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発電量が低いと感じたら、まず「本当に低いか」を確認する
太陽光発電を設置している家で、「思ったより発電量が低い」「去年より売電が少ない」「晴れているのにモニターの数字が伸びない」と感じることがあります。 ただし、発電量が低いからといって、すぐに故障とは限りません。太陽光発電は、天気、季節、日射量、屋根の向き、角度、影、パネルの汚れ、パワーコンディショナの状態など、複数の要因で発電量が変わります。
まず大切なのは、発電量の単位を正しく見ることです。kWは瞬間的な電力の大きさ、kWhは一定時間に発電・消費した電力量を表します。たとえば、4kWの発電を5時間続けた場合は20kWhの発電電力量になります。発電モニターで「今どのくらい発電しているか」を見るときはkW、「今日・今月・今年どれだけ発電したか」を見るときはkWhを確認します。
「発電量が低い」と判断するときは、今日の発電量だけで決めないことも重要です。曇りや雨の日は発電量が少なくなりますし、冬は日照時間が短く、梅雨や台風の時期は晴天日が減ります。単純に「昨日より低い」「先月より低い」だけでは、正常な変動なのか、設備の異常なのかを判断しにくいのです。
目安としては、月に一度、前年同月の発電量と比べる方法が有効です。太陽光発電協会も、発電性能の確認や売電収入の維持のため、月に一度は前年同月の発電量と比較すること、発電モニターで毎日の発電量をグラフにして確認することを案内しています。
つまり、発電量が低いと感じたときは、次の順番で確認するのが基本です。
1つ目は、天候や季節による一時的な低下ではないかを見ること。 2つ目は、前年同月や同じような晴天日の発電量と比べること。 3つ目は、影・汚れ・方位・パワーコンディショナなど、低下の原因を切り分けることです。
この記事では、発電量が低い家にありがちな共通点を6つに整理し、それぞれの改善ポイントをわかりやすく解説します。
発電量が低い家の共通点6つ
発電量が低い家には、いくつかの共通点があります。もちろん、すべての家に同じ原因があるわけではありません。新築時から発電量が低い場合もあれば、数年たってから急に下がる場合もあります。晴れの日だけ低い場合、季節によって大きく落ちる場合、モニター表示だけがおかしい場合など、症状もさまざまです。
ただ、多くのケースで確認すべきポイントは次の6つです。
• 屋根や周辺環境の影がパネルにかかっている
• 南向き・適切な角度で設置されていない
• パネル表面に汚れ・落ち葉・鳥のふんがある
• 天候・季節による低下を故障と勘違いしている
• パワーコンディショナの劣化や不具合を見落としている
• 発電量の記録を取らず、異常に気づくのが遅い
この6つは、発電量が低い原因を探すうえでの基本チェック項目です。順番に見ていきましょう。
共通点1:屋根や周辺環境の影がパネルにかかっている
発電量が低い家で特に見落とされやすいのが、影の影響です。太陽光パネルは、太陽の光を受けて発電します。そのため、建物、樹木、電柱、アンテナ、隣家、山、ベランダの手すりなどの影がパネルにかかると、発電量が低下します。
太陽光発電協会は、太陽電池モジュールにはなるべく陰が掛からないようにすることが重要だと説明しています。薄い陰がかかった場合でも発電量は低下し、落ち葉など不透明な物体が表面に貼りついた場合は、単にその部分が発電しない以上に発電量が低下することがあります。長期間続くと、遮蔽されたセルが高温になるホットスポット現象が発生する場合もあります。
影の問題が難しいのは、設置時には問題がなくても、数年後に発 生することがある点です。たとえば、庭木が成長して冬の午前中だけパネルに影を落とす、隣地に新しい建物が建つ、屋根上のアンテナや設備を追加したことで一部に影ができる、といったケースです。
また、影は季節によって出方が変わります。夏は太陽高度が高いため影が短くても、冬は太陽高度が低くなるため、同じ建物や樹木でも影が長く伸びます。そのため、春や夏は問題がないのに、冬だけ発電量が低いという家もあります。
改善ポイント
まずは、晴れた日の午前・正午前後・午後の3回、地上から見える範囲で屋根やパネル周辺の影を確認しましょう。特に、発電量が低い時間帯が毎日同じであれば、その時間に影が出ている可能性があります。
確認すべき場所は、屋根の上だけではありません。隣家の壁、電柱、電線、樹木、煙突、テレビアンテナ、屋根の段差、カーポート、ベランダなども影の原 因になります。
