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専門機材不要!iPhone RTK測量でセンチメートル精度を実現する方法

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この記事は平均4分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

iPhoneとRTKが変える測量の現場

従来測量の課題

iPhone RTK測量とは何か

iPhoneでセンチメートル精度を出す仕組み

スマホRTK測量のメリット

スマホ測量で広がる活用シーン

LRTKで始める手軽な高精度測量

よくある質問


iPhoneとRTKが変える測量の現場

長年、測量といえば高価なトータルステーションや大型のGNSS受信機など、専用の測量機材が不可欠でした。三脚を立てて機器を据え付け、2人1組でミリ単位の精度を追求する。それが当たり前だったのです。しかし近年、この常識が大きく変わり始めています。身近なスマートフォンと最新のGNSS技術を組み合わせることで、専門機材がなくてもセンチメートル級の測位精度が得られる時代が到来しつつあります。特にiPhoneは高性能なカメラやLiDARセンサーを搭載したモデルも登場し、これらを活用した「スマホ測量」が注目されています。手元のiPhoneひとつで現場の3次元形状をスキャンし、高精度の位置情報を付与できれば、測量作業に革命が起きるのは想像に難くありません。


従来測量の課題

まず、従来の測量手法が抱えていた課題を振り返ってみましょう。最大の問題は手間と人手です。例えばトータルステーションによる測量では、機器操作担当とスタッフがターゲットを持って移動する担当の最低2名が必要でした。現場で三脚を据えて機器を水平に調整し、ポイントごとに照準・読取り・記録を繰り返す作業には大変な労力と時間がかかります。多くの点を測る場合、一日仕事になることも珍しくなく、人員不足に悩む現場にとって大きな負担でした。また、高度な機器を扱うには熟練者の技能が欠かせず、経験の浅い作業員には難しいという属人性の課題もありました。測定ミスや記録ミスが起きれば、後の図面作成や施工に誤りが波及するリスクも抱えていたのです。


次に指摘されるのはリアルタイム性の欠如です。従来は現場で測ったデータを一度事務所に持ち帰り、設計図やCADデータと照合してからようやく出来形(施工後の形状)や据付位置が正しいか確認していました。その場で結果を判断できないため、ズレが見つかれば再度現場に戻って測り直す手戻りが発生し、貴重な時間を浪費してしまいます。また、崖の上や急斜面、橋脚の下など危険個所の測量も深刻な問題でした。足場の悪い場所や立ち入り困難な箇所では、安全確保が難しく、そもそも十分な精度で測ることを諦めざるを得ないケースもあります。


さらに無視できないのがコスト面データ活用の非効率です。高精度なGNSS受信機や3Dスキャナー、トータルステーションといった測量機材はいずれも非常に高額で、中小の事業者が各現場に十分な台数を揃えるのは困難でした。レンタルや共有によるやりくりが必要になり、場合によっては順番待ちで工期に影響が出ることもあります。また現場で取得した座標データをCAD図面に反映する際も、手入力での転記や座標変換といった手作業が伴い、ヒューマンエラーや非効率の温床となっていました。このように、従来の測量スタイルには多くの無駄や課題が存在していたのです。


iPhone RTK測量とは何か

こうした課題を解決しうる新たなアプローチが、スマートフォンと高精度GNSS技術を組み合わせたiPhone RTK測量です。「RTK」とは*Real Time Kinematic*の略称で、移動局(ローバー)と基準局の間でGNSS測位の誤差情報をリアルタイム交換することで飛躍的な高精度を得る手法です。RTKを使えば、単独のGPS測位では誤差5~10m程度あった位置精度を、一気に数センチメートルまで縮めることができます。ミリ単位の厳密さが要求される公共測量や丁張の設置、構造物の出来形検査などでも、RTKなら十分対応できる精度が得られます。従来はRTK測量のために高価なGNSS受信機セットや無線機器を用意する必要がありましたが、近年は技術の小型化・低価格化が進み、スマートフォンに後付けする小型GNSS受信機とアプリの組合せでRTK測量が可能となりました。特にiPhone向けには、このRTK技術を手軽に利用できる専用デバイスとアプリが登場しており、これまで専門家の専売特許だったセンチ精度測位が一気に身近になりつつあります。


