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ガウシアン3D端末で災害調査を早める活用ポイント5つ

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この記事は平均7分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

災害発生後の現場調査では、限られた時間の中で被害状況を正確に把握し、関係者へ共有し、復旧判断につなげる必要があります。道路の陥没、法面の崩落、河川周辺の洗掘、構造物の損傷、土砂の堆積、建物や設備の変形など、確認すべき対象は多岐にわたります。現場では安全確保を最優先しながら、短時間で必要な情報を集めなければなりません。そのため、従来の写真記録や手書きメモだけでは、後から状況を説明する際に情報が不足することがあります。


そこで注目されるのが、ガウシアン3D端末を使った災害調査です。ガウシアン3D端末は、現場を立体的に記録し、被災箇所の形状、周辺状況、損傷の広がり、アクセス経路、危険箇所の位置関係を後から確認しやすくするための手段として活用できます。災害現場では、調査者が何度も現地へ入ることが難しい場合があります。二次災害の危険、交通規制、天候変化、立入制限、復旧作業の進行によって、同じ状態を再度確認できるとは限りません。初動調査の段階で、できるだけ多くの現場情報を立体的に残しておくことが重要です。


ガウシアン3D端末の価値は、単にきれいな3D表示を作ることだけではありません。現場に行っていない管理者や技術者が、被害の大きさや位置関係を把握できること、復旧方法を検討するための材料を早く共有できること、報告資料や協議資料の作成を効率化できることにあります。災害調査では、現場で撮る、事務所で確認する、関係者に共有する、復旧方針を決めるという流れをいかに短縮できるかが重要です。


この記事では、ガウシアン3D端末で災害調査を早めるための活用ポイントを5つに分けて解説します。読者は、災害調査、土木管理、道路管理、河川管理、施設管理、施工会社、点検業務などで、現場記録の効率化を検討している実務担当者を想定しています。導入前に確認すべき考え方から、現場での撮影手順、共有方法、復旧判断へのつなげ方まで、実務で使いやすい視点で整理します。


目次

ガウシアン3D端末が災害調査に向いている理由

活用ポイント1 初動調査で被害範囲を立体的に記録する

活用ポイント2 危険箇所に近づきすぎず周辺状況を残す

活用ポイント3 現場写真と3D記録を組み合わせて説明を早める

活用ポイント4 復旧検討に必要な位置関係を共有する

活用ポイント5 調査記録を時系列で残し変化を比較する

災害調査で撮影前に決めるべきこと

ガウシアン3D端末を災害対応フローに組み込む考え方

まとめ


ガウシアン3D端末が災害調査に向いている理由

災害調査では、現場の状況を短時間で把握しなければなりません。被害が発生した直後は、現場への進入経路が限られていたり、天候が悪かったり、周辺の安全が十分に確認できなかったりします。そのような状況では、調査者が現場で長時間計測したり、何度も行き来したりすることが難しくなります。ガウシアン3D端末を使うことで、現場に入れる限られた時間の中で、被害箇所と周辺環境をまとめて記録しやすくなります。


従来の写真記録では、撮影した方向の情報しか残りません。被害箇所の正面写真を撮っても、奥行き、周辺との高低差、道路や構造物との位置関係、土砂の広がり方、崩落面の形状などは伝わりにくいことがあります。写真だけを見た関係者から、別角度の写真はないか、全体像は分かるか、どの位置から撮ったのかと確認されることもあります。ガウシアン3D端末による記録であれば、現場を立体的に確認できるため、写真だけでは伝わりにくい空間情報を補いやすくなります。


災害現場では、被害の全体像と詳細の両方が必要です。たとえば、道路が崩落している場合、崩落箇所そのものだけでなく、通行可能な幅、隣接する法面、排水の状況、亀裂の広がり、周辺構造物、迂回や仮復旧の余地なども確認する必要があります。河川や水路の被害であれば、護岸、洗掘、堆積物、流路の変化、周辺道路や施設への影響が重要になります。ガウシアン3D端末は、こうした複数の情報を一つの空間記録として残せる点で、災害調査との相性が良いといえます。


