目次
• 型枠支保工の88条申請漏れが工程管理で起きる理由
• ルール1 型枠支保工の対象候補を工程表に早期登録する
• ルール2 コンクリート打設日ではなく組立開始日で管理する
• ルール3 支柱高さ3.5m以上の確認日を工程に入れる
• ルール4 支保工計画図の提出期限を協力会社と決める
• ルール5 申請書類の社内確認日と修正期間を確保する
• ルール6 工程変更時に88条申請の要否を再確認する
• ルール7 申請状況を週次会議で確認する
• 型枠支保工の88条申請漏れが起きやすい工程パターン
• 工程管理表に入れておきたい確認項目
• LRTKを使った工程管理と現場確認記録の効率化
型枠支保工の88条申請漏れが工程管理で起きる理由
型枠支保工の88条申請漏れは、法令の知識不足だけで起きるものではありません。実務では、工程管理の中で型枠支保工の組立時期や対象候補が見えていないことが原因になる場合が多いです。型枠支保工は、コンクリートを打設するために型枠を支える仮設構造物です。支柱の高さが3.5m以上となる型枠支保工を設置する場合は、労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出が関係します。
88条申請 型枠支保工で検索する実務担当者が特に注意すべきなのは、申請期限をコンクリート打設日だけで管理しないことです。現場の工程表では、打設日が大きな節目として扱われます。そのため、申請準備も打設日から逆算してしまいがちです。しかし、型枠支保工は打設日より前に組み立てます。届出管理で基準にすべきなのは、対象となる型枠支保工を実際に組み立て始める日です。
申請漏れが起きる現場では、型枠工事の詳細工程が大まかにしか管理されていないことがあります。工程表に「型枠 」「配筋」「打設」とだけ書かれており、その中で支保工をいつ組むのかが明確になっていない状態です。この場合、支柱高さが3.5m以上となる型枠支保工があっても、組立開始日が見えず、届出期限の逆算ができません。
また、対象判定の遅れも申請漏れにつながります。支保工計画図が協力会社から提出されるまで待っていると、対象と分かった時点で組立開始日が近づいていることがあります。型枠支保工の88条申請では、支柱高さ、設置範囲、支保対象、使用部材、足元条件、施工方法などを確認する必要があります。これらの情報を施工直前に集めようとすると、書類作成や社内確認が間に合わなくなります。
工程変更も大きなリスクです。当初は対象外と判断していた箇所でも、施工順序の変更、仮設床の有無、支柱位置の変更、打設範囲の変更、足元条件の変更により、支柱高さが3.5m以上になることがあります。反対に、申請準備中の対象箇所でも、工程が前倒しになると提出期限に影響します。工程表と申請管理が連動していなければ、変更時の再確認が漏れます。
型枠支保工の88条申請漏れを防ぐには、対象候補の洗い出し、組立開始日の把握、支保工計画図の受領、社内確認、提出、変更管理を工程表に組み込む必要があります。この記事では、型枠支保工の88条申請漏れを防ぐための工程管理ルールを7つに分けて解説します。
ルール1 型枠支保工の対象候補を工程表に早期登録する
最初のルールは、型枠支保工の対象候補を工程表に早期登録することです。88条申請漏れを防ぐには、支柱高さが3.5m以上になる可能性がある箇所を、施工直前ではなく、着工前や躯体工事の計画段階で拾っておく必要があります。
対象候補の洗い出しでは、構造図、躯体図、断面図、基礎伏図、梁伏図、スラブ伏図、階段詳細図、ピット詳細図、外構構造図を確認します。平面図だけでは高さ関係が分かりにくいため、断面図や詳細図を使って支柱高さが大きくなりそうな場所を確認します。
特に注意すべき箇所は、吹抜け、地下ピット、段差スラブ、階段室、外周庇、バルコニー、梁成が大きい箇所、機械基礎まわり、基礎まわりです。これらは平面図上では小さく見えても、支柱を立てる足元が低くなることで、支柱高さが3.5m以上になる可能性があります。
工程表に登録するときは、最初から対象か対象外かを確定できなくても構いません。重要なのは、対象になる可能性がある箇所を候補として工程管理に載せることです。候補として登録しておけば、支保工計画図の提出依頼、社内確認、提出期限の逆算を早めに始められます。
