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赤外線外観検査で包装不良を見つける7つの確認箇所

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

包装工程では、見た目には大きな異常がないように見えても、シール不足、噛み込み、内容物の偏り、微小な穴、熱ムラなどが後工程や出荷後の不良につながることがあります。赤外線外観検査は、可視光だけでは捉えにくい温度差や熱の残り方を手がかりに、包装状態のばらつきを確認する方法として活用できます。ただし、赤外線画像に写るのは主に表面付近の熱的な状態であり、すべての不良を自動的に見つけられるわけではありません。包装材、内容物、加熱条件、搬送速度、撮像角度、周囲環境を合わせて確認することが大切です。


目次

赤外線外観検査が包装不良の確認に向く理由

確認箇所1 シール部の熱ムラと圧着不足

確認箇所2 噛み込みや異物付着による局所的な温度差

確認箇所3 ピンホールや微小な破れの兆候

確認箇所4 内容物の偏りと充填位置のばらつき

確認箇所5 加熱包装後の冷却ムラと残熱分布

確認箇所6 しわ、折れ、重なりによる表面状態の変化

確認箇所7 ラベル、印字、外装材の貼り付き不良

赤外線外観検査を安定させるための実務ポイント

まとめ


赤外線外観検査が包装不良の確認に向く理由

包装不良の検査では、通常のカメラによる外観確認だけでなく、赤外線外観検査を組み合わせることで、見た目の形状だけでは判断しにくい状態を把握しやすくなります。赤外線外観検査は、対象物から放射される赤外線をもとに表面温度の違いを画像化するため、加熱シール直後の熱の残り方、冷却の進み方、内容物の位置による温度分布の変化などを確認する用途に向いています。


包装工程では、フィルム、袋、トレー、キャップ、ラベル、外箱など、さまざまな部材が使われます。これらの部材は、材質や厚み、表面の光沢、色、透明度によって熱の見え方が変わります。たとえば、シール部に十分な熱と圧力が加わっていれば、一定の幅で比較的安定した温度帯が見えることがあります。一方で、圧着が弱い箇所、内容物が挟まった箇所、折れや重なりが発生した箇所では、周囲と異なる温度パターンとして現れる場合があります。


ただし、赤外線画像は万能ではありません。包装材の表面が強く反射する場合、周囲の設備や照明、作業者の熱が映り込むことがあります。また、透明な包装材や薄いフィルムでは、表面の熱的な見え方と内部状態が単純に一致しないこともあります。したがって、赤外線外観検査を導入する際は、赤外線で何を見たいのかを明確にし、目視検査、通常画像、重量検査、寸法検査、リーク確認などと役割分担することが重要です。


包装不良を赤外線外観検査で見つけるうえでは、良品の熱画像を十分に集めることが出発点になります。良品の範囲が分からないまま不良だけを探そうとすると、工程上は問題のない温度差まで異常として扱ってしまう可能性があります。逆に、良品のばらつきを把握しておけば、シール部の一部だけ温度が低い、内容物の位置が通常より端に寄っている、冷却後も一部に熱が残っているといった変化を見つけやすくなります。


確認箇所1 シール部の熱ムラと圧着不足

包装不良の中でも、シール部の不具合は特に重要な確認箇所です。袋包装、フィルム包装、トレーの蓋材、パウチなどでは、シール部が内容物の保護、密封、漏れ防止に直結します。シール不良が発生すると、外観上は閉じているように見えても、搬送中や保管中に開封、漏れ、異物侵入、品質劣化につながるおそれがあります。


赤外線外観検査では、シール直後の温度分布を確認することで、加熱状態や圧着状態のばらつきを把握しやすくなります。正常なシールでは、シール幅に沿って比較的連続した熱の帯が見えることがあります。これに対して、ヒーターの接触が弱い箇所、圧力が不足した箇所、搬送位置がずれた箇所では、シール部の一部だけ温度が低く見えたり、熱の帯が途切れたりする場合があります。


