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キロポスト再測を劇的効率化!高精度測位とAR誘導で実現する新手法

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

キロポスト([距離標](https://ja.wikipedia.org/wiki/距離標))は、鉄道や道路の起点からの距離を示す重要な標識です。高速道路では100m間隔で小さな数字標識が設置され、鉄道でも路線沿いに一定距離ごとにキロポストが配置されています。これらは日頃あまり意識されませんが、事故発生地点の特定保守工事の区間管理などに欠かせない存在です。しかし、このキロポスト自体が老朽化・損傷した場合や道路工事で一時撤去した場合、正確な位置に再設置するための再測作業が必要になります。従来の手法では多大な手間と時間を要していましたが、近年登場した高精度GNSS測位(RTK)とAR技術を活用した新手法により、キロポストの再測・再設置効率が飛躍的に向上しつつあります。本記事では、キロポスト再測の重要性と従来法の課題、新技術による解決策とそのメリットについて解説します。


キロポスト再測の必要性と従来手法の課題

道路や鉄道におけるキロポストは、一見地味な標識ですが、インフラ管理の基準点として重要な役割を果たしています。例えば高速道路では、管轄会社や警察が事故や故障車の位置をキロポストの数字でやり取りします。また道路工事では「○○キロポストから△△キロポストまで」の区間指定で作業範囲が示されます。当然ながらキロポストは所定の正確な地点に設置されていることが前提です。しかし長年の使用により標識板が破損・紛失したり、道路拡幅工事で仮撤去した後に復旧する際には、元の位置に正確に戻す再設置作業が不可欠となります。


鉄道現場でも事情は同様です。距離標は列車運行上、線路のキロ程を示す基準であり、分岐や駅間の距離管理に用いられています。路線の改良工事(例: 複線化や高架化)に伴って既存のキロポストを付け替える場合、正確に復元できていないとダイヤ設定や保線計画に支障を来す恐れがあります。しかし列車の合間を縫って長大区間の測量を行うのは容易ではなく、道路以上に効率的な再測法が求められてきました。


従来、キロポストの再測設置は経験豊富な測量技術者による手作業に大きく依存していました。一般的な方法として、まず設計図や道路台帳に記載された当該キロポストの座標値や起点からの距離を確認し、現場で巻尺や距離計測用の車輪(キョリチェーン)などを使って距離を測り出し、仮杭やマーキングで位置を示します。また場合によっては路肩や線路脇に事前に基準点杭を設置し、そこからオフセットを測る手法も用いられます。しかし長距離を人力で測り継ぐ作業では、わずかな測定誤差が累積して目標位置にズレが生じることも避けられません。さらに道路の曲線区間や高低差がある区間では、巻尺で水平距離を厳密に取るのは難しく、勾配や曲率を考慮した補正計算が必要になるケースもあります。


高度な測量機器を用いる方法としては、トータルステーション(TS)を使った座標測量もあります。既知の基準点からTSで当該キロポストの設置座標を測設する方法ですが、これにも手間がかかりました。TSを据えるには見通しの良い場所に機器を配置し、基準点との照合を行った上で、プリズムを設置したスタッフを目標地点近くに立たせて誘導します。通常2名以上の人員が必要で、長距離にわたる場合はTSの建て替え(付け替え)や再測計算も何度も発生します。特に交通量の多い幹線道路脇では、安全確保のため測量員の配置に制約があり、昼間は作業できず夜間に通行止めをして対応する必要が出ることもありました。


このように従来のキロポスト再測にはいくつもの課題が存在しました。手作業主体の測量は、


精度面: 巻尺のたるみや読み違え、マーキングの消失、機器据付誤差など、人為的・機械的誤差の可能性が常につきまといます。微小な誤差でも距離が長くなるほど累積し、起点から何kmという絶対位置の狂いにつながります。

効率面: 一つの距離標を再設置するのにも複数人での作業と長時間を要し、多数のキロポストを復旧する際には非常に非効率です。

安全面: 路上や線路上での測量作業は作業員にリスクが伴います。特に高速道路上での巻尺測量やスタッフ誘導は、注意を払っても危険が伴い、極力時間短縮・人員最小化が求められます。

再現性: 手順や担当者によって精度にばらつきが出る恐れがあり、同じ地点を別の人が再測した場合に結果が一致しない可能性もありました。記録の残し方も人によって異なり、後で検証が難しいこともあります。


RTK-GNSSによるセンチメートル級の高精度測位

近年、こうした課題を解決しうる技術として注目されているのがRTK-GNSS測位です。[RTK(Real Time Kinematic)](https://ja.wikipedia.org/wiki/リアルタイムキネマティック)とは、複数のGNSS衛星からの信号を受信し、基地局と移動局の差分情報を用いて、リアルタイムに測位精度を飛躍的に高める手法です。従来のGPS測定では数メートルの誤差が生じることも珍しくありませんでしたが、RTKを利用すれば誤差数センチ以下という精度で現在位置を求めることが可能になります。