工程表には、工区、階、部位、支保対象、想定支柱高さ、対象区分、確認予定日、支保工計画図の受領予定日、組立開始予定日を紐づけます。対象、対象外、再確認中の区分を設けると、現場担当者や安全担当者が状況を把握しやすくなります。
対象候補を工程表に入れないまま進めると、型枠工事の詳細工程が出てきた段階で初めて対象に気づくことになります。その 時点で組立開始日が近いと、88条申請の準備が間に合わない可能性があります。対象候補の段階で工程表に登録することは、申請漏れ防止の第一歩です。
また、対象候補を工程表に登録することで、協力会社との打合せも具体的になります。どの工区について支柱高さを明記してほしいのか、どの部位の支保工計画図を先に提出してほしいのかを伝えやすくなります。工程管理と資料依頼を連動させることで、申請準備の手戻りを減らせます。
ルール2 コンクリート打設日ではなく組立開始日で管理する
二つ目のルールは、コンクリート打設日ではなく、型枠支保工の組立開始日で管理することです。88条申請漏れが起きる大きな原因は、提出期限を打設日から逆算してしまうことです。現場では打設日が重要な節目として扱われますが、型枠支保工は打設日より前に組み立てます。
支柱高さが3.5m以上となる型枠支保工では、工事開始の日の30日前までに届出を行う必要があります。実務では、この工事開始日を対象となる型枠支保工の組立開始日として管理することが重要です。打設日から逆算していると、実際の支保工組立開始日に対して提出が遅れる可能性があります。
例えば、打設日が月末であっても、支保工の組立はその1週間以上前に始まることがあります。型枠組立、配筋、設備スリーブ、検査などの工程があるためです。打設日だけを見て「まだ余裕がある」と判断すると、組立開始日には届出期限を過ぎていることがあります。
工程表では、型枠支保工の組立開始日を独立した工程として明記することが有効です。「型枠工事」と大まかに書くのではなく、その中で支保工の組立がいつ始まるのかを確認します。全体工程表に書けない場合でも、月間工程表や週間工程表、協力会社の詳細工程には必ず反映します。
複数工区がある場合は、対象となる型枠支保工ごとに組立開始日を確認します。地下ピット部、吹抜け部、外周庇、段差スラブ、階段 まわりなど、対象候補ごとに組立時期が異なることがあります。最も早く組み始める対象支保工を基準に申請準備を進める必要があります。
工程表の中で、打設日と組立開始日を並べて管理することも効果的です。打設日だけではなく、支保工組立開始日、支保工計画図受領日、社内確認日、提出期限を同じ流れで確認できるようにします。こうすることで、申請準備が工程のどこに位置するのかが分かりやすくなります。
組立開始日で管理するルールを社内と協力会社で共有しておけば、工程変更時の確認漏れも減らせます。打設日が変わった場合だけでなく、型枠支保工の組立開始日が変わった場合にも、88条申請の提出期限を見直すという意識が定着します。
ルール3 支柱高さ3.5m以上の確認日を工程に入れる
三つ目のルールは、支柱高さ3.5m以上の確認日を工程に入れることです。88条申請の対象判断では、支 柱高さが3.5m以上になるかどうかが重要です。しかし、高さ確認を工程に入れていない現場では、支保工計画図が出るまで判断を保留し、結果として申請準備が遅れることがあります。
支柱高さの確認は、図面確認、協力会社確認、現場確認の段階に分けて行うと管理しやすくなります。最初に構造図や断面図で対象候補を拾い、次に協力会社の支保工計画図で支柱高さを確認し、必要に応じて現場実測で補足します。この確認日を工程に入れておけば、判断が後回しになりにくくなります。
図面確認では、平面図だけでなく断面図を見ます。支柱高さは建物の階高ではなく、型枠を支える支柱の下端から上端までの高さです。支柱の下端が既設床、地盤面、ピット底、仮設床のどこになるのかを確認し、上端がスラブ型枠、梁底型枠、受け材のどこになるのかを確認します。
支柱高さが3.5m前後の箇所は、確認日を必ず設定します。図面上では3.5m未満に見えても、敷板、ジャッキ、受け材、地盤不陸、床勾配、施工誤差により、実際の高さ が変わる可能性があります。このような箇所を再確認中として工程表に入れておけば、対象外と誤って放置するリスクを減らせます。
協力会社から支保工計画図を受け取った後の確認日も重要です。支保工計画図に支柱高さが明記されていない場合、対象判断ができません。計画図の確認日を設定し、不足があればすぐに修正依頼できるようにします。支柱高さ、支柱配置、最大高さの位置、足元条件が分かるかを確認します。
