top of page

LRTK Phone 精度はどこまで正確?スマホで実現するcm級測位の実力

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均5分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

LRTK Phoneとは?

スマホでcm級測位を可能にする仕組み(RTK技術)

LRTK Phoneの精度を検証

センチメートル級測位で広がる活用シーン

LRTKによる簡易測量とは

まとめ

FAQ


スマートフォンのGPSによる位置情報といえば、一般的には数メートル単位の誤差が当たり前でした。しかし近年、スマホでも驚くほど高精度な測位が可能になりつつあります。その代表的な存在が、レフィクシア社の「LRTK Phone」です。LRTK Phoneを使えば、通常のスマホGPSでは5~10mほどある誤差を、わずか約1cm程度まで縮めることができます。果たしてLRTK Phoneの精度はどこまで正確なのでしょうか? 本記事では、スマホで実現するセンチメートル級測位の仕組みと性能、そしてその活用シーンについて詳しく解説します。最後にはLRTKを使った簡易測量についても紹介します。


LRTK Phoneとは?

LRTK Phone(エルアールティーケー・フォン)とは、スマートフォンに後付けすることでセンチメートル級の高精度測位を実現するGNSS受信機デバイスです。開発したのは東京工業大学発のスタートアップ企業であるレフィクシア株式会社で、「スマホをポケットサイズの万能測量機に変える」ことをコンセプトとしています。実際、iPhoneやAndroidスマホ(およびタブレット)にLRTK Phoneを装着するだけで、従来は専門の測量機器が必要だった高精度な位置測定や測量作業がスマホ一台で可能になります。


LRTK Phone本体は小型・軽量で、重量約125g・厚さ13mm程度のポケットに入るサイズです。内部に高性能なRTK-GNSS受信機とアンテナ、バッテリーを搭載しており、スマートフォンと一体化して使用します。専用のスマホケースにワンタッチで着脱できる構造で、必要なときにすぐ取り付けて使える手軽さも魅力です。バッテリーも内蔵しているため、現場で長時間(ほぼ一日中)使用しても電源を気にする必要がありません。スマホとはBluetooth等で接続し、専用アプリ経由で位置測定を行います。これ一台で測位からデータ記録・共有まで完結するため、まさに「万能測量機」と呼べる端末です。


スマホでcm級測位を可能にする仕組み(RTK技術)

なぜスマートフォンでセンチメートル級という超高精度の測位が可能になるのでしょうか? その鍵となるのがRTK(Real Time Kinematic)と呼ばれる測位技術です。RTKは、複数のGNSS衛星からの信号を使い、基地局との相対位置を高い精度で求める手法です。通常のGPS測位では、衛星信号の誤差(電離圏遅延や衛星時計誤差など)の影響で数メートルの誤差が生じます。しかしRTKでは、近くに設置した基準点(基地局)の既知の位置と、移動局(ローバー、つまりスマホ側)の観測データをリアルタイムに比較することで、大気誤差などを打ち消し、センチメートルオーダーの相対測位が可能になります。


LRTK Phoneは、このRTKによる高精度測位に対応したGNSS受信機を内蔵しています。さらに特徴的なのは、3周波対応であることです。従来のGNSS受信機はL1周波数帯のみ(単周波)が多かったのに対し、LRTK PhoneはL1・L2・L5といった複数帯域の衛星信号を受信できます。マルチ周波数対応により、電離圏誤差の補正精度が向上し、より高速かつ安定して位置を固定解(Fix解)に導くことができます。結果として、従来以上に信頼性の高いセンチ級測位がスマホでも実現できるのです。


また、RTK測位には本来基地局からの補正情報(誤差を補うデータ)が必要ですが、LRTK Phoneではインターネット経由の基準局ネットワークに加え、日本の準天頂衛星「みちびき」から配信されるセンチメータ級補強サービス(CLAS)の信号を活用できます。CLASを受信すれば、携帯電話の電波が届かない山間部や海上などインターネット接続がない環境でも、高精度な測位が可能です。実際、みちびきの補強信号対応により通信圏外でもRTK測位が行える点は、災害現場などで威力を発揮します。例えば2023年の能登半島の地震被害調査では、通信インフラが寸断された現地でLRTK Phoneが活躍し、小型機材のみで正確な測位・記録が行われました。