確認するときは、単にシール部が熱いかどうかを見るだけでは不十分です。重要なのは、シール幅、シール線の連続性、左右端部の温度差、角部の熱の入り方、搬送方向に対するムラの出方です。特に袋の端部や角部は、フィルムが重なりやすく、圧力が均一にかかりにくい場所です。中央部は問題なくても、端部だけ圧着が弱いケースがあるため、検査領域をシール全体に設定する必要があります。


また、シール直後の撮像タイミングも重要です。撮像が早すぎると、ヒーターや押さえ部材の影響が強く出て、実際の密着状態との差が分かりにくい場合があります。反対に、撮像が遅すぎると温度差が薄まり、異常の特徴が見えにくくなります。工程内でどの位置に赤外線カメラを置くか、シール後のどのタイミングで撮像するか、搬送速度が変わったときに判定条件をどう補正するかを事前に検討することが大切です。


シール部の赤外線外観検査では、良品の温度範囲を基準化し、温度の高低だけでなく形状の乱れを見ることも有効です。たとえば、シール線の片側だけ熱が弱い、帯の幅が狭い、部分的に斜めになっている、一定間隔でムラが出るといった傾向は、装置側の調整不良や部材供給のずれを示す手がかりになります。包装不良を早期に見つけるだけでなく、工程条件の見直しにもつなげられる点が赤外線外観検査の大きな利点です。


確認箇所2 噛み込みや異物付着による局所的な温度差

包装工程では、シール部や折り込み部に内容物、粉体、液滴、繊維片、フィルム片などが挟まることがあります。こうした噛み込みや異物付着は、外観画像でも見つかる場合がありますが、透明フィルム、反射の強い包装材、細かな粉末、内容物と似た色の付着物では、通常画像だけで判断しにくいことがあります。赤外線外観検査では、挟まった物質の熱容量や熱伝導の違いによって、周囲と異なる温度パターンとして現れる可能性があります。


たとえば、シール部に水分を含む内容物が挟まると、その部分だけ冷え方が変わったり、熱の伝わり方が不均一になったりします。粉体が付着している場合も、シール材同士が直接密着する部分と比べて熱の入り方が変わるため、局所的な温度差として見えることがあります。液体包装では、わずかな付着やにじみがシール部周辺の温度分布に影響することもあります。


確認箇所としては、シール線の内側、開口部付近、注入口付近、袋の角、折り返し部、蓋材の縁が重要です。これらの場所は内容物が接触しやすく、搬送や充填のタイミングによって付着が発生しやすい部分です。赤外線画像で局所的な低温点や高温点が繰り返し出る場合は、充填ノズルの位置、内容物の飛散、フィルムの静電気、清掃状態、搬送時の振動などを合わせて確認します。


ただし、赤外線画像上の点状の温度差がすべて異物とは限りません。表面の反射、フィルムのしわ、印字、ラベル、照明の映り込み、周辺設備の熱源などでも似たようなパターンが出ることがあります。そのため、赤外線外観検査だけで不良原因を断定せず、通常画像や実物確認と組み合わせて、不良として扱うべき温度差と工程上許容できる温度差を切り分ける必要があります。


噛み込みや異物付着の検査で失敗しやすいのは、異常サンプルだけを使って判定条件を作ってしまうことです。実際のラインでは、良品でも内容物の量、フィルムの張り、包装材のロット差によって温度分布が変わります。不良を見逃さないために感度を上げすぎると、良品を過剰に弾いてしまい、生産性が下がることがあります。まずは良品のばらつきを広く集め、そのうえで噛み込みや付着があるサンプルの特徴がどこに出るかを比較することが大切です。


確認箇所3 ピンホールや微小な破れの兆候

包装材のピンホールや微小な破れは、外観検査の中でも見つけにくい不良の一つです。穴が小さい場合、通常の画像では反射や柄に紛れて見落とされることがあります。特に透明フィルム、薄い包装材、印刷柄のある袋、光沢の強い外装では、微細な欠陥を安定して検出するために撮像条件を細かく調整する必要があります。


