目次
• 3Dスキャン機能を初搭載したiPhone 12 Pro
• iPhone 15 Proで強化されたハードウェア性能
• LiDARスキャナー性能の比較: iPhone 12 Pro vs 15 Pro
• GPS測位精度の違い: デュアル周波GPSで何が変わる?
• その他進化したポイント(画面・バッテリーなど)
• iPhone 15 Proは測量にも使える?
• LRTKで実現するスマホ簡易測量
• まとめ
• FAQ
3Dスキャン機能を初搭載したiPhone 12 Pro
2020年発売のiPhone 12 Proは、スマートフォンとして初めてLiDAR(ライダー)スキャナーを搭載した記念碑的モデルです。LiDARとは赤外線のレーザーを照射して対象までの距離を高速に測定する技術で、iPhone 12 Proはこれにより現実空間の3Dスキャンが可能になりました。登場当時、iPhoneでLiDARが使えるようになったことは大きな話題となり、プロ向け機能がスマホにやってきたと注目されました。
iPhone 12 ProのLiDARスキャナーにより、これまで時間をかけて行っていたAR空間のスキャンが驚くほど手軽かつ高速になりました。例えば、従来はARアプリでテーブルや床などの平面を検出する際、デバイスをゆっくり動かして周囲をスキャンする必要がありました。しかしLiDAR搭載の12 Proでは、カメラをかざすだけで瞬時に環境の奥行き情報が取得でき、「インスタントAR」と呼ばれる体験が可能になったのです。ARオブジェクトの配置もすぐに行え、現実世界にバーチャルな家具やキャラクターを即座に出現させることができました。
LiDARスキャナーはAR以外にも計測アプリで威力を発揮しました。iPhoneの「計測」アプリでは、12 Proから人物の身長を一瞬で測定できるようになり、物体の寸法測定もより正確になりました。LiDARによってカメラだけでは難しかった正確な距離測定が可能になり、建物の部屋の寸法を取ったりインテリアの配置を考えたりと、スマホで簡易な3D計測が行えるようになったのです。またLiDARは暗所で のピント合わせ(オートフォーカス)も高速化し、夜間の写真撮影でのフォーカス精度向上にも貢献しました。
iPhone 15 Proで強化されたハードウェア性能
それから3年後のiPhone 15 Pro(2023年発売)では、iPhoneのハードウェア性能が飛躍的に進化しています。まず心臓部のチップは、iPhone 12 ProのA14 BionicからA17 Proチップへと世代交代しました。プロセッサ性能が大幅に向上したことで、LiDARが取得する大量の点群データやARの複雑な計算もよりスムーズに処理できます。メモリも6GBから8GBに増強され、大規模な3Dスキャンや高度なARアプリでも安定して動作するようになりました。
カメラも大幅に進化しています。iPhone 12 Proではメインカメラが12MPでしたが、15 Proでは48MPの高解像度センサーを搭載しました。これにより写真のディテールが飛躍的に向上し、LiDARで取得した深度データと組み合わせて精細な3Dモデルを作成することが可能です。超広角カメラ や望遠カメラも改善され、暗所性能や手ブレ補正も強化されています。特に暗い場所での撮影では、LiDARの助けを借りてナイトモードでのピント合わせがより高速かつ正確になっています。
さらに、iPhone 15 Proでは筐体素材がステンレス鋼からチタン合金に変わりました。これにより強度を保ちながら重量が189g(12 Pro)から187g(15 Pro)へと微減し、長時間スマホをかざしてスキャンする際の負担もわずかに軽減されています。また新搭載のアクションボタンにより、ユーザーがワンタッチで特定の機能(例えば3Dスキャンアプリの起動など)を割り当てることも可能になりました。こうしたハード面の進化が、3DスキャンやARの使い勝手向上に大きく寄与しています。
LiDARスキャナー性能の比較: iPhone 12 Pro vs 15 Pro
では、iPhone 12 Proと15 ProでLiDARスキャナーの性能にはどのような違いがあるのでしょうか。基本的に両機種とも背面に搭載され たLiDARセンサーで原理は同じですが、iPhone 15 ProのLiDARは新世代のセンサーにアップグレードされています。Appleは15 ProのLiDARについて、省電力化と性能向上を実現したと発表しています。具体的には、15 ProのLiDAR用レーザー(VCSEL)モジュールを新設計とすることで、同じ電力でより多くの光を発して遠方の物体を検出できるようになっています。その結果、15 ProではLiDARによる奥行き計測がより高速・高精度になり、暗い場所や屋外でも安定して3Dスキャンが行えるよう改良されています。