iPhoneでセンチメートル精度を出す仕組み

では、スマホのGPSでは数メートルも誤差があるのに、どうやってiPhoneでセンチメートル級の測量ができるのでしょうか。その鍵がRTK補正情報の活用です。具体的には、iPhoneに取り付ける小型のRTK対応GNSS受信機を使い、ネットワーク経由または衛星経由で誤差補正データを受信します。日本国内では、国土地理院の電子基準点網(GEONET)のデータを利用したネットワーク型RTK(いわゆるNtripサービス)が整備されており、スマホのアプリから補正情報配信サービスに接続すれば、数十秒~1分程度で高精度測位の「フィックス解」を得ることが可能です。一度フィックス解(誤差が収束した解)が得られれば、その後は移動しながらでも常時センチメートル級の位置情報が更新され続けます。測りたいポイントでボタンをタップすれば、瞬時に高精度な座標値を記録できるのです。


さらに、日本独自の強みとして準天頂衛星みちびきによるセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)が挙げられます。近年登場したRTK対応デバイスの中には、このCLAS信号を直接受信できるものもあります。CLAS対応機器をiPhoneに組み合わせれば、山間部など携帯通信が届かない現場でも、みちびき衛星からの補強信号を使ってリアルタイムに高精度測位が可能です。つまり、ネット接続がない環境下でも基地局を自前で用意することなく測位誤差を数センチ内に補正できるのです。iPhoneと小型受信機、そして補正情報の組み合わせにより、今や日本全国どこでも水平2~3cm・鉛直3~4cm程度の精度を安定して得られるようになりました。このスマホで得られるセンチ精度の位置情報こそ、現場のデジタル化(DX)を飛躍させる鍵と言えるでしょう。


実際の利用方法もシンプルです。iPhoneやiPadにRTK対応の小型GNSS受信機を装着し、専用の測位アプリを起動して補正情報サービスに接続するだけで準備完了。難しい設定は不要で、測りたい時にすぐ測位を開始できます。iPhone本体とはBluetoothやWi-Fi経由でデバイスが連携し、測位データはアプリ上にリアルタイム表示されます。測定開始から短時間で位置情報の精度が安定するため、あとは現場を移動しながら必要な箇所で記録ボタンを押していくだけです。スマホ画面上で自分の現在位置や取得した測点が地図上にプロットされて確認できるため、直感的な操作で測量作業が進められます。


スマホRTK測量のメリット

スマホとRTKを活用した新しい測量スタイルには、従来手法にはない数多くのメリットがあります。ここでは主なポイントを整理してみましょう。


省力化と時短: 大型機材を運搬・設置する必要がなく、一人で現場を回りながら測れるため、測量準備や機器の段取りにかかる時間が大幅に短縮されます。三脚を据える手間がない分、現地に到着してすぐ測量を開始でき、限られた作業時間でより多くの点を測定可能です。

機動力の向上: スマホでの手持ち測量は、測りたい場所に思い立ったらすぐ測定できる機動性が魅力です。従来は機材を据え直すたびに時間を取られましたが、スマホRTKなら現場内を自由に歩き回りながら次々とポイントを取得できます。広範囲に点在する測点の測定や、高低差のある地形での連続測量もスピーディにこなせます。

安全性と柔軟性: 小型で持ち運びやすいスマホ測量機材は、足場の悪い場所や高所、狭所での測量も容易にします。重い機器を担いで危険な場所に赴く必要が減り、作業員の負担軽減と安全向上につながります。高所作業車を使わずに斜面の上から手軽に測定したり、三脚では設置が難しい狭い屋内で測ったりと、柔軟な運用が可能です。

コスト効率: スマホRTKシステムは、トータルステーションやプロ用GNSSセットに比べて格段に低コストです。既に持っているiPhoneに小型受信機を追加するだけで済み、高額な精密機器を複数台揃える必要がありません。結果として、中小の現場や頻度の高くない測量タスクでも最新技術を導入しやすいというメリットがあります。

