目次
• 88条申請の対象工事は月間工程で管理すると漏れにくい
• 方法1 月間工程に対象確認欄を作る
• 方法2 対象になり得る作業を工程名だ けで判断しない
• 方法3 足場、支保工、作業床、仮設設備の開始日を入れる
• 方法4 解体、撤去、改修、更新の着手日を分けて管理する
• 方法5 高さ、深さ、規模、重量、使用機械の未確認項目を工程に反映する
• 方法6 協力会社の施工計画提出日を月間工程に組み込む
• 方法7 工程変更時に88条申請の対象判定を再確認する
• 方法8 対象外判断と再判定条件を月間工程に残す
• 月間工程で対象工事管理が漏れやすい場面
• 88条申請の対象確認を月間工程で運用する流れ
• 月間工程と現場情報の管理にLRTKを活用する
88条申請の対象工事は月間工程で管理すると漏れにくい
88条申請の対象工事を確実に拾うためには、工事ごとの個別確認だけでなく、月間工程の中で管理することが重要です。月間工程は、現場で予定されている作業を月単位で把握するための基本資料です。ここに88条申請の対象確認を組み込めば、着手日が近い作業、仮設を伴う作業、撤去や解体を含む作業、重機や支保工を使う作業を早めに見つけやすくなります。
実務では、88条申請の対象確認が工事ごとの担当者任せになり、工程表とは別に管理されていることがあります。この場合、対象工事かどうかの確認はしていても、実際の着手日が前倒しされたことに気づかなかったり、仮設設置日が本体工事より早いことを見落としたりすることがあります。結果として、申請要否の確認や必要資料の整理が着工直前になり、現場に負担がかかります。
「88条申請 対象」で検索する実務担当者は、対象工事の判断基準だけでなく、対象になりそうな作業をどう管理すればよいかにも悩むことが多いはずです。特に、複数工区、複数協力会社、改修工事、設備更新工事、解体撤去工事、仮設を伴う工事が重なる現場では、対象確認を個別に行うだけでは漏れが起きやすくなります。月間工程の中に確認欄や再確認の仕組みを入れることで、工程管理と届出確認を連動できます。
月間工程で管理すべきなのは、本体工事の開始日だけではありません。足場設置、支保工設置、作業床設置、仮設構台設置、解体開始、撤去開始、掘削開始、重機搬入、設備据付、重量物搬入など、88条申請の対象判断に関係する作業の着手日を確認することが重要です。これらの作業は、本体工事より前に始まることがあります。工程表に「準備工」とだけ書かれている中に、実際には仮設設置や撤去作業が含まれていることもあります。
また、月間工程は変更が起きやすい資料です。天候、資材納期、協力会社の調整、現地条件、発注者都合、施工方法変更によって、作業順序や着手日が変わることがあります。工程変更が起きたときに88条申請の対象判定も再 確認する仕組みがなければ、初期判断のまま工事が進んでしまいます。月間工程で対象確認を管理すれば、工程変更と対象判定を同時に見直しやすくなります。
この記事では、88条申請の対象工事を月間工程で管理する8つの方法を解説します。対象確認欄の作り方、工程名の読み方、仮設や撤去の着手日の管理、未確認項目の扱い、協力会社資料の提出日、工程変更時の再判定、対象外判断の記録まで、実務で使いやすい流れに沿って整理します。
方法1 月間工程に対象確認欄を作る
88条申請の対象工事を月間工程で管理する第一歩は、工程表の中に対象確認欄を作ることです。月間工程に作業名と日付だけが並んでいる状態では、どの作業が88条申請の対象確認に関係するのかが見えにくくなります。対象確認欄を設けることで、現場担当者、安全担当者、協力会社が同じ工程表を見ながら確認できます。
対象確認欄には 、対象、対象外、要確認、資料待ち、再判定必要といった状態を記録できるようにします。工事ごとに対象か対象外かを一度で決められない場合もあります。仮設計画が未確定、施工方法が協力会社確認待ち、使用機械が未定、撤去範囲が現地確認後に決まるといった場合は、要確認として管理します。空欄のままにすると、確認不要なのか確認漏れなのか分からなくなります。
対象確認欄を作る際は、工程の作業単位を細かくしすぎる必要はありませんが、対象判定に関係する作業は見えるようにします。たとえば、「外壁改修工事」とだけ書くのではなく、「足場設置」「外壁撤去」「補修」「仕上げ」「足場解体」のように、対象確認に関係する作業を分けます。「設備更新工事」でも、「既設撤去」「搬出」「新設設備搬入」「据付」「接続」「試運転」のように分けると、確認しやすくなります。