RTKによる高精度測位は以前は特殊な高価な受信機と無線機器を要しましたが、近年は技術の進歩により大幅に簡易化されています。例えば国土地理院が提供する電子基準点ネットワークや各地の補正情報サービスにインターネット経由で接続すれば、スマートフォンやタブレットに小型アンテナを付けるだけでRTK測位が実現できます。広い空が見渡せる道路上なら、わずか数秒〜数十秒で測位が初期化され、手持ち端末で現在位置を世界測地系座標で把握できるのです。


キロポスト再設置においてRTK測位がもたらす最大の利点は、設置すべき地点の座標を絶対的な基準で正確に特定できる点です。あらかじめ設計時に求められていたキロポストの座標値(例えば緯度経度や平面直角座標)さえ分かれば、RTK対応の端末上でそのポイントを地図上にプロットし、現地で自身の現在位置と照らし合わせることで、おおよその方向と距離を即座に知ることができます。つまり、「起点から○m」のような距離を現地で一から測り出さなくても、衛星測位によってゴール地点を直接ナビゲートできるわけです。これは従来の測り継ぎ方式と比べ、理論上誤差が累積せず、一点一点の位置出し精度が飛躍的に向上することを意味します。


AR技術による直感的な位置誘導

RTK-GNSSでセンチメートル精度の現在位置が得られても、それを人間が現場で活かすには分かりやすい誘導手段が必要です。そこで登場したのが、スマートデバイスによるAR(拡張現実)技術を用いた位置誘導です。専用のアプリを用いることで、スマートフォンやタブレットのカメラ映像に目標地点を示す仮想マーカー案内矢印を重ねて表示できます。例えば、クラウド上に登録された再設置対象キロポストの座標データをアプリで選択して「ナビ開始」をタップすると、画面上に目標地点までの方向矢印と直線距離がリアルタイムで表示されます。作業員は表示された矢印の方向に歩いていくだけで、感覚的に目標へ近づいていることが分かります。そして距離表示がゼロ付近になれば、ちょうどその場所がキロポスト設置位置というわけです。画面上には地面上の所定箇所にピンやポールが立ったようなARマーカーが表示されるため、最終的にはその仮想杭と自分の足元の位置が一致するよう微調整すれば完了します。


ARによるナビゲーションの利点は、測量や座標の専門知識がなくても直感的に正確な位置出しができることです。数字の座標を見て「あと東に2.5m、北に1.3m」などと動くのは熟練者でなければ難しいですが、ARの矢印なら指示通りに進むだけです。またAR表示は誰が見ても同じ情報を共有できるため、目印テープやチョーク線のように人によって見落としたり解釈がずれる心配もありません。物理的なマーキングを行わずに済むため、重機の走行や天候で印が消えてしまうトラブルも防げます。さらに、地面に杭を打てない舗装路面や危険箇所であっても、ARなら遠距離から仮想的にポイントを指示することが可能です。例えば高速道路の路肩で立ち入りが難しい場所でも、安全な位置から画面越しに「ここに杭がある」ことを示せるため、作業員が危険にさらされる状況を減らせます。このようにAR技術は、現場での位置誘導を画期的に簡素化・安全化するツールとして機能します。


スマホ+LRTKによる1人再測フロー

高精度RTK測位とAR誘導を組み合わせれば、従来は複数人で行っていたキロポスト再測作業を1人で完結することも可能になります。その具体的な手順を追ってみましょう。


事前準備: 再設置する各キロポストの設計座標値を収集し、専用アプリに登録します。道路台帳や過去の図面から得た座標をテキストデータで用意し、クラウド経由でスマートフォンに読み込ませておきます。複数のポイントがある場合も、一括でインポート可能です。

機器設定: 作業者はスマートフォンに小型GNSS受信機(例: LRTKデバイス)を装着します。この受信機はBluetooth等でスマホと連携し、RTK方式で高精度測位を行うものです。スマホ側ではインターネット接続し、地域のGNSS補正情報サービスにログインしておきます。

測位開始: 現場でアプリを起動し、GNSSの測位状態を確認します。無事にRTKがFIX解(固定解)となり、数センチ精度で現在地が求まっていることを確認できたら、ナビゲーションの準備完了です。

ポイント誘導: アプリ上で目的のキロポスト座標を選択し、ナビを開始します。するとカメラ画面に誘導用の矢印が現れ、目標までの方向とおおよその距離が表示されます。作業員はスマホ画面を見ながら指示された方向へ進みます。必要に応じて徒歩ではなく作業車両で移動しても構いません(安全が確保された状況下で低速走行する場合など)。

位置確定: 矢印に従って進み、距離表示がごく小さくなったら、スマホ画面上に表示される仮想マーカー(ピン)が足元付近に重なっていることを確認します。微調整のためにスマホを上下左右に動かして、仮想マーカーが実際の地面にしっかり合致するよう位置合わせします。この時点でスマホが示す現在座標と目標座標との差は数センチ〜数ミリ程度に収まっているはずです。

標識設置: 位置が確定したら、そのポイントにキロポスト標識を設置します。通常は地面に標識柱を建て、所定の表示板を取り付けます。ARマーカーが示す場所に直接杭打ちすることで、精度良く所定位置に据え付けられます。もし複数人で作業する場合も、誘導担当者が画面を見ながら「ここが位置」と指差せば、他のメンバーも即座に理解でき、無用なやり取りなく杭打ち作業に移れます。

