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発電量が低い原因は日射量不足?地域別の見方

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次


発電量が低いと感じたら、まず見るべき結論

太陽光発電の発電量が低いと感じたとき、最初に疑うべきなのは「日射量不足」です。ただし、日射量不足だけで判断すると、パネルの汚れ、日陰、パワーコンディショナの停止、配線やストリングの不具合、電圧抑制、経年劣化といった別の原因を見落とすことがあります。


発電量が低いかどうかは、単純に「今月の数字が少ない」だけでは判断できません。見るべき順番は、まず地域の気候差、次に同じ地域での季節差、最後に自宅設備の状態です。たとえば、冬の日本海側で発電量が低い場合は天候や積雪の影響が大きい可能性があります。一方で、晴天が多い地域なのに快晴日の昼間でも発電が弱い場合は、設備側の不具合を疑うべきです。


特に重要なのは、「地域平均との差」と「自宅の過去平均との差」を分けて考えることです。太陽光発電の発電電力量は日射量に大きく左右されますが、日射量が同じでも、温度、方位、角度、周辺環境、汚れ、パワーコンディショナの効率などで発電結果は変わります。JPEAの資料でも、日射量だけでなく、温度上昇、設置条件、地域差、配線、受光面の汚れなどが発電電力に影響することが示されています。


つまり、「発電量が低い=故障」とすぐに決めつける必要はありません。しかし、「日射量が少ない地域だから仕方ない」と放置するのも危険です。この記事では、発電量が低い原因を日射量と地域差から読み解きながら、設備トラブルを見分けるための具体的な確認方法まで解説します。


発電量が低い原因は日射量不足だけではない

発電量が低いときの原因は、大きく分けると「自然条件」「設置条件」「設備状態」「運用上の制御」の4つです。日射量不足は自然条件に含まれますが、実際には複数の要因が重なって発電量が落ちているケースが少なくありません。


1. 天候や日射量の不足

太陽光発電は、太陽光を受けて発電します。そのため、雨、曇り、雪、霧、長雨、梅雨、台風シーズンなどは発電量が低くなりやすいです。快晴の日は発電の山が大きくなり、薄曇りでは山が低くなり、雨の日はさらに発電が弱くなります。JPEAの資料でも、太陽光発電システムの発電電力量は日射量にほぼ比例し、天候によって発電出力の推移が変わると説明されています。


ただし、曇りの日でも完全に発電しないわけではありません。薄曇りであれば一定の発電はありますが、雲が厚い日や雨の日は発電量が大きく下がります。1日単位で見ると不安になる数字でも、月単位で見れば平年並みということもあります。


2. 季節による太陽高度と日照時間の変化

発電量は季節によって大きく変わります。冬は日が短く、太陽高度も低くなるため、同じ設備でも夏や春に比べて発電時間が短くなります。さらに、積雪地域ではパネルの上に雪が積もると光が届きにくくなり、発電量が一時的に大きく低下します。


一方で、夏は日が長く日射量も多いイメージがありますが、真夏の高温は発電効率を下げる要因になります。太陽電池は表面温度が高くなると出力が低下する温度特性があり、同じ日射量であれば冬季より夏季の出力が低くなることがあります。


3. パネルの方位・角度・周囲の日陰

地域の日射量が十分でも、設置条件が悪いと発電量は低くなります。南向きに近い屋根と、東西向きや北寄りの屋根では、年間発電量に差が出ます。また、屋根の勾配、隣家、樹木、電柱、アンテナ、山の影、ベランダの手すりなども発電量に影響します。


特に注意したいのは、設置時には問題がなかった日陰です。数年のうちに庭木が伸びたり、近隣に建物が建ったりすると、以前より発電量が低い状態になることがあります。太陽光発電はパネル全体に均一に光が当たることが重要で、一部だけ影がかかる場合でも発電ロスにつながることがあります。


4. パネルの汚れ・落葉・鳥のふん・黄砂

太陽光パネルの表面にごみ、ほこり、鳥のふん、落葉、黄砂、花粉、火山灰、海沿いの塩分を含む汚れなどが付着すると、受光量が減って発電量が低くなります。JPEAは、太陽電池モジュール表面にごみやほこりが付くと発電量が数%程度低下することがあり、平均的な都市部では汚れによる出力低下はおおむね5%以下と説明しています。