また、災害調査では、現場に行ける人と判断する人が別になることが多くあります。現地の担当者が撮影し、事務所や本部、自治体、発注者、設計者、施工会社、協力会社がその情報を見て判断するという流れです。このとき、現場に行っていない人でも状況を理解できる資料があると、確認や協議が早く進みます。ガウシアン3D端末で立体的な記録を共有できれば、口頭説明や静止画だけに頼る場合よりも、認識のずれを減らしやすくなります。


災害対応では、時間の経過とともに現場の状態が変わります。雨が続けば土砂がさらに流れ、応急復旧が始まれば被災直後の状態は見えなくなります。立入規制や安全対策が進むことで、最初に確認できた範囲が後から確認できなくなることもあります。だからこそ、初動段階で3D記録を残しておくことには大きな意味があります。被災直後の状態を後から振り返れることは、復旧方針の検討だけでなく、原因調査、報告、引き継ぎ、再発防止にも役立ちます。


活用ポイント1 初動調査で被害範囲を立体的に記録する

災害調査を早める第一のポイントは、初動調査で被害範囲を立体的に記録することです。災害現場では、最初にどこまで被害が広がっているのかを把握する必要があります。被害箇所だけを近くから撮影すると、損傷の詳細は分かっても、全体の広がりや周辺への影響が見えにくくなります。ガウシアン3D端末を使う場合は、まず被害範囲の外側から全体を押さえ、その後に重要箇所を詳細に記録する流れが有効です。


初動調査では、被害の中心だけに意識を集中しないことが大切です。道路の一部が陥没している場合でも、陥没箇所の周辺に亀裂が広がっている可能性があります。法面が崩れている場合は、崩落した土砂だけでなく、上部の残存斜面、下部の堆積範囲、近接する道路や水路、排水の流れも確認する必要があります。構造物が損傷している場合は、損傷部、周辺の変形、基礎、接続部、隣接設備との関係を残しておくと、後から原因や復旧方法を検討しやすくなります。


ガウシアン3D端末で初動調査を行う際は、現場の外周、被害中心、周辺影響範囲の順で撮影すると整理しやすくなります。外周を撮影することで、現場全体の位置関係を把握できます。次に被害中心を複数方向から撮影することで、損傷の形状や深さ、広がりを確認しやすくなります。最後に周辺影響範囲を撮影することで、通行規制、仮復旧、資材搬入、重機配置、安全対策に関する判断材料を残せます。


被害範囲を立体的に記録する際は、起点と終点を明確にしておくことも重要です。災害現場では、撮影したデータがどの範囲を示しているのかが分からないと、関係者間で認識のずれが生まれます。たとえば、道路であれば起点側と終点側、河川であれば上流側と下流側、施設であれば入口側と奥側、斜面であれば上部と下部を意識して撮影します。方向が分かるように記録しておくと、後から説明するときに非常に役立ちます。


また、災害調査では、被害がないように見える周辺部も記録しておく価値があります。被害中心だけを撮影すると、どこまでが被害範囲なのか判断しづらくなります。周辺の健全部分や未被災部分を一緒に記録しておくことで、被害箇所との比較がしやすくなります。復旧設計や原因調査では、壊れている部分だけでなく、壊れていない部分との違いが重要になることがあります。


初動調査の目的は、完璧な計測成果を作ることではなく、現場の判断を早めるための情報を集めることです。そのため、撮影範囲を広く押さえつつ、特に重要な箇所は密度を上げて撮影するという考え方が適しています。全体を粗く、重要部を詳しく、というメリハリをつけることで、短時間でも使える3D記録を残しやすくなります。


活用ポイント2 危険箇所に近づきすぎず周辺状況を残す

災害調査では、安全確保が最優先です。被災直後の現場には、崩落の拡大、地盤の緩み、倒壊、落石、感電、浸水、交通事故、重機との接触など、さまざまな危険があります。調査を早めたいからといって、危険箇所へ無理に近づくことは避けなければなりません。ガウシアン3D端末を活用する際も、安全な位置から記録できる範囲を最大化する考え方が重要です。


危険箇所に近づきすぎずに調査を行うには、撮影位置を複数確保することが有効です。一方向から近づくのではなく、安全な外周や高低差のある位置、反対側の道路、構造物の上部、広い場所などから複数方向で撮影すると、危険範囲に入らなくても状況を把握しやすくなります。ガウシアン3D端末では、視点を変えながら撮影することで、現場の形状や位置関係を立体的に残せるため、無理に一点へ接近しなくても情報を補いやすくなります。


