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発電量が低いと感じたら、まず確認すべきこと
太陽光発電を設置している家庭や事業所で、「以前より発電量が低い」「晴れているのに思ったほど発電していない」「売電収入が減った 」と感じることがあります。発電量が低いと、機器の故障を疑いたくなりますが、実際には天候や季節、汚れ、影、設定、出力抑制など、さまざまな要因が関係しています。
まず大切なのは、1日だけの発電量で判断しないことです。太陽光発電は日射量に大きく左右されるため、同じ晴れの日でも雲の量、湿度、気温、風、黄砂、花粉、周辺環境によって発電量が変わります。昨日より今日の発電量が低いからといって、すぐに故障とは限りません。
一方で、数週間から数か月にわたって明らかに発電量が低い場合や、晴天時でも極端に発電量が少ない場合は注意が必要です。パワーコンディショナの不具合、配線トラブル、パネルの劣化、影の増加などが起きている可能性があります。
発電量が低いと感じたときは、次の3点を最初に確認しましょう。
1つ目は、過去の同じ月と比べることです。太陽光発電は季節によって発電量が変わるため、前月との比較だけでは正確に判断できません。たとえば、夏から秋、秋から冬にかけては日照時間が短くなり、発電量が下がることがあります。比較するなら、昨年の同じ月や一昨年の同じ月が参考になります。
2つ目は、天気の傾向を確認することです。雨や曇りの日が多かった月は、当然ながら発電量が低くなります。また、晴れに見えても薄い雲が多い日や、空気中に黄砂や花粉が多い日は、日射量が落ちることがあります。
3つ目は、モニターやパワーコンディショナの表示を確認することです。エラーコード、運転停止、連系停止、ブレーカーの異常などが表示されている場合は、機器側に問題がある可能性があります。
発電量が低い原因を正しく見極めるには、「自然要因なのか」「設備要因なのか」「運用上の要因なのか」を分けて考えることが重要です。
発電量が低い原因7つ
発電量が低い原因は、大きく分けると次の7つです。
ここからは、それぞれの原因について詳しく解説します。
原因1:天候・季節・気温の影響を受けている
発電量が低い原因として、もっとも多いのが天候や季節の影響です。太陽光発電は太陽の光を受けて発電する仕組みなので、日射量が少なければ発電量も下がります。
特に注意したいのは、季節による変動です。春から初夏にかけては日射量が多く、発電量が伸びやすい時期です。一方、梅雨、秋雨、冬は日照時間が短くなったり、曇りや雨の日が増えたりするため、発電量が低くなりやすいです。
また、真夏は日差しが強いため発電量が多いと思われがちですが、実は気温が高すぎると太陽光パネルの発電効率が落ちることがあります。太陽光パネルは高温になると性能が低下しやすく、気温の低い春や秋の晴天日のほうが効率よく発電するケースもあります。
たとえば、同じ晴れの日でも、4月や5月の発電量が高く、8月の発電量が思ったほど伸びないことがあります。これは故障ではなく、パネル温度の上昇による影響である場合があります。
さらに、曇りの日でもまったく発電しないわけではありませんが、晴天時と比べると発電量は大きく下がります。雨の日はさらに低くなります。発電量が低いと感じた月に雨や曇りの日が多かった場合は、まず天候要因を疑いましょう。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 発電量が低い日は雨や曇りではなかったか
• 前年同月と比べて日照時間が少なくなかったか
• 真夏の高温日が続いていなかったか
• 台風や長雨の影響を受けていなかったか
• 1日単位ではなく月単位で比較しているか
天候や季節が原因の場合、設備に異常がないことも多いため、すぐに修理を依頼する必要はありません。ただし、同じ季節・同じような天候条件にもかかわらず、前年より大幅に発電量が低い場合は、別の原因も確認する必要があります。
原因2 :太陽光パネルの汚れや積雪で光が遮られている
太陽光パネルの表面が汚れていると、太陽光が十分に届かず、発電量が低い状態になります。パネルは屋外に設置されているため、日々さまざまな汚れが付着します。