赤外線外観検査では、ピンホールそのものを常に直接見つけられるわけではありません。しかし、包装内外の温度差、内容物の温度、加熱や冷却の工程条件によっては、穴や破れの周辺に熱の逃げ方の違いが現れることがあります。たとえば、加熱された内容物や包装材が冷却される過程で、微小な開口部から局所的に熱が抜ける場合、周囲と異なる温度分布として観察できることがあります。


確認箇所としては、フィルムの折り目、袋の角、シール端部、搬送時にこすれる面、成形時に引き伸ばされる部分、鋭利な内容物や部品が接触しやすい部分が挙げられます。これらの箇所は材料に負荷がかかりやすく、ピンホールや亀裂が発生しやすい領域です。赤外線画像では、点状の温度差、細い線状の温度変化、局所的な冷却の早さなどを確認します。


ただし、ピンホール検査を赤外線外観検査だけに任せるのは慎重に考えるべきです。穴の大きさ、包装材の構造、内容物の温度、周囲との温度差が十分でない場合、赤外線画像に明確な差が出ないことがあります。また、穴があっても表面に熱的な変化が出にくい材料では、見逃しのリスクが残ります。気密性や漏れの保証が重要な製品では、赤外線外観検査を補助的な工程監視として位置づけ、必要に応じて別の検査方法と組み合わせる考え方が現実的です。


実務上は、ピンホールや微小破れを想定したサンプルを複数用意し、赤外線画像にどの程度の特徴が出るかを事前に確認します。穴の位置、サイズ、内容物の温度、撮像距離、搬送速度を変えながら、検出可能な範囲を把握します。この検証を行わずに、赤外線なら微細な穴も必ず見つかると考えてしまうと、導入後に期待値とのずれが生じます。赤外線外観検査は有効な手段になり得ますが、適用条件を見極めることが何より重要です。


確認箇所4 内容物の偏りと充填位置のばらつき

包装不良は、包装材そのものだけでなく、内容物の入り方にも現れます。内容物が片側に偏っている、規定位置からずれている、空間が過剰に残っている、複数個入りの内容物が重なっているといった状態は、見た目、品質、輸送時の安定性に影響します。赤外線外観検査では、内容物と包装材の温度差や熱容量の違いを利用して、内容物の位置や広がりを確認できる場合があります。


特に、内容物が包装材より温かい、または冷たい場合は、赤外線画像上で内容物の形状や分布が見えやすくなります。加熱直後の食品、冷却された製品、温度管理された部品、液体やペースト状の内容物などでは、通常画像では包装の表面しか見えなくても、赤外線画像では内部の配置に関係する温度差が見えることがあります。これにより、充填位置のずれ、量の極端な不足、端部への偏りを検出する手がかりになります。


確認箇所としては、袋や容器の中央部、底部、角部、封止予定部の近くが重要です。内容物がシール部に近づきすぎている場合、噛み込みやシール不良の原因になります。液体や粉体では、搬送時の揺れによって一時的に偏りが出ることもあるため、撮像するタイミングを安定させる必要があります。充填直後、振動後、シール前、シール後のどこで確認するかによって、見える不良の種類が変わります。


また、内容物の偏りは単なる温度差だけで判定すると誤判定が増えることがあります。製品の向き、包装材のしわ、ラベルの位置、底面の影響、搬送ベルトとの接触による冷却などが温度分布に影響するためです。実務では、検査領域を内容物が存在すべき範囲に限定し、端部やシール部との距離を評価するなど、位置関係を見る考え方が有効です。


内容物の充填状態を赤外線外観検査で確認する場合、良品の範囲を温度の値だけでなく形として捉えることが大切です。良品では内容物の輪郭が一定の範囲に収まる、不良では片側に寄る、中心から外れる、想定外の場所に熱の塊が現れるといった特徴を整理します。赤外線画像を工程改善に使うことで、充填ノズルの位置、搬送の揺れ、包装材の保持状態など、上流工程の調整にも役立ちます。