月間工程に対象確認欄を作ることで、会議でも確認しやすくなります。工程会議や安全衛生協議会で、翌月または当月に始まる対象可能性のある作業を確認できます。対象確認が未了の作業が近づいていれば、施工計画書や仮設計画図の提出を急ぐ必要があります。月間工程上で見える化されていれば、担当者個人の記憶に頼ら ず管理できます。
対象確認欄には、確認者と確認日も残すと有効です。誰が、いつ、どの資料を見て判断したのかが分かれば、後から工程変更や施工方法変更があったときに再確認しやすくなります。対象外と判断した場合も、確認者と根拠資料を記録しておけば、判断の再現性が高まります。
また、対象確認欄は協力会社との共有にも役立ちます。協力会社に対して、どの作業について施工計画や仮設情報が必要なのかを示せます。協力会社が自社の作業だけを見ている場合でも、月間工程に対象確認欄があれば、元請側が求めている情報を伝えやすくなります。
対象確認欄は、複雑な管理表である必要はありません。重要なのは、月間工程の中で88条申請の対象判定の状態が見えることです。対象確認を工程管理と切り離さず、同じ資料で管理することで、確認漏れや直前対応を減らせます。
方法2 対象になり得る作業を工程名だけで判断しない
月間工程で88条申請の対象工事を管理する際に注意すべきなのは、工程名だけで対象か対象外かを判断しないことです。工程表には、「改修工」「補修工」「撤去工」「設備工」「仮設工」「準備工」といった大まかな作業名が記載されることがあります。しかし、これらの名称だけでは、88条申請の対象確認に必要な情報は十分に分かりません。
たとえば、「準備工」と書かれている工程の中に、足場設置、仮設通路設置、重機搬入、資材搬入、既設物の一部撤去が含まれている場合があります。「設備工」と書かれていても、既設設備の撤去、新設設備の搬入、重量物据付、仮設作業床の設置が含まれることがあります。「外構工」と書かれていても、掘削、重機使用、仮設ヤードの確保が必要になることがあります。
88条申請の対象判断では、工程名ではなく実際の作業内容を確認します。月間工程に記載された作業名を見て、対象になり得る要素が隠れていないかを確認します。足場、支保工、作業床、仮設構 台、解体、撤去、掘削、重機、重量物搬入、設備据付、高所作業などの要素が含まれる可能性がある場合は、詳細確認が必要です。
工程名が抽象的な場合は、協力会社や施工担当者に作業内容を確認します。「この準備工には何が含まれますか」「撤去工の対象はどこまでですか」「設備工で重量物搬入はありますか」「仮設工に足場や支保工は含まれますか」といった確認を行います。確認結果を月間工程の対象確認欄に反映します。
また、工程表の作業名は本体工事に偏りがちです。仮設設置や撤去、搬入、養生、復旧が省略されている場合があります。しかし、88条申請の対象確認では、これらの付帯作業が重要になることがあります。月間工程を確認する際は、本体作業の前後にどのような準備作業や撤去作業があるかを確認します。
工程名だけで判断しないためには、作業を分解する習慣が必要です。改修工事なら、仮設、養生、既設撤去、下地処理、補修、仕上げ、検査、仮設撤去に分けて考えます。設備更新なら、既設停止、切 り離し、撤去、搬出、新設搬入、据付、接続、試運転に分けます。土木や外構では、仮設、掘削、基礎、埋戻し、舗装、撤去、復旧に分けます。
工程名だけで対象外と判断すると、後から施工計画書や安全書類を見た段階で対象確認が必要な作業が見つかることがあります。そうなると、月間工程の中で確認が後追いになり、申請準備や資料整理が遅れる可能性があります。
月間工程は、対象工事を発見する入口として使います。工程名をそのまま受け取るのではなく、その中に含まれる実作業を確認し、88条申請の対象になり得る作業を拾い上げることが重要です。
方法3 足場、支保工、作業床、仮設設備の開始日を入れる
月間工程で88条申請の対象工事を管理するうえで、足場、支保工、作業床、仮設設備の開始日を入れることは非常に重要です。これらの仮設は、本体工事より前に設置されることが多く、対象 確認のタイミングに大きく影響します。本体作業の開始日だけを見ていると、仮設設置の確認が遅れる可能性があります。
