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情報化施工で施工進捗を見える化する7つの方法

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

情報化施工は、測量、設計データ、施工機械、写真、帳票、出来形確認などの情報をデータとして整理し、現場の判断を早く正確にするための取り組みです。なかでも施工進捗の見える化は、工程遅れの早期把握、手戻りの抑制、関係者間の認識合わせに役立ちます。現場では「どこまで終わっているか」「次にどこへ入れるか」「出来形や品質の確認は進んでいるか」を口頭や個人の記憶だけで管理すると、報告のたびに確認作業が増え、判断も遅れやすくなります。


情報化施工を活用すれば、日々の測量結果、施工数量、写真、機械稼働、位置情報、帳票データを現場単位で整理し、進捗を誰が見ても分かりやすい状態に近づけられます。ただし、機器やシステムを導入するだけで自動的に進捗管理がうまくいくわけではありません。重要なのは、現場で使うデータの粒度、更新頻度、確認ルール、報告方法をあらかじめ決めておくことです。


この記事では、情報化施工で施工進捗を見える化するための実務的な方法を7つに分けて解説します。現場代理人、監理技術者、測量担当者、施工管理担当者が、日々の進捗確認を属人的な管理からデータに基づく管理へ移行する際の参考にしてください。


目次

施工範囲を区画ごとに分けて進捗を管理する

設計データと現場実績を重ねて差分を確認する

測量結果を日々の進捗記録として活用する

写真と位置情報を組み合わせて施工状況を残す

施工数量と出来形確認を同じ流れで管理する

関係者が同じ進捗情報を確認できる共有環境を整える

遅れや手戻りの原因をデータで振り返る

情報化施工の見える化を現場に定着させるために


施工範囲を区画ごとに分けて進捗を管理する

施工進捗を見える化する第一歩は、現場全体を一つの大きな作業範囲として捉えるのではなく、管理しやすい区画に分けることです。情報化施工では、設計データや測量データを扱う機会が増えるため、どの範囲をどの単位で管理するかが曖昧だと、集めたデータを進捗判断に使いにくくなります。


たとえば道路工事であれば、測点、施工延長、車線、構造物周辺、切土部、盛土部などに分けて管理できます。造成工事であれば、工区、街区、法面、排水構造物周辺、搬入路周辺などが管理単位になります。河川工事や護岸工事では、左右岸、施工延長、構造物の種類、仮設範囲などを基準に区画を設定することが考えられます。


この区画分けは、細かければよいというものではありません。細かすぎると入力や確認の手間が増え、現場担当者が更新しきれなくなります。一方で粗すぎると、進んでいる部分と遅れている部分が混ざって見え、判断材料として弱くなります。日々の施工指示や出来形確認、写真整理、数量集計に使える程度の単位にすることが大切です。


情報化施工で進捗を扱う場合、区画ごとに「未着手」「施工中」「施工完了」「確認待ち」「是正中」「確認完了」のような状態を持たせると、現場の状況を把握しやすくなります。単に施工したかどうかだけではなく、出来形確認や品質確認まで終わっているかを分けることで、工程上は終わったように見える作業の中に、未確認部分が残っていないかを確認できます。


また、区画名や測点名の付け方も重要です。担当者ごとに呼び方が違うと、日報、写真、測量記録、打合せ資料の内容が一致しにくくなります。情報化施工では複数のデータを後から照合する場面が多いため、区画名を統一しておくことが進捗の見える化に直結します。現場内で使う名称は、図面、帳票、写真フォルダ、測量データ、共有資料でできるだけ揃えておくと、確認時の迷いが減ります。


区画ごとの進捗管理では、作業の順番も見える化できます。たとえば、ある範囲の掘削が終わっていても、次工程に入るための測量確認や写真撮影が未了であれば、後続作業を進めにくい場合があります。逆に、進捗一覧で確認完了の区画が明確になっていれば、重機や作業班の配置を次の範囲へ移しやすくなります。


