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発電量が低いと感じたら、まず「劣化」と決めつけない
設置から15年ほど経った太陽光発電で「発電量が低い」と感じると、多くの人は最初にパネル劣化を疑います。たしかに、太陽光パネルは長く使うほど少しずつ出力が下がります。しかし、発電量の低下はパネルだけが原因とは限りません。
実際には、天候、季節、日射量、積雪、黄砂、鳥のフン、周辺の建物や樹木の影、パワーコンディショナの不調、ブレーカーや接続箱の異常、計測機器の表示不良など、複数の要因が重なっていることがあります。つまり、15年目の発電量低下は「パネルが寿命だから交換」とすぐ判断するよりも、順番に原因を切り分けることが大切です。
太陽光発電協会は、発電性能の維持や売電収入の確認のため、月に一度、前年同月の発電量と比較することが大事だと案内しています。また、設置後1年目、その後は4年に1度の定期点検が推奨されています。発電量が低いと感じたときも、この「前年同月との比較」と「定期点検の履歴確認」が最初の手がかりになります。
この記事では、設置15年目の住宅用太陽光発電を想定し、発電量が低いときに確認すべきパネル劣化チェックを5つに絞って解説します。自分で見られる範囲、業者に依頼すべき範囲、交換を考える目安まで整理するので、「まだ使えるのか」「修理すべきか」「パネル交換が必要なのか」で迷っている方は、順番に確認してみてください。
15年目の太陽光発電で起きやすい3つの変化
設置15年目は、太陽光発電にとってひとつの節目です。パネル本体はまだ発電できることが多い一方で、周辺機器や契約面、家の周辺環境に変化が出やすい時期だからです。
1. パネルより先にパワーコンディショナが弱りやすい
太陽光パネルが作る電気は直流です。家庭で使ったり売電したりするには、パワーコンディショナで交流に変換する必要があります。そのため、パネルが正常でもパワーコンディショナの変換効率が落ちたり、内部部品が劣化したりすると、発電量が低いように見えることがあります。
京セラは、パワーコンディショナの製品寿命について10年〜15年程度と説明しています。15年目で発電量が下がっている場合、パネル劣化だけでなく、パワーコンディショナの寿命や不具合も同時に疑うべきです。
特に、以前より発電モニターの数値が不安定、晴天時でも発電が立ち上がらない、エラー表示が出る、運転音が大きくなった、焦げたようなにおいがする、といった症状がある場合は、パネルより先にパワーコンディショナの点検を優先したほうがよいでしょう。
2. 固定価格買取期間の満了で収支の見え方が変わる
住宅用太陽光発電では、固定価格での買取期間が10年間と定められています。15年目の設備は、すでに卒FIT後であるケースが多く、売電単価が以前より下がっている可能性があります。資源エネルギー庁も、住宅用太陽光発電の買取期間は10年間で、満了後は自家消費や個別契約による売電などの選択肢があると案内しています。
ここで注意したいのは、「売電収入が減った」と「発電量が低い」は別の問題だということです。売電収入が減っていても、実際の発電量は大きく落ちていない場合があります。逆に、売電単価の低下に隠れて、発電量そのものの低下に気づきにくくなることもあります。
そのため、15年目の確認では、売電金額ではなく「kWh」で記録された発電量を見ることが重要です。検針票、発電モニター、HEMS、アプリ、パワーコンディショナの履歴などを使い、前年同月や設置初期の同月と比べましょう。
3. 周辺環境の変化で影が増える
15年の間に、家の周囲は少しずつ変わります。隣家の増築、近隣マンションの建設、庭木の成長、電柱やアンテナの位置、屋根上の設備追加などにより、設置当初はなかった影がパネルにかかることがあります。
太陽光パネルは、全面が均一に日射を受けているときに効率よく発電します。一部に影がかかると、その部分だけでなく、同じ回路につながるパネル全体の出力に影響することがあります。特に朝夕の低い太陽高度、冬場の長い影、午後だけ落ちる発電量などは、パネル劣化ではなく影の影響である可能性があります。
「昔より発電量が低い」と感じたときは、パネルそのものの年数だけでなく、15年間で家の周辺に何が変わったかも確認しましょう。
発電量が低い15年目のパネル劣化チェック5つ
ここからは 、15年目の太陽光発電で実際に確認したいチェック項目を5つに分けて解説します。ポイントは、いきなり屋根に上がらないことです。屋根上作業は転落や感電の危険があります。自分で行うのは記録確認、目視確認、異常の有無の整理までにとどめ、電気測定や屋根上点検は専門業者に依頼してください。
チェック1:前年同月比で発電量が何%落ちているか確認する
最初に見るべきなのは、直近の発電量ではなく「前年同月比」です。太陽光発電は季節や天候の影響を強く受けるため、1月と8月、梅雨時期と秋晴れの月を比べても正しい判断はできません。
たとえば、今年6月の発電量が低いと感じたら、去年6月、一昨年6月、可能であれば5年前の6月と比べます。比較するときは、売電金額ではなく発電量のkWhで確認します。売電単価や自家消費量が変わると、金額だけでは正確に判断できないためです。
目安として、以下のように整理すると原因を切り分けやすくなります。
重要なのは、単月だけで判断しないことです。雨が多い月、台風が多い月、黄砂や花粉が多い時期は、発電量が一時的に下がることがあります。3か月以上続けて前年同月比が大きく下がっているなら、劣化や不具合の可能性が高まります。
また、設置15年目では「少し下がっていて当然」と考えすぎるのも危険です。緩やかな低下なら経年劣化の範囲かもしれませんが、ある月を境に急に落ちた場合は、パネルの自然劣化ではなく機器故障や影、配線トラブルの可能性があります。
チェック2:晴天日の発電カーブに急な落ち込みがないか見る
次に確認したいのが、1日の発電カーブです。正常な太陽光発電では、晴天の日に朝から発電量が上がり、昼前後にピークを迎え、夕方に向けて下がる山型のカーブになります。