確認箇所5 加熱包装後の冷却ムラと残熱分布

包装工程では、熱シール、収縮包装、加熱殺菌、乾燥、温調など、熱を伴う処理が行われることがあります。こうした工程の後には、製品表面や包装材に残熱が残ります。赤外線外観検査は、この残熱分布を確認することで、加熱のばらつき、冷却の不均一、包装材の密着状態の違いを把握する手段として活用できます。


正常な工程では、加熱後の温度分布が一定のパターンに収まります。たとえば、シール部は一定時間だけ高温を保ち、その後ほぼ同じ速度で冷えていくことがあります。収縮包装では、フィルムが均一に収縮していれば、表面の温度分布も比較的なめらかに変化します。一方で、フィルムの重なり、空気だまり、密着不良、局所的な過加熱があると、冷却の進み方が周囲と異なる場合があります。


確認箇所としては、シール部だけでなく、包装面全体、角部、底部、重なり部、搬送ベルトと接する面、冷却風が当たる側と当たりにくい側を含めます。冷却ムラは、製品の向きや搬送位置によって再現性を持って出ることがあります。毎回同じ位置に高温部が残る場合は、冷却条件や加熱部材の偏りが疑われます。ランダムに出る場合は、包装材の位置ずれ、内容物の偏り、搬送中の姿勢変化などを確認します。


残熱分布を見るときは、ライン停止や速度変更の影響にも注意が必要です。搬送速度が遅くなると加熱時間や冷却時間が変わり、赤外線画像の温度範囲が通常時とずれることがあります。立ち上げ直後、長時間運転後、材料ロット切り替え後でも温度分布は変化します。検査条件を設定する際は、通常運転時だけでなく、工程が不安定になりやすいタイミングの画像も確認しておくと、誤判定を減らしやすくなります。


冷却ムラや残熱分布は、包装不良の直接検出だけでなく、装置状態の監視にも役立ちます。ヒーターの一部劣化、押さえ部材の摩耗、冷却風の偏り、搬送ベルトの温度影響などは、最終的な不良が増える前に熱画像の変化として現れることがあります。赤外線外観検査を単なる良否判定として使うだけでなく、工程の変調を早期に把握するための情報として活用する視点が重要です。


確認箇所6 しわ、折れ、重なりによる表面状態の変化

包装材のしわ、折れ、重なりは、外観品質だけでなく、密封性や搬送安定性にも影響します。袋やフィルムが正しく張られていないと、シール部に余分な重なりが生じたり、印字やラベルがずれたり、内容物が見えにくくなったりします。赤外線外観検査では、こうした表面状態の変化が温度分布や反射の違いとして現れる場合があります。


しわや折れがある部分では、包装材の厚みが局所的に変わります。厚みが変わると、加熱や冷却の速度、表面の見え方、熱のこもり方が変化します。また、重なり部では熱が抜けにくくなったり、逆に接触状態によって冷えやすくなったりすることがあります。赤外線画像では、線状の高温部、低温部、境界の乱れ、シール線の曲がりとして確認されることがあります。


確認箇所としては、フィルムの折り返し部、袋のサイド、底部、上部シールの近く、容器の角、ラベル下の重なり、収縮包装の合わせ目が重要です。特に、包装材が薄い場合や搬送速度が速い場合は、わずかな位置ずれが連続的なしわとして発生しやすくなります。通常画像では光の当たり方で見え方が変わるしわも、赤外線画像では熱的な特徴として安定して見える場合があります。


ただし、しわや折れは製品仕様上ある程度許容される場合もあります。すべてのしわを不良にすると、必要以上に排出が増えるおそれがあります。そのため、赤外線外観検査では、許容されるしわと不良につながるしわを分ける基準が必要です。たとえば、シール部にかかるしわ、内容物と接触して穴あきの原因になりそうなしわ、ラベルや印字を読みにくくするしわ、外観クレームにつながる大きなしわなどを重点的に確認します。