ただし、汚れは地域や設置環境によって差が出ます。交通量の多い道路沿い、工場地帯、海沿い、鳥が多い場所、傾斜の少ない屋根では、雨だけで流れにくい汚れが残ることがあります。法人施設などでパネルを水平に近い角度で設置している場合は、汚れや水滴の残留によって発電量低下の可能性があることも指摘されています。


5. パワーコンディショナの停止・電圧抑制

発電量が低い原因がパネルではなく、パワーコンディショナにある場合もあります。パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電した直流電力を家庭や系統で使える交流電力に変換する装置です。ここにエラー、停止、温度上昇、電圧抑制、ブレーカー遮断などが起きると、パネル自体は発電できる状態でも実際の発電量や売電量が低くなります。


発電モニターに「電圧抑制」「連系停止」「異常」「エラーコード」などが表示されている場合は、日射量ではなく機器側の原因を優先して確認しましょう。快晴なのに発電グラフが急に途切れる、特定の時間帯だけ極端に発電が落ちる、発電しているはずなのに売電が少ないといった場合も、パワーコンディショナ周辺を確認する必要があります。


6. 配線・ストリング・モジュールの不具合

太陽光発電では、複数のパネルをつないだ単位をストリングと呼びます。特定のストリングで断線、高抵抗、接続不良、バイパスダイオードの異常、パネル内部の故障などが起きると、全体の発電量が低くなることがあります。JPEAの不具合事例では、同じストリング内に複数のクラスタ故障パネルがあり、ストリング単位で発電力が大きく低下したケースが紹介されています。


このような不具合は、一般の利用者が目視だけで判断するのは困難です。発電モニターで毎月の発電量がじわじわ下がっている、快晴日のピークが以前より明らかに低い、業者の点検でストリング電流に差があるといった場合は、専門点検が必要です。


日射量・日照時間・発電量の違いを整理する

発電量が低い原因を正しく見分けるには、「日射量」「日照時間」「発電量」の違いを理解しておく必要があります。これらを混同すると、地域別の見方を誤ります。


日射量とは

日射量とは、地表に届く太陽エネルギーの量です。太陽光発電の発電量に最も直接的に関わる指標です。日射量が多い地域や時期ほど、一般的には発電しやすくなります。


太陽光発電の地域差を調べる場合は、日照時間だけではなく、日射量データを見ることが重要です。NEDOは、日本国内の日射量データベースとして、年間月別日射量データベースのMONSOLA-20、年間時別日射量データベースのMETPV-20、全国日射量マップなどを提供しています。


日照時間とは

日照時間は、太陽が照っていた時間を示す気象指標です。発電量の目安にはなりますが、日照時間が同じでも太陽の強さ、雲の薄さ、空気中の水蒸気、季節、太陽高度によって発電量は変わります。気象庁の平年値は1991年から2020年までのデータを用いて作成され、2020年平年値として公開されています。


たとえば、同じ5時間の日照でも、夏の昼に強い日差しが続く場合と、冬の低い太陽が弱く差す場合では、太陽光パネルが受けるエネルギーは同じではありません。そのため、日照時間は「天気傾向を見る指標」、日射量は「発電ポテンシャルを見る指標」と分けて考えるとわかりやすいです。


発電量とは

発電量は、実際に太陽光発電システムが作った電力量です。単位はkWhで表示されます。これに対して、瞬間的な発電の強さはkWで表示されます。


たとえば、発電モニターに「3.0kW」と表示されている場合、それはその瞬間の発電電力です。一方で、「今日の発電量が18kWh」「今月の発電量が420kWh」と表示される場合は、一定時間に作った電力量を表しています。発電量が低いかどうかを判断するときは、瞬間値だけでなく、日別・月別・前年同月比で見ることが大切です。


地域別に見る発電量が低いときの判断ポイント

太陽光発電の発電量は、地域によって見方が変わります。日本は南北に長く、太平洋側、日本海側、内陸部、山間部、沿岸部で天候の傾向が違います。同じ設備容量でも、地域によって「低く見えて当然の時期」と「低すぎて注意すべき時期」があります。


北海道・東北で発電量が低い場合

北海道や東北では、冬の日照時間の短さ、太陽高度の低さ、積雪、凍結が発電量低下の大きな要因になります。特に、パネル上に雪が残ると、晴れていても光が届かず発電量が低い状態になります。


