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発電量が低いと感じたら、まず「原因の切り分け」が重要
工場の太陽光発電で「最近、発電量が低い」と感じたとき、最初にやるべきことは、パネル交換やPCS交換を急ぐことではありません。まずは、本当に設備異常なのか、天候・季節・計測条件の影響なのかを切り分けることです。
太陽光発電の発電量は、日射量、気温、季節、パネルの向き、影、汚れ、PCSの稼働状態、配線状態、出力制御、計測機器の不具合など、複数の要因で変動します。特に工場の場合、屋上の空調機、排気ダクト、増築、隣接建物、粉じん、油分、鳥害、クレー ン作業、屋根改修など、一般住宅よりも発電量低下の原因が複雑になりやすいです。
資源エネルギー庁の太陽光発電向けガイドラインでも、発電電力量の低下や不慮の運転停止を防ぐこと、発電電力量を計測・記録すること、遠隔監視や日射量との比較で発電性能の低下を発見することの有効性が示されています。つまり、発電量が低いときは「なんとなく低い」ではなく、数値で低下幅を確認し、原因を順番に絞り込むことが重要です。
目安としては、同じような晴天日で前年同月や同条件のPCSと比べて明らかに発電量が低い、特定のPCSだけ発電グラフが平坦になる、晴れているのに昼前後のピークが出ない、月間発電量が計画値より継続して10%以上低い、といった状態なら点検を検討すべきです。ただし、梅雨・台風・降雪・黄砂・猛暑などの影響もあるため、単月だけで判断せず、晴天日の波形やPCS別の差を確認しましょう。
工場太陽光では、発電量低下が電気代削減効果に直結します。たとえば300kWの設備で、年間発電量を1kWあたり1,000kWhと仮定すると、年間発電量は約300,000kWhです。仮に10%低下 すれば30,000kWhのロスとなり、電気料金単価を20円/kWhで考えると年間60万円相当の機会損失になります。設備規模が大きい工場ほど、数%の低下でも放置できない金額になります。
工場太陽光の発電量低下で点検すべき6ポイント
工場太陽光で発電量が低い場合、次の6つを順番に確認すると、原因を見落としにくくなります。
この6点を、データ確認 → 外観確認 → 機器確認 → 電気的測定 → 記録確認の順で進めると、無駄な交換や過剰な洗浄を避けやすくなります。
1. 発電量データ・日射量・前年同月比を確認する
最初に確認するのは、現場ではなくデータです。発電量が低いと感じても、実際には天候不順、季節変動、日射量不足、監視システムの表示不具合、売電量と発電量の混同が原因のことがあります。
まず、次の4つを確認してください。
工場の太陽光では、売電量だけを見て「発電量が低い」と判断してしまうケースがあります。しかし、自家消費型の場合、工場内で使った電力は売電量に出ません。生産ラインの稼働日、休日、長期休暇、昼休みの負荷変動によって、売電量は大きく変わります。確認すべきなのは、売電量だけではなく、PCSや監視装置が示す総発電量です。
次に、PCS別の発電量を見ます。複数台のPCSがある工場では、同じ屋根面・同じ方角のPCS同士を比べると異常を見つけやすくなります。たとえば、5台のPCSのうち1台だけ発電量が30%低い場合、天候ではなく、そのPCS系統のパネル、ストリング、接続箱、PCS本体、ブレーカー、計測値のいずれかに問題がある可能性があります。
一方で、すべてのPCSが同じ割合で低い場合は、天候、日射量、汚れ、出力制御、監視装置の設定、受変電側の制限、工場全体の運用条件を疑います。資源エネルギー庁のガイドラインでも、発電量と日射量の比較、地域の他設備との比較、PCSのエラーメッセージ監視などが発電性能低下の発見に有効とされています。
データ確認で特に有効なのは、晴天日の発電カーブです。正常な太陽光発電では、朝から発電量が上がり、昼前後にピークを迎え、夕方に下がる山型のカーブになります。ところが、発電量が低い設備では、次のような波形が出ることがあります。