実務では、しわや折れの判定は温度値よりも形状特徴が重要になることがあります。線状に伸びる温度差、一定方向に並ぶムラ、シール線に交差する筋、角部から伸びる冷却ムラなどを観察し、工程条件と照らし合わせます。赤外線外観検査で得た情報をもとに、フィルム張力、ガイド位置、搬送タイミング、包装材の供給状態を調整すれば、不良の発生原因を上流で抑えやすくなります。


確認箇所7 ラベル、印字、外装材の貼り付き不良

包装不良というと密封性や破れに目が向きがちですが、ラベル、印字、外装材の貼り付き状態も重要な確認箇所です。ラベルの浮き、貼りずれ、端部のめくれ、外装材の密着不足、印字部のにじみや欠けは、出荷後の識別性や見た目に影響します。赤外線外観検査では、貼り付き状態や表面材の重なりによる熱の違いを確認できる場合があります。


ラベルや外装材が正しく密着している場合、表面温度は比較的なめらかに変化します。一方で、浮きや空気だまりがあると、熱の伝わり方が周囲と変わり、局所的な温度差が出ることがあります。貼り付け直後に温度差が残る工程や、加温された容器にラベルを貼る工程では、赤外線画像によって密着状態のばらつきを把握しやすくなる場合があります。


確認箇所としては、ラベルの四隅、端部、重なり部、曲面部分、容器の段差付近、外装フィルムの合わせ目が重要です。ラベルの中央は密着していても、端部だけ浮いていることがあります。曲面容器では、貼り付け圧力が均一にかかりにくく、端部にめくれが出やすくなります。赤外線画像で端部だけ温度が違う、細い線状のムラがある、ラベル下に空気だまりのような形が見える場合は、貼り付け条件を確認します。


印字については、赤外線外観検査だけで文字の内容を読む用途には向きません。印字の有無や表面状態の変化が温度差として見える場合はありますが、文字の欠け、判読性、日付や記号の正しさは通常画像による確認が中心になります。赤外線外観検査は、印字そのものの内容確認ではなく、印字面の乾燥状態、表面の汚れ、貼り付け後の熱ムラなどを補助的に見る位置づけが現実的です。


ラベルや外装材の不良を確認する際も、反射の影響に注意が必要です。光沢のあるラベルや金属調の外装材では、周囲の熱源が映り込み、実際の表面温度とは異なる見え方をすることがあります。撮像角度、背景、周辺設備の温度、搬送面の反射を整えないと、安定した判定が難しくなります。導入時には、良品と不良品の画像を同じ条件で比較し、どの特徴が本当に貼り付き不良を示しているのかを確認します。


赤外線外観検査を安定させるための実務ポイント

包装不良を赤外線外観検査で見つけるには、確認箇所を決めるだけでなく、検査条件を安定させることが欠かせません。赤外線画像は温度を手がかりにするため、周囲環境、製品温度、包装材の状態、撮像タイミングの影響を受けやすいからです。良品と不良品の差が小さい工程ほど、条件のばらつきが判定結果に大きく影響します。


まず重要なのは、撮像位置と角度の固定です。赤外線カメラの角度が変わると、反射の入り方や見える面積が変わります。特に光沢のあるフィルムやラベルでは、わずかな角度差で温度分布の見え方が変化します。検査対象に対してできるだけ安定した角度を保ち、背景に強い熱源が映り込まないように配置します。設備の発熱部、照明、作業者の位置、開閉扉からの外気なども確認しておく必要があります。


次に、撮像タイミングを工程に合わせることが大切です。シール直後の検査、冷却後の検査、充填直後の検査では、見える特徴が異なります。どの不良を見つけたいのかによって、最適な撮像位置は変わります。シール部の熱ムラを見たいならシール後の早いタイミングが有効な場合がありますが、冷却ムラや密着状態を見たいなら少し時間を置いたほうが差が分かりやすいこともあります。