リアルタイムなデータ活用: スマホRTKで取得した測位データは、その場でクラウドに同期したり、設計図面データと照合したりしやすい形式で活用できます。測点座標は自動的に日本測地系や現場座標系に変換されて記録されるため、帰社後の座標変換や手入力が不要です。現場で測ったデータを即座にタブレットやPCの図面上に反映させ、リアルタイムに出来形を確認したり、追加測定の必要箇所を判断したりできるようになります。


スマホ測量で広がる活用シーン

iPhone RTK測量が実現するセンチメートル精度は、さまざまな現場業務に応用できます。その代表例としていくつかのシーンを紹介します。


出来形管理や品質チェック: 土木工事で盛土や掘削後の地盤が設計通りの高さ・勾配になっているか確認する出来形管理では、スマホRTKと点群データの組み合わせが威力を発揮します。iPhoneのカメラやLiDARで地表面をスキャンしつつ、RTKで取得した各点に正確な座標を付与すれば、高精度の3次元点群データが簡単に得られます。これを設計モデルのデータと重ね合わせれば、どの箇所が設計高より何cm高い/低いかを色分け表示するなど、一目で施工誤差を可視化できます。その場で地盤の過不足を判断し、即座に追加掘削や盛土の指示を出すことも可能です。


基準出し・丁張り設置: 建築や土木工事で構造物の位置や高さの基準を出す作業(いわゆる丁張り掛け)にもスマホRTKが活躍します。事前に設計図の基準点座標や境界線データをアプリに読み込んでおけば、現地でスマホ画面上に設計通りの位置が表示されます。さらにAR(拡張現実)機能を使えば、スマホ越しに見た実景に「ここに杭を打つ点」がマーカー表示されるため、直感的に正確な位置出しが行えます。プリズムを持った補助者も巻尺も不要で、一人で予定位置に杭を設置していけるのは大きな効率化です。


測量図作成とデータ共有: スマホRTKで測定した点の座標リストは、そのまま測量図やCAD図面に利用できます。専用アプリから測点データをDXFやLandXML形式でエクスポートし、図面ソフトで開けば現場測量図が即座に作成可能です。紙の野帳を頼りに図面を起こす必要がなく、ミスのないデジタルデータとして最初から扱えるのが利点です。またクラウドサービス経由でプロジェクトメンバーとデータ共有も簡単に行えるため、現場とオフィス間で情報がスムーズに連携します。


その他の応用: iPhone RTK測量は他にも、ドローン測量の精度向上(ドローン写真測量時のGCP設置にスマホRTKを活用)、災害現場の迅速な被害計測、農業分野での圃場計測や機械自動走行の高精度ナビゲーションなど、幅広い分野で応用が期待されています。「スマホでどこでも正確に測れる」という利点は、これからの様々なフィールド業務の可能性を広げていくでしょう。


LRTKで始める手軽な高精度測量

以上のように、iPhoneとRTK技術の組み合わせにより誰でもセンチメートル精度の測量が可能になってきました。とはいえ、自前でシステムを一から構築するのは難しい…と感じる方もいるかもしれません。そこで登場したのが、東京工業大学発のスタートアップ企業レフィクシア株式会社が開発したLRTKというソリューションです。LRTKはスマートフォン(iPhone/iPad)用の超小型RTK-GNSS受信デバイスと専用アプリからなるシステムで、iPhoneをそのまま測量機器に変身させることができます。厚さ約1cm・重量165gほどの小型デバイスをiPhoneに装着し、ワイヤレス接続するだけで準備OK。あとはLRTKアプリ上でボタンをタップするだけで、現在位置を±2~3cmの精度で測定して記録できます。