代表的な汚れには、砂ぼこり、黄砂、花粉、落ち葉、鳥のフン、排気ガス、海沿いの塩分などがあります。特に鳥のフンや落ち葉のように一部を強く覆う汚れは、局所的に発電を妨げることがあります。
太陽光パネルは、雨である程度の汚れが流れるように設計されています。しかし、雨が少ない時期や、汚れがこびりついた場合は自然には落ちにくくなります。また、パネルの傾斜が緩い場合は、汚れが流れにくく、表面に残りやすいです。
積雪も発電量が低い原因になります。雪がパネルを覆っている間は、太陽光が届かないため発電できません。雪が少し残っているだけでも、発電量が大きく下がることがあります。寒冷地や 山間部では、冬場の発電量低下に積雪が関係している可能性が高いです。
ただし、屋根上の太陽光パネルを自分で掃除するのは危険です。高所作業には転落リスクがあり、間違った道具を使うとパネル表面を傷つける恐れもあります。発電量が低い原因が汚れだと思われる場合は、無理に屋根へ上がらず、専門業者に点検や清掃を依頼するのが安全です。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• パネル表面に鳥のフンや落ち葉が見えるか
• 黄砂や花粉が多い時期のあとに発電量が下がっていないか
• 雨が少ない期間が続いていないか
• 積雪後に発電量が極端に低くなっていないか
• 特定のパネルだけ汚れが目立っていないか
汚れによる発電量低下は、早めに対応すれば改善できる場合があります。特に、晴天が続いているのに発電量が以前より低い場合は、パネル表面の状態を確認しましょう。
原因3:建物・樹木・アンテナなどの影がかかっている
発電量が低い原因として見落とされやすいのが、影の影響です。太陽光パネルは、一部に影がかかるだけでも発電量が落ちることがあります。
影の原因には、周辺の建物、隣家の増築、樹木の成長、電柱、アンテナ、煙突、屋根の段差、物干し、看板などがあります。設置当初は影がなかった場所でも、数年経つと環境が変わり、発電量が低下することがあります。
特に樹木は、成長によって影の範囲が広がります。春や夏は葉が増えるため、冬には影響が少なかった木でも、夏にはパネルに影を落とすことがあります。また、太陽の角度は季節によって変わるため、冬だけ影が伸びて発電量が低くなるケースもあります。
影の影響は、時間帯によって変わるのが特徴です。たとえば、午前中は発電量が低いが午後は回復する、または午後になると急に発電量が落ちるといった場合は、影の可能性があります。
発電モニターで時間帯別の発電量を確認できる場合は、晴天日のグラフを見てみましょう。通常、晴れた日の発電量は午前から上がり、昼ごろにピークを迎え、夕方に下がる山型のグラフになります。しかし、影の影響がある場合は、特定の時間だけ不自然に落ち込むことがあります。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 晴天日の発電グラフに不自然な落ち込みがないか
• 午前または午後だけ発電量が低くないか
• 周辺に新しい建物や設備ができていないか
• 庭木や隣家の樹木が成長していないか
• アンテナや煙突の影がパネルにかかっていないか
影が原因の場合、枝の剪定、設置物の移動、パネル配置の見直しなどで改善できることがあります。ただし、建物や電柱の影など、自分では対応が難しいケースもあります。その場合は、発電量への影響を専門業者に調査してもらうとよいでしょう。
原因4:パワーコンディショナに不具合がある
太陽光発電システムで重要な役割を持つのが、パワーコンディショナです。パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭や事業所で使える交流電力に変換する機器です。
パネルが正常に発電していても、パワーコンディショナに不具合があると、発電量が低い状態になったり、発電が停止したりします。発電量の低下が急に起きた場合は、パワーコンディショナの異常を疑う必要があります。
よくある症状には、エラーコードが表示される、運転ランプが消えている、異常ランプが点灯している、発電モニターに発電量が表示されない、発電量がゼロになる、運転音がいつもと違うなどがあります。