一方で、気温が低い時期はパネルの温度上昇による出力低下が起きにくいため、雪がなく、空気が澄んだ快晴日には発電効率が良くなることもあります。冬の月間発電量だけを見て故障と判断するのではなく、雪の有無、快晴日のピーク、前年同月との比較を確認しましょう。


注意したいのは、春になっても発電量が戻らない場合です。積雪による架台や配線のダメージ、落雪によるパネル破損、雪解け後の汚れが残っている可能性があります。雪が消えた後の快晴日でも明らかに発電量が低いなら、点検を検討してください。


北陸・山陰・日本海側で発電量が低い場合

北陸、山陰、日本海側は、冬季に曇天や降雪が続きやすい地域です。冬の発電量が低い場合、まずは地域の天候傾向と照らし合わせる必要があります。1週間単位で低い発電量が続いても、曇りや雨の日が多ければ自然条件の影響が大きいと考えられます。


ただし、日本海側でも春から秋にかけて発電量が回復しない場合は、日射量不足だけでは説明しにくくなります。特に、梅雨明け後や秋晴れの日でも発電グラフのピークが低い場合は、パネルの汚れ、PCSの制御、ストリング不具合、周辺の日陰を確認しましょう。


関東・東海・近畿で発電量が低い場合

関東、東海、近畿の都市部では、地域の日射量だけでなく、周辺環境の変化が発電量に影響しやすいです。隣家の増改築、マンション建設、庭木の成長、電線やアンテナの影、屋根上設備の増設などで、以前より日陰が増えることがあります。


また、都市部では道路由来の油分を含む汚れ、花粉、黄砂、鳥のふんがパネルに付着しやすい場所もあります。JPEAは、一般の住宅地区では汚れの多くが降雨で流されるため日常的に屋根へ登って掃除する必要はほとんどないとしつつ、交通量の多い道路隣接地域では油性浮遊物が降雨だけでは流れない場合があると説明しています。


この地域で発電量が低い場合は、天候だけでなく「以前は影がなかった場所に影ができていないか」「快晴日のピークが過去より落ちていないか」を確認すると原因を絞り込みやすくなります。


甲信・内陸部・盆地で発電量が低い場合

甲信地域や内陸部、盆地では、晴天日が多い一方で、朝夕の山影、霧、寒暖差、積雪、夏の高温が発電量に影響します。山に囲まれた場所では、太陽が出ている時間そのものは長くても、朝や夕方にパネルへ直射光が届きにくいことがあります。


また、夏場は気温が高くなりやすく、パネル表面温度の上昇によって出力が下がることがあります。真夏の晴天日なのに思ったほど発電しない場合、故障ではなく温度特性の影響も考えられます。反対に、春や秋の涼しい快晴日はよく発電しやすいため、年間の中でも比較しやすい基準日になります。


中国・四国・瀬戸内で発電量が低い場合

瀬戸内地域は比較的晴天が多いイメージがあります。そのため、晴天が続いているのに発電量が低い場合は、日射量不足以外の原因を疑う優先度が高くなります。特に、パネルの角度、屋根の向き、PCSの表示、電圧抑制、汚れ、塩害、鳥のふんなどを確認しましょう。


沿岸部では塩分を含んだ風の影響を受けることがあります。直接海が見える立地でなくても、強風や台風後に汚れが残ることがあります。台風の後に発電量が落ちた場合は、パネル表面の汚れだけでなく、架台、配線、PCS周辺の異常にも注意が必要です。


九州・沖縄で発電量が低い場合

九州や沖縄では、強い日射、高温、台風、塩害、火山灰、豪雨などの影響を考える必要があります。日射が強い地域では発電量が多くなりやすい一方、夏の高温による出力低下、台風後の汚れや設備損傷、海沿いの塩害が発電量低下につながることがあります。


また、売電設備では出力制御の影響を受ける場合があります。資源エネルギー庁のガイドラインでは、再生可能エネルギーが高出力となり需給バランス調整が必要な場合に出力制御が行われることがあり、太陽光発電事業者は送配電事業者から協力を求められた場合に協力する必要があると説明されています。


発電量が低いと感じたら、まず天候と設備状態を確認し、そのうえで出力制御の対象になっていないか、PCSや監視システムの表示を確認しましょう。


季節別に見る発電量が低い時期の特徴

春は発電量が伸びやすいが、汚れに注意

春は気温が比較的低く、日射も増えるため、太陽光発電にとって良い季節です。ただし、花粉、黄砂、強風による砂ぼこり、鳥のふんが付着しやすい時期でもあります。雨が降れば多くの汚れは流れますが、鳥のふんや油分を含む汚れは残ることがあります。