足場については、設置開始日、使用開始日、解体予定日を月間工程に入れます。外壁工事や屋根工事だけでなく、設備撤去や改修工事でも足場を使うことがあります。足場設置日が本体工事より早い場合、88条申請の対象確認も足場設置前に完了している必要があります。工程表に「足場設置」と明記されていない場合は、仮設工の中身を確認します。
支保工については、組立開始日、荷重を受ける日、盛替え日、解体日を管理します。支保工は、型枠工事、既設構造物の仮受け、撤去や改修の仮設支持で使われることがあります。支保工がいつから必要になるのかを月間工程に入れておくことで、計画図や構造計算、施工手順の確認期限を設定しやすくなります。
作業床については、設置日と使用作業を確認します。高所作業、設備まわり、屋上、橋梁下部、法面、開口部周辺などでは、作業床や仮設ステージが必要になる場合があります。作業床が資材仮置きや機械使用を伴う場合は、荷重条件も確認する必要があります。作業床の設置開始日を工程に入れることで、仮設計画の確認漏れを防げます。
仮設設備については、仮設通路、仮囲い、仮設階段、昇降設備、仮設構台、揚重設備、資材置場、仮設電源、養生設備の設置日を確認します。これらは月間工程では「仮設工」とまとめられやすい項目です。しかし、88条申請の対象確認では、どの仮設がいつ設置されるのかを分けて管理することが有効です。
仮設の開始日を入れる際は、協力会社の工程と元請の月間工程を照合します。協力会社の予定では足場設置が月初になっているのに、元請の月間工程では中旬の本体工事だけが記載されている場合があります。このようなずれがあると、対象確認が遅れます。下請工程、仮設工程、安全書類の予定日を月間工程に反映します。
また、仮設の変更にも注意します。足場範囲が広がる、支保工が追加される、作業床の設置日が前倒しされる、仮設構台の位置が変わるといった変更があれば、月間工程も更新します。工程変更時に対象確認欄も見直すことで、申請漏れを防ぎやすくなります。
足場、支保工、作業床、仮設設備は、88条申請の対象判断で見落としやすい一方、工程上は本体工事より早く動くことが多い項目です。月間工程に仮設の開始日を明確に入れることで、着工前確認を前倒ししやすくなります。
方法4 解体、撤去、改修、更新の着手日を分けて管理する
月間工程で88条申請の対象工事を管理する際は、解体、撤去、改修、更新の着手日を分けて管理します。これらの作業は、工事件名や工程名としてまとめられやすいですが、実際には複数の作業に分かれます。特に既設物の撤去や設備更新は、対象確認が必要な作業が本体工事より早く始まる場合があります。
解体や撤去では、撤去開始日、切断作業日、搬出日、仮置き日、養生日を確認します 。工程表に「撤去工」とだけ書かれていても、その中には足場設置、養生、既設物の切断、搬出、重機使用、仮受けが含まれることがあります。88条申請の対象確認では、撤去工全体ではなく、対象になり得る作業がいつ始まるかを把握する必要があります。
改修工事では、既設部分を触る作業の開始日を確認します。表面補修だけでなく、下地撤去、開口、はつり、補強、支保工設置、高所作業が含まれる場合があります。改修工事の工程が「改修工」と一括で書かれていると、対象確認に必要な作業が見えません。月間工程では、対象になり得る作業を分けて記載するか、対象確認欄で詳細を管理します。
更新工事では、既設撤去と新設作業を分けて管理します。新設設備の据付日だけを見ていると、既設設備の撤去や搬出が先に始まることを見落とす場合があります。設備更新では、既設停止、切り離し、撤去、搬出、新設搬入、据付、接続、試運転の流れを確認します。特に、撤去や搬入で重機や作業床を使う場合は、着手日を明確にします。
月間工程でこれらの着手日を管理する際は、協力会社の作業開始日を反映します。元請の工程表では本体工事の開始日だけが記載されていても、協力会社はその前に準備や撤去を始める場合があります。協力会社の工程表、安全書類、施工計画書から実際の着手日を確認します。
解体、撤去、改修、更新では、現地条件によって範囲が変わることがあります。現地調査後に追加撤去が必要になる、改修範囲が広がる、設備の搬入方法が変わるといった場合、工程も変わります。月間工程の更新時には、作業範囲の変更と対象判定への影響を確認します。