現場実測が必要な場合は、その測定日も工程に入れます。段差部、吹抜け、地下ピット、外周庇、基礎まわりなどは、図面だけでは施工時点の足元条件を把握しにくい場合があります。現地で床面、地盤面、ピット底、梁底、スラブ下端の高さを確認し、支柱高さの根拠を残します。
高さ確認日を工程管理に入れることで、申請準備の遅れを防げます。対象判断が確定しないまま工程が進むと、提出期限に間に合わなくなる可能性があります。支柱高さの確認を工程上の正式な作業として扱うことが、88条申請漏れ防止に直結します。
ルール4 支保工計画図の提出期限を協力会社と決める
四つ目のルールは、支保工計画図の提出期限を協力会社とあらかじめ決めることです。型枠支保工の88条申請では、協力会社から提出される支保工計画図が重要な資料になります。しかし、計画図の提出が施工直前になると、対象判断、社内確認、書類作成、修正対応が間に合わなくなります。
協力会社へは、対象候補が分かった時点で支保工計画図の提出時期を伝えます。通常の施工図提出タイミングではなく、88条申請の提出期限から逆算した提出日を設定します。初回提出日、社内確認日、修正版提出日、最終確認日を工程表に入れておくと、準備の遅れを防ぎやすくなります。
支保工計画図には、支柱配置だけでなく、支柱高さが分かる情報が必要です。平面図だけでは3.5m以上かどうかを判断できません。断面図、立面図、高さ表、最 大支柱高さの位置などが分かるようにしてもらいます。特に、段差部、吹抜け、ピットまわり、外周庇などは、標準図だけでは判断できないことがあります。
協力会社へ依頼する際は、必要情報を具体的に伝えることが重要です。対象範囲、支柱高さ、支柱下端、支柱上端、使用部材、支柱間隔、つなぎ、筋かい、足元条件、組立開始日、打設計画との関係を確認できる資料を依頼します。依頼が曖昧だと、必要な情報が不足し、再提出が必要になります。
支保工計画図の提出期限は、型枠支保工の組立開始日から逆算します。組立開始日の30日前が届出期限になる場合、その前に計画図の確認と修正を終えておく必要があります。提出期限ぎりぎりに初回計画図が出てくると、不備があったときに対応できません。
協力会社との打合せでは、88条申請対象候補を共有します。元請側で拾った対象候補を伝え、どの部位の支柱高さを重点的に確認したいのかを説明します。協力会社にすべて任せるのではなく、元請側の対象候補リストをもと に計画図を作成してもらうと、見落としが減ります。
計画図を受領したら、すぐに内容を確認します。対象範囲が明確か、支柱高さが記載されているか、最大高さの位置が分かるか、構造図と整合しているか、工程表の日付と合っているかを確認します。不足があれば早めに差し戻します。支保工計画図の提出期限を工程管理に組み込むことは、88条申請漏れを防ぐうえで非常に重要です。
ルール5 申請書類の社内確認日と修正期間を確保する
五つ目のルールは、申請書類の社内確認日と修正期間を確保することです。88条申請漏れや期限遅れは、書類作成そのものよりも、社内確認と修正対応で発生することがあります。支保工計画図や施工計画書がそろっていても、社内確認が遅れたり、修正の時間が足りなかったりすると、提出期限に間に合わなくなります。
社内確認では、対象範囲、支柱高さ、支保工構造、 使用部材、足元条件、荷重条件、打設計画、工程、作業主任者、変更管理を確認します。書類の体裁だけではなく、施工計画書、支保工計画図、構造図、工程表の内容が一致しているかを見る必要があります。
工程管理では、社内確認日を提出期限の直前に置かないことが大切です。確認で不備が見つかれば、協力会社への修正依頼、図面の再提出、施工計画書の修正、再確認が必要になります。提出期限ぎりぎりに社内確認を行うと、修正に対応できません。
社内確認者もあらかじめ決めておきます。工事担当者、安全担当者、現場代理人、申請担当者、協力会社担当者など、確認に関わる人が複数いる場合は、誰が何を確認するのかを明確にします。確認者が決まっていないと、書類が関係者間で止まる原因になります。
修正期間も工程に入れます。初回書類作成日、社内確認日、修正依頼日、修正版受領日、最終確認日、提出予定日を設定します。支保工計画図に不備がある場合は、協力会社側で修正に時間がかかることもあります 。工程表に修正期間を見込んでおくことで、手戻りがあっても対応しやすくなります。