たとえば、法面崩落の現場では、崩落面の直下に近づくことは危険です。この場合、下部から正面を撮るだけでなく、横方向、上部に近い安全な場所、周辺道路、対岸や離れた地点などから記録することで、崩落範囲や土砂の広がりを確認しやすくなります。道路陥没の場合も、穴の縁に近づきすぎると二次崩落の危険があります。安全な距離を保ちながら、周囲を回り込むように撮影し、端部や亀裂の広がりを確認することが重要です。


周辺状況を残すことも、危険を避けるうえで役立ちます。災害調査では、被害箇所だけでなく、通行止めの範囲、迂回路、資材置き場、重機進入路、作業ヤード、仮設排水の位置なども重要になります。復旧作業を早めるには、どこに重機が入れるか、どこに資材を置けるか、どの範囲を立入禁止にすべきかを判断する必要があります。ガウシアン3D端末で周辺状況を含めて記録しておけば、現場に行っていない関係者も作業計画を検討しやすくなります。


危険箇所の記録では、見えない部分を無理に撮ろうとしない判断も必要です。立入禁止区域や崩落の恐れがある場所、足場が不安定な場所には入らず、安全な範囲で記録します。記録が不足する場合は、別の手段と組み合わせることも考えます。ガウシアン3D端末は万能ではありませんが、安全な位置から得られる情報を最大限に活用することで、現地確認の負担を減らし、初動判断を早めることができます。


また、危険箇所を撮影する際は、撮影者の目線だけでなく、端末の向きと足元の安全を常に意識する必要があります。3D記録に集中すると、足元の段差やぬかるみ、資材、崩れた舗装、開口部を見落とすことがあります。撮影前に安全な歩行ルートを決め、撮影中は急いで移動しないことが大切です。災害調査では、早さと安全の両立が求められます。安全に撮れる範囲を確実に記録し、危険な場所には近づきすぎない運用を徹底することで、調査の質と安全性を両立できます。


活用ポイント3 現場写真と3D記録を組み合わせて説明を早める

災害調査では、関係者への説明をいかに早く、分かりやすく行えるかが重要です。ガウシアン3D端末による3D記録は、現場の立体的な状況を伝えるうえで有効ですが、報告書や協議資料では、従来の写真も引き続き重要です。3D記録と現場写真を組み合わせることで、被害状況の説明、資料作成、関係者間の認識合わせを早めることができます。


写真の強みは、特定箇所を分かりやすく切り出せることです。ひび割れ、段差、破損、洗掘、土砂堆積、変形、濁水、倒木、標識や構造物の損傷など、注目すべき箇所を一枚で示せます。一方で、写真だけでは、撮影場所や向き、周辺との関係が分かりにくい場合があります。ガウシアン3D端末による記録は、この弱点を補います。3D記録で全体の位置関係を示し、写真で詳細を示すことで、説明の流れが明確になります。


たとえば、災害報告では、まず3D記録から現場全体を示し、次に被害中心の近景写真を見せ、最後に復旧検討に必要な箇所を説明するという流れが有効です。これにより、関係者は最初に全体像を把握し、その後に詳細を理解できます。写真だけを順番に並べると、どの写真がどの位置を示しているのか分かりにくくなりますが、3D記録を案内図のように使えば、写真の意味が伝わりやすくなります。


現場写真と3D記録を組み合わせる際は、撮影時に対応関係を意識することが大切です。3D記録を撮った範囲と、通常写真を撮った場所が分からなくなると、後から整理に時間がかかります。撮影場所、対象名、方向、工程、被害内容が分かるようにデータ名やメモを残しておくと、資料化が早くなります。災害対応では、調査後すぐに報告が必要になることが多いため、現場での整理が後工程の時間短縮につながります。


また、写真と3D記録を組み合わせることで、説明の説得力も高まります。写真では局所的に見える被害でも、3D記録で見ると周辺まで影響が及んでいることが分かる場合があります。反対に、写真では大きく見える損傷でも、3D記録で周辺状況を見ると限定的な被害と判断できる場合もあります。複数の情報を組み合わせることで、過大評価や過小評価を避けやすくなります。