また、撤去や更新作業が複数工区に分かれる場合は、工区ごとに着手日を管理します。全体としては翌月の作業でも、一部工区の撤去だけ今月に前倒しされる場合があります。工区ごとの着手日を見ないと、対象確認が漏れやすくなります。
解体、撤去、改修、更新は、88条申請の対象判断で見落としが多い作業です。月間工程で着手日を分けて管理することで、対象確認に必要な資料準備や社内確認を前倒しできます。
方法5 高さ、深さ、規模、重量、使用機械の未確認項目を工程に反映する
月間工程で88条申請の対象工事を管理するには、高さ、深さ、規模、重量、使用機械などの未確認項目を工程に反映することが重要です。対象判定に必要な数値や条件が未確認のままでは、対象か対象外かを確定できません。未確認項目を工程表とは別に管理すると、確認期限を忘れやすくなります。月間工程の中に未確認項目を見える化することで、確認漏れを防ぎやすくなります。
高さに関する未確認項目には、作業高さ、足場高さ、作業床高さ、支保工高さ、設備設置高さがあります。工程表に高所作業がある場合でも、実際の高さが分からなければ対象判定は不安定です。月間工程に「足場高さ確認待ち」「作業床高さ未確認」と記録し、確認期限を入れておくことで、着手前に確認しやすくなります。
深さに関する未確認項目には、掘削深さ、ピット深さ、基礎掘削、埋設物撤去深さがあります。外構、配管、基礎、排水、設備更新では、掘削の有無や深さが施工計画段階で明らかになることがあります。掘削開始日が近い場合は、深さの確認期限も早める必要があります。月間工程に掘削開始日と深さ確認予定を合わせて記載します。
規模に関する未確認項目には、足場面積、撤去数量、施工面積、配管延長、設置台数、仮設範囲、工区数があります。規模が分からないと、作業の実態が把握できません。数量表や施工図の確定待ちであれば、その提出日や確認日を月間工程に入れておきます。
重量に関する未確認項目には、撤去物重量、新設設備重量、搬入資材重量、仮置き荷重があります。重量物の有無は、重機配置、搬入経路、作業床、仮設構台の計画に影響します。設備仕様書や協力会社資料の提出日を工程に入れ、重量確認が遅れないようにします。
使用機械に関する未確認項目には、重機の種類、能力、設置位置、作業半径、搬入経路、使用日があります。月間工程に重機作業日があるのに、重機配置図や使用機械一覧が未提出であれば、対象判定に必要な情報が不足しています。重機使用日より前に資料確認日を設定します。
未確認項目を工程に反映する際は、確認先も明確にします。設計担当者に確認するのか、協力会社に確認するのか、現地測定が必要なのか、設備仕様書の提出待ちなのかを記録します。確認先が曖昧だと、未確認項目が残り続けます。
また、未確認項目がある作業は、対象外判断を確定しない運用にします。月間工程上で「要確認」や「資料待ち」と表示し、確認が完了したら対象、対象外、再判定不要などの状態に更新します。未確認のまま作業日が近づいている場合は、工程会議で優先して確認します。
高さ、深さ、規模、重量、使用機械は、88条申請の対象判断に直結する条件です。これらの未確認項目を月間工程に組み込むことで、確認漏れを防ぎ、判断のタイミングを逃しにくくなります。
方法6 協力会社の施工計画提出日を月間工程に組み込む
88条申請の対象工事を月間工程で管理するには、協力会社の施工計画提出日を工程に組み込むことが大切です。対象判定に必要な情報は、元請の初期資料だけでは分からないことがあります。足場計画、支保工計画、重機配置、撤去方法、搬入計画、作業床の使用条件などは、協力会社の施工計画で具体化する場合が多いです。
協力会社の施工計画提出日が工程に入っていないと、着工直前に資料が出てきて、対象確認が遅れる可能性があります。月間工程には、作業開始日だけでなく、施工計画書、作業手順書、仮設計画図、足場計画図、支保工計画図、重機配置図、搬入計画、撤去計画、安全書類の提出予定日を入れます。
提出日を管理する際は、作業開始日から逆算します。足場設置や支保工設置、撤去開始、重機搬入の直前に資料が提出されても、確認や修正の時間が不足します 。提出後に元請確認、安全担当者確認、必要に応じた修正、対象判定の再確認が必要になるため、月間工程上で十分な確認期間を確保します。
提出資料の種類も作業内容に応じて変わります。足場を使う場合は足場計画図や作業手順、支保工がある場合は支保工計画図や構造計算、重機を使う場合は重機配置図や搬入経路、撤去がある場合は撤去手順や搬出計画を求めます。月間工程の中で、どの資料がどの作業に必要なのかを対応させると管理しやすくなります。