パワーコンディショナは屋外や屋内に設置されますが、熱、湿気、ほこり、経年劣化などの影響を受けます。設置から10年前後が経過してい る場合は、不具合や交換時期が近づいている可能性もあります。
また、パワーコンディショナは安全機能により、自動的に運転を停止することがあります。電圧の異常、系統側の問題、落雷、停電後の復旧不良などが原因で、一時的に停止する場合もあります。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• パワーコンディショナにエラーコードが出ていないか
• 運転ランプや連系ランプは正常に点灯しているか
• 異常ランプが点灯または点滅していないか
• 発電量が急にゼロになっていないか
• 停電や雷のあとから発電量が低くなっていないか
• 設置から10年以上経過していないか
エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書で内容を確認しましょう。ただし、内部の点検や修理を自分で行うのは危険です。感電や機器破損のリスクがあるため、メーカーや販売店、施工業者に相談してください。
原因5:配線・接続部・ブレーカーに異常がある
発電量が低い原因は、太陽光パネルやパワーコンディショナだけではありません。配線、接続箱、ブレーカー、端子、ケーブルなどの電気系統に異常がある場合も、発電量が低下します。
配線トラブルには、接続不良、ケーブルの劣化、端子の緩み、断線、腐食、動物による損傷、雨水の侵入などがあります。屋外配線は風雨や紫外線の影響を受けるため、長期間使用していると劣化が進むことがあります。
また、ブレーカーが落ちている場合や、接続箱の一部に異常がある場合、発電が正しく送られないことがあります。システムの一部だけが停止していると、発電量が半分程度に落ちることもあります。
特に複数の回路で構成されている太陽光発電では、一部の回路に異常があっても完全には停止せず、「発電はしているが以前より低い」という状態になることがあります。この場合、モニター上では発電量がゼロではないため、異常に気づきにくいです。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 太陽光発電用のブレーカーが落ちていないか
• 接続箱や分電盤に異常ランプがないか
• 焦げた臭い、異音、熱を持っている箇所がないか
• 雨のあとに発電量が低くなっていないか
• 一部の回路だけ発電していない可能性がないか
• ケーブルに破損や劣化が見えないか
電気系統の異常は、見た目だけでは判断しにくく、感電や火災につながるリスクもあります。ブレーカーの状態を確認する程度であれば可能ですが、配線や接続部を開けて点検するのは避けましょう。異常が疑われる場合は、専門業者に依頼することが重要です。
原因6:太陽光パネルや機器が経年劣化している
太陽光発電システムは長期間使用できる設備ですが、まったく劣化しないわけではありません。設置から年数が経つにつれて、太陽光パネル、パワーコンディショナ、配線、接続部などが少しずつ劣化していきます。
太陽光パネルは、一般的に長寿命とされていますが、年々わずかに出力が低下することがあります。発電量が低いと感じても、設置から長期間経っている場合は、自然な劣化の範囲である可能性があります。
ただし、劣化が通常より早く進んでいる場合や、一部のパネルだけ性能が大きく落ちている場合は注意が必要です。パネルの内部不良、ホットスポット、ガラスの破損、封止材の劣化、端子部の不具合などが原因で、発電量が大きく低下することがあります。
パワーコンディショナは、太陽光パネルよりも交換時期が早く来ることが多い機器です。設置から10年前後を過ぎると、不具合が出やすくなる場合があります。発電量が急に低くなったり、エラーが頻発したりする場 合は、パワーコンディショナの劣化を疑いましょう。
確認すべきポイントは次のとおりです。
• 設置から何年経過しているか
• 保証期間内かどうか
• 年々少しずつ発電量が下がっているか
• ある時期から急に発電量が低くなったか
• パネルに割れ、変色、膨れ、サビがないか
• パワーコンディショナのエラーが増えていないか