改善方法としては、樹木の剪定、落ち葉の除去、アンテナ位置の見直し、影の影響が大きいパネル系統の点検などが考えられます。ただし、屋根に登って自分で作業するのは危険です。影が原因と思われる場合は、販売店、施工会社、点検業者に相談し、発電データや現地状況をもとに確認してもらいましょう。
共通点2:南向き・適切な角度で設置されていない
発電量が低い家の2つ目の共通点は、パネルの方位や角度が発電に不利な条件になっていることです。
太陽光パネルは、同じ容量でも、設置する方位や角度によって発電量が変わります。太陽光発電協会は、太陽電池を設置する方位によってモジュールに当たる日射量が変わるため、発電量も変わると説明しています。設置方位としては南向きがベストですが、東向きや西向きにも設置は可能です。一方、北面の屋根では他の方位に比べて発電出力が少なくなるため注意が必要です。
また、設置角度も重要です。東京の例では、真南の方位で約30度の傾斜角度のとき、1年を通じて日射量が大きくなる条件だとされています。
ここで注意したいのは、「発電量が低い」と感じている家でも、設備に故障がない場合があることです。たとえば、屋根の形状上、東西面に分けてパネルを設置している場合、真南30度の条件と比べると、発電のピーク時間や年間発電量が変わります。東面は午前中に発電しやすく、西面は午後に発電しやすい傾向があります。南面のように正午前後に大きなピークが出ないため、モニターを見たときに「弱い」と感じることもあります。
北面設置や低勾配の屋根、複雑な屋根形状、複数面に分かれた設置では、想定発電量と実発電量の差が出やすくなります。設置前のシミュレーションで十分に説明を受けていないと、後から「思ったより発電量が低い」と感じやすいでしょう。
改善ポイント
方位や角度は、設置後に簡単に変えられるものではありません。そのため、改善の第一歩は「現在の設置条件で妥当な発電量なのか」を確認することです。
確認したい資料は、契約時の発電シミュレーション、設置図面、パネル容量、パワーコンディショナ容量、屋根面ごとの方位、屋根勾配、年間推定発電量です。これらを見直し、実際の年間発電量と比較します。
もしシミュレーションより大幅に低い場合は、方位や角度だけではなく、影、汚れ、パワーコンディショナ、配線、モジュールの不具合なども疑う必要があります。逆に、シミュレーションに近い発電量であれば、設備としては正常で、設置条件による発電量の差である可能性が高くなります。
これから設置を検討している場合は、容量の大きさだけで決めず、屋根面ごとの発電量、影の影響、季節ごとの発電傾向まで確認することが大切です。
共通点3:パネル表面に汚れ・落ち葉・鳥のふんがある
発電量が低い家の3つ目の共通点は、太陽光パネルの表面に汚れがたまっていることです。
パネル表面にごみやほこりが付くと、光が十分に届かず、発電量が下がることがあります。太陽光発電協会は、ごみやほこりなどが太陽電池モジュールの表面に付くと発電量が数%程度ダウンすることがあり、平均的な都市部で汚れによる出力低下はおよそ5%以下だと説明しています。
多くの住宅地では、軽いほこりや汚れは雨や風で流され、ほぼ元の能力に回復するとされています。そのため、安全面からも、屋根に登って日常的に掃除する必要はほとんどありません。
ただし、すべての汚れが雨で落ちるわけではありません。交通量の多い道路沿いでは油性の浮遊物が付着する場合があります。鳥のふん、落ち葉、花粉、黄砂、火山灰、樹液、工場地帯の粉じんなども、条件によっては落ちにくい汚れになります。
特に注意したいのは、落ち葉や鳥のふんのように、一部を不透明に遮る汚れです。単なる薄いほこりよりも影響が大きく、部分的な発熱やホットスポットのリスクにつながることがあります。
改善ポイント
地上やベランダから見える範囲で、パネル表面に大きな汚れ、落ち葉、鳥のふん、枝などがないか確認しましょう。双眼鏡やスマートフォンのズームを使うと、屋根に登らなくてもある程度確認できます。
ただし、屋根上での清掃は転落 や感電の危険があります。水をかければよい、ブラシでこすればよいと自己判断するのも避けるべきです。パネル表面に傷がついたり、配線や架台を傷めたりする可能性があるためです。
汚れによる低下が疑われる場合は、まず発電量の推移を確認します。雨の後に発電量が戻るなら、一時的な汚れの可能性があります。雨の後も前年同月より低い状態が続く、大きな汚れが見える、鳥のふんが同じ場所に残っている、周辺に樹木や鳥の飛来が多いといった場合は、専門業者に点検や清掃を依頼しましょう。