この段階で大切なのは、「低い」という感覚を、どの期間に、どの設備で、何%低いのかに変換することです。点検業者に依頼する場合も、発電量グラフ、PCS別データ、エラー履歴、前年同月比、日射量データがあると、原因特定が早くなります。
2. 影・周辺環境・屋上設備の変化を確認する
次に確認すべきなのは、影です。太陽光パネルは面全体で発電しているように見えますが、実際にはモジュール内のセルやストリングの一部に影がかかるだけでも、発電量に影響します。JPEAは、太陽電池モジュールにはできるだけ影が掛からないようにすることが重要であり、山・ビル・樹木・電柱などの薄い影でも発電量が低下すると説明しています。落ち葉など不透明な物体が貼り付く場合は、影による低下以上に発電量が低下し、長期間続くとホットスポット現象が起こる場合もあるとされています。
工場太陽光で多いのは、設置当初にはなかった影です。たとえば、屋上に空調機を増設した、排気ダクトを追加した、隣接棟が増築された、煙突や配管を設置した、看板を設置した、近隣の樹木が成長した、仮設足場が長期間残っている、といったケースです。
特に注意したいのは、季節によって出る影です。夏は問題がなくても、冬は太陽高度が低くなり、手すり、ダクト、隣接建物、屋上キュービクルの影が長く伸びます。発電量が冬だけ大きく落ちる場合、パネル劣化ではなく季節影が原因の可能性があります。
JPEAの不具合事例では、1MWの発電所で電柱やアレイの影によりバイパスダイオード側へ電流が迂回し、シミュレーション値に対して約20%発電量が低い状態になった事例が紹介されています。これは 地上設置の事例ですが、工場屋根でも「細い影だから大丈夫」とは言い切れません。
現場確認では、次の時間帯の写真を残すと原因を特定しやすくなります。
影の点検では、晴天日に屋上全体を撮影し、影がかかっているパネル番号やPCS系統を記録します。可能であれば、竣工図やストリング図と照合し、影がどのストリングに影響しているかを確認します。影が特定のストリングに集中している場合、そのストリングだけ発電量が低くなるため、PCS別データやIVカーブ測定と合わせて判断すると精度が上がります。
工場では屋根上の作業が多いため、太陽光パネルの上に仮置きされた資材、断熱材、工具箱、保護シート、工事用足場が発電量低下の原因になることもあります。短期間の工事でも、パネルの一部を覆った状態が続けば、発電量低下だけでなく熱の偏りや破損リスクも高まります。屋上工事を行う際は、施工業者に太陽光設備の配置図を共有し、パネル上への資材仮置きを禁止するルールを作ることが有効です。
3. パネル表面の汚れ・堆積物・破損を確認する
3つ目は、パネル表面の状態です。工場太陽光では、住宅よりも汚れの種類が多くなります。粉じん、油分、排気ガス、鉄粉、セメント粉、鳥ふん、落ち葉、黄砂、花粉、海塩粒子、煙突からの排出物などがパネル表面に付着し、発電量を下げることがあります。
JPEAは、太陽電池モジュールの表面にごみやほこりが付くと発電量が数%程度低下することがあり、平均的な都市部では汚れによる出力低下はおおよそ5%以下と説明しています。一方で、交通量の多い道路の隣接地域などでは油性浮遊物が付着し、降雨だけでは流されない場合もあるとされています。
工場では、交通量の多い道路沿いだけでなく、自社の排気設備や生産工程からの粉じん・油分が影響する場合があります。たとえば、金属加工、食品加工、塗装、印刷、セメント、木材加工、化学系工場では、パネルに付着する汚れの性質が一般的なほこりとは異なることがあります。雨で流れにくい油分や粘着性の汚れがある場合、発電量低下が長引 きやすくなります。
ただし、汚れがあるからといって、すぐに高圧洗浄を行うのは危険です。強い水圧、硬いブラシ、不適切な洗剤、熱いパネルへの急な散水は、ガラス表面、シール材、フレーム、ケーブル、コネクタを傷めるおそれがあります。洗浄する場合は、メーカーの取扱説明書や保守業者の指示に従い、転落防止・感電防止を前提に実施してください。
現場で見るべきポイントは次の通りです。