このように、LRTK Phoneは高度なGNSS測位技術と通信技術を組み合わせることで、スマホだけでは得られなかった精密な位置情報を取得できるようにしているのです。


LRTK Phoneの精度を検証

では、肝心の精度は実際どれほどなのでしょうか。LRTK Phoneは公称「センチメートル級」の精度とされていますが、具体的な数値でも確認してみましょう。メーカーのテストによれば、固定した一点の位置を繰り返し測定した際、単発測位の誤差(標準偏差)は約12mm程度だったと報告されています。これは1.2cmほどの誤差で、すでに従来のGPSとは桁違いに高精度です。さらにLRTKアプリの機能で複数回の観測データを平均することで、誤差約8mm(0.8cm)という驚異的な精度も実現しています。8mmといえば1cm未満であり、まさに「センチ未満」の世界です。条件が良い環境下では、水平位置なら1cmを切る精度で測位できることが確認されています。


この数値は、専門の測量機器にも匹敵するレベルです。一般的な高精度GNSS受信機や測量用機材も、平地でのRTK測位では数センチの誤差範囲と言われますから、LRTK Phoneは遜色ない性能を持つと言えるでしょう。もちろん、実際の精度は環境条件によって左右されます。遮るもののない開けた場所では最良の結果が得られますが、高層ビル街や森林など衛星信号が反射・減衰する環境では、測位が不安定になったり誤差が大きくなる場合もあります。それでも、スマホ単体のGPSでは到底望めないレベルの精度向上であることは間違いありません。レフィクシア社の代表も「通常のGPSが5~10m程度の誤差なのに対し、LRTKなら約1cmの精度で正確に測れる」と述べており、LRTK Phoneの測位精度の高さを強調しています。


なお、LRTK Phoneは高さ(標高)方向の精度も優れています。一般にRTK測位では高さ方向の誤差は水平面よりやや大きくなりがちですが、それでも数センチ程度に収まります。例えば上記のテストでは水平方向約1cm未満、垂直方向でも数センチ以内で計測できています。建設現場での出来形(仕上がり高さ)確認などにも十分適用できるレベルでしょう。


総じて、LRTK Phoneの精度は「センチメートル級」の名に恥じない実力を持っています。従来のスマホGPSとは一線を画す精度であり、本格的な測位・測量用途にも耐えうることが実証されています。


センチメートル級測位で広がる活用シーン

スマホでセンチメートル単位の精度が得られるようになると、現場の作業やサービスの幅が大きく広がります。ここではLRTK Phoneによって可能になる主な活用シーンやメリットを紹介します。


測量・位置出し作業の効率化: 建設・土木の現場では、基準点の測設(墨出し)や出来形管理のために測量士が高精度機器で測定する場面が多々あります。LRTK Phoneがあれば、現場監督や作業員自身が簡易的な測量作業を行い、必要なポイントの座標を即座に取得・確認できます。例えば建物の配置確認や、構造物の設置位置の誘導(座標ナビ)も、スマホの画面上にリアルタイムに表示される座標情報を見ながら正確に行うことができます。

インフラ点検・調査での活用: 道路や橋梁の点検、災害後の被害調査などでは、撮影した写真に正確な位置座標を付与して記録することが重要です。LRTK Phoneなら、スマホで撮った写真にcm精度の位置情報と撮影方位を自動で紐付けて保存できます。例えばコンクリートのひび割れ位置を記録したり、土砂崩れの範囲を調査したりといった作業で、写真と地理座標がクラウド上で即座に共有されるため、後から地図上で正確に状況を把握できます。災害現場のように急ぎデータを集めたい場面でも、測位と記録がワンストップでできるため大いに役立ちます。