清掃を検討するときは、「清掃費用に対してどの程度の発電回復が見込めるか」も重要です。汚れによる低下が小さい場合、清掃費用のほうが高くなることもあります。発電データを見ながら、点検とあわせて判断するのがおすすめです。
共通点4:天候・季節による低下を故障と勘違いしている
発電量が低い 家の4つ目の共通点は、天候や季節による自然な変動を、設備の異常と勘違いしていることです。
太陽光発電は、晴れの日に多く発電し、曇りや雨の日は発電量が少なくなります。太陽光発電協会も、曇りや雨の日は発電量が少なくなるものの、10kW未満の太陽光発電システムでは不足分の電気を電力会社から買って使うと説明しています。
また、夜間は発電しません。家庭で使う電気をすべて太陽光発電だけでまかなえるわけではなく、夜間や悪天候時は買電が必要になります。太陽光発電協会は、太陽光発電は夜間発電しないため、家庭で使用する電気をすべてまかなうことはできないと説明しています。
季節による差もあります。夏は日照時間が長い一方で、パネル温度が上がりやすく、春や秋の晴天日に比べて思ったほど発電ピークが伸びないことがあります。冬は空気が澄んで晴天が多い地域もありますが、日照時間が短く、太陽高度も低くなります。梅雨や台風シーズンは、晴天日そのものが少なくなります。
そのため、発電量を見るときは「今日の天気」「今月の天候」「季節」「前年同月」とセットで考える必要があります。たとえば、梅雨の長雨が続いた月に発電量が低いのは自然なことです。一方、快晴日が多いのに前年同月より大幅に低い、同じような晴天日のピーク値が明らかに下がっている、発電グラフが不自然に途切れるといった場合は、設備側の異常も疑うべきです。
改善ポイント
天候による変動か、設備の異常かを見分けるには、発電量を単独で見ないことが大切です。
おすすめは、次の3つをセットで記録する方法です。
• その日の天気
• 1日の発電量
• 発電グラフの形
晴れの日は山型のグラフになりやすく、曇りの日は上下に揺れやすく、雨の日は全体的に低くなります。晴れているのにグラフが途中で急に落ちる、毎日同じ時間だけ大きく下がる、正午前後のピークが以前より明らかに低いという場合は、影や機器不具合の可能性があります。
また、比較対象は「前日」ではなく「前年同月」や「同じような晴天日」にするのが基本です。前日は晴れ、今日は曇りなら、発電量が下がるのは自然です。逆に、同じ快晴条件で大きな差がある場合は、原因を探す価値があります。
共通点5:パワーコンディショナの劣化や不具合を見落としている
発電量が低い家の5つ目の共通点は、パワーコンディショナの状態を確認していないことです。
パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電した直流の電気を、家庭で使える交流の電気に変換する重要な機器です。パネルが発電していても、パワーコンディショナに不具合があると、家庭で使える電気や売電できる電気が少なくなる可能性があります。
太陽光発電協会は、機器の耐用年数について、太陽電池モジュールは20年以上、パワーコンディショナは10〜15年と言われていると説明しています。また、パワーコンディショナは住宅用では4年に1度の点検を行い、必要に応じて部品交換や機器の取り換えを行うよう案内しています。
発電量が低いと聞くと、多くの人はパネルの故障を疑います。しかし実際には、パワーコンディショナのエラー、停止、変換効率の低下、内部部品の劣化、通信トラブル、ブレーカーの問題なども確認が必要です。
特に、設置から10年前後たっている家では、パワーコンディショナの点検履歴を確認しましょう。モニターにエラーコードが出ている、運転ランプが消えている、異音や異臭がある、発電グラフが途中で止まる、日中なのに発電表示がゼロになるといった症状がある場合は、早めの点検が必要です。
改善ポイント
まずは、パワーコンディショナ本体の表示を確認します。正常運転のランプが点灯しているか、エラーコードが表示されていないか、異音や異臭がないかを見ます。屋外設置の場合は、周辺に落ち葉や物が置かれて通気を妨げていないかも確認しましょう。
ただし、本体内部を開ける、配線を触る、ブレーカーを何度も入切するなどの作業は危険です。エラーが出ている場合は、エラーコードをメモし、メーカー名、型番、設置年、症状、発電量の変化をまとめて、販売店やメーカー、点検業者に相談します。
また、パワーコンディショナは長期間使う機器です。設置後に一度も点検していない場合は、発電量が低いと感じていなくても、定期点検を検討しましょう。
