目次
• 発電量が低いと感じたとき、まず確認すべきこと
• 月別の発電量目安12カ月
• 発電量が低い原因を切り分ける5つの視点
• 季節ごとに発電量が変わる理由
• 発電量が低いときのセルフチェック10項目
• 異常の可能性が高いケース
• 発電量を回復・改善するための対策
• 業者に相談する前に準備しておきたいデータ
• よくある質問
• まとめ
発電量が低いと感じたとき、まず確認すべきこと
太陽光発電を使っていると、「今月の発電量が思ったより低い」「去年より発電していない気がする」「売電額が減っていて不安」と感じることがあります。特に、電気代の高騰や売電収入の減少が気になる時期には、発電量の変化に敏感になりやすいものです。
ただし、発電量が低いからといって、すぐに故障と判断する必要はありません。太陽光発電の発電量は、季節、天気、日照時間、気温、パネルの角度、方角、影、汚れ、パワーコンディショナーの状態など、さまざまな要因で変動します。特に月ごとの変動は大きく、冬や梅雨の時期は発電量が低くなりやすい傾向があります。
最初に見るべきポイントは、「今月の発電量が低いかどうか」ではなく、「その月として不自然に低いかどうか」です。たとえば、12月や1月の発電量が5月や8月より低いのは自然なことです。一方で、晴天が多かったにもかかわらず前年同月より30%以上低い、複数日連続で極端に発電していない、昼間でも発電量がほぼゼロに近いといった場合は、何らかの異常を疑う必要があります。
この記事では、太陽光発電の発電量が低いと感じたときに確認すべき月別目安を12カ月分まとめ、原因の見分け方や対策まで解説します。数字だけで判断せず、季節ごとの特徴とあわせて確認することで、正常な低下なのか、点検が必要な異常なのかを判断しやすくなり ます。
月別の発電量目安12カ月
太陽光発電の発電量は、設置容量1kWあたりの月間発電量で見ると比較しやすくなります。家庭用でよくある4kW、5kW、6kWの設備でも、まずは「1kWあたり何kWh発電しているか」を確認すると、設備規模の違いに左右されずに判断できます。
以下は、一般的な住宅用太陽光発電を想定した月別の目安です。地域、屋根の向き、パネル角度、日射条件、メーカー、設置年数によって差が出るため、あくまで確認用の目安として見てください。
この表で大切なのは、月ごとの差を見ることです。たとえば5kWの設備で5月に600kWh前後発電していた家庭が、12月に320kWh程度になるのは珍しくありません。反対に、5月や4月のように発電しやすい月で、5kW設備なのに月間200kWh程度しか発電していない場合は、影、汚れ、機器不具合、計測トラブルなどを疑うべきです。
また、同じ月でも地域差があります。北海道や東北の一部では冬に積雪の影響を受けますし、日本海側では冬の曇天が多くなる地域もあります。反対に太平洋側では冬でも晴れが多く、比較的発電しやすい地域もあります。目安より少し低いだけで不安になる必要はありませんが、前年同月や近隣の発電実績と比べて大きく落ちている場合は注意が必要です。
1月の発電量が低い理由と確認ポイント
1月は、1年の中でも発電量が低くなりやすい月です。理由は、日照時間が短く、太陽の高度が低く、朝夕の発電時間も短いためです。さらに、地域によっては積雪、霜、曇天の影響を受けます。
1kWあたりの月間発電量は60〜90kWh程度が目安です。5kW設備なら300〜450kWh前後を想定するとよいでしょう。もちろん、雪がパネルに積もっている期間が長い場合は、この目安を下回ることもあります。
1月に確認したいのは、晴れた日 の昼間にきちんと発電しているかです。月間発電量が低くても、晴天日の10時〜14時に発電量がしっかり出ていれば、季節要因の可能性が高いです。一方で、快晴の日でも発電量が極端に低い、パワーコンディショナーにエラー表示がある、片面の屋根だけ発電していないように見える場合は点検を検討しましょう。
2月の発電量が低い理由と確認ポイント
2月は1月より日照時間が少しずつ伸び、発電量も回復し始めます。ただし、まだ太陽高度は低く、寒波や積雪、曇天の影響が残るため、地域差が大きい月です。
