認が必要です。
監督署へ相談する前に、現場写真や確認メモを整理しておくと、説明が具体的になります。ただし、写真だけでは撮影位置が分からなくなる場合があります。特に広い現場や複数エリアに分かれる工事では、どの写真がどの場所を示しているのかが曖昧になりやすいです。
このような時に役立つのが、位置情報付きの現場記録です。LRTKは、iPhoneに装着して使えるGNSS高精度測位デバイスで、現場の確認位置を高精度に記録できます。88条申請の対象判断で確認した掘削予定位置、仮設足場の設置範囲、解体対象箇所、設備搬入経路、重機設置予定場所などを、写真やメモと一緒に位置情報付きで残すことができます。
位置情報付きの現場記録があると、監督署確認前の社内整理がしやすくなります。安全担当へ説明する時も 、図面上の位置と現場写真を結びつけやすくなります。協力会社と施工方法を確認する時にも、同じ場所を見ながら仮設計画や搬入経路を検討しやすくなります。
また、監督署確認後に工程や施工方法が変わった場合にも、位置情報付きの記録は有効です。変更前後で掘削範囲が変わった、足場設置範囲が広がった、重機配置が変わった、搬入経路が変更されたといった場合に、どの場所が変わったのかを把握しやすくなります。これにより、再確認が必要な箇所を見落としにくくなります。
88条申請の対象判断は、書類上の確認だけで完結するものではありません。図面、工程表、施工計画書、協力会社資料、現場写真、位置情報をつなげて管理することで、判断に必要な情報がそろいます。LRTKのような高精度な現場記録ツールを活用すれば、監督署確認前の準備資料をより正確に整理でき、対象判断の精度を高めることができます。
まとめ
88条申請の対象判断で監督署へ確認する前には、工事内容を具体的に整理することが重要です。工事件名だけで相談するのではなく、工事概要、施工場所、作業範囲、対象候補となる作業、施工方法、使用する仮設設備、工程、開始日、社内で迷っている論点を準備します。
最初に、工事概要と相談したい範囲を明確にします。次に、仮設、掘削、解体、設備、搬入、重機使用など、対象候補となる作業を分解します。図面、工程表、施工計画書をそろえ、相談したい箇所を分かりやすく示します。
特に、仮設計画、掘削、解体、設備変更の有無は、監督署確認前に整理しておくべき重要な項目です。足場、支保工、土留め、既存部分の撤去、有害物質調査、設備の設置や変更、使用機械の内容などを確認します。未確定の情報がある場合は、対象外とせず、未確定として伝えることが大切です。
工事開始日と対象候補作業の開始日も確認します。届出が必要になった場合、工事開始前に準備が必要になるた め、開始日を正確に把握しておかなければなりません。全体工期だけでなく、足場組立、掘削開始、解体開始、設備搬入などの開始日を整理します。
監督署へ確認する前には、社内判断と迷っている論点も整理します。何を確認したいのか、どの資料を前提にしているのか、どこまで社内で判断済みなのかを明確にします。確認後は、相談日、相談先、提示資料、回答内容、前提条件、社内での最終判断を記録します。
さらに、現場情報を正確に残すことも対象判断を支えます。LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用すれば、掘削予定位置、足場設置範囲、解体対象箇所、搬入経路、重機配置場所などを位置情報付きで記録できます。監督署確認前の資料整理や社内説明、協力会社との認識合わせに役立ち、88条申請の対象判断をより確実に進められます。
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