また、判定基準は温度しきい値だけに依存しないほうが安全です。ラインの立ち上げ直後、季節変動、空調の変化、材料ロットの違いによって全体温度が変わることがあります。絶対温度だけで判定すると、工程全体が少し温かい日や冷たい日に誤判定が増える可能性があります。シール部と周辺部の差、左右の差、形状の連続性、異常領域の面積、位置のずれなど、複数の特徴を組み合わせると安定しやすくなります。


良品データの集め方も重要です。良品は一つの理想状態だけではありません。包装材のロット差、内容物の温度差、ライン速度、始業直後と連続運転後、季節や空調条件によって、良品の赤外線画像には自然なばらつきがあります。この幅を把握せずに狭い基準を作ると、実際の運用で過剰検出が起こります。反対に、基準を広くしすぎると本来見つけたい包装不良を見逃します。導入前の評価では、できるだけ現場に近い条件でサンプルを集めることが大切です。


不良サンプルも、現実に起こり得るものを用意する必要があります。意図的に大きな不良だけを作ると、検査では簡単に見つかるように見えます。しかし実ラインで問題になるのは、境界に近い小さな不良、断続的に出る不良、良品との差が微妙な不良です。シール不足、軽い噛み込み、小さなしわ、端部の浮き、内容物のわずかな偏りなど、実際の発生状況に近いサンプルで確認すると、導入後のギャップを小さくできます。


さらに、赤外線外観検査の結果を現場で使える形にすることも大切です。単に不良を排出するだけではなく、どの確認箇所で異常が出たのか、いつから増えたのか、どの装置条件と関係しているのかを記録できると、工程改善に活用しやすくなります。包装不良は、充填、搬送、加熱、冷却、貼り付け、材料供給など複数の要因が重なって発生します。赤外線画像を時系列で見れば、不良の発生タイミングや傾向をつかみやすくなります。


赤外線外観検査は、現場担当者が扱いやすい運用に落とし込んで初めて効果を発揮します。判定条件が複雑すぎると、品種切り替えや材料変更のたびに調整が難しくなります。逆に、単純すぎると不良の種類に対応できません。品種ごとの基準、点検時の確認項目、異常時の初動、再検査の方法、記録の残し方をあらかじめ決めておくことで、属人的な判断を減らせます。


まとめ

赤外線外観検査で包装不良を見つけるには、シール部、噛み込み、ピンホール、内容物の偏り、冷却ムラ、しわや折れ、ラベルや外装材の貼り付き状態という七つの確認箇所を意識することが重要です。包装不良は見た目だけで分かるものもありますが、熱の入り方や冷え方に現れるものもあります。赤外線外観検査を使えば、通常画像では見えにくい温度分布の変化を手がかりに、工程の異常や不良の兆候を早めに把握できる可能性があります。


一方で、赤外線外観検査はすべての包装不良を無条件に検出できる方法ではありません。包装材の材質、表面の反射、内容物の温度、工程内の撮像タイミング、周囲環境によって見え方は大きく変わります。導入時には、良品のばらつきと不良サンプルの特徴を比較し、どの不良を赤外線で見るべきか、どの不良は別の検査と組み合わせるべきかを整理する必要があります。


特に実務では、シール部の熱ムラだけに注目するのではなく、包装全体の熱の流れを見る視点が役立ちます。内容物がどこにあるか、冷却が均一に進んでいるか、しわや重なりが局所的な温度差を生んでいないか、ラベルや外装材の浮きが発生していないかを確認することで、不良の発生原因まで追いやすくなります。検査結果を単なる合否判定で終わらせず、工程改善の情報として活用することが、安定した品質管理につながります。


赤外線外観検査を現場で活かすためには、撮像条件の固定、検査領域の設計、良品範囲の把握、不良サンプルでの検証、記録と見直しの仕組みが欠かせません。包装工程は品種や材料が変わると熱の見え方も変わるため、一度条件を決めたら終わりではなく、運用しながら基準を更新していく姿勢が必要です。現場で撮影位置、検査結果、異常発生時の状況を分かりやすく残し、包装不良の傾向を継続的に追跡できる仕組みを整えることが、赤外線外観検査を品質改善につなげるための次のステップになります。


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