社内確認でよく見つかる不備には、支柱高さの根拠が不明確、対象範囲が図面と本文で一致しない、組立開始日が工程表と違う、支保工計画図が古い構造図をもとにしている、足元条件が記載されていない、打設計画との整合が取れていない、といったものがあります。これらは提出直前に発覚すると大きな遅れになります。
社内確認の結果は記録として残します。確認日、確認者、指摘内容、修正担当、修正完了日を管理します。口頭での指摘だけでは、修正漏れが起きやすくなります。指摘内容を一覧化し、最終提出前にすべて解消されたことを確認します。
社内確認日と修正期間を工程表に入れることで、88条申請は「いつか準備する書類」ではなく、工程上の正式な作業になります。これにより、提出期限直前の慌ただしい対応や申請漏れを防ぎやすくなります。
ルール6 工程変更時に88条申請の要否を再確認する
六つ目のルールは、工程変更時に88条申請の要否を再確認することです。型枠支保工の対象判断は、最初に一度行えば終わりではありません。現場では、工程変更、施工順序変更、支柱配置変更、使用部材変更、打設範囲変更、足元条件変更が発生します。これらの変更により、当初の判断が変わる可能性があります。
工程変更で特に注意すべきなのは、型枠支保工の組立開始日の前倒しです。届出期限は組立開始日を基準に管理するため、組立開始日が早まると、提出期限との関係が変わります。当初は十分に余裕があっても、工程短縮により申請準備が間に合わなくなることがあります。
施工順序の変更も支柱高さに影響します。当初は下階床が完成してから支える予定だったものが、下階床未完成の状態で支保工を組む計画に変わる場合があります。仮設床を設ける予定だったものを省略する場合もあります。このような変更により、支柱 の下端が変わり、支柱高さが3.5m以上になる可能性があります。
打設範囲の変更も確認が必要です。部分打設に変更した結果、当初は不要だった補助支柱や仮受けが追加されることがあります。追加された支柱が型枠荷重を受け、支柱高さが3.5m以上となる場合は、88条申請の対象判断が必要です。小規模な支保工でも見落とさないようにします。
支柱配置の変更も再確認の対象です。開口、設備配管、足場、仮設通路、材料置場との干渉により、支柱位置を変更することがあります。支柱位置が変われば、支柱高さ、支柱間隔、受け材の支持条件、荷重の流れが変わる可能性があります。現場判断で少しずらしただけでも、対象判断に影響する場合があります。
工程変更時の再確認を確実にするには、変更が発生したときの確認項目を決めておく必要があります。支柱高さ、支柱配置、足元条件、使用部材、打設範囲、打設順序、組立開始日、提出状況を確認します。変更内容、確認者、確認日、再判定結果を記録します。
このルールを現場全体で共有することが重要です。工程担当者だけが変更を把握し、申請担当者や安全担当者に伝わらない状態では、88条申請の要否を再確認できません。型枠支保工に関係する工程変更があった場合は、必ず申請管理表を更新する仕組みを作ります。
工程変更時の再確認ルールを持っておけば、当初対象外だった箇所が対象になるリスクや、申請済みの内容と実施工がずれるリスクを減らせます。型枠支保工の88条申請管理では、工程表の更新と申請要否の再確認を必ず連動させることが重要です。
ルール7 申請状況を週次会議で確認する
七つ目のルールは、型枠支保工の88条申請状況を週次会議で確認することです。申請漏れを防ぐには、対象候補や提出期限を担当者だけで管理するのではなく、現場全体の工程管理の中で定期的に確認する必要があります。週次工程会議、安全衛生協議会、職長会などで確認項目に 入れると、見落としを防ぎやすくなります。
週次会議では、今後組み立てる型枠支保工の中に、支柱高さ3.5m以上の対象候補がないかを確認します。すでに対象と判断しているものだけでなく、再確認中の箇所、支柱高さが3.5m前後の箇所、協力会社から支保工計画図が未提出の箇所も確認します。
確認する内容は、対象工区、支保対象、支柱高さ、組立開始日、提出期限、支保工計画図の受領状況、社内確認状況、提出状況、変更の有無です。これらを一覧で共有すれば、誰が何を確認すべきかが明確になります。口頭だけでなく、管理表を使って確認すると抜けが減ります。