協力会社が複数ある場合は、会社ごとの提出日を管理します。足場業者、設備業者、解体業者、土工業者、重機作業を行う会社がそれぞれ別の資料を持っている場合があります。各社の提出日がばらばらだと、全体としての対象確認が遅れることがあります。月間工程で各社の資料提出状況を見える化します。
提出資料が未提出の場合は、対象確認欄を「資料待ち」とします。資料未提出のまま対象外と判断することは避けます。協力会社から口頭で「足場なし」「重機なし 」と聞いていても、施工計画書で実際の作業内容を確認するまで判断を保留する場合もあります。口頭確認は補助情報として記録し、正式資料の提出を待ちます。
また、提出された施工計画が変更された場合は、再提出日も月間工程に反映します。初回提出後に重機配置が変わる、仮設範囲が広がる、撤去方法が変わる、工程が前倒しされる場合、改訂版の確認が必要です。改訂版の提出日と確認日を月間工程で管理します。
協力会社の施工計画提出日を月間工程に組み込むことで、88条申請の対象判定に必要な情報を早めに集められます。施工計画の確認を工程管理の一部として扱うことが、対象漏れ防止に有効です。
方法7 工程変更時に88条申請の対象判定を再確認する
月間工程で88条申請の対象工事を管理するうえで、工程変更時の再確認は欠かせません。工事の工程は、天候、資材納期、協力会社の都合、現地条件、発注者指示、施工方法変更によって変わることがあります。工程が変われば、対象作業の着手日や仮設条件、同時作業の有無も変わる可能性があります。
工程変更で特に注意すべきなのは、対象になり得る作業の前倒しです。足場設置、支保工設置、撤去開始、掘削開始、重機搬入、設備据付などが前倒しされると、88条申請の確認期限も早まります。月間工程を更新した際は、対象確認欄も同時に見直します。
工程変更により同時施工が発生する場合もあります。当初は別々に行う予定だった作業が重なり、足場や作業床を共用する、重機作業と撤去作業が同時になる、支保工設置中に別作業が入るといったことがあります。同時施工になると、仮設や安全対策の条件が変わる場合があるため、対象判定を再確認します。
また、工程変更により仮設の存置期間が変わることもあります。足場や支保工、作業床が予定より長く残る、仮設構台を別作業でも使う、資材置場の期間が延びるといった場合です。仮設の使用条件が変わると、対象確認の前提も変わる可能性があります。
工程変更時には、協力会社の施工計画も確認します。月間工程が変わっても、協力会社の施工計画書や安全書類が旧工程のままの場合があります。工程表だけ更新され、仮設計画や作業手順が更新されていないと、資料間の不一致が起こります。88条申請の対象判定では、工程表、施工計画書、安全書類の整合を確認します。
工程変更の記録には、変更前の工程、変更後の工程、変更理由、対象判定への影響を残します。変更が対象判定に影響しない場合でも、なぜ影響しないと判断したのかを記録しておくと、後から確認しやすくなります。影響がある場合は、追加資料の提出や社内確認を行います。
工程変更時の再確認を確実にするには、月間工程の更新手順に88条申請の確認を組み込むことが重要です。工程担当者が工程を更新したら、安全担当者や書類担当者にも共有し、対象確認欄を見直します。工程会議で「変更により88条申請の対象確認に影響があるか」を確認する運用にすると 、漏れを減らせます。
88条申請の対象判定は、初回工程だけで完結するものではありません。月間工程が変わるたびに、対象作業、仮設、着手日、施工計画の影響を確認することが必要です。
方法8 対象外判断と再判定条件を月間工程に残す
月間工程で88条申請の対象工事を管理する際は、対象外判断と再判定条件も残すことが重要です。対象工事として管理する作業だけでなく、対象外と判断した作業についても、なぜ対象外としたのかを記録しておかなければ、後から工程変更や施工方法変更があったときに再確認できません。
対象外判断の根拠には、作業内容、仮設の有無、足場や支保工の有無、作業床の有無、掘削の有無、撤去範囲、重量物の有無、使用機械、数値条件、確認資料、確認者、確認日を残します。月間工程の対象確認欄には、簡潔に「対象外」と書くだけでなく、根拠資料や確認状況が分かる ようにします。