現場では、全体工程表だけを見ても日々の細かな進み具合までは把握しにくいものです。情報化施工のデータを活かすには、工程表の大きな項目と、現場で実際に動く区画単位をつなげる必要があります。区画ごとに進捗状態を管理すれば、工程会議や朝礼で「どの範囲が終わったか」「どこが止まっているか」「次に確認すべき範囲はどこか」を具体的に共有できます。


設計データと現場実績を重ねて差分を確認する

情報化施工で施工進捗を見える化するうえで有効なのが、設計データと現場実績を重ねて確認する方法です。設計図面や三次元設計データは、施工すべき形状や範囲を示す基準になります。一方で、現場で取得した測量結果や施工済み範囲のデータは、実際にどこまで施工が進んでいるかを示します。この二つを照合することで、進捗を感覚ではなく差分として把握しやすくなります。


従来の進捗確認では、現場を歩いて目視確認し、担当者の報告を聞き、図面に色を塗って管理することがあります。この方法も現場管理では有効ですが、範囲が広い場合や複数班が同時に作業している場合、確認漏れや記録の遅れが起きやすくなります。情報化施工では、測量データや施工記録を設計データに重ねることで、施工済み範囲、未施工範囲、確認が必要な範囲を把握しやすくなります。


差分確認で大切なのは、設計データが現場で使える状態に整っていることです。座標系、基準点、単位、標高基準、線形、横断構成などが現場の測量条件と合っていなければ、重ね合わせても正しい判断ができません。設計データを扱う前に、現場の基準点や既知点との整合を確認し、必要に応じてデータ変換や確認測量を行うことが欠かせません。


施工実績との重ね合わせでは、完成形だけでなく途中段階の形状をどう扱うかも考えておく必要があります。土工であれば、掘削途中や盛土途中の形状は設計完成形とは一致しません。そのため、単純に設計面との差だけを見ると、施工途中の正常な状態まで不足や過剰として見えてしまうことがあります。進捗管理に使う場合は、その時点で確認すべき施工段階を決め、完成形との差なのか、計画している中間段階との差なのかを区別することが重要です。


設計データと現場実績を重ねると、工程の遅れだけでなく、施工順序の偏りも見えやすくなります。ある範囲だけが先行しすぎて仮設や排水処理が追いついていない場合、別の範囲では測量待ちや材料待ちで止まっている場合など、現場全体の流れを俯瞰できます。これにより、単に「進んでいる」「遅れている」という表現ではなく、「どの範囲が、どの工程で、なぜ止まっているのか」を整理しやすくなります。


差分の見える化は、発注者や協力会社との打合せでも有効です。口頭で進捗を説明するだけでは、相手が同じ状況を思い浮かべているとは限りません。設計範囲に対して施工済み範囲を示せれば、次に確認すべき箇所、立会が必要な箇所、資料提出が必要な箇所を共有しやすくなります。情報化施工では、データを単なる記録として残すだけでなく、関係者の合意形成に使うことが大切です。


ただし、データの見え方が分かりやすいほど、過信にも注意が必要です。画面上では施工済みに見えていても、現地では仕上げ、転圧、清掃、養生、写真撮影、出来形確認などが未了の場合があります。進捗の見える化では、設計データとの重ね合わせを入口にしつつ、現場確認や品質確認と組み合わせて判断する姿勢が必要です。


測量結果を日々の進捗記録として活用する

情報化施工では、測量結果を出来形確認だけでなく、日々の施工進捗を示す記録として活用できます。現場で取得した座標、標高、横断、点群、観測メモなどは、施工がどこまで進んだかを客観的に残す材料になります。測量を検査前だけの作業として扱うのではなく、日常の進捗管理に組み込むことで、現場の状態を早く把握しやすくなります。


施工進捗の見える化に使う測量では、何を、どの頻度で、どの範囲まで測るかを決めておく必要があります。毎日すべての範囲を詳細に測るのは現実的ではありません。重要なのは、工程判断に必要な代表点、境界、施工端部、変化点、次工程に影響する箇所を押さえることです。たとえば、掘削や盛土の進捗では、施工端部や仕上がり確認が必要な範囲を定期的に測ることで、どの区画が次工程に進める状態かを判断しやすくなります。