LRTKが優れているのは、専門的な知識がなくても使える手軽さと、従来の本格測量機に匹敵する高性能を両立している点です。デバイスはマルチ周波数対応で、高精度測位に必要なGPSだけでなくGLONASSやGalileoなど複数衛星を利用します。さらに日本の「みちびき」衛星にも対応しているため、携帯電波の届かない山間部でも衛星からのCLAS信号を受け取って補正を続けられます。これにより、基地局や三脚といった大掛かりな装備は一切不要で、スマホとLRTKデバイスさえあればどこでも安定したセンチ級測位が可能です。


現場での使い勝手も考慮されています。必要に応じてLRTKデバイスを細い一脚ポールに取り付け、先端を地面に当てて垂直を保てば、より精密な点測量や杭打ち作業にも対応できます。それでも従来の据え付け機材に比べればはるかに軽快で、ポールを使うか手持ちで測るかは状況に応じて柔軟に選択できます。また、取得データは自動でクラウドにバックアップされ、PCからも確認できるため、現場とオフィス間の情報共有もスムーズです。


このようにLRTKを使えば、これまで専門業者に依頼したり大掛かりな準備が必要だった高精度測量を誰もが手軽に実施できるようになります。iPhoneさえあれば思い立ったときにすぐ測れる——そんな新時代の測量スタイルが現実のものとなりつつあります。自社のDX推進や業務効率化を検討している方は、ぜひ一度スマホRTK測量を体験してみてはいかがでしょうか。


よくある質問

Q: スマホだけで本当にセンチメートル級の精度が出せるのですか? **A: はい、専用のRTK対応受信機と補正情報を組み合わせれば可能です。スマートフォン単体のGPSでは数メートルの誤差がありますが、RTK方式で基準局からの補正を適用することで誤差を数センチまで縮小できます。例えばLRTKのようなデバイスをiPhoneに装着し、ネットワーク経由で電子基準点(GNSS基地局)の補正データを受け取ることで、従来の大型測量機器に匹敵する精度を実現します。水平位置で約2~3cm、高さ方向でも3~5cm程度の精度が各種検証で確認されています。


Q: RTKを使うには基地局を用意する必要がありますか? A: 自前の基地局を用意する必要は基本的にありません。日本では国土地理院の電子基準点ネットワークを活用したネットワーク型RTKサービス(VRS方式)が整備されており、市販のRTK対応アプリから補正情報を受け取ることができます。また、準天頂衛星みちびきのCLAS**を利用すれば、山間部など基地局の通信が届かない場所でも衛星から直接補正を受信可能です。したがって、スマホRTK測量では既存の補正サービスを利用するだけで十分で、現場に専用の基地局機器を設置する必要はありません。


Q: どのiPhoneモデルでRTK測量が可能ですか? A: 基本的にはBluetoothやWi-Fiで外付けデバイスと連携できるiPhone/iPadであればRTK測量が可能です。最新のiPhoneであれば性能も高く、LiDAR搭載のiPhone Proシリーズ**なら3Dスキャンと組み合わせた点群測量も行いやすいでしょう。ただしRTK用デバイスやアプリの対応OSバージョンなどもあるため、利用するソリューション(例えばLRTK)の公式情報で対応機種を確認することをおすすめします。


Q: スマホRTK測量には通信料や利用料がかかりますか? A: 補正情報をネット経由で取得する場合、利用するサービスによっては契約や利用料**が必要です。国や自治体が運営する無料の補正情報も一部ありますが、リアルタイム性や利便性から民間の有料サービスを契約するケースもあります。ただし、みちびきのCLAS信号受信は無料で利用できます。スマホのモバイル通信料については、補正データは軽量な情報なので一般的な通信プランで大きな負担になることはありません。


Q: 測量の経験がなくても扱えますか? **A: スマホRTK測量システムは直感的な操作ができるよう設計されています。専用アプリ上で「測定開始」や「記録」ボタンを押すだけで座標取得でき、画面に現在位置や測点が表示されるため分かりやすいです。基本的なGPS知識や測量の目的を理解していれば、専門の資格がなくても扱えるでしょう。ただし、公式な公共測量や境界確定など法的な測量業務を行う場合は測量士などの資格や規定が必要になる点には注意してください。まずは簡易な現場測量や出来形チェックから試し、徐々に慣れていくのがおすすめです。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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