共通点6:発電量の記録を取らず、異常に気づくのが遅い
発電量が低い家の6つ目の共通点は、発電量の記録を取っていないことです。
太陽光発電は、ある日突然完全に止まる不具合だけではありません。少しずつ発電量が下がる、特定の時間帯だけ落ちる、晴天日のピークが以前より低くなる、雨の後に回復しない、月間発電量が前年同月より継続して低い、といった変化もあります。
このような変化は、記録がないと気づきにくいものです。毎日モニターを見ていても、数字を残していなければ、「なんとなく低い気がする」で終わってしまいます。反対に、記録があれば、販売店や点検業 者に相談するときにも状況を説明しやすくなります。
太陽光発電協会は、発電性能の確認や売電収入維持のために、月に一度、前年同月の発電量と比較することが大事だと案内しています。発電モニターをチェックして、毎日の発電量をグラフにすると発電性能の確認ができます。
記録がない家では、発電量が低い状態が何カ月も続いてから気づくことがあります。その間、売電収入や自家消費メリットを失っている可能性もあります。発電量の低下は、早く気づくほど対処しやすいのです。
改善ポイント
毎日細かく記録するのが難しい場合でも、最低限、月1回は次の項目を残しましょう。
• 月間発電量
• 前年同月の発電量
• 月間の天候感
• モニターやパワーコンディショナのエラー有無
• 気になる影や汚れの有無
スマートフォンのメモ、表計算ソフト、発電モニターのアプリ、紙のカレンダーなど、方法は簡単で構いません。大切なのは、同じ形式で継続することです。
特に、次のような変化があれば注意しましょう。
前年同月より大幅に低い状態が2カ月以上続く。 晴天日の発電ピークが明らかに下がっている。 日中に発電が急に止まる時間帯がある。 モニターにエラー表示が出る。 パネルに影や汚れが見える。 設置から10年以上たち、点検履歴がない。
このような場合は、単なる天候の影響ではなく、設備の点検が必要な可能性があります。
発電量が低いときに自分で確認できる5つのチェック
発電量が低いと感じたら、すぐに業者へ依頼する前に、自分で安全に確認できることがあります。ただし、屋根に登る、機器を分解する、配線に触るといった作業は危険です。ここでは、地上や室内からできる範囲に限定して紹介します。
1. 発電モニターの数値とグラフを確認する
まず、発電モニターで当日、月間、年間の発電量を確認します。今日だけ低いのか、今月全体が低いのか、前年同月と比べて低いのかを見ます。
晴天日であれば、発電グラフはおおむね山型になります。雲が多い日は上下に揺れます。毎日同じ時間にガクッと下がるなら影、日中に突然ゼロになるならパワーコンディショナや通信、ブレーカーなどの問題が考えられます。
2. 天候と季節を確認する
発電量が低い日が、曇り、雨、雪、黄砂、台風前後、梅雨時期であれば、自然な低下の可能性があります。太陽光発電は曇りや雨の日に発電量が少なくなります。
ただし、晴天が続いているのに低い場合は、天候以外の原因を疑いましょう。
3. 地上から影を確認する
午前、正午前後、午後の3回、地上から屋根周辺を見て、パネルに影がかかっていないか確認します。樹木、電柱、アンテナ、隣家、ベランダ、屋根の段差などを見ます。
影は時間帯や季節で変わるため、1回見ただけでは判断できません。発電量が落ちている時間帯に合わせて確認するのが効果的です。
4. パネル表面の大きな汚れを確認する
安全な場所から、パネル表面に落ち葉、鳥のふん、大きな汚れ、枝などがないか確認します。軽いほこりは雨で流れることもありますが、落ち葉や鳥のふんのような不透明な汚れは影響が大きくなることがあります。
見える範囲で汚れがあっても、自分で屋根に登るのは避けましょう。必要に応じて専門業者に相談します。
5. パワーコンディショナの表示を確認する
パワーコンディショナのランプ、エラー表示、運転音、周辺環境を確認します。エラーコードが出ている場合は、写真を撮るかメモしておくと、問い合わせ時に役立ちます。
パワーコンディショナは10〜15年程度が耐用年数の目安とされているため、設置から年数がたっている場合は特に確認が必要です。
改善しても発電量が戻らないときの対処法
影や汚れを確認し、天候や季節の影響も考慮したうえで、それでも発電量が低い状態が続く場合は、専門的な点検が必要です。
相談先は、設置した販売店、施工会社、メーカー、保守点検業者です。問い合わせる前に、次の情報を整理しておくとスムーズです。
• 設置年