1kWあたりの月間発電量は70〜100kWh程度が目安です。5kW設備なら350〜500kWh前後を目安に確認します。1月より大きく増えない場合でも、天候が悪ければ自然な範囲です。
2月は、影の影響にも注意が必要です。太陽高度が低いため、隣家、木、アンテナ、電柱、屋根の段差などの影がパネルにかかりやすくなります。特に朝や夕方に影が伸びるだけでなく、昼前後にも影がかか る場合は発電量が下がりやすくなります。冬だけ発電量が大きく落ちる家庭では、故障ではなく影が主な原因になっていることがあります。
3月の発電量が低い理由と確認ポイント
3月は日照時間が伸び、太陽高度も上がるため、発電量が増えやすい月です。冬と比べて明らかに発電量が回復してくるのが一般的です。
1kWあたりの月間発電量は90〜120kWh程度が目安です。5kW設備なら450〜600kWh前後がひとつの基準です。3月になっても1月並みの発電量しかない場合は、天候だけでなく設備側の要因も確認したほうがよいでしょう。
この時期は、黄砂や花粉によるパネル汚れにも注意が必要です。薄い汚れであれば雨で流れることもありますが、鳥のフン、土ぼこり、落ち葉、粘着性の汚れなどが残ると発電効率が落ちることがあります。安全に確認できる範囲で、屋根上ではなくモニターや発電グラフを見ながら、晴天日の発電カーブが不自然に低くないかを確認しましょう。
4月の発電量が低い理由と確認ポイント
4月は、年間を通して発電量が高くなりやすい月です。気温が高すぎず、日射量も増えるため、太陽光発電にとって好条件になりやすい時期です。
1kWあたりの月間発電量は100〜130kWh程度が目安です。5kW設備なら500〜650kWh前後を期待できます。4月に発電量が極端に低い場合は、天候不良だけでは説明しにくいこともあります。
確認すべきポイントは、前年同月との比較です。前年4月が600kWhで今年4月が560kWh程度なら大きな問題とは限りません。しかし、前年4月が600kWhで今年4月が350kWhといった差がある場合は、発電停止、パワーコンディショナーの不具合、ブレーカーの異常、パネル汚れ、影の増加などを確認する必要があります。
5月の発電量が低い理由と確認ポイント
5月は、太陽光発電の発電量が年間で最も高くなりやすい月のひとつです。日照時間が長く、真夏ほど気温が高くないため、パネルの発電効率も比較的保たれます。
1kWあたりの月間発電量は110〜140kWh程度が目安です。5kW設備なら550〜700kWh前後になることもあります。5月の発電量が低い場合は、早めに原因を確認したいところです。
特に、晴れた日が多かったのに発電量が伸びない場合は注意が必要です。太陽光パネルは高温になると効率が落ちますが、5月はまだ真夏ほどの高温ではありません。そのため、5月に明らかに発電量が低い場合、パネル表面の汚れ、接続系統の不具合、パワーコンディショナーの出力抑制、計測機器のトラブルなどが疑われます。
6月の発電量が低い理由と確認ポイント
6月は梅雨の影響で発電量が低くなりやすい月です。日照時間自体は長いもの の、曇りや雨の日が増えるため、月間発電量は5月より下がることが一般的です。
1kWあたりの月間発電量は80〜110kWh程度が目安です。5kW設備なら400〜550kWh前後を見込むとよいでしょう。6月は、晴天日が少なければ目安より低くなることもあります。
判断のポイントは、天気との連動です。雨や曇りの日に発電量が低いのは自然です。しかし、梅雨の晴れ間に発電量が十分に回復しているかは確認しましょう。晴天日の発電カーブが山型にならず、途中で急に落ちる場合は、出力抑制やパワーコンディショナーの温度上昇、機器異常が関係している可能性があります。
7月の発電量が低い理由と確認ポイント
7月は日射量が多く、晴れれば高い発電量が期待できます。一方で、梅雨明け前の長雨、台風、急な雷雨、高温による効率低下などの影響を受けやすい月でもあります。