測量結果を進捗記録として使うには、測った日時、測量者、使用した基準点、観測条件、対象範囲を残すことが大切です。座標値だけが残っていても、それがいつの状態なのか、どの施工段階を示すものなのかが分からなければ、後から進捗を追うことが難しくなります。情報化施工ではデータが増えるほど、ファイル名や記録ルールの重要性が高まります。


また、測量データは日報や写真と結び付けることで、進捗管理の信頼性が高まります。日報に「〇〇区画の掘削完了」と書かれていても、測量結果や写真が別々に管理されていると、確認に時間がかかります。測量結果、写真、日報の区画名や測点名を揃えておけば、後から「その日の施工範囲」「その時点の形状」「確認済みの内容」を追いやすくなります。


測量結果を日々活用する場合は、現場担当者が確認しやすい形に変換することも重要です。測量担当者だけが読める形式で保存されていると、工程会議や朝礼で活用しにくくなります。必要に応じて、施工済み範囲を図面上に反映した資料、区画ごとの進捗一覧、断面ごとの差分確認資料などに整理すると、測量データが現場全体の判断材料になります。


測量結果には誤差や観測条件の影響もあります。視通条件、器械設置、後視確認、プリズム定数、反射条件、天候、足場の安定性などにより、数値にばらつきが出ることがあります。進捗管理に使う場合でも、数値だけを機械的に判断するのではなく、現場条件と合わせて確認する必要があります。特に出来形や品質に関わる判断では、現場で定められた手順や基準に従って確認することが前提です。


日々の測量結果を蓄積すると、施工の進み方を時系列で把握できます。どの範囲が早く進んだか、どこで停滞したか、どの作業が次工程を待たせたかが見えやすくなります。これは、現在の工程管理だけでなく、次回以降の施工計画や人員配置の見直しにも役立ちます。情報化施工の強みは、その場の確認だけで終わらず、記録を次の改善につなげられる点にあります。


写真と位置情報を組み合わせて施工状況を残す

施工進捗を見える化するうえで、写真は重要な記録です。現場の状態を視覚的に残せるため、施工前、施工中、施工後の変化を説明しやすくなります。しかし、写真だけを大量に保存しても、どこを撮影したものか、いつの状態か、何の確認写真かが分からなければ、進捗管理には使いにくくなります。情報化施工では、写真に位置情報や区画情報を組み合わせることで、進捗確認に使える記録へ整えることができます。


現場写真の管理でよく起きる課題は、撮影枚数が多すぎて探せないことです。日々の施工写真、品質管理写真、安全管理写真、材料写真、出来形写真が混在すると、必要な写真を探すだけで時間がかかります。撮影時に区画名、工種、撮影方向、施工段階、確認内容を揃えておけば、写真は単なる保管物ではなく、進捗を確認する資料として使いやすくなります。


位置情報を活用すると、写真と施工範囲を結び付けやすくなります。たとえば、撮影位置が図面上で確認できれば、どの区画のどの箇所を撮影したのかが分かりやすくなります。広い現場や似たような景色が続く現場では、写真だけを見ても場所を特定しにくいことがあります。位置情報を組み合わせることで、後から確認する担当者や発注者も状況を追いやすくなります。


ただし、位置情報には誤差が含まれる場合があります。周囲の構造物、地形、通信環境、測位条件によって位置がずれることもあります。そのため、位置情報だけに頼らず、黒板情報、区画名、測点名、撮影方向、近くの構造物などを併記しておくと安心です。情報化施工では、便利なデータを使いながらも、現場で確認できる補足情報を残すことが実務上重要です。


写真による進捗の見える化では、撮影タイミングを決めておくことも欠かせません。施工前、作業中、不可視部分になる前、施工完了後、出来形確認時、是正後など、必要な段階で写真を残すことで、進捗と品質確認の流れを後から追うことができます。特に埋戻しやコンクリート打設など、後から見えなくなる部分は、写真が進捗と確認の根拠になります。


写真の撮り方にもルールが必要です。近景だけでは範囲が分からず、遠景だけでは細部が確認できない場合があります。進捗管理に使う写真では、全体の位置関係が分かる写真と、確認対象が分かる写真を組み合わせると効果的です。同じ方向や同じ位置から定点的に撮影すると、日ごとの変化も比較しやすくなります。