災害調査では、報告先によって必要な情報が異なります。現場責任者は安全確保と応急対応に必要な情報を重視します。管理者は被害範囲、復旧の優先順位、関係機関との調整に必要な情報を見ます。設計者や施工者は、復旧工法や資材、施工ヤードに関する情報を求めます。発注者や自治体関係者は、被害概要、対応状況、今後の見通しを確認します。3D記録と写真を組み合わせることで、それぞれの立場に応じた説明を組み立てやすくなります。


活用ポイント4 復旧検討に必要な位置関係を共有する

災害調査を早めるには、被害を記録するだけでなく、復旧検討に必要な位置関係を早く共有することが重要です。復旧作業では、被害箇所の大きさだけでなく、周辺道路、既設構造物、排水経路、重機進入路、資材搬入経路、仮設スペース、作業員の安全動線などを総合的に判断する必要があります。ガウシアン3D端末は、これらの位置関係を立体的に把握しやすくするため、復旧方針の検討を早める手段になります。


災害現場では、現場に行った人の説明と、事務所で図面を見ている人の認識がずれることがあります。現場担当者は、ここは重機が入れない、ここは足場が悪い、ここは排水が集中している、と感覚的に理解していても、それを写真や口頭だけで伝えるのは難しい場合があります。3D記録を共有できれば、現場の空間的な制約を関係者が同じ画面上で確認しやすくなります。


たとえば、道路災害の復旧では、仮復旧で片側通行を確保できるか、崩落箇所の外側に作業スペースがあるか、既設の水路や擁壁が作業の支障になるかを確認する必要があります。河川や水路の被害では、重機が河川敷へ入れるか、土砂搬出の経路があるか、周辺構造物への影響があるかを検討します。施設内の災害では、設備の損傷だけでなく、搬入経路、電源、仮設養生、安全区画の位置が重要です。こうした情報は、平面的な写真だけでは伝わりにくいため、3D記録が役立ちます。


復旧検討では、被害中心から少し離れた場所の情報も重要になります。被害箇所だけを撮影していると、施工に必要な周辺条件が分かりません。ガウシアン3D端末で周辺も含めて記録しておけば、復旧工法の検討、仮設計画、資材搬入、交通規制、作業順序の検討に使いやすくなります。特に初動段階では、詳細な設計に入る前に、おおよその施工性や制約条件を把握することが大切です。


位置関係を共有する際は、現場名や被害箇所名だけでなく、方向や基準となる地物を明確にすることが重要です。上流側、下流側、起点側、終点側、山側、谷側、海側、道路側、施設入口側など、現場で使われる方向表現を記録に含めると、協議がスムーズになります。3D記録を見る人が、どちらを向いているのか、どの場所を見ているのかを理解できるようにすることが、復旧検討のスピードを上げます。


また、ガウシアン3D端末の記録を図面や台帳、測点、管理番号と関連付けることで、さらに使いやすくなります。災害調査では、どの路線のどの区間か、どの施設のどの部位か、どの管理番号の設備かを明確にする必要があります。3D記録が位置情報や管理情報と紐づいていれば、復旧資料、協議資料、履歴管理に展開しやすくなります。単なる現場映像ではなく、管理情報として使える記録にすることが大切です。


活用ポイント5 調査記録を時系列で残し変化を比較する

災害調査では、一度の撮影で終わるとは限りません。被災直後、応急対応後、仮復旧後、本復旧前、本復旧後というように、現場の状態は段階的に変化します。ガウシアン3D端末を活用する場合、各段階の調査記録を時系列で残しておくことで、変化の把握や説明がしやすくなります。これは、災害対応を早めるだけでなく、後日の検証や維持管理にも役立ちます。


被災直後の記録は、最も重要な基準になります。応急復旧が始まると、土砂が撤去されたり、仮設材が設置されたり、崩落部が養生されたりして、初期状態は失われます。初動段階の3D記録があれば、後から被害の広がり、土砂の堆積状況、水の流れ、構造物の損傷状況を振り返ることができます。これは、原因調査や復旧方針の説明にも使える重要な資料になります。


応急対応後の記録も大切です。災害現場では、通行確保、排水確保、崩落防止、仮設防護、土砂撤去などの応急対応が行われます。この段階を記録しておくと、どのような対策をいつ行ったのか、現場状況がどの程度改善したのかを説明しやすくなります。関係者への報告では、被害状況だけでなく、対応状況を示すことも重要です。3D記録があれば、応急対応の範囲や効果を視覚的に共有できます。