汚れによる低下かどうかを判断するには、全体の発電量だけでなく、汚れが強いエリアと比較的きれいなエリアのPCS別・ストリング別データを比べます。鳥ふんや落ち葉のように一部だけを覆う汚れは、面積は小さくても発電量に大きく影響することがあります。特に、同じ位置に鳥ふんが繰り返し付く場合は、鳥よけ対策も検討しましょう。
また、パネル表面の汚れと同時に、破損も確認します。台風後、屋上工事後、雹の 後、強風で飛来物があった後は、パネルガラスのひび、フレームの曲がり、固定金具の緩み、ケーブルの引っ張られを確認します。破損したパネルは、発電量低下だけでなく、絶縁低下や感電・火災リスクにつながるため、目視で異常があれば専門業者に確認を依頼してください。
4. PCS・受変電設備・冷却環境を確認する
4つ目は、PCS、つまりパワーコンディショナです。パネルが正常でも、PCSが停止していたり、出力を絞っていたり、冷却不良を起こしていたりすると、発電量は大きく低下します。工場太陽光ではPCS容量が大きく、1台停止するだけで月間発電量に大きな差が出ます。
JPEAは、太陽電池モジュールは20年以上、パワーコンディショナは10〜15年と言われているとし、業務用PCSは6か月に1回の点検を案内しています。 また、50kW以上2000kW未満の自家用・高圧連系の工場などでは、受変電設備は2か月〜6か月に1回、パネルおよびパワーコンディショナは6か月に1回の点検頻度が示されています。
PCSで確認すべき項目は、次の通りです。
資源エネルギー庁のガイドラインでも、PCS周辺設備の設計・運用不備により温度管理に不具合が生じ、高温のためPCSが停止する事例や、植物等による日照障害で発電電力量が低下する事例があると説明されています。
工場で特に多いのは、PCS室の温度上昇です。PCSは変換時に熱を出すため、換気、空調、フィルタ、ファンが重要です。PCS室に荷物が置かれて通気が悪くなっている、フィルタが粉じんで詰まっている、空調が故障している、夏場に室温が上がりすぎる、といった状況では、PCSが保護動作で出力を抑えたり停止したりします。
昼前後だけ発電量が落ちる場合は、PCS過熱の可能性があります。午前中は正常に発電しているのに、気温が上がる時間帯に急に出力が落ち、夕方に復帰する波形があれば、冷却不良を疑ってください。PCS本体のエラー履歴、温度ログ、ファンの稼働音、フィルタの目詰まり、空調設定を確認します。
また、PCSの故障と決めつける前に、直流側と交流側のどちらに原因があるかを切り分ける必要があります。PCSが停止しているように見えても、実際にはストリング側の地絡、絶縁低下、接続箱の異常、受変電側の遮断、系統電圧の上昇、通信不良が原因のことがあります。PCS交換は高額になりやすいため、エラーコードと測定結果をもとに判断しましょう。
5. ストリング・接続箱・ケーブルを確認する
5つ目は、ストリング、接続箱、ケーブル、コネクタです。ここは発電量低下の原因として見落とされやすい部分です。パネルもPCSも見た目は正常なのに、特定ストリングだけ電流が低い、接続箱内のヒューズが切れている、コネクタが焼損している、ケーブルが損傷している、地絡が起きている、といったケースがあります。
JEMA・JPEAの太陽光発電システム保守点検ガイドラインは、太陽電池アレイ、接続箱・集電箱、PCS、ケーブルなどを対象とし、不具合対応手順やトラブルシューティング、発電性能を最大化する保守項目を扱う資料とされています。 つまり、発電量が低い ときは、パネル表面やPCSだけでなく、直流側の電路まで確認する必要があります。
ストリング異常でよくある症状は次の通りです。
工場屋根では、屋上工事や設備点検の際にケーブルが踏まれたり、結束が外れたり、配管と干渉したりすることがあります。地上設置では除草作業によるケーブル損傷が知られていますが、屋根設置でも屋上防水工事、空調更新、足場設置、清掃作業の後にケーブルやコネクタの状態が変わることがあります。