• パネルメーカーと容量
• パワーコンディショナのメーカーと型番
• 月間発電量の推移
• 前年同月との比較
• エラーコードの有無
• 発電量が低いと感じた時期
• 影や汚れの有無
• 過去の点検履歴
専門業者の点検では、パワーコンディショナの状態、接続箱、配線、ブレーカー、ストリングごとの発電状態、パネルの外観、汚れ、破損、ホットスポット、絶縁状態などを確認することがあります。自分では見つけられない原因が、測定によって判明することもあります。
特に、次のような症状がある場合は早めに相談しましょう。
日中なのに発電量がゼロになる。 エラー表示が繰り返し出る。 焦げ臭い、異音がする。 パワーコンディショナ周辺が異常に熱い。 雨漏りや落雷、台風、積雪の後から発電量が落ちた。 設置から10年以上経過している。 前年同月比で低下が続いている。
発電量の低下は、売電収入や電気代だけでなく、安全面にも関わることがあります。発電しているから大丈夫、少し低いだけだから放置してよい、と考えず、違和感が続く場合は点検を受けましょう。
発電量を下げないために日頃からできる予防策
発電量の低下を防ぐには、異常が起きてから対応するだけでなく、日頃の確認と定期点検が大切です。
太陽光発電協会は、太陽光発電システムについて、所有者が自分で行う日常点検と、専門業者に依頼して行う定期点検が必要だと案内しています。発電性能の維持と安全確保のため、日常的には発電状況、外観異常、異音、異臭などを確認することが大切です。
住宅用のパワーコンディショナについては、4年に1度の点検が案内されています。
月1回、前年同月比を見る
もっとも簡単で効果的なのは、月1回の発電量チェックです。今月の発電量を見て、前年同月と 比べます。大きく下がっていれば、天候、影、汚れ、機器の状態を確認します。
晴天日の発電ピークを覚えておく
同じ季節の晴天日に、どのくらいのピーク発電が出るかを覚えておくと、異常に気づきやすくなります。たとえば、春の快晴日にいつも3.5kW前後出ていたのに、同じような条件で2.0kW台しか出ない場合は、何らかの原因があるかもしれません。
樹木や周辺環境の変化を見る
庭木や隣地の樹木は、数年で大きく成長します。最初は影にならなかった枝が、いつの間にかパネルに影を落とすことがあります。冬場は影が長くなるため、季節ごとの確認も重要です。
大雨・台風・積雪・落雷後は注意する
強風で飛来物が当たる、積雪で設備に負荷がかかる、落雷で電気系統に影響が出るなど、自然災害の後は発電量が低下することがあります。災害後に発電量が戻らない場合は、早めに点検を依頼しましょう。
点検履歴を残しておく
点検日、点検内容、交換部品、エラー履歴、清掃履歴を残しておくと、次に不具合が起きたときに原因を追いやすくなります。太陽光発電は長く使う設備なので、家電の保証書や住宅設備の書類と同じように、記録を保管しておきましょう。
まとめ:発電量が低い家は「影・方位・汚れ・機器・記録」に原因が出やすい
発電量が低い家には、次の6つの共通点があります。
• 屋根や周辺環境の影がパネルにかかっている
• 南向き・適切な角度で設置されていない
• パネル表面に汚れ・落ち葉・鳥のふんがある
• 天候・季節による低下を故障と勘違いしている
• パワーコンディショナの劣化や不具合を見落としている
• 発電量の記録を取らず、異常に気づくのが遅い
太陽光発電は、天候や季節によって発電量が変わる設備です。そのため、1日だけの発電量で良し悪しを判断するのではなく、前年同月や同じような晴天日と比べることが大切です。
一方で、影、汚れ、パワーコンディショナの不具合、経年劣化などによっ て、本当に発電量が低下している場合もあります。特に、晴天日でも発電量が伸びない、前年同月比で低下が続く、エラー表示が出る、設置から10年以上たっているといった場合は、専門業者への相談を検討しましょう。
発電量を守るために大切なのは、難しい作業ではありません。月1回の発電量チェック、前年同月との比較、地上からの影や汚れの確認、パワーコンディショナの表示確認、定期点検の実施です。
太陽光発電は、設置して終わりではなく、長く安定して使うための管理が必要な設備です。発電量が低いと感じたら、焦って故障と決めつけるのではなく、まずは記録を確認し、原因を1つずつ切り分けていきましょう。適切に点検・改善すれば、発電量の低下を早期に見つけ、電気代削減や売電メリットを守りやすくなります。
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