ARによる可視化・設計照合: LRTK Phoneの高精度な位置情報は、スマホのAR(拡張現実)機能と組み合わせて活用することも可能です。例えば地下に埋設された配管やケーブルの位置データを持っていれば、現場でスマホ越しに正確な位置に3DモデルやマーカーをAR表示することができます。次の掘削工事の際に、作業者がスマホ画面を通して地下埋設物の位置を見ながら作業すれば、誤って配管を損傷するといったミスを防げます。また、施工前の設計図のラインや構造物モデルを現地に投影し、計画通りに配置できるかを確認する、といった使い方も可能です。従来はAR表示は位置ずれが課題でしたが、LRTKの精度なら歩き回ってもズレない安定したAR体験が実現します。これにより、施工計画の関係者間で完成イメージを共有したり、合意形成をスムーズにしたりすることが期待できます。

3次元計測・点群データ取得: LRTK Phoneとスマホのカメラを組み合わせれば、手軽に3D点群測量を行うこともできます。専用アプリ上でカメラ映像をスキャンするようにスマホを動かすだけで、周囲の地形や構造物を点群データとして取得可能です。iPhoneの場合、最新モデルでなくLiDAR非搭載の機種でも写真測測技術で点群化できます。得られた点群には初めから絶対座標(世界座標)が付与されているため、後処理で地図やCAD図面上にそのまま重ね合わせることができます。これにより、現地で測った地形データから土量計算をしたり、出来形図面を自動生成したりといった高度な解析も短時間で実現します。例えば広い造成地の埋め立て土量をその場で計測し、計画値との差を即座に把握するといった使い方もできます。


以上のように、センチメートル級の測位が身近なスマホで可能になることで、「その場ですぐ測って確認する」というワークフローが現場に浸透しやすくなります。これまで専門業者や高額な機器に頼っていた作業を、自前で迅速に行えるため、工期短縮や品質向上、コスト削減にもつながります。


LRTKによる簡易測量とは

LRTK Phoneの登場により、生産性向上が期待できる取り組みのひとつが「簡易測量」です。簡易測量とは、従来は専門の測量士に依頼していた測定作業の一部を、現場の担当者自らが手軽に行えるようにすることを指します。LRTKを使えば高度な訓練を受けていない人でも、必要最低限の操作でセンチメートル精度の測位が可能です。そのため、例えば工事現場で日常的に発生するちょっとした寸法確認や、出来形のチェック、敷地境界の確認といった簡易的な測量作業を即座に実施できるようになります。


具体的には、LRTK Phoneを装着したスマホをポールや一脚に取り付けてポイントに当て、アプリのボタンを押すだけで、その場所の座標(緯度・経度・高さ)を記録できます。記録した点のデータは自動でクラウドに同期され、オフィスにいるスタッフともリアルタイムで共有可能です。これによって、ちょっとした現場の疑問をすぐに数値で確認し、関係者と情報を共有して判断を下すことができます。


従来の測量機器は操作に習熟が必要であったり、単価が高価だったりしました。しかしLRTK Phoneは研修不要で扱え、導入コストも抑えられるのが特長です。サブスクリプションによる利用プランも用意されており、初期費用を低く始められる点も現場導入のハードルを下げています。このようにLRTKによる簡易測量は、「一人一台」の時代を見据えた新しい現場スタイルと言えるでしょう。実際にLRTK Phoneは建設業界で「現場の必須ツール」として注目され、多くの企業が試験導入を始めています。国土交通省への3D出来形成果の納品実績もあり、公的なプロジェクトで活用されるケースも出てきています。


高精度な測位を日常業務に取り入れることで、現場のPDCAサイクルは飛躍的にスピードアップします。LRTK Phoneによる簡易測量が普及すれば、これまで以上に柔軟で効率的な施工管理やメンテナンスが実現するでしょう。


まとめ

スマホで実現するcm級測位の実力と活用シーンについて見てきました。LRTK Phoneを使えば、従来は難しかったセンチメートル単位の高精度測位が手のひらサイズで可能となり、建設・土木から調査・点検まで幅広い分野で業務効率化に貢献します。その精度は実測で1cmを下回るほどで、専門機器に匹敵する性能を備えています。通信圏外でも測位できる強みや、AR・点群計測など先進的な機能も融合し、まさに「万能測量機」として現場を変革しつつあります。


高精度測位技術が身近になることで、「測る」作業の敷居は大きく下がりました。これからは専門家に依頼せずとも、現場の誰もが必要なときにサッと測定できる時代です。LRTKによる簡易測量は、そうした新しいワークスタイルを後押しするものと言えるでしょう。スマホ片手に精密な位置情報を扱える世界が目前に来ており、今後さらなる活用の広がりが期待されます。