JPEAの不具合事例では、草刈り業者による転がし配線破損がよくある事例として紹介され、再発防止策を多角的に検討する必要があるとされています。工場屋上でも、太陽光設備以外の作業者がケーブルや接続箱の重要性を理解していないと、同じような人為的損傷が起こります。
電路の点検では、目視だけでなく、必要に応じて専門業者が次のような測定を行います。
ここで重要なのは、工場担当者が無資格で接続箱を開けたり、通電中の端子に触れたりしないことです。太陽光発電の直流側は、日中にパネルが発電している限り電圧が発生します。発電量低下を調べるためであっても、電気的測定や接続箱内部の点検は、電気主任技術者や専門業者の管理下で実施してください。
6. 保守記録・設計条件・運用条件のズレを確認する
6つ目は、保守記録、設計条件、運用条件の確認です。発電量が低い原因は、設備そのものの故障だけではありません。設置当初の想定と現在の運用条件がズレていることで、発電量が低く見えている場合があります。
確認すべき資料は次の通りです。
資源エネルギー庁のガイドラインでは、保守点検および維持管理計画に則って保守点検を実施し、実施した内容を記録・保管すること、発電電力量の低下や運転停止の未然防止に努めること、発電電力量を計測・記録することが示されています。
発電量低下の調査では、過去の点検記録が非常に重要です。たとえば、毎年少しずつ絶縁抵抗が下がっている、特定PCSのファン交換履歴が多い、過去にも同じ季節に発電量が落ちている、特定屋根面だけ汚れが強い、といった傾向は、単発の現場確認だけでは分かりません。
また、設計時の発電シミュレーションと現在の条件が違っていないかも確認します。設置後に隣接建物ができた、屋上設備が増えた、周囲の樹木が成長した、工場の稼働時間が変わった、電力契約が変わった、出力制御の対象になった、監視システムの設定を変更した、といった変化があると、計画値との差が大きくなることがあります。
特に自家消費型の工場太陽光では、「発電量」「使用量」「買電削減量」「売電量」を混同しないことが重要です。発電量は高くても、休日に工場負荷が低く余剰が増える場合、買電削減効果の見え方が変わります。逆に、生産量が増えて昼間の使用電力量が 増えると、売電量は減っても発電量自体は低下していない場合があります。
発電量が低いと判断する前に、監視画面の項目名を確認してください。画面に表示されている数値が「発電量」なのか、「売電量」なのか、「買電削減量」なのか、「PCS出力」なのかで意味が変わります。監視装置のCT向き、通信状態、計測単位、集計期間、時刻設定が間違っていると、設備は正常でも低く見えることがあります。
すぐ専門点検を依頼すべきサイン
次のような症状がある場合は、社内確認だけで済ませず、早めに専門点検を依頼してください。
太陽光発電設備は、発電していないように見えても直流側に電圧が残ることがあります。工場の担当者ができるのは、監視データの確認、外観の安全な範囲での目視、写真記録、異常発生時刻の記録までと考えるべきです。接続箱内部、PCS内部、ケーブル接続部、絶縁測定、IV測定は、必ず専門家に依頼してください。
また、50kW以上の工場太陽光では、電気主任技術者や保安法人との連携が欠かせません。資源エネルギー庁のガイドラインでは、出力50kW以上の自家用電気工作物では保安規程、電気主任技術者、技術基準の遵守などによる自主保安体制が求められ、10kW以上50kW未満の小規模事業用電気工作物でも基礎情報の届出や技術基準適合の確認が求められます。
発電量低下を再発させない管理方法
発電量が低い原因を一度直しても、管理方法が変わらなければ再発します。工場太陽光では、発電設備だけでなく、屋上管理、工事管理、生産設備管理、電気保安、環境管理をつなげることが大切です。
再発防止には、次の5つを仕組み化しましょう。
月次レポートでは、単に「今月は何kWh発電したか」だけを見るのではなく、前年同月比、日射量、PCS別発電量、停止時間、エラー回数を確認します。複数棟に太陽光を設置している工場では、屋根面ごとの発電量も比較しましょう。北側に影が出やすい屋根、粉じんが付着しやすい屋根、鳥害が多い屋根など、場所ごとの傾向が見えてきます。