仮復旧や本復旧の段階では、施工前後の比較が重要になります。復旧前の状態と復旧後の状態を同じような範囲で記録しておくと、復旧内容の説明がしやすくなります。たとえば、崩落した法面がどのように整形され、防護工や排水対策がどう配置されたのかを比較できます。道路や施設であれば、損傷箇所がどのように補修され、通行や利用がどの程度回復したのかを示せます。時系列の3D記録は、写真だけでは伝わりにくい変化を補足できます。


時系列で記録する場合は、撮影条件をできるだけそろえることが重要です。毎回まったく同じ条件にする必要はありませんが、同じ開始位置、同じ撮影範囲、同じ方向、同じ対象を意識すると、比較しやすくなります。撮影者が変わる場合でも、撮影ルートや対象範囲が決まっていれば、記録品質のばらつきを抑えられます。災害対応では担当者が交代することもあるため、撮影ルールを簡単に共有できる形にしておくことが大切です。


データ名や管理方法も時系列比較では重要です。撮影日、時間帯、現場名、被害箇所、工程、撮影者、対応段階を分かるようにしておけば、後から必要な記録をすぐに探せます。災害対応では、関係者から急に過去の状態を確認したいと言われることがあります。そのときに、データが整理されていなければ、探すだけで時間がかかります。撮影した直後に整理する習慣を作ることで、記録の活用スピードが上がります。


災害調査で撮影前に決めるべきこと

ガウシアン3D端末を災害調査で使う場合、現場へ行ってから撮影範囲を考えるのではなく、出発前または現場到着直後に最低限の方針を決めることが重要です。災害現場では、予定どおりに動けないことも多いため、事前に細かく決めすぎる必要はありません。しかし、目的と優先順位が曖昧なまま撮影すると、重要な情報が不足しやすくなります。


最初に決めるべきことは、今回の調査目的です。被害の有無を確認する一次調査なのか、復旧方法を検討するための詳細調査なのか、関係者へ状況共有するための記録なのか、工事前後の比較に使う記録なのかによって、撮影すべき内容が変わります。一次調査であれば、広範囲を早く押さえることが優先されます。詳細調査であれば、損傷部や構造物、周辺条件をより丁寧に記録する必要があります。


次に、撮影範囲を決めます。被害中心だけでなく、周辺影響範囲、進入経路、作業スペース、危険箇所、基準となる地物を含めることが大切です。災害調査では、後から見たい情報が増えることがあります。現場で必要だと思った範囲よりも少し広めに記録しておくと、後工程で役立つ場合があります。ただし、安全が確保できない範囲には入らないことが前提です。


撮影ルートも事前に考えます。どこから入り、どこを通り、どこで止まり、どこで全体を撮るのかを決めておくと、短時間で漏れなく記録しやすくなります。被害箇所を中心に、外周、正面、側面、上流側、下流側、起点側、終点側など、方向を意識したルートを作ると説明しやすい記録になります。危険箇所を避けるために、撮影できない範囲も事前に確認しておく必要があります。


撮影前には、端末の状態も確認します。電池残量、保存容量、通信状況、撮影設定、端末の固定状態、画面の見やすさなどを確認しておきます。災害現場では、撮影をやり直す時間が限られるため、基本的な準備不足が大きな手戻りにつながります。雨天や粉じん、泥、暗所など、現場環境に応じた保護や清掃も必要です。


また、撮影後の共有方法も先に決めておくと、調査後の流れが早くなります。誰に共有するのか、どの単位で共有するのか、写真も一緒に送るのか、報告書に使うのか、図面や地図と関連付けるのかを考えておくと、撮影時に必要な情報を取り逃がしにくくなります。災害調査は撮影して終わりではありません。撮影した記録を判断に使える形で届けるところまでが重要です。


ガウシアン3D端末を災害対応フローに組み込む考え方

ガウシアン3D端末を災害対応で効果的に使うには、緊急時だけ使おうとするのではなく、平常時から運用フローに組み込んでおくことが大切です。災害が起きてから使い方を確認していては、初動対応が遅れてしまいます。日常点検、施工記録、維持管理、定期巡回などで普段から端末を使い、撮影ルールや共有方法に慣れておくことで、災害時にもスムーズに活用できます。