1kWあたりの月間発電量は90〜120kWh程度が目安です。5kW設備なら450〜600kWh前後が目安になります。晴天が多い年は高くなり、雨が多い年は大きく下がることがあります。
7月に注意したいのは、高温による発電効率の低下です。太陽光パネルは日射が強いほど発電しますが、パネル温度が高くなると効率が下がります。そのため、真夏の快晴日でも、春の快晴日より発電ピークが低く見えることがあります。これは故障とは限りません。
ただし、発電量が昼前後に急激に落ちる、パワーコンディショナーが停止と復帰を繰り返す、エラー表示が出る場合は、熱や機器不具合の可能性があります。
8月の発電量が低い理由と確認ポイント
8月は日差しが強く、発電量が高そうに感じる月ですが、実際には高温による効率低下の影響を受けます。また、台風、夕立、ゲリラ豪雨、雲の発生によって日ごとの発電量差が大きくな ります。
1kWあたりの月間発電量は95〜125kWh程度が目安です。5kW設備なら475〜625kWh前後を想定しましょう。5月より日差しは強くても、気温が高いため発電量が5月を下回ることは珍しくありません。
8月に発電量が低いと感じたら、まずは晴天日のピーク発電量だけでなく、1日の総発電量を見ます。昼間のピークが少し低くても、朝から夕方まで安定して発電していれば正常範囲の可能性があります。一方で、晴れているのに午前中だけしか発電していない、午後に急落する、特定の日から急に発電量が落ちた場合は点検対象です。
9月の発電量が低い理由と確認ポイント
9月は、夏から秋へ移り変わる時期で、台風や秋雨の影響を受けやすい月です。晴れの日は発電しますが、曇りや雨が続くと月間発電量は下がります。
1kWあたりの月間発電量は80〜110kWh程度が目安です。5kW設備なら400〜550kWh前後です。台風が多い年や長雨が続く年は、さらに低くなることもあります。
9月は台風後の確認が重要です。強風で飛来物が当たった、落ち葉や枝がパネル周辺にたまった、架台や配線に影響が出た、といった可能性があります。屋根に上がって確認するのは危険なので避け、発電モニター、パワーコンディショナー表示、ブレーカー、異音、焦げたにおいなどを安全な範囲で確認してください。
10月の発電量が低い理由と確認ポイント
10月は、気温が下がり、晴天が多い地域では発電が安定しやすい月です。ただし、日照時間は夏より短くなるため、8月や5月ほどの発電量にはならないことが一般的です。
1kWあたりの月間発電量は80〜110kWh程度が目安です。5kW設備なら400〜550kWh前後を確認基準にします。
10月に発電量が低い場合は、秋雨、台風後の汚れ、落ち葉、影の変化を確認しましょう。太陽高度が下がり始めるため、夏には問題なかった木や建物の影が、秋以降はパネルにかかることがあります。特に午後だけ発電量が極端に落ちる場合は、西側からの影、隣家の影、庭木の成長などが原因になっている可能性があります。
11月の発電量が低い理由と確認ポイント
11月は日照時間が短くなり、太陽高度も下がるため、発電量は徐々に低下します。10月より低くなるのは自然な流れです。
1kWあたりの月間発電量は65〜95kWh程度が目安です。5kW設備なら325〜475kWh前後を想定します。
11月に発電量が低いと感じる場合、多くは季節要因や影の影響です。特に、南向き以外の屋根、勾配が浅い屋根、周囲に建物や樹木がある住宅では、秋から冬にかけて発電量が下がりやすくなります。
ただし、前年同月より大きく低い場合は、機器の状態も確認してください。パワーコンディショナーの寿命は一般的に太陽光パネルより短いとされ、設置から10年前後で不具合が出るケースもあります。発電量の低下が年々大きくなっている場合は、経年劣化や機器不調も視野に入れましょう。
12月の発電量が低い理由と確認ポイント
12月は、年間で発電量が低くなりやすい月です。日照時間が短く、太陽高度も低いため、発電できる時間帯が限られます。
1kWあたりの月間発電量は55〜85kWh程度が目安です。5kW設備なら275〜425kWh前後です。地域によっては、曇天や積雪の影響でさらに低くなることもあります。