実際の3Dスキャン体験でも、iPhone 15 Proは12 Proに比べてスキャンの精細さと安定性が向上しています。例えば室内で部屋全体をスキャンする場合、12 Proでも家具や壁の位置を把握した点群データを得られますが、15 Proではより細部まで捉えられノイズも少ない3Dモデルを得やすくなっています。LiDARのセンサー自体の解像度は公称では変わらないものの、15 Proは処理能力の向上により高密度な点群をリアルタイムに表示可能で、大きな空間をスムーズに動き回ってもスキャンが途切れにくいです。また12 Proでは有効範囲約5メートル程度とされたLiDARの測距距離も、15 Proではセンサー改良と信号処理の向上で実用上もう少し遠くまで捉えられる場面が増えています。例えば広めの部屋でも奥の壁まで一度にスキャンしやすくなり、より効率的に空間全体の3Dデータを取 得できるでしょう。
こうしたLiDAR性能の進化により、ARアプリケーションの実用度も格段に上がりました。12 Proでは試験的だった3Dスキャンも、15 Proでは実用レベルの精度で部屋の寸法測定やインテリア配置シミュレーションが可能です。APIを活用すれば、部屋の間取りを自動的に3Dモデル化することもできます。iPhone 15 Proなら短時間で精度の高い3Dデータを取得できるため、建築・設計の現場で下見に使ったり、リフォーム時の現況記録に活用するといったことも現実的になってきました。
GPS測位精度の違い: デュアル周波GPSで何が変わる?
3Dスキャン性能と並んで注目したいのが、位置測位(GPS)の精度向上です。iPhone 12 Proは複数の衛星測位システムに対応していましたが、利用する周波数帯は従来通りL1帯のみでした。これに対し、iPhone 15 Proでは高精度デュアル周波数GPSに対応し、L1帯に加えて新しいL5帯の信号も受信できるようになりました。L5信号は従来より高出力で建物や樹木による遮蔽に強 い先進的な測位信号です。二つの周波数を組み合わせることで電波伝播遅延の誤差を補正でき、特に都市部のビル街や森林などでも測位精度が向上します。
実際、iPhone 15 Proでは地図アプリなどにおける自分の位置表示が12 Proに比べて安定しやすくなっています。12 Proでは高層ビルの谷間に入るとGPS信号が反射して位置が大きくズレることがありましたが、15 ProではL5の利用によりそうした誤差が抑えられ、誤って道路と反対側の場所にアイコンが飛んでしまうといった事態が減少します。測位精度としては、理想的な条件下では12 Proがおおよそ5m前後の誤差だったのに対し、15 Proでは2~3m程度まで縮小される場面もあります。もちろんスマートフォン内蔵のアンテナや周辺環境の影響もあるため、単独でセンチメートル精度を出せるわけではありませんが、それでも日常利用での位置情報の信頼性は確実に向上しています。
加えて、iPhone 15 Proでは第2世代の超広帯域(UWB)チップを搭載しており、短距離での精密な位置測定能力も強化されています。UWBは数十センチ単位の精度で他のデバイスとの距離と方向を測れる技術で、15 Proでは通信可能距離が従来の約3倍に伸びました 。これにより、たとえば友人同士で互いの居場所を方向指示付きで示す「正確な場所を見つける」機能がより遠く離れていても使えるようになっています。GPSとは用途が異なりますが、近距離ではUWB、広域ではデュアル周波GPSという形で、iPhone 15 Proは総合的に位置に関する技術が底上げされていると言えるでしょう。
その他進化したポイント(画面・バッテリーなど)
iPhone 15 Proは、3Dスキャンや測位以外の点でもiPhone 12 Proから様々な改良が加えられています。画面表示は、12 Proの60Hz表示から15 Proでは最大120HzのProMotionディスプレイに進化し、ARオブジェクトを動かす際のアニメーションも滑らかになりました。屋外での最大輝度も800ニトから2000ニトへと倍以上に向上しており、明るい屋外でAR作業をするときも画面が見やすくなっています。
また、バッテリー持続時間も大幅に伸びています。iPhone 12 Proのビデオ再生持続時間が最大17時間だったのに対し、15 Proでは最大23時間とされています。実容量でも12 Proの約2815mAhから15 Proでは約3274mAhへと増加しました。プロセッサの省電力化も相まって、長時間の3Dスキャンや屋外での測量作業でも電池切れの心配が減っています。
さらに、15 Proは充電ポートがLightningからUSB-C(USB 3.2対応)に変更され、データ転送速度が飛躍的に高速化しました。これにより、スキャンした高精細な3Dモデルデータや多数の写真・動画をパソコンに転送する時間が大幅に短縮されます。プロ用途で大量の計測データを扱う際には、この高速データ転送は大きな利点です。
総合すると、iPhone 15 ProはiPhone 12 Proと比べてあらゆる面が底上げされており、特に3Dスキャン性能と位置測位精度に関しては劇的な進化を遂げています。
iPhone 15 Proは測量にも使える?