春の快晴日でも前年より発電ピークが低い場合は、パネルの汚れや日陰の変化を疑いましょう。特に、冬の間に枝が伸びた樹木、屋根上に残った落葉、アンテナや設備の影は見落としやすいポイントです。


梅雨は一時的に発電量が低くなりやすい

梅雨は曇りや雨の日が多く、月間発電量が低くなりやすい時期です。この時期は、1日ごとの数字で判断するよりも、月間推移や前年同月比を見ることが大切です。


ただし、梅雨明け後に晴天が続いても発電量が戻らない場合は、梅雨中に付着した汚れ、PCSのエラー、湿気による接続部の不具合などを確認しましょう。湿気や豪雨の後にエラー表示が出た場合は、自己判断で機器を開けず、販売店や施工会社に相談するのが安全です。


夏は日射が強いが、高温で出力が下がる

夏は日が長く、日射も強い季節です。しかし、パネル温度が上がると出力が低下するため、「真夏なのに期待ほど発電しない」と感じることがあります。JPEAの資料でも、太陽電池は表面温度が高くなると出力が低下し、受ける日射量が同じなら冬季より夏季の出力が低下すると説明されています。


夏に見るべきなのは、1日のピーク発電だけではありません。朝から夕方まで発電できているか、グラフがなだらかに推移しているか、途中で急に落ちていないかが重要です。正午前後に急に発電が落ちる場合は、PCSの温度上昇、電圧抑制、日陰の発生なども考えられます。


秋は比較しやすい基準日が多い

秋は気温が落ち着き、晴天日もあるため、発電量の比較に向いている季節です。春と同様、快晴日の発電ピークを前年と比べると、設備状態の変化に気づきやすくなります。


台風後は、パネルの汚れ、飛来物、架台の緩み、配線の損傷に注意が必要です。資源エネルギー庁のガイドラインでも、落雷、洪水、暴風、豪雪、地震などで設備に異常や破損が生じる可能性がある場合は、運転状況や現地の確認、専門知識のある者による点検が重要とされています。


冬は地域差が最も出やすい

冬は、地域差が大きく出ます。太平洋側では晴天が多い地域もありますが、日本海側や積雪地域では発電量が低くなりやすいです。日照時間が短く、太陽高度も低いため、南向き以外の屋根では特に発電量が伸びにくくなります。


冬の発電量が低い場合は、まず地域の平年値や過去の自宅データと比べましょう。毎年冬だけ低いなら自然条件の可能性が高いですが、今年だけ極端に低い、雪がない快晴日でも発電しない、PCSが停止しているといった場合は、設備側の確認が必要です。


自宅でできる5つのチェック方法

1. 前年同月の発電量と比較する

発電量が低いと感じたら、まず前年同月と比較しましょう。1日単位では天気の影響が大きすぎるため、月単位で見るのが基本です。可能であれば、過去3年分の同じ月を比較すると、今年だけ異常に低いのか、毎年同じ傾向なのかが分かります。


比較するときは、単に総発電量を見るだけでなく、晴天日が何日あったかも確認しましょう。月間発電量が低くても、雨や曇りが多かった月なら自然な結果です。逆に、晴天が多かったのに前年より大きく低い場合は、日射量以外の原因を疑います。


2. 快晴日の正午前後のピークを確認する

設備異常を見つけやすいのは、快晴日の正午前後です。天候のブレが少ないため、過去の快晴日と比べやすくなります。


確認するポイントは、発電グラフの形です。正常な場合、晴天日は朝から発電が増え、昼前後にピークを迎え、夕方に向けて下がる山型になりやすいです。グラフが途中で急に落ちる、階段状に不自然に下がる、昼なのに極端に低い、ピークが以前より明らかに低い場合は、PCSの制御、日陰、ストリング異常などを確認しましょう。


3. パワーコンディショナの表示を確認する

発電量が低いときは、パワーコンディショナの表示を必ず確認してください。エラーコード、停止表示、電圧抑制、連系停止、異音、異臭、異常な発熱がないかを見ます。


ただし、パワーコンディショナ内部を開けたり、配線に触れたりしてはいけません。確認できるのは、表示パネル、運転ランプ、ブレーカーの状態、説明書に記載されたエラー内容までです。異常がある場合は、メーカー、販売店、施工会社に連絡しましょう。