12月は、月間発電量だけを見て不安になる必要はありません。重要なのは、晴天日の発電が正常かどうかです。冬でも快晴 であれば、昼前後に一定の発電量は出ます。晴れているのに発電量がほぼゼロ、パワーコンディショナーが停止している、モニターに異常表示がある場合は、季節要因ではなくトラブルの可能性があります。
発電量が低い原因を切り分ける5つの視点
発電量が低いときは、原因を一つに決めつけず、順番に切り分けることが大切です。主な視点は5つあります。
1. 天候による低下
最も多い原因は天候です。曇りや雨の日は、快晴時と比べて発電量が大きく下がります。薄曇りならある程度発電しますが、厚い雲や雨が続くと月間発電量は大きく落ちます。
特に6月、9月、冬の日本海側などは天候による変動が大きくなります。発電量が低いと感じたら、まずはその月の晴天日数を振り返ってください。天候が悪い月に発電量が低いのは自然なことです。
2. 季節による低下
発電量は季節によって変わります。日照時間が長く、気温が高すぎない春は発電しやすく、日照時間が短い冬は発電量が下がります。夏は日射量が多いものの、パネル温度が上がることで効率が落ちるため、春より発電量が少ない場合もあります。
「夏だから一番発電するはず」と思っていると、8月の発電量を低く感じやすいです。しかし実際には、5月や4月のほうが発電量が多い家庭もあります。
3. 影による低下
影は発電量に大きな影響を与えます。太陽光パネルは一部に影がかかるだけでも、全体の出力が下がることがあります。影の原因には、隣家、木、電柱、アンテナ、煙突、屋根の段差、山、建物などがあります。
影の影響は季節によって変わります。夏は問題なくても、秋冬になると太陽高度が下がり、影が長く伸びます。そのため「冬だけ発電量が低い」という場合は、影を疑う価値があります。
4. 汚れによる低下
パネル表面に汚れが付着すると、発電効率が落ちます。雨で自然に流れる汚れもありますが、鳥のフン、黄砂、花粉、泥、落ち葉、樹液などは残りやすいことがあります。
汚れによる低下は、急激というよりじわじわ起こることが多いです。ただし、鳥のフンなどが一部のパネルに集中すると、その回路全体の発電に影響する場合があります。屋根上の作業は危険なため、自分で登って清掃するのは避け、必要に応じて専門業者に相談しましょう。
5. 機器不具合による低下
天候や季節では説明 できないほど発電量が低い場合、機器不具合の可能性があります。代表的なのは、パワーコンディショナーの故障、ブレーカーの停止、配線不良、接続箱のトラブル、モニターの計測異常などです。
特に、発電量が突然ゼロに近くなった、ある日を境に大きく低下した、エラーコードが表示されている、異音や異臭があるといった場合は、早めに点検を依頼してください。
季節ごとに発電量が変わる理由
太陽光発電は、単に「暑いほど発電する」「日差しが強いほど発電する」というものではありません。発電量には、日射量、日照時間、太陽高度、気温、天候が複合的に関係します。
春は、日照時間が伸び、気温も高すぎないため、発電効率がよくなりやすい季節です。そのため4月、5月は年間でも発電量が多くなりやすいです。
夏は日射が強く、日照時間も長い一方で、パネル温度が高くなります。太陽光パネルは温度が上がると変換効率が下がるため、猛暑日が続くと発電ピークが伸びにくくなります。また、台風や夕立、湿度の高い雲の影響もあります。
秋は気温が下がり発電効率は戻りやすいものの、日照時間が短くなります。台風や秋雨の影響もあり、月によって発電量に差が出ます。
冬は気温が低いためパネル効率だけ見れば悪くありませんが、日照時間が短く、太陽高度も低いため、総発電量は少なくなります。積雪地域では、パネルに雪が乗っている間は発電できないこともあります。
このように、発電量の低下には自然な理由が多くあります。月別の目安と季節要因をセットで確認することで、不必要な不安を減らせます。
発電量が低いときのセルフチェック10項目