ここまで見てきたように、iPhone 15 ProはLiDARスキャナーによる3Dスキャン性能とデュアル周波GPSによる測位精度で、もはや一部の専門分野にも迫る能力を備えてきました。それでは、このスマートフォンを本格的な測量の現場で活用することはできるのでしょうか。
結論から言えば、iPhone 15 Pro単体でも簡易的な測量や現場記録に役立てることは可能です。例えば、建築現場で部屋の寸法を測ったり、設備の配置を記録したりする際に、15 ProのLiDARで取得した3D点群や測定値は十分参考になります。実際に、床面積の算出や構造物までの距離測定など、従来は巻尺やレーザー距離計で行っていた作業の一部をiPhoneで代替できるケースも出てきています。特に小規模なリフォームの打ち合わせや、インテリアコーディネートのシミュレーションなどでは、15 ProのAR機能が有効に活用され始めています。
しかし、一方でプロの土木測量や精密な位置出し作業となると、iPhone単体では能力不足な場面もあります。LiDARの測距精度は数センチ程度と言われ、GPSの位置誤差も数メートル程度残ります。建物の正確な高さや土地境界の測定、あるいは地図作成用の厳密な測量では、もっと高い精度(センチメートル級)が要求されます。iPhone 15 Proはあくまでスマートフォンであり、このレベルの精度を安定して得るには専用機器や追加の補正が必要になります。
LRTKで実現するスマホ簡易測量
そこで登場するのが、スマートフォンを活用した新しい測量ソリューション「LRTK」です。LRTKは、スマホに取り付ける小型の高精度GNSS受信機と専用アプリからなるシステムで、iPhoneなどのデバイスでリアルタイムにセンチメートル級の測位を可能にします。RTK(リアルタイムキネマティック)という高精度測位技術を手軽に利用できるよう設計されており、スマホさえあれば複雑な機器を持ち歩かなくても正確な位置情報を取得できる点が画期的です。
例えばLRTKをiPhone 15 Proと組み合わせれば、LiDARでスキャンした点群データに絶対座標(経緯度などの実世界の座標)を付与することができます。これにより、スマホで取得した3Dモデルを地図やCAD図面の正確な位置に重ね合わせることができます。屋外の広い現場を歩き回りながら地形をスキャンし、各点に測地系の座標が付いた点群データを即座にクラウドに保存する、といった使い方も可能です。従来は専門のレーザースキャナーや測量機が必要だった作業が、iPhoneとLRTKの組み合わせで代替できてしまうのは驚くべき進歩です。
LRTKはまた、測位に強い衛星の信号を活用しており、日本国内では安定した補正情報を受け取れます。トリポッド(三脚)に据えて基準点を測るスターターキットの使い方や、写真に高精度な位置タグを付与する機能なども用意されており、誰でも扱える万能測量ツールとして注目されています。これらによって、ベテランの測量技師でなくてもスマホで簡易な測量がこなせるようになります。今まで高価な専門機材に頼っていた測量の世界が、iPhone 15 Proのような市販端末とLRTKのような革新的デバイスによって大きく変わり始めています。
まとめ
iPhone 12 ProからiPhone 15 Proへの進化は、3Dスキャン機能と測位精度の両面で目覚ましいものがあります。LiDARスキャナーの導入によって始まったスマホでの空間計測は、この3年間で精度・速度ともに飛躍的に向上しました。またデュアル周波GPS対応により位置情報の信頼性も増し、スマートフォンが扱えるデータの質が格段に上がっています。こうした技術の進歩により、私たちの身近なiPhoneがプロフェッショナルの領域に踏み込みつつあることを実感できます。iPhone 15 Proは日常利用はもちろん、アイデア次第で業務用途にも応用できるポテンシャルを秘めています。
最新のiPhoneを手に入れたら、ぜひその強化されたLiDARやGPSを活用してみてください。もし本格的な測量や精密な位置出しが必要になった際には、LRTKのようなスマホ対応の高精度測位ソリューションを組み合わせることで、従来は不可能だった「誰でもできる測量」が現実のものとなります。技術の進化とともに、スマホでできることの境界が大きく広がっているのです。