週次会議で特に重要なのは、直近1か月から2か月の型枠支保工工程です。88条申請では組立開始日から逆算して準備を進めるため、近い工程で対象候補がある場合は重点的に確認します。支保工計画図が未提出であれば、協力会社へ提出を促します。社内確認が未完了であれば、確認日を決めます。
工程変更の確認も週次会議で行います。打設日が変わった場合だけでなく、型枠支保工の組立開始日、施工順序、打設範囲、支柱配置、足元条件に変更がないかを確認します。変更がある場合は、88条申請の要否や提出期限に影響しないかを確認します。
協力会社も参加する会議では、支保工計画図や施工方法の変更予定を確認します。協力会社が現場都合で支柱を追加する、支柱位置を変更する、部材を変える、仮設床の有無を変えるといった場合、元請側が早めに把握できるようにします。変更情報を早くつかめば、再判定や書類修正に対応しやすくなります。
週次会議での確認結果は記録します。確認日、対象工区、申請状況、未対応事項、担当者、期限を残します。次回会議で前回の未対応事項を確認すれば、申請準備の停滞を防げます。
申請状況を週次会議で確認することで、88条申請が一部担当者だけの 作業ではなく、現場全体の工程管理に組み込まれます。型枠支保工は工程の中で条件が変わりやすいため、定期的な確認が申請漏れ防止に大きく役立ちます。
型枠支保工の88条申請漏れが起きやすい工程パターン
型枠支保工の88条申請漏れには、いくつかの起きやすい工程パターンがあります。これらを事前に把握しておくと、工程表を見る段階で注意すべき箇所を見つけやすくなります。
一つ目は、型枠工事が大まかな一行で管理されている工程です。工程表に「型枠」とだけ書かれていると、その中で支保工をいつ組み始めるのかが分かりません。支保工組立開始日が見えなければ、提出期限を逆算できません。この場合は、協力会社の詳細工程を確認し、支保工組立日を明確にします。
二つ目は、コンクリート打設日だけが強調されている工程です。打設日は現場の重要な節目ですが、88条申請の管理では組立 開始日が重要です。打設日から逆算してしまうと、支保工組立開始日に対して提出が遅れる可能性があります。工程表では、打設日と支保工組立開始日を別々に確認します。
三つ目は、一部区画だけ先行して施工する工程です。全体工程ではまだ先に見える工事でも、地下ピット、庇、段差部、吹抜け部など一部の支保工だけ先行して組むことがあります。このような先行区画は工程表上で目立ちにくく、申請漏れにつながりやすいです。
四つ目は、工程短縮で施工順序が変わる工程です。当初は下階床が完成してから支保工を組む予定だったものが、工程短縮のために別の足元から支えることになる場合があります。支柱高さや足元条件が変わるため、対象外判断を見直す必要があります。
五つ目は、協力会社の計画図が施工直前に出てくる工程です。支保工計画図が遅いと、支柱高さや設置範囲の確認が遅れます。対象と分かった時点で提出期限が迫っていることがあります。対象候補がある場合は、計画図の提出期限を前倒しで設定 する必要があります。
六つ目は、部分打設や打設範囲の変更が多い工程です。打設範囲が変わると、支保工の範囲や配置も変わることがあります。補助支柱や仮受けが追加される場合もあります。追加支保工が型枠荷重を受け、支柱高さが3.5m以上となる場合は、再確認が必要です。
七つ目は、外周部や地下部の足元条件が変わりやすい工程です。埋戻し前、掘削中、仮設通路上、ピット底など、施工時点の足元が完成図と異なる場合、支柱高さが想定より大きくなることがあります。完成形の図面だけでなく、施工時点の状態を工程と合わせて確認します。
これらの工程パターンがある現場では、88条申請漏れのリスクが高くなります。工程表を見るときは、型枠支保工の対象候補、組立開始日、支柱高さ、支保工計画図の提出状況をセットで確認することが重要です。
工程管理表に入れておきたい確認項目
型枠支保工の88条申請漏れを防ぐには、工程管理表に申請管理の項目を入れておくことが有効です。工程表とは別に申請管理表を作る場合でも、両者が連動していなければ意味がありません。対象候補の情報、提出期限、書類準備状況を一つの流れで確認できるようにします。
まず入れておきたいのは、工区、階、部位、支保対象です。どの場所の型枠支保工について管理しているのかが分からなければ、工程変更時の確認ができません。吹抜け部、地下ピット上部、外周庇、段差スラブ、梁下など、部位名を具体的に記載します。