記録: 最後に、設置したキロポストの実測座標をデジタル記録します。アプリが自動的にその時の座標値や測位精度情報(推定誤差)を保存するため、人がメモを取らなくても履歴が残ります。オフィスに戻ってからクラウド上でデータを確認し、台帳の座標と一致しているか、許容範囲内かを検証して完了です。


以上のステップにより、従来は長時間・多人数を要したキロポスト再測が飛躍的に簡素化されます。例えば5km区間に50本の距離標を設置し直すケースでも、従来法では測量班を何組も投入し数日かかった作業が、RTK+AR方式なら1人で数時間〜1日程度で完了する、といったことも十分可能になります。


点群データ・台帳座標との整合による品質向上

新手法の優れた点は、過去データとの整合性を高められることにもあります。キロポストの位置そのものは目に見えない仮想の点ですが、デジタルの力でそれを厳密に管理できるようになります。例えば、道路管理者が過去に道路全体の3次元点群測量を行っていれば、点群データ中にキロポストの位置も記録されています。RTK+ARを使えば、その点群座標とまったく同じ場所に新しい標識を立てることができます。従来は「だいたいこのあたり」と目測で復旧していたものが、過去の正確な計測結果を再現できるわけです。


また、設計図や台帳に登録された座標系と現地測量を直結できるため、空間データの一貫性が保たれます。RTK測位により現場のすべてのポイントが統一座標系上に載るため、別々に取得したデータどうし(例えば施工前の設計データと施工後の出来形データ)を容易に突合・比較できます。今回再設置したキロポストの位置も、将来また再測する際には前回記録した座標をそのまま参照して確認できます。こうした再現性の高さは、インフラ施設の維持管理において品質保証を強化することにつながります。


デジタル記録によるメリットも見逃せません。従来は人が手書きで残していた測量記録も、RTK+ARシステム導入後はクラウド上に自動保存されます。いつ誰がどの場所をどの精度で測ったかがデータで追跡できるため、「本当に正しい位置に設置されたのか」を後から第三者が検証することも容易です。これは発注者側の技術職員にとっても安心材料となり、出来形管理書類の信頼性向上につながります。


高精度測位とAR誘導による効率化の効果と導入メリット

RTK-GNSSとARを活用した今回の新手法は、キロポスト再測・再設置の現場にもたらすメリットが非常に大きいと言えます。最後に、その主な効果を整理しておきましょう。


作業効率の飛躍的向上: 測量→マーキング→確認といった手順を大幅に短縮でき、連続する複数ポイントの測設もスムーズです。従来法と比較して、位置出しにかかる時間を大幅に圧縮できるため、工期短縮や夜間作業の削減につながります(作業時間の短縮は人件費や交通規制費用の低減にも直結します)。実際、ある比較ではGNSS+ARナビゲーションの活用により、旧来の光学測量法に対して位置出し作業時間が約1/6に短縮された例も報告されています。

精度向上とミス防止: 衛星測位による絶対精度とARの視覚誘導により、位置決め誤差やマーキングミスを極限まで削減できます。人間の目分量や勘に頼っていた部分がデジタルガイドに置き換わるため、誰が作業しても安定した精度が確保されます。

省人化・安全性向上: 1人でも作業可能となることで、大幅な省力化が実現します。人員不足が深刻な現場において、少人数で測量が回るメリットは計り知れません。また作業員の現地滞在時間や危険な場所への立ち入りを減らせるため、安全管理上も有利です。交通規制の短縮や重機周辺での誘導人員削減にもつながります。

データ活用と品質管理: デジタルで計測・誘導・記録を行うことで、測量結果のデータ利活用が促進されます。一度取得した座標データは将来の工事や点検にも活かせ、継続的に資産として蓄積されます。出来形管理や維持管理のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも寄与するでしょう。


実際に高速道路会社や鉄道事業者でも、GNSSとARを活用した測量・杭打ち作業の省力化に向けた実証が進められており、本格導入が視野に入っています。


このような高精度測位+AR誘導によるキロポスト再測支援は、今後インフラ維持管理の新しいスタンダードになっていく可能性があります。すでにスマートフォンとGNSS受信機を組み合わせた「LRTK」のようなソリューションを導入すれば、上述のような再測・杭打ち誘導を現場で誰でも簡単に実践できる時代が到来しています。従来の常識を覆すこの新手法を活用することで、鉄道・道路管理者や測量従事者は、より効率的で高品質なインフラ管理を実現できるでしょう。なお、これらの取り組みは国土交通省が推進するi-Construction施策やインフラ分野のDX戦略とも軌を一にするものであり、現場のデジタル化による生産性向上と省力化に大きく貢献します。キロポスト再測という一見地道な作業においても、このようなパラダイムシフトが始まっていることを認識し、積極的に技術導入を検討してはいかがでしょうか。キロポスト再測の現場にも、デジタル技術による革新の波が今まさに押し寄せつつあります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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