平常時に決めておくべきことは、誰が撮影するのか、どの現場を優先するのか、どのような範囲を撮影するのか、データをどこに保存するのか、誰が確認するのかという基本フローです。災害発生時には、担当者が不在だったり、通常とは異なる体制になったりすることがあります。そのような場合でも動けるように、最低限のルールを共有しておく必要があります。


災害対応フローでは、初動記録、詳細記録、復旧記録の三段階で考えると整理しやすくなります。初動記録では、被害範囲、安全上の問題、通行可否、周辺影響を短時間で把握します。詳細記録では、損傷箇所、構造物、地形、排水、施工条件を詳しく確認します。復旧記録では、応急対応や本復旧の進捗、完了状態を残します。このように段階ごとに目的を分けることで、撮影内容が明確になります。


また、ガウシアン3D端末の記録を、既存の業務資料とつなげることも重要です。災害調査では、台帳、図面、地図、点検記録、写真台帳、工事記録、維持管理履歴など、さまざまな情報が使われます。3D記録がこれらと紐づいていなければ、単独のデータとして埋もれてしまう可能性があります。現場名、管理番号、路線名、測点、施設番号、撮影日などを統一して管理することで、後から検索しやすくなります。


関係者への共有方法も、あらかじめ決めておくと対応が早くなります。災害時には、電話、メール、チャット、共有フォルダ、報告書など、複数の手段で情報が流れます。3D記録をどのように見せるのか、写真とどのように組み合わせるのか、どの段階で誰に共有するのかを決めておけば、現場から事務所、事務所から関係者への情報伝達がスムーズになります。特に初動対応では、完璧な資料を作るよりも、必要な情報を早く正確に共有することが大切です。


運用を定着させるには、災害対応後の振り返りも欠かせません。撮影範囲は十分だったか、危険箇所を安全に記録できたか、共有までに時間がかかりすぎなかったか、関係者が必要とした情報は何だったかを確認します。そこで得られた改善点を次回の撮影ルールに反映することで、災害調査のスピードと品質が向上します。ガウシアン3D端末は、使い方を現場ごとに改善していくことで、より実務に合った道具になります。


まとめ

ガウシアン3D端末は、災害調査を早めるための有効な手段です。災害現場では、安全を確保しながら、短時間で被害範囲、損傷状況、周辺条件、復旧に必要な位置関係を把握する必要があります。写真やメモだけでは伝わりにくい立体的な状況を記録できれば、現場に行っていない関係者とも認識を共有しやすくなり、復旧判断や協議のスピードを高められます。


活用のポイントは、初動調査で被害範囲を立体的に記録すること、危険箇所に近づきすぎず安全な位置から周辺状況を残すこと、現場写真と3D記録を組み合わせて説明を早めること、復旧検討に必要な位置関係を共有すること、調査記録を時系列で残して変化を比較することです。これらを意識することで、ガウシアン3D端末は単なる撮影機器ではなく、災害対応の判断材料を早く整えるための現場記録ツールとして活用できます。


災害調査では、同じ現場状態を後から再現できないことが多くあります。被災直後の地形、土砂の堆積、構造物の損傷、道路や水路の状態、応急対応前の状況は、その時点で記録しておかなければ失われます。だからこそ、初動段階でできるだけ分かりやすく、位置関係まで含めた記録を残すことが重要です。ガウシアン3D端末を平常時から使い慣れておき、災害時にすぐ活用できる体制を作ることで、調査、報告、復旧検討の流れを短縮できます。


さらに、災害調査の3D記録を実務で活かすには、正確な位置情報との紐づけが重要になります。どの路線のどの地点か、どの施設のどの範囲か、被害箇所が図面や台帳上のどこに対応するのかが分かれば、調査記録は復旧計画や維持管理に展開しやすくなります。iPhoneに装着して使えるGNSS高精度測位デバイスであるLRTKを組み合わせれば、現場写真や3D記録に高精度な位置情報を付与しやすくなり、災害調査後の整理、共有、台帳化、復旧履歴管理までつなげやすくなります。ガウシアン3D端末で被災状況を立体的に残し、LRTKでその記録に正確な位置の意味を持たせることで、災害調査を早めるだけでなく、後から使える現場データとしての価値を高められます。


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