次に、支柱高さと判定区分を入れます。支柱高さが3.5m以上か、3.5m未満か、再確認中かを管理します。支柱下端と上端、最大高さの位置、確認図面、現場測定値も必要に応じて記録します。3.5m前後の箇所は、対象外ではなく再確認中として扱うと安全です。
組立開始日も必須項目です。コンクリート打設日だけではなく、型枠支保工を実際に組み始める日を記載します。この日を基準に、88条申請の提出期限を逆算します。打設日、配筋日、検査日、解体予定日も併せて管理すると、工程全体の関係が分かりやすくなります。
提出期限、支保工計画図受領日、社内確認日、修正期限、提出予定日も工程管理表に入れます。これらの日付がなければ、申請準備がどこで止まっているか分かりません。計画図が未提出なのか、社内確認中なのか、修正待ちなのかを明確にします。
協力会社の担当者と社内担当者も記載します。誰が支保工計画図を作成し、誰が社内確認し、誰が申請書類を提出するのかを明確にします。担当者が曖昧だと、資料依頼や修正対応が遅れます。
変更管理の欄も必要です。工程変更、支柱配置変更、足元条件変更、打設範囲変更、使用部材変更があった場合、変更日、変更内容、再確認結果を記録します。変更があったにもかかわらず管理表が更新されないと、古い判断のまま施工が進むおそれがあります。
申請状況も分かるようにします。対象候補、対象、対象外、再確認中、書類作成中、社内確認中、提出済み、変更確認中などの状態を管理します。週次会議でこの状況を確認すれば、未対応の項目が見えやすくなります。
工程管理表にこれらの項目を入れておけば、型枠支保工の88条申請を工程と一体で管理できます。申請漏れを防ぐには、対象判断と提出期限を担当者の記憶に頼らず、工程表上で見える化することが重要です。
LRTKを使った工程管理と現場確認記録の効率化
型枠支保工の88条申請漏れを防ぐには、工程表上の管理だけでなく、現場で確認した位置、高さ、写真、足元条件、変更履歴を正確に記録することが重要です。特に、支柱高さが3.5m以上になる可能性がある箇所、段差部、吹抜け、地下ピット、外周庇、基礎まわりでは、 図面と現場条件を照合しながら工程管理に反映する必要があります。
LRTKは、iPhoneに装着して使えるGNSS高精度測位デバイスです。型枠支保工の対象候補箇所を現場で確認し、高精度な位置情報付きで写真やメモを残せるため、どの場所を確認したのかを後から整理しやすくなります。工程表上の対象候補と現場の確認点を紐づけることで、申請漏れや確認漏れを減らしやすくなります。
工程管理では、口頭で「吹抜け部」「ピットまわり」「庇下」と伝えるだけでは、関係者が別の場所を想定してしまうことがあります。LRTKで位置情報付きの記録を残しておけば、工事担当者、安全担当者、協力会社、作業主任者が同じ確認箇所を見ながら工程や申請状況を確認できます。
また、支柱高さが3.5m前後の箇所や、対象外と判断した箇所の記録にも有効です。現場写真、測定メモ、位置情報を残しておけば、工程変更や施工方法変更があった際に、どの条件が変わったのかを比較できます。当初対象外だった箇所が、足元条件や支柱配置の変更に より対象になる可能性がある場合にも、再確認がしやすくなります。
支保工計画図と現場条件の照合にも役立ちます。図面上では支柱を立てられるように見えても、実際には段差、開口、地盤不陸、設備干渉、仮設通路、足場との取り合いがある場合があります。LRTKで現場条件を記録しておけば、協力会社への修正依頼や社内確認の根拠として使いやすくなります。
工程変更時にも、LRTKで残した過去の記録を使えば、再確認すべき箇所を素早く特定できます。以前どの場所を測定し、どの支柱高さで判断したのか、足元条件がどうだったのかを確認できるため、申請要否や提出期限への影響を判断しやすくなります。
型枠支保工の88条申請漏れを防ぐには、対象候補の早期登録、組立開始日の管理、支柱高さ確認、支保工計画図の提出期限、社内確認、工程変更時の再確認、週次会議での確認が重要です。LRTKを活用すれば、これらの工程管理に必要な現場情報を位置情報付きで記録し、写真やメモと合わせて管理できます。型枠支保工の申請漏れを防ぎ、工程と現場確認を確実につなげる手段として、LRTKは現場実務に自然に取り入れやすい選択肢です。
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