目次
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
発電量が低いと感じたら最初に確認すること
太陽光発電の発電量が低いと感じたとき、すぐに故障と判断する必要はありません。発電量は、天候、季節、気温、日照時間、設置環境、機器の状態などによって日々変動します。昨日より少ない、先月より少ない、前年よ り少ないというだけでは、原因を正確に判断できません。
まず確認したいのは、「本当に異常な低下なのか」です。雨や曇りの日、冬場、梅雨時期、台風前後などは、晴天時と比べて発電量が大きく下がります。また、同じ晴れの日でも、空気中の湿度、黄砂、花粉、薄雲の有無によって発電量は変わります。
一方で、次のような状態が続く場合は注意が必要です。
• 晴天なのに発電量が明らかに少ない
• 以前と比べて半分近くまで下がっている
• 特定の時間帯だけ極端に発電しない
• モニターにエラー表示が出ている
• パワーコンディショナーから異音や焦げ臭いにおいがする
• ブレーカーが落ちている
• 売電量が急に減った
発電量が低い原因は一つとは限りません。例えば、パネルの汚れに加えて、木の影が伸びている、さらにパワーコンディショナーの変換効率も落ちているというように、複数の要因が重なっていることもあります。
そのため、原因を探すときは「天気の問題か」「設置環境の問題か」「機器の問題か」「計測や制度上の問題か」を順番に切り分けることが大切です。
発電量が低い原因は大きく7タイプに分けられる
発電量が低い主な原因は、次の7タイプに整理できます。
この7タイプのうち、自分で確認しやすいのは「天候」「汚れ」「影」「モニター表示」です。一方で、パネル内部、配線、パワーコンディショナー、電気系統の異常は、感電や火災の危険があるため、無理に触らないことが重要です。
タイプ1:天候・季節・日照時間によって発電量が低い
発電量が低い原因として最も多いのが、天候や季節による自然な変動です。太陽光発電は太陽光を受けて発電するため、日射量が少なければ発電量も下がります。
特に発電量が低くなりやすいのは、次の時期です。
• 梅雨時期
• 台風や長雨が続く時期
• 冬場の日照時間が短い時期
• 雪が積もる地域の冬
• 黄砂や花粉が多い時期
• 曇りがちな季節の変わり目
太陽光発電は「夏が最も発電する」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。夏は日照時間が長い一方で、気温が高くなると太陽光パネルの発電効率が下がることがあります。地域や設置条件によっては、春や秋の方が発電効率がよくなる場合もあります。
確認方法
天候や季節が原因かどうかを確認するには、1日単位ではなく、月単位・年単位で比較するのが基本です。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 前年同月の発電量と比べる
• 晴天日の発電量だけを比べる
• 雨や曇りの日を除外して考える
• 近隣地域の日照時間を確認する
• 1週間以上の傾向を見る
例えば、雨の日に発電量が低いのは正常です。しかし、快晴の日が続いているのに前年同月より大きく低い場合は、別の原因を疑う必要があります。
対処法
天候や季節が原因の場合、機器の修理は必要ありません。対処としては、発電量の記録を取り、正常な変動範囲を把握することが重要です。
発電量をチェックするときは、次のように記録しておくと原因を見つけやすくなります。
発電量が低いと感じても、天候の影響であれば一時的なものです。まずは慌てず、数日から数週間の推移を見るようにしましょう。
タイプ2:パネルの汚れ・落ち葉・鳥のふんで発電量が低い
太陽光パネルの表面に汚れが付着すると、光が十分に届かず発電量が低下します。特に、鳥のふん、落ち葉、 黄砂、花粉、砂ぼこり、排気ガス由来の汚れなどは、発電量低下の原因になります。
一般的な住宅の屋根に設置された太陽光パネルは、雨によってある程度汚れが流れます。しかし、雨だけでは落ちにくい汚れもあります。鳥のふんや油分を含んだ汚れ、長期間たまった土ぼこりは、自然には落ちにくいことがあります。
汚れが原因になりやすい設置環境
次のような環境では、パネルが汚れやすくなります。
• 近くに大きな木がある
• 鳥がよく集まる
• 畑や未舗装道路が近い
• 工場や交通量の多い道路が近い
• 海沿いで塩分を含んだ風を受けやすい
• 黄砂や花粉が多い地域
• 屋根の勾配が緩く、汚れが流れにくい
特に注意したいのは、汚れが一部に集中しているケースです。太陽光パネルは、部分的に光が遮られるだけでも発電量に影響することがあります。小さな汚れでも、場所によっては想像以上に発電量が落ちる場合があります。
確認方法
地上から見える範囲で、パネル表面に目立つ汚れや落ち葉がないか確認します。ただし、屋根に上るのは危険です。転落事故のリスクがあるため、無理に近づいて確認する必要はありません。
確認するときは、次の点を見ます。
• パネル表面に白い汚れや黒ずみがないか
• 落ち葉や枝がたまっていないか
• 鳥のふんが目立たないか
• 雨の後でも汚れが残っていないか
• 特定のパネルだけ汚れていないか
発電モニターでストリングごとの発電量が確認できる場合は、特定の系統だけ低くなっていないか見るのも有効です。
対処法
軽い汚れであれば、雨で自然に落ちることもあります。しかし、長期間落ちない汚れや鳥のふんがある場合は、専門業者に清掃を依頼するのが安全です。
自分で清掃する場合でも、次の行為は避けてください。
• 屋根に上って作業する
• 高圧洗浄機を近距離で当てる
• 硬いブラシでこする
• 洗剤を大量に使う
• パネル表面を踏む
• 濡れた状態で電気設備 に触る
太陽光パネルは精密な電気設備です。表面に傷がつくと、発電効率の低下や故障につながる可能性があります。安全面と機器保護の両方を考えると、屋根上の清掃は専門業者に依頼するのが無難です。
タイプ3:影の影響で発電量が低い
発電量が低い原因として見落とされやすいのが、影の影響です。太陽光パネルは太陽光を受けて発電するため、建物や木、電柱、アンテナなどの影がかかると発電量が下がります。
影の厄介な点は、季節や時間帯によって変わることです。設置当初は問題がなくても、数年後に木が成長したり、隣地に建物が建ったりすることで、発電量が低くなることがあります。
影の原因になりやすいもの
影を作りやすいものには、次のようなものがあります。
• 隣家や周辺建物
• 屋根上のアンテナ
• 煙突や換気設備
• 電柱や電線
• 庭木や街路樹
• 山や崖などの地形
• 物置や増築部分
特に冬は太陽の高度が低くなるため、夏には影響しなかった影がパネルにかかる ことがあります。そのため、「冬だけ発電量が低い」「午前中だけ低い」「午後だけ急に落ちる」という場合は、影の影響を疑いましょう。
確認方法
影の確認は、晴れた日に時間帯を変えて行います。朝、昼、夕方の3回程度、地上から屋根の状態を見て、パネルに影がかかっていないか確認します。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 朝だけ影がかかっていないか
• 夕方だけ影が伸びていないか
• 冬場に影が長くなっていないか
•