発電量が低いと感じたら、以下の10項目を順番に確認しましょう。屋根に上がるなど危険な作業は避け、安全に確認できる範囲で行うことが大切です。
1. 前年同月と比較する
まずは前年同月の発電量を確認します。太陽光発電は月ごとの変動が大きいため、前月との比較だけでは判断しにくいです。5月と6月、8月と12月を比べると大きな差が出るのは当然です。
前年同月と比べて10%程度の差であれば、天候差の可能性があります。20%以上低い場合は天候や影を確認し、30%以上低い場合は設備面も含めて点検を検討しましょう。
2. 晴天日の発電グラフを見る
月間発電量だけでなく、晴れた1日の発電グラフを見ます。正常な場合、朝から発電が始まり、昼前後にピークを迎え、夕方に向けて下がる山型のカーブになります。
途中で急に落ちる、昼間だけ発電していない、ギザギザが極端に多い、晴れているのにほぼ横ばいといった場合は、影、出力抑制、機器不具合などが考えられます。
3. パワーコンディショナーの表示を確認する
パワーコンディショナーにエラー表示や警告ランプが出ていないか確認します。表示内容はメーカーによって異なるため、取扱説明書やメーカーサイトでエラーコードの意味を確認します。
エラーが出ている場合、自己判断で分解したり内部を触ったりしないでください。感電や故障拡大のリスクがあります。
4. ブレーカーが落ちていないか確認する
太陽光発電用のブレーカーが落ちていると、発電していても家庭側や売電側に反映されないことがあります。分電盤や専用ブレーカーを確認し、通常の位置になっているか見ます。
ただし、ブレーカーが何度も落ちる場合は異常の可能性があります。無理に入れ直し続けず、施工会社や点検業者に相談してください。
5. モニターやアプリの計測不具合を確認する
発電量が低く見えていても、実際には計測モニターや通信機器の不具合というケースもあります。アプリの通信切れ、モニターの表示エラー、データ更新遅延などがあると、発電量が正しく表示されません。
売電明細、電力会社のデータ、パワーコンディショナー本体表示など、複数の情報源で確認すると判断しやすくなります。
6. 影が増えていないか確認する
季節の変化、隣家の新築、庭木の成長、物置の設置などで、以前はなかった影が増えることがあります。特に朝、夕方、秋冬の影は長くなります。
可能であれば、晴れた日の9時、12時、15時に屋根周辺を地上から見て、パネルに影がかかっていないか確認しましょう。
7. パネルの汚れや落ち葉を確認する
地上から見える範囲で、パネルに大きな汚れ、落ち葉、枝、鳥のフンなどがないか確認します。屋根に上がるのは危険なので避けてください。
汚れが広範囲にある場合や、雨が降っても改善しない場合は、専門業者の清掃を検討します。
8. 出力抑制の可能性を確認する
地域や契約状況によっては、電力系統の状況により出力抑制が行われることがあります。出力抑制がかかると、晴れているのに発電量が抑えられる場合があります。
パワーコンディショナーやモニターに抑制表示が出ることもあるため、表示内容を確認しましょう。特定の時間帯だけ発電が落ちる場合は、出力抑制の可能性も考えられます。
9. 設置年数を確認する
設置から年数が経つと、太陽光パネルやパワーコンディショナーの性能低下が起こることがあります。太陽光パネルは長期間使える設備ですが、まったく劣化しないわけではありません。
特にパワーコンディショナーは、10年前後で交換や修理が必要になるケースがあります。設置から10年以上経っていて発電量が低下している場合は、点検を受ける価値がありま す。
10. 保証内容を確認する
メーカー保証、施工保証、出力保証、自然災害補償などの内容を確認します。保証期間内であれば、修理や交換の費用負担を抑えられる可能性があります。
保証書、契約書、施工会社の連絡先、メーカー名、型番などを整理しておくと、問い合わせがスムーズになります。
異常の可能性が高いケース
発電量の低下がすべて故障とは限りませんが、次のようなケースでは異常の可能性が高くなります。