FAQ

Q. LRTK Phoneとはどのような製品ですか?


A. スマートフォンに取り付けて使用する小型の高精度GNSS受信機です。スマホのGPS精度を飛躍的に向上させ、センチメートル級の測位を可能にします。専用ケースに装着するポケットサイズのデバイスで、アンテナ・GNSSモジュール・バッテリーを内蔵し、専用アプリ経由で測位データを取得・管理できます。


Q. LRTK Phoneの精度はどのくらいですか?


A. 水平位置で誤差が約1~2cm程度、条件が良ければ1cm未満(数mm台)まで達する高い精度です。テストでは単発測位で約12mm、データ平均化で約8mmという結果も得られています。高さ方向も数cm程度の誤差に収まり、プロ向け測量機器に匹敵する精度といえます。


Q. どうしてスマホでそんな高精度な測位ができるのですか?


A. RTK(リアルタイムキネマティック)という測位技術を用いているからです。基地局からの補正情報を利用し、衛星測位の誤差を打ち消すことでセンチ単位の精度を得ています。LRTK Phoneは複数周波数のGNSS信号に対応し、日本の衛星「みちびき」から配信される補強信号(CLAS)も利用することで、通信圏外でも高精度測位を可能にしています。


Q. 使用するにはどんな準備や環境が必要ですか?


A. 基本的に必要なのは対応するスマートフォン(iPhoneまたはAndroid)とLRTK Phone本体、そして専用アプリだけです。初期設定もシンプルで、アプリをインストールしてデバイスを接続すればすぐに測位を開始できます。高精度測位のためにはGNSS衛星からの電波を受信できる屋外環境が望ましいです(建物内や地下では測位ができません)。また、インターネット接続がある環境ではより迅速に測位が安定しますが、接続が無い場所でもみちびきの補正データを受信して精度を維持できます。


Q. 従来の測量機器と比べてメリット・デメリットは?


A. 最大のメリットは、装置の携帯性と手軽さ、そして導入しやすいコストです。LRTK Phoneはポケットに入るサイズであり、使いたいときにすぐ使えます。専門のトレーニングも不要で、誰でも直感的に操作できます。また価格も一般的な測量用GNSS機器より抑えられており、サブスクプランを利用すれば初期投資を低減できます。一方、デメリットとしては、やはりスマホと連携して使用するため長時間の連続利用ではスマホ側のバッテリー消費が増える点や、完全な屋内では利用できない点が挙げられます。しかし屋外での測位においては、従来機器に劣らない精度と十分な運用時間(デバイス側は長時間稼働バッテリー内蔵)を備えているため、大半の現場業務で問題なく利用できるでしょう。


Q. LRTK Phoneはどんな場面で活躍しますか?


A. 建設・土木の現場測量、インフラ点検、災害時の状況調査など、高精度の位置情報が求められる幅広い場面で活躍します。例えば工事現場での基準点出しや出来形確認、橋梁や道路の巡回点検、災害現場の写真記録などで、LRTK Phoneによって迅速かつ正確に位置を測定し記録できます。またAR技術と組み合わせて、図面や埋設物の位置を現場で可視化するといった先進的な用途にも使われ始めています。要するに、「正確な位置がわかると便利なあらゆる場面」でLRTK Phoneは役立つでしょう。


Q. 今後スマホだけでセンチ級測位が標準になるのでしょうか?


A. スマホ内蔵のGPSチップも年々高性能化していますが、現状では単体でセンチ級測位を実現するのは難しいです。LRTK Phoneのような外付けデバイスや補強サービスの活用が鍵となります。ただ、高精度測位のニーズは高まっており、今後はスマホと周辺機器を組み合わせてセンチ級精度を当たり前に使う時代が来るでしょう。LRTK Phoneはその先駆けと言えます。将来的にはスマートフォン自体にマルチ周波GNSSや補正受信機能が標準搭載される可能性もありますが、現在においてはLRTKのようなソリューションが最も手軽にcm級測位を実現する手段となっています。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page