4. 日陰の変化を確認する

発電量が低い原因として、意外に多いのが日陰です。季節によって太陽の角度が変わるため、夏は影にならなかった場所が冬は影になることがあります。


朝、昼、夕方でパネル周辺を見て、次のような影がないか確認してください。


隣家やマンションの影

庭木や街路樹の影

電柱や電線の影

アンテナ、煙突、屋根上設備の影

山や斜面の影

ベランダ、手すり、雪止め金具の影


特に、細い影でもパネルの一部に長時間かかる場合は、発電量に影響することがあります。発電量が低い時間帯と影が出る時間帯が一致しているなら、日陰が原因である可能性が高まります。


5. パネル表面の汚れや積雪を確認する

地上から安全に見える範囲で、パネル表面に汚れ、落葉、鳥のふん、雪、飛来物がないか確認しましょう。屋根に登って確認したり、水をかけて掃除したりするのは危険です。


汚れの多くは雨で流れることがありますが、鳥のふん、油分、泥、火山灰、海沿いの塩分、水平に近い設置で残る水垢などは残りやすいです。JPEAは、安全面からも屋根に登って日常的に掃除する必要はほとんどないと説明していますが、汚れが強い環境では清掃や点検が必要になることがあります。


故障や不具合を疑うべきサイン

快晴日でも発電ピークが以前より明らかに低い

曇りや雨の日の発電量が低いのは自然です。しかし、雲のない快晴日でも発電ピークが以前より大きく下がっている場合は、設備側の原因を疑うべきです。


特に、同じ季節、同じ時間帯、同じような天気で比較して低い場合は、パネルの汚れ、日陰、PCSの不具合、ストリング異常、劣化などが考えられます。


発電グラフが急に途切れる

発電グラフが昼間に突然ゼロになる、途中で何度も落ちる、山型ではなく不自然な段差が出る場合は、パワーコンディショナの停止や制御が起きている可能性があります。エラー表示や抑制表示を確認しましょう。


特定の日を境に発電量が低い

台風、落雷、豪雨、積雪、工事、停電、ブレーカー操作の後から発電量が低い場合は、自然な季節変動ではなく、設備に何らかの変化が起きた可能性があります。資源エネルギー庁のガイドラインでも、災害後や設備異常時には、発電状況や現地確認、専門知識を持つ者による点検が重要とされています。


PCSのエラーや異音・異臭がある

パワーコンディショナから異音がする、焦げ臭い、異常に熱い、エラーコードが出ている場合は、使用者が分解して確認するのではなく、すぐに専門業者へ相談してください。発電量の問題だけでなく、安全上の問題につながる可能性があります。


長期的に発電量が下がり続けている

数日や1か月ではなく、1年、2年と発電量が下がり続けている場合は、経年劣化や設備の不具合を確認する必要があります。年ごとの天候差もあるため一概には言えませんが、快晴日のピーク値まで落ちている場合は、単なる天候不順では説明しにくくなります。


発電量が低い状態を改善する具体策

地域の平年値と自宅データをセットで見る

まずは、地域の天候が原因なのか、自宅設備が原因なのかを切り分けます。地域の傾向を見るには、気象庁の平年値やNEDOの日射量データベースが参考になります。気象庁の2020年平年値は1991年から2020年のデータを用いて作成され、NEDOは国内の日射量データベースや全国日射量マップを提供しています。


ただし、地域データだけで判断してはいけません。同じ市町村でも、山影、海風、盆地、住宅密集地、屋根の向きで発電量は変わります。最も重要なのは、自宅の過去データと比較することです。


汚れが疑われる場合は安全な清掃方法を選ぶ

パネルの汚れが疑われる場合でも、自分で屋根に登るのは避けましょう。転落、感電、屋根材の破損、パネル破損のリスクがあります。地上から確認できる範囲で状況を把握し、必要に応じて施工会社や専門清掃業者に相談します。


特に、鳥のふんが広範囲にある、火山灰や黄砂が厚く残っている、海沿いで塩分を含む汚れが目立つ、水平設置で水垢が残りやすい場合は、清掃によって改善する可能性があります。


