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発電量が低いと感じたら、まず「本当に異常か」を確認する
太陽光発電を設置していると、「以前より発電量が低い」「晴れているのに思ったほど発電していない」「売電収入が減った」と感じることがあります。特に、毎月の電気料金や売電明細を見ている方ほど、発電量の変化には敏感になりやすいでしょう。
ただし、発電量が低いからといって、すぐに故障とは限りませ ん。太陽光発電は、天候、季節、気温、日射量、影、汚れ、機器の状態など、複数の要因によって発電量が変わります。たとえば、同じ晴れの日でも、真夏と春では発電効率が異なります。太陽光パネルは高温になると発電効率が下がりやすいため、日差しが強い夏よりも、気温が低く日射が安定する春や秋のほうがよく発電することもあります。
また、発電量は「1日だけ」で判断しないことが大切です。雲の通過、黄砂、花粉、雨上がりの水滴、朝夕の影などにより、短期的には大きく変動します。異常かどうかを見極めるには、最低でも数日から数週間、できれば前年同月や設置時の発電シミュレーションと比較する必要があります。
この記事では、「発電量が低い」と感じたときに確認すべき原因と、太陽光の発電効率を上げる9つの方法を具体的に解説します。自宅の太陽光発電だけでなく、アパート、工場、倉庫、低圧太陽光発電所を管理している方にも役立つ内容です。
太陽光発電の発電量が低い主な原因
発電量が低い原因は、大きく分けると「自然条件によるもの」「設置環境によるもの」「機器トラブルによるもの」の3つです。原因を切り分けずに対策を始めると、費用をかけても改善しないことがあります。
まず自然条件として、日射量の不足があります。雨や曇りの日はもちろん、薄曇りでも発電量は大きく下がります。冬は日照時間が短く、太陽高度も低いため、同じシステムでも夏や春より発電量が少なくなる地域があります。反対に、夏は日照時間が長いものの、パネル温度が上がりすぎて効率が落ちることがあります。
次に設置環境です。太陽光パネルに影がかかると、発電量は想像以上に低下します。屋根の一部に影がかかるだけでも、接続方式によっては周辺のパネル全体に影響が出ることがあります。新しく建った建物、伸びた庭木、アンテナ、電柱、隣家の増築、落ち葉、鳥のフン、黄砂、花粉、砂ぼこりなども、発電量低下の原因になります。
さらに、機器トラブルも見逃せません。パワーコンディショナーの変換効率低下、パネルの経年劣化、配線の接触不良、接続箱の不具合、ブレーカーの異常、モニター通信の不具合などがあると、本来の発電性能を発揮できません。特に設置から10年前後経過している場合は、パワーコンディショナーの劣化や交換時期を意識する必要があります。
発電量が低いときは、いきなり高額な工事を検討するのではなく、発電データ、天候、影、汚れ、機器の状態を順番に確認することが重要です。
発電効率を上げる9方法
太陽光の発電効率を上げるには、やみくもに対策するのではなく、「発電ロスがどこで起きているか」を見つけることが近道です。パネルそのものが悪いと思っていても、実際には影やパワーコンディショナー、配線、電圧上昇抑制が原因だったというケースもあります。
ここからは、発電量が低い太陽光発電で確認したい9つの改善方法を紹介します。すぐに自分で確認できるものから、専門業者に依頼すべきものまで順番に解説します。
方法1:発電量を記録して前年・近隣・シミュレーションと比較する
最初に行うべきことは、発電量の記録です。発電量が低いと感じても、基準がなければ異常かどうか判断できません。まずは、発電モニター、HEMS、電力会社の売電明細、メーカーの遠隔監視サービスなどを使い、日別・月別の発電量を確認しましょう。
比較するときは、次の3つを見ると判断しやすくなります。
1つ目は、前年同月との比較です。たとえば、去年の4月に500kWh発電していたのに、今年の4月が350kWhしかない場合は、天候差を考慮しても何らかの発電ロスがある可能性があります。ただし、前年が晴天続きで今年が雨続きだった場合は、単純比較だけでは判断できません。
2つ目は、設置時の発電シミュレーションとの比較です。施工会社から受け取った資料に、年間 発電量の目安が記載されていることがあります。実際の発電量がシミュレーションより大きく下回っている場合は、影、汚れ、機器不具合、電圧上昇抑制などを疑うきっかけになります。
3つ目は、近隣の発電実績との比較です。同じ地域で同じような容量の太陽光発電を設置している家庭や発電所と比べると、自分の設備だけが低いのか、地域全体で日射量が少なかったのかを判断しやすくなります。
たとえば、5kWの太陽光発電で月間発電量が300kWhだった場合、それだけでは低いかどうか判断できません。しかし、前年同月が450kWh、近隣の同規模設備が430kWh、設置時の想定が420kWhだったなら、発電量低下の可能性が高まります。
発電効率を上げる第一歩は、感覚ではなく数字で把握することです。数値を記録すれば、業者に相談するときも説明しやすくなり、原因調査がスムーズに進みます。