まず、晴天なのに発電量がほぼゼロの場合です。昼間に快晴であるにもかかわらず発電していない場合、パワーコンディショナーの停止、ブレーカー の異常、配線トラブルなどが考えられます。
次に、ある日を境に発電量が急に半分以下になった場合です。天候の変化ではなく、機器の一部が停止している可能性があります。複数の回路のうち一部だけが発電していない場合、全体として発電量が大きく落ちます。
また、パワーコンディショナーにエラーコードが表示されている場合も注意が必要です。エラー内容によっては一時的なものもありますが、繰り返し表示される場合や復旧しない場合は点検が必要です。
焦げたにおい、異音、異常な発熱、水漏れ、破損が見られる場合は、すぐに使用を続ける判断をせず、専門業者に相談してください。電気設備のトラブルは安全面にも関わります。
発電量を回復・改善するための対策
発電量が低い原因 がわかったら、原因に応じて対策を行います。
天候や季節が原因の場合、設備に問題がないため大きな対策は不要です。月別目安や前年同月比較を使って、自然な変動かどうかを確認しながら様子を見ます。
影が原因の場合は、庭木の剪定、不要物の移動、アンテナや設備の位置確認などで改善できることがあります。ただし、隣家や周辺建物の影は自分で解決できない場合もあります。新たに蓄電池を導入する、電気の使い方を昼間に寄せるなど、発電量の変動を前提にした運用改善も考えられます。
汚れが原因の場合は、雨で改善するかを確認し、改善しない場合は専門業者による清掃を検討します。自分で屋根に上がって清掃するのは落下事故のリスクが高く、パネルを傷つける可能性もあるため避けましょう。
機器不具合が原因の場合は、施工会社、メーカー、点検業者に相談します。保証期間内なら保証対応できる場合 があります。保証が切れていても、早めに修理することで売電損失や自家消費分の損失を抑えられます。
パワーコンディショナーの劣化が原因の場合、修理より交換が適しているケースもあります。古い機種から新しい機種に交換することで、変換効率や監視機能が改善する場合もあります。
業者に相談する前に準備しておきたいデータ
点検業者や施工会社に相談するときは、事前にデータを整理しておくと原因特定が早くなります。以下の情報を準備しておきましょう。
• 設置容量
• 設置年月
• 太陽光パネルのメーカーと型番
• パワーコンディショナーのメーカーと型番
• 直近12カ月の発電量
• 前年同月の発電量
• 発電量が低いと感じ始めた時期
• エラーコードや警告表示の有無
• 晴天日の発電グラフ
• 売電明細や電力会社のデータ
• 影や汚れの有無
• 台風、落雷、工事などのきっかけ
特に重要なのは、「いつから低くなったか」です。徐々に低下しているのか、ある日を境に急に低下したのかで、疑うべき原因が変わります。徐々に低下している場合は汚れ、影、経年劣化が考えられます。 急に低下した場合は、機器停止、ブレーカー、配線、パワーコンディショナーのトラブルが疑われます。
発電量が低いときに避けたい判断ミス
発電量が低いと感じたとき、よくある判断ミスがあります。
1つ目は、前月だけと比較してしまうことです。たとえば5月から6月に発電量が下がった場合、梅雨の影響で自然に低下している可能性があります。比較するなら前年同月が基本です。
2つ目は、売電額だけで判断することです。売電額は発電量だけでなく、自家消費量、売電単価、電気使用量によって変わります。発電量は発電量として、売電額とは分けて確認しましょう。
3つ目は、夏が一番発電すると思い込むことです。真夏は日差しが強いものの、パネル温度が上がるため効率が落ちます。5月や4月のほうが発電量が多いこともあります。
4つ目は、モニター表示だけで故障と決めつけることです。通信エラーや表示不具合で発電量が低く見えている場合もあります。パワーコンディショナー本体や電力会社のデータも確認しましょう。
5つ目は、自分で屋根に上がって確認しようとすることです。太陽光パネルの点検や清掃は高所作業で危険です。安全に確認できる範囲を超える作業は、専門業者に依頼してください。
よくある質問
発電量が低い月はいつですか?