日陰が原因なら剪定や配置変更を検討する

庭木や植栽が原因なら、剪定で改善できることがあります。屋根上のアンテナや設備の影が原因の場合は、移設できるかを業者に相談しましょう。


ただし、隣地の建物や電柱、山影など、自分で解決できない日陰もあります。この場合は、発電量の低下を前提に、蓄電池の運用、電気の使い方、売電と自家消費のバランスを見直す方が現実的です。


PCS周辺の環境を整える

パワーコンディショナは熱の影響を受けることがあります。屋外設置で直射日光が強い、周囲に物を置いて通気が悪い、吸排気口がほこりで詰まっていると、停止や出力低下の原因になる可能性があります。


利用者ができるのは、PCSの周囲に物を置かない、通風を妨げない、表示を確認する、説明書に従って外観を確認する程度です。内部清掃や部品交換は専門業者に任せましょう。


定期的に発電量を記録する

資源エネルギー庁のガイドラインでは、発電性能の維持に関する取組として、発電電力量を計測し記録するよう努めることや、発電電力量と日射量の比較、地域の他設備との比較によって性能低下を発見できる場合があることが示されています。


住宅用でも、月に1回だけでも記録しておくと、異常の早期発見に役立ちます。記録する項目は、月間発電量、前年同月比、晴天日数の感覚、PCSのエラー有無、清掃や点検の履歴です。


業者へ相談する前に準備したい記録

発電量が低い状態で業者に相談する場合、事前に記録を用意しておくと原因の切り分けがスムーズです。次の情報をまとめておきましょう。


特に重要なのは、快晴日の発電グラフです。曇りや雨の日のデータだけでは、日射量不足なのか設備異常なのか判断しにくいからです。できれば、過去の快晴日と現在の快晴日を比較できるようにしておきましょう。


また、設置から年数が経っている場合は、保証書、施工図、PCSの型番、点検報告書も用意しておくと役立ちます。ストリングごとの異常やPCSの内部異常は、専門機器で測定しないと分からないことが多いため、記録をもとに点検範囲を絞ることが大切です。


発電量が低いときにやってはいけないこと

屋根に登って自己判断で清掃する

発電量が低いからといって、屋根に登ってパネルを掃除するのは危険です。太陽光パネルは屋根の高所に設置されていることが多く、濡れた屋根や勾配のある屋根では転落リスクがあります。さらに、パネルや配線を傷つけると、発電量低下だけでなく漏電や感電リスクにつながる可能性があります。


エラーを無視して運転し続ける

PCSのエラーや異常表示があるのに放置すると、発電ロスが続くだけでなく、故障の拡大につながる可能性があります。説明書で確認できる範囲を超える場合は、早めに専門業者へ連絡しましょう。


地域差だけで諦める

「自分の地域は日射量が少ないから仕方ない」と決めつけるのも避けるべきです。たしかに地域差はありますが、同じ地域でも設置条件や設備状態によって発電量は変わります。地域の平均より低いこと自体よりも、「自宅の過去データから大きく低下しているか」を重視しましょう。


瞬間値だけで判断する

発電モニターの瞬間値が低いだけで故障と判断するのは早計です。雲がかかった瞬間、朝夕、雨天、PCSの制御中などは、瞬間的に発電電力が低くなります。判断には、日別、月別、快晴日のグラフ、前年同月比を組み合わせる必要があります。


まとめ

発電量が低い原因は、日射量不足だけとは限りません。天候、季節、地域差、パネルの方位や角度、日陰、汚れ、PCSの停止、電圧抑制、ストリング不具合、経年劣化など、複数の要因を順番に切り分けることが大切です。


まずは、地域の気候や日射量の傾向を確認しましょう。気象庁の平年値やNEDOの日射量データベースを使えば、地域ごとの見方を整理できます。次に、自宅の前年同月比、快晴日のピーク、発電グラフの形を確認します。地域全体で日射量が少ない月なら自然条件の影響が大きいですが、晴天が多いのに発電量が戻らない場合は、設備側の確認が必要です。


特に、快晴日の発電ピークが以前より明らかに低い、発電グラフが途中で急落する、PCSにエラーが出ている、台風や落雷後から発電量が低い、特定の期間から急に低下したという場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。


発電量が低いときの判断で最も大切なのは、「地域差」「季節差」「自宅設備の変化」を分けて見ることです。日射量不足なら様子を見るべき時期もありますが、設備不具合なら早期発見によって発電ロスを抑えられます。毎月の発電量を記録し、快晴日のグラフを比較する習慣を持つことで、発電量低下の原因を見つけやすくなります。


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