LRTKについて詳しくは、ぜひ[LRTK公式サイト](https://www.lrtk.lefixea.com/)もご覧ください。
FAQ
Q: LiDARとは何ですか?スマホで何ができるの? A: LiDAR(ライダー)とは、レーザー光を使って対象までの距離を測る技術です。スマホに搭載されたLiDARスキャナーから発せられた赤外線レーザーが物体に当たり、その反射をセンサーが捉えることで距離を計算します。iPhoneの場合、この深度情報を利用してARで部屋に家具を配置したり、人物や物体の寸法を測ったりできます。例えばiPhoneのLiDARによって、現実空間の3Dモデルを素早く作成したり、メジャー要らずで長さや面積を測定したりといったことが手軽に行えるのです。
Q: iPhone 15 ProのLiDARはiPhone 12 Proと比べて何が良くなったのですか? A: 主な違いはセンサーの改良による測定性能とスキャン体験の向上です。iPhone 15 ProのLiDARは消費電力あたりの出力が高まり、暗所や距離がある対象でも測定しやすくなっています。そのため15 Proでは、12 Proに比べてスキャンがより高速で安定し、得られる点群の密度も高い傾向にあります。実用面では、12 Proでは細部が粗かった3Dモデルが15 Proでは滑らかになったり、部屋全体をスキャンする時間が短縮されたりするといった違いが感じられるでしょう。ただし、LiDARの基本的な原理や用途自体は同じであり、12 ProでもLiDARを使ったAR機能は十分に体験できます。
Q: デュアル周波GPS対応で位置精度はどのくらい良くなりますか? A: 環境にもよりますが、一般的には誤差が従来の半分程度に縮小しやすくなります。ビル街や山間部など、単一周波数のGPSでは誤差が大きくなりがちな環境でも、L1とL5二つの信号を使うことで受信状況が改善されます。例えば、iPhone 12 Proでは10m程度ズレていたような場面で、iPhone 15 Proなら数メートルの範囲に収まる、といったケースが増えるでしょう。ただし、スマホ内部のGPSはアンテナサイズの制約もあり、デュアル周波対応でも単独では数メートルの精度が限界です。センチ単位の精度が必要な場合は、別途RTK補正に対応した受信機(LRTKなど)を使う必要があります。
Q: iPhoneのLiDARで計測した距離の精度はどのくらいですか? A: iPhoneのLiDARは非常に高速に距離を測れますが、精度は一般的に±数センチ程度とされています。これは専用の工業用レーザ測量機には及ばないものの、日常の長さ測定には十分な精度です。実際に使ってみると、1m程度の距離ならほぼ誤差1cm以内で測れたという報告もあります。ただし測定距離が伸びると誤差もやや大きくなり、5m先では数センチのズレが生じる可能性があります。そのため、壁の厚みや部品の寸法などミリ単位の厳密さを求める場合には不向きですが、部屋の広さや家具の大きさを測る程度であれば問題なく実 用できます。
Q: iPhone 15 ProとLRTKを組み合わせれば本当に測量機の代わりになりますか? A: 条件次第では、限定的な測量作業を代替できる場面もあります。iPhone 15 ProのLiDARで周囲をスキャンし、LRTKで各点の座標を取得すれば、簡易的とはいえ3次元の位置座標データを現場で即座に集めることが可能です。これは従来型の測量機(トータルステーションやレーザースキャナー)で行う作業の一部を担えることを意味します。ただし、精度や信頼性の面で従来の測量機器を完全に置き換えるには至りません。公式な測量成果を納品する場合などは、引き続き専用機器での測定が必要です。しかし、下調べや簡易な地形把握、施工後のチェックなどにはiPhone+LRTKの手軽さが大きなメリットとなります。用途に応じて使い分けることで、測量の効率化や省力化につながるでしょう。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
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