一般的には、12月、1月、2月は発電量が低くなりやすい月です。日照時間が短く、太陽高度も低いためです。また、6月は梅雨、9月は台風や秋雨の影響で低くなることがあります。
発電量が高い月はいつですか?
4月、5月は発電量が高くなりやすい月です。日照時間が長くなり、気温が高すぎないため、太陽光発電に向いています。地域や天候によっては8月の発電量が高くなることもありますが、真夏は高温による効率低下があります。
5kWの太陽光発電で月300kWhは低いですか?
月によります。12月や1月であれば、5kW設備で月300kWh前後になることはあります。一方で、4月や5月に月300kWhしか発電していない場合は、やや低い可能性があります。前年同月や晴天日の発電グラフを確認しましょう。
雨の日はどのくらい発電しますか?
雨の日でもわずかに発電することはありますが、快晴時と比べると大きく低下します。厚い雲や雨が続く日は、発電量がかなり少なくなります。雨の日の発電量だけを 見て故障と判断するのは避けましょう。
パネルを掃除すれば発電量は戻りますか?
汚れが原因であれば、清掃によって改善する可能性があります。ただし、発電量低下の原因が天候、影、機器不具合であれば、清掃だけでは改善しません。まずは汚れ以外の原因も確認することが大切です。
発電量が急にゼロになったらどうすればよいですか?
晴天の昼間でも発電量がゼロに近い場合は、パワーコンディショナー、ブレーカー、モニター、配線などの異常が考えられます。エラー表示やブレーカー状態を確認し、復旧しない場合は施工会社や専門業者に相談してください。
設置から10年以上経つと発電量は下がりますか?
太陽光パネルは長期間使える設備ですが、経年による性能低下はあります。また、パワーコンディショナーは10年前後で不具合が出るケースもあります。設置から10年以上経過して発電量が目立って下がっている場合は、点検を検討しましょう。
まとめ
発電量が低いと感じたときは、まず月別の目安と照らし合わせて、その月として自然な低下なのかを確認することが大切です。太陽光発電は、4月や5月に発電量が高くなりやすく、12月や1月は低くなりやすい設備です。6月の梅雨、9月の台風や秋雨、真夏の高温による効率低下も発電量に影響します。
判断の基本は、前月比較ではなく前年同月比較です。さらに、晴天日の発電グラフ、パワーコンディショナーの表示、ブレーカー、影、汚れ、設置年数を順番に確認すると、原因を切り分けやすくなります。
5kW設備の場合、5月に550〜700kWh前後、12月に275〜425kWh前後というように、月によって発電量は大きく変わります。冬や 梅雨に低いだけなら正常範囲の可能性がありますが、晴天でも発電しない、前年同月より30%以上低い、ある日を境に急落した、エラー表示があるといった場合は、早めの点検が安心です。
発電量の低下は、必ずしも故障とは限りません。しかし、放置すると売電収入や自家消費メリットを失う可能性があります。月別目安、前年同月、晴天日のグラフという3つの視点で確認し、異常が疑われる場合は無理に自己判断せず、専門業者へ相談しましょう。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、
こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