たとえば、「対象外、足場なし、掘削なし、協力会社確認済み」「要再確認、搬入方法未確定」「対象外見込み、支保工なし、施工計画確認済み」といった状態を記録します。詳細は別の確認シートや議事録に残し、月間工程には参照先を入れる運用も有効です。
再判定条件も月間工程に残します。施工範囲が広がった場合、足場や作業床が追加された場合、支保工を使うことになった場合、掘削が追加された場合、撤去範囲が広がった場合、重機使用が追加された場合、工程が前倒しされた場合は、対象判定を見直す必要があります。これらを再判定条件として明確にします。
対象外判断をした後も、月間工程の更新時に再判定条件に該当しないかを確認します。対象外のままになっている作業でも、工程変更や協力会社計画の変更により前提が変わることがあります。月間工程上で対象外の作業を完全に消してしまうのではなく、再判定条件がある場合は記録を残します。
対象外判断の根拠がないと、担当者交代時に判断が引き継げません。前任者が対象外と判断していても、なぜそう判断したのかが分からなければ、後任者は判断を再度やり直す必要があります。月間工程に確認状況と根拠の参照先を残しておけば、引き継ぎがしやすくなります。
また、対象外判断は安全書類や施工計画と整合している必要があります。月間工程では対象外となっているのに、安全書類には足場や重機が記載されている場合、再確認が必要です。対象外判断を月間工程に残すことで、他資料との不一致に気づきやすくなります。
88条申請の対象管理では、対象工事だけを追うのではなく、対象外判断も管理します。対象外とした根拠と再判定条件を月間工程に残すことで、現場変更に強い管理ができます。
月間工程で対象工事管理が漏れやすい場面
月間工程で88条申請の対象工事を管理していても、いくつかの場面では漏れが起きやすくなります。まず多いのは、準備工や仮設工の中身を確認していない場合です。工程表に「準備工」とだけ書かれていると、対象確認が必要な作業が含まれていても見落としやすくなります。準備工の中に足場設置、重機搬入、仮設構台設置、撤去準備が含まれていないか確認します。
次に、協力会社の工程が月間工程に反映されていない場合です。元請の工程表では本体作業しか見えておらず、協力会社の仮設設置や撤去準備が別工程になっている場合があります。協力会社の作業が先行する場合、88条申請の確認期限も早まります。元請工程と下請工程を照合することが重要です。
改修や更新工事も漏れやすい場面です。工事件名が軽く見えるため、月間工程上では一つの作業として扱われがちです。しかし実際には、既設撤去、搬出、新設搬入、据付、仮設、復旧が含まれることがあります。工程名を分解して確認しなければ、対象確認が遅れる可能性があります。
複数工区の現場でも漏れが起きやすくなります。全体工程では対象作業がまだ先に見えても、一部工区では先に始まることがあります。工区ごとの作業内容と着手日を確認しなければ、早期着手の対象作業を見落とします。
工程変更時の再確認漏れも多い問題です。月間工程が更新されても、88条申請の対象確認欄が更新されない場合があります。作業が前倒しされた、仮設が追加された、撤去範囲が広がったといった変更が反映されなければ、初期判断のまま工事が進んでしまいます。
安全書類や施工計画書との不一致も漏れの原因になります。月間工程では対象外に見えても、安全書類には高所作業や重機使用が記載されている場合があります。工程表だけで判断せず、関連資料と照合することが必要です。
対象外判断の根拠が残っていない場合も、後から漏れにつながります。月間工程に対象外とだけ記載されている場合 、変更時に再判定すべきか分かりません。対象外判断の根拠と再判定条件を残すことで、漏れを防ぎやすくなります。
月間工程で対象工事を管理するには、作業名、協力会社工程、仮設、変更、関連資料を一体で見ることが重要です。工程表を単なる日程表としてではなく、対象確認の管理表として使うことが必要です。
88条申請の対象確認を月間工程で運用する流れ
88条申請の対象確認を月間工程で運用するには、毎月の工程作成時に確認の流れを決めておくことが有効です。最初に、翌月または当月に予定されている全作業を確認します。その中から、足場、支保工、作業床、仮設構台、解体、撤去、掘削、重機、重量物搬入、設備更新、高所作業を含む可能性のある作業を抽出します。