屋上工事の管理も重要です。太陽光設備の近くで空調更新、防水工事、配管工事、煙突工事、アンテナ工事を行う場合は、事前に太陽光設備の配置図を工事業者へ共有し、パネル・ケーブル・接続箱・PCSへの接触禁止エリアを明示します。工事後には、発電量グラフと外観写真を確認し、工事前後で異常がないかを見ます。
汚れ対策では、洗浄の頻度を固定するよりも、発電量データと現場状況を見て判断することが重要です。平均的な都市部では汚れによる出力低下はおおよそ5%以下とされていますが、工場の立地や排気条件によっては、特定エリアだけ汚れが強くなることがあります。 洗浄費用と発電回復効果を比較し、必要な場所に絞って対策する方が費用対効果は高くなります。
PCSについては、フィルタ清掃、ファン点検、空調確認、エラー履歴確認を定期的に行います。PCSが10年を超えている場合は、突然の停止に備えて、メーカー保守、部品供給状況、更新費用、停止時の影響額を確認しておくと安心です。JPEAはPCSの耐用年数について10〜15年と言われていると説明しているため、10年を過ぎた設備では予防保全の考え方が重要になります。
よくある質問
発電量が低いかどうかは、何%下がったら異常ですか?
一律の基準はありませんが、同じような晴天日、同じ季節、同じPCS構成で比べて、特定PCSだけ大きく低い場合は異常の可能性があります。月間発電量だけでは天候差の影響を受けるため、晴天日の発電カーブ、PCS別発電量、日射量、前年同月比を組み合わせて判断してください。数日だけではなく、複数の晴天日で同じ傾向が続く場合は点検を検討しましょう。
パネル洗浄をすれば発電量は戻りますか?
汚れが原因なら戻る可能性がありますが、すべての発電量低下が洗浄で改善するわけではありません。JPEAは、ごみやほこりによって発電量が数%程度低下することがあり、平均的な都市部では汚れによる出力低下はおおよそ5%以下と説明しています。油性の汚れ、鳥ふん、落ち葉、粉じんが強い工場では、場所によって差が出るため、洗浄前後の発電量を比較して効果を確認することが大切です。
PCS交換をすぐ検討すべきですか?
すぐに交換と決めるのは早計です。PCSの発電量が低い場合でも、冷却不良、フィルタ詰まり、PCS室の高温、系統電圧、直流側のストリング異常、接続箱の異常、通信不良が原因のことがあります。PCSのエラー履歴、停止時間、温度、直流入力、交流出力を確認し、専門業者の診断を受けてから判断しましょう。
工場の屋根に登って自社で点検してもよいですか?
安全な範囲での外観確認や写真撮影は可能ですが、屋根上は転落リスクがあり、太陽光設備には感電リスクもあります。接続箱やPCS内部の 確認、ケーブル接続部の確認、絶縁測定、IV測定は専門知識と資格が必要です。自社で行う場合も、屋根作業の安全対策、立入範囲、作業責任者、緊急時対応を決めたうえで実施してください。
遠隔監視を入れていれば現地点検は不要ですか?
不要にはなりません。遠隔監視は発電量低下やPCS停止の早期発見に有効ですが、パネルのひび、ケーブル損傷、架台の緩み、鳥害、屋根防水の劣化、接続部の発熱などは現地でなければ分かりにくいことがあります。資源エネルギー庁のガイドラインでも、発電量モニタリングは有効としつつ、安全が損なわれている状態でも発電電力量に影響が出ない場合があるため、安全確保は別途行う必要があるとされています。
まとめ
工場太陽光で発電量が低いときは、原因を決めつけず、次の6ポイントを順番に確認することが重要です。
発電量低下は、パネル劣化だけが原因ではありません。影、汚れ、PCS停止、冷却不良、ストリング異常、計測ミス、屋上工事、運用条件の変化など、複数の要因が重なっていることもあります。
大切なのは、感覚ではなくデータで判断し、安全を確保しながら専門点検につなげることです。発電量の低下を早く見つけ、原因に合った対策を行えば、電気代削減効果を守り、設備を長く安定して使うことにつながります。
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