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発電量が低いと感じたら、まず故障とは限らない
太陽光発電のモニターを見て「発電量が低い」「去年より売電が少ない」「晴れているのに思ったほど発電していない」と感じると、すぐに故障を疑いたくなるかもしれません。
しかし、発電量が低い原因は必ずしも故障とは限りません。太陽光発電は、天候、季節、気温、日射量、影、パネルの汚れ、家庭内の電力使用量、パワーコンディショナの状態など、複数の要素に影響されます。
特に注意したいのは、「発電量」と「売電量」を混同してしまうケースです。発電量は太陽光発電システムが作った電気の量で、売電量はそのうち家庭で使わずに電力会社へ売った電気の量です。日中にエアコン、IH、洗濯乾燥機、給湯器、蓄電池の充電などで電気を多く使うと、発電量は十分でも売電量だけが少なく見えることがあります。
そのため、発電量が低いと感じたときは、まず次の3点を切り分けることが大切です。
• 本当に発電量そのものが低いのか
• 売電量だけが少ないのか
• 一時的な低下なのか、継続的な異常なのか
この記事では、発電量が低いときに故障の可能性を見分ける4つのサインと、原因別の確認方法、業者に相談すべきタイミングをわかりやすく解説します。
発電量が低いときに最初に確認すべき4つのサイン
発電量が低いと感じたとき、やみくもに機器を触ったり、すぐに修理依頼をしたりする必要はありません。まずは、異常の可能性が高いかどうかを判断するために、以下の4つのサインを確認しましょう。
この4つのうち、特に「晴れているのに急激に低下した」「パワーコンディショナにエラーが出ている」という場合は、機器トラブルの可能性が高まります。
一方で、曇りや雨の日、冬場、朝夕、猛暑日、影がかかる時間帯などは、発電量が低くなっても自然な範囲であることが多いです。
サイン1:晴れているのに発電量が急に半分以下になった
最もわかりやすい異常サインは、晴れているにもかかわらず、発電量が急に大きく下がったケースです。
たとえば、これまで晴天時に1日20kWh前後発電していた家庭で、同じように晴れているのに突然8kWhや10kWh程度まで落ちた場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
ただし、単純に「晴れ」といっても、次のような違いで発電量は変わります。
• 薄雲が多い晴れか、快晴か
• 午前中だけ晴れたのか、終日晴れたのか
• 黄砂や花粉で空が白っぽくなっていないか
• 夏の高温でパネル温度が上がっていないか
• 朝夕に建物や樹木の影がかかっていないか
そのため、1日だけ発電量が低い場合は、まだ故障と決めつけないほうがよいでしょう。判断の目安は、「晴天日が2〜3日続いても明らかに低い状態が続くかどうか」です。
また、太陽光発電ではパネルの一部に影や不具合があるだけでも、全体の発電量に影響することがあります。特定の時間帯だけ極端に発電が落ちる場合は、影の影響や一部パネルのトラブルも疑われます。
急低下で確認したいポイント
晴天時に発電量が急に落ちたときは、次の項目を確認してください。
急に発電量が半分以下になり、それが数日続く場合は、パワーコンディショナ、接続箱、ブレーカー、配線、パネルの一部不具合などを専門業者に確認してもらうのが安全です。
サイン2:同じ季節・同じ天気の日と比べて明らかに低い
発電量が低いかどうかを判断するときは、単純に「今月は少ない」と見るのではなく、同じ季節・同じ天気・同じ時間帯で比べることが重要です。
太陽光発電は、季節によって発電量が大きく変わります。一般的に、日射時間が長く、太陽の角度が高い春から初夏は発電しやすい時 期です。一方、梅雨、台風シーズン、冬場は日射量が少なくなりやすく、発電量も低く見えやすくなります。
また、夏は日照時間が長い一方で、気温が高くなりパネルの温度が上昇するため、発電効率が下がることがあります。つまり、「真夏だから必ず最も発電する」とは限りません。
比較するときは、次のような条件をそろえると判断しやすくなります。
• 前年同月の発電量
• 直近の晴天日との発電量
• 同じ時間帯の発電カーブ
• 天気予報上の晴れではなく、実際の雲量
• 家庭内の電力使用量
• 蓄電池の有無と充電状況
たとえば、前年5月の晴天日に25kWh前後発電していたのに、今年5月の晴天日に15kWh前後しか発電していない状態が何度も続く場合は、経年劣化だけでは説明しにくい可能性があります。
前年同月比で見るときの注意点
前年同月比で発電量を見る方法は便利ですが、必ずしも完全な判断基準ではありません。理由は、年によって天候が大きく違うからです。
たとえば、前年の5月が晴天続きで、今年の5月に曇りや雨が多ければ、月間発電量は大きく下がります。この場合はシステムの故障ではなく、日射量の差が主な原因です。
一方で、次のような場合は注意が必要です。
• 晴天日のピーク発電量が以前より明らかに低い
• 1日の発電カーブが途中で不自然に途切れる
• 朝から夕方まで全体的に出力が弱い
• 片方の系統だけ発電していないように見える
• エラー履歴が残っている
月間発電量だけで判断するのではなく、晴天日の発電グラフやピーク値を見ると、故障かどうかを見分けやすくなります。
サイン3:パワーコンディショナにエラー表示が出ている
発電量が低い原因として特に多いのが、パワーコンディショナの異常です。
パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する重要な機器です。太陽光発電システムの心臓部ともいえる存在で、ここに不具合が起きると発電量が大きく下がったり、発電が停止したりします。
パワーコンディショナに次のような表示がある場合は、故障や一時停止の可能性があります。
• エラーコードが表示されている
• 停止、異常、警告などの表示が出ている