次に、抽出した作業について、対象確認欄に状態を記録します。対象、対象外、要確認、資料待ち、再判定必要といった状態を入れます。未確認項目がある場合は、確認先と確認期限を設定します。ここで重要なのは、空欄を残さないことです。空欄は確認漏れにつながります。
次に、仮設や対象作業の着手日を確認します。足場設置日、支保工設置日、撤去開始日、掘削開始日、重機搬入日、設備搬入日を月間工程に入れます。本体工事の開始日だけでなく、対象確認に関係する作業の開始日を見ます。
次に、協力会社の施工計画提出日を確認します。施工計画書、作業手順書、仮設計画図、足場計画図、支保工計画図、重機配置図、搬入計画、撤去計画、安全書類の提出予定日を工程に入れます。提出日が作業開始日に近すぎる場合は、前倒しを依頼します。
次に、関連資料を照合します。月間工程、施工図、発注仕様書、施工計画書、安全書類、協力会社資料を確認し、作業内容や日付に不一致がないかを見ます。工程表には記載がないが施工計画書には仮設がある、安全書類には重機使用がある、といった差があれば再確認します。
次に、工程会議で対象確認状況を共有します。対象可能性のある作業、未確認項目、資料待ちの項目、再判定が必要な項目を確認します。担当者と期限を決め、次回会議で進捗を確認します。
最後に、工程変更時の再判定を行います。月間工程が更新された場合、対象確認欄も更新します。対象作業の前倒し、仮設追加、撤去範囲変更、重機変更、協力会社変更があれば、88条申請の対象判定を見直します。変更が対象判定に影響しない場合でも、その理由を記録します。
この流れを毎月の工程管理に組み込むことで、88条申請の対象確認を特別な作業としてではなく、通常の工程管理の一部として運用できます。月間工程を活用すれば、対象工事の見落としを防ぎ、着工前の確認を安定して進められます。
月間工程と現場情報の管理にLRTKを活用する
88条申請の対象工事を月間工程で管理するには、工程上の作業名や日付だけでなく、現場のどこでその作業が行われるのかを正確に把握することが重要です。月間工程に「足場設置」「撤去工」「設備搬入」「重機作業」と書かれていても、その場所が図面上のどこなのか、現地のどの範囲なのかが分からなければ、対象判断や関係者共有が難しくなります。
このような場面では、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用すると、月間工程と現場情報を結び付けやすくなります。足場予定位置、支保工設置箇所、作業床の範囲、撤去対象、掘削範囲、重機配置予定位置、搬入経路、資材置場、仮設ヤード、工区境界などを、現地写真と位置情報を合わせて記録できます。
月間工程で対象可能性のある作業を見つけたら、現地でその場所を確認し、位置情報付きの写真を残しておくと、社内の安全担当者や協力会社と共有しやすくなります。たとえば、工程表に「第二工区撤去」と書かれていても、具体的な撤去対象や搬出経路が分からない場合があります。LRTKで位置付き記録を残せば、工程、図面、現地写真をつな げて確認できます。
工程変更時にも、位置情報付きの現場記録は有効です。足場範囲が広がった、重機配置が変わった、撤去範囲が追加された、搬入経路が変更された場合、変更前後の位置情報を比較できます。月間工程上の変更と現場での変更箇所を結び付けることで、88条申請の対象判定を再確認しやすくなります。
また、対象外判断の根拠を残す場合にも役立ちます。月間工程で対象外とした作業について、現場写真と位置情報を残しておけば、後から施工範囲や仮設条件が変わったときに比較できます。初期判断時の範囲と変更後の範囲を確認できれば、再判定の要否を判断しやすくなります。
LRTKは、iPhoneに装着して高精度な測位を行いながら現場記録を残せるため、月間工程に記載された作業と現場の位置を対応させる手段として活用できます。工程表上の作業名、現地写真、位置情報、判断履歴を結び付けることで、担当者間の認識違いを減らせます。
88条申請の対象工事を月間工程で管理するには、日付管理だけでなく、場所、範囲、仮設、変更履歴を一体で見ることが大切です。LRTKを活用すれば、月間工程の対象確認と現場情報をつなげやすくなり、申請漏れ防止、工程変更時の再判定、協力会社との認識合わせを効率化できます。
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