近年、建設や測量の現場ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の波により計測技術が大きく進化しています。その中でも注目されているのが、レーザーで対象物との距離を測定して3次元データ化するLiDAR(ライダー)技術です。LiDARは短時間で広範囲を高精度にスキャンでき、従来より低コストかつ効率的な現場計測を可能にしています。特に最近では、スマートフォン搭載のLiDARセンサーと高精度GNSS測位を組み合わせることで、専門家でなくとも誰でも簡単に3D測量ができる時代が到来しました。
こうした背景から、LiDARで取得した点群データに対して座標自動付与を行い、各点に正確な位置情報を持たせる技術が大きな注目を集めています。本記事では「LiDARの座標自動付与」とは何か、その仕組みやメリットを解説し、現場で失敗しないための導入手順7つを紹介します。記事の最後では、この新技術を活用した弊社の簡易測量ソリューションLRTKについても触れています。
目次
• LiDARの座標自動付与とは?
• LiDAR座標自動付与の仕組み
• LiDAR座標自動付与のメリット
• 失敗しない導入手順7つ
• LRTKによる簡易測量のすすめ
• よくある質問(FAQ)
LiDARの座標自動付与とは?
LiDARの座標自動付与とは、レーザースキャナーで取得した点群データの各点に対して、緯度・経度・高さといった正確な座標を自動的に割り当てる技術です。LiDAR(*Light Detection and Ranging* の略)はレーザー光を使って対象物までの距離を測るリモートセンシング技術で、その計測結果は無数の点の集まりである点群データとして得られます。各点にはセンサー基準の相対的な位置(X, Y, Z座標)が記録されますが、通常このままでは現実の地図座標とはずれており、直接的に地図や設計図面上に重ね合わせることはできません。
そこで、座標自動付与の技術ではLiDAR計測と同時に高精度な位置測位を行い、取得する点群一つひとつに地球上の絶対座標を付加します。例えば近年普及しているスマートフォンの場合、内蔵LiDARセンサーで周囲をスキャンしながら、同時にRTK-GNSSなどの高精度GPS受信機(例:弊社LRTKデバイス)でセンチメートル級の位置情報を取得し、両者をリアルタイムに組み合わせます。これにより各測点に緯度・経度・標高といった正確な座標データが自動的に付与されるため、位置情報付きの高精度3D点群がその場で生成されます。言い換えれば、LiDARの点群計測において測位の手間を意識せずとも、取得した点群が即座に世界のどこにあるか示されるということです。一人でスマホ片手に現場を歩き回るだけで、現地そのままの形状を持つ三次元データを地図上に記録できるのが「LiDARの座標自動付与」の大きな特長です。
LiDAR座標自動付与の仕組み
では、どのようにしてLiDAR点群に正確な座標を自動付与しているのでしょうか。その仕組みの核となるのが高精度測位技術とのリアルタイム連携です。スマートフォンやタブレットのLiDARセンサーでスキャンを行うと、その点群はデバイス内部のロ ーカル座標系で記録され、実際の地理座標とはずれた位置関係になります。これを補正するために、同時に高精度なGNSS測位(RTK方式など)を用いてスキャン中のデバイス自身の位置を常に把握します。具体的には、地上に設置した基地局や準天頂衛星「みちびき」からの補強信号を使い、スマホ側でセンチメートル精度の現在位置(緯度・経度・高さ)をリアルタイムに計算します。その位置の基準点となる情報に基づき、LiDARが取得する各点の座標を地球座標に変換していくのです。
言い換えれば、LiDARで得た相対距離データに対し、逐次更新される高精度GPS位置を重ね合わせることで、点群データを現実世界の座標系に紐付けていく仕組みです。例えばスマホLiDARとRTK-GNSSを連携した場合、スキャン中にスマホの移動軌跡が正確に計測され、その軌跡に沿って取得点群が地図上の正しい位置に配置されます。これにより、取得した点群データはその場で既に測量座標系上の絶対的位置を持った状態となります。
このリアルタイム座標付与により、従来必要だった面倒な位置合わせ作業