写真と位置情報を活用することで、現場に行かなくても一定の状況確認がしやすくなります。事務所、発注者、協力会社、本社の担当者が同じ写真を確認できれば、報告のために何度も説明資料を作る手間を減らせます。ただし、写真はあくまでその瞬間の記録です。施工の完了判断や品質判断には、測量結果、帳票、現場確認などと合わせて使うことが大切です。


施工数量と出来形確認を同じ流れで管理する

施工進捗の見える化では、作業がどこまで進んだかだけでなく、施工数量がどの程度進んでいるかを把握することも重要です。土量、延長、面積、箇所数、構造物の施工数などの数量は、工程管理、出来高管理、資機材手配、人員配置に関わります。情報化施工では、施工数量と出来形確認を別々に管理するのではなく、同じ流れの中で扱うことで、進捗の精度を高めることができます。


現場では、数量上は進んでいるように見えても、出来形確認や品質確認が追いついていないことがあります。たとえば、一定範囲の施工が完了していても、測量確認、写真整理、帳票作成、是正確認が残っていれば、次工程や検査に進めない場合があります。進捗を正しく見える化するには、「施工した数量」と「確認済みの数量」を分けて把握することが大切です。


情報化施工では、設計数量、計画数量、当日施工数量、累計施工数量、確認済み数量を関連付けて管理しやすくなります。これにより、工程表上の進捗率だけでは見えにくい実態を把握できます。たとえば、累計施工数量は予定に近いものの、確認済み数量が少ない場合は、測量や資料整理に負荷がかかっている可能性があります。逆に、確認済み数量が安定して増えていれば、施工と管理の流れが比較的スムーズに回っていると判断できます。


数量管理で注意したいのは、計算条件を統一することです。延長や面積、土量などは、算出方法や対象範囲が変わると数値が一致しません。設計数量と現場実績を比較する場合は、どの範囲を対象にしているのか、控除や重複をどう扱うのか、途中段階の数量をどう見るのかを決めておく必要があります。情報化施工では数値が集計しやすくなる一方で、前提条件が揃っていなければ判断を誤るおそれがあります。


出来形確認と数量管理をつなげるには、区画ごとに確認状態を持たせると効果的です。施工済み、測量済み、確認済み、是正中、再確認済みのように状態を整理すれば、数量の進み具合と確認の進み具合を同時に見られます。これにより、工程会議では「施工量は進んでいるが確認待ちが多い」「次工程に渡せる範囲が限られている」といった実務的な判断がしやすくなります。


また、施工数量を見える化すると、資機材や人員の手配にも役立ちます。予定より進捗が早い場合は、次工程の材料搬入や協力会社の段取りを前倒しで調整できます。遅れが見えている場合は、作業班の増減、施工順序の変更、測量体制の補強などを検討できます。情報化施工の見える化は、報告のためだけではなく、現場の次の一手を決めるために使うことが重要です。


数量や出来形のデータは、検査や成果品整理にも関係します。日々の進捗管理の段階から区画、数量、写真、測量結果をそろえておけば、工事終盤に資料を探し直す負担を減らせます。施工中の見える化と、完成時の説明資料づくりを別々に考えず、同じ記録を積み上げる意識を持つと、情報化施工の効果が出やすくなります。


関係者が同じ進捗情報を確認できる共有環境を整える

施工進捗の見える化は、現場担当者だけが確認できても十分ではありません。現場代理人、主任技術者、監理技術者、測量担当者、協力会社、発注者、本社担当者など、工事には多くの関係者が関わります。それぞれが別々の資料や古い情報を見ていると、進捗に対する認識がずれ、判断や指示が遅れやすくなります。情報化施工では、関係者が同じ進捗情報を確認できる共有環境を整えることが重要です。


共有環境を整える際に大切なのは、最新情報の置き場所を一つに決めることです。担当者ごとの端末、個別の保存先、紙資料、口頭報告が混在していると、どれが最新なのか分からなくなります。進捗一覧、施工範囲図、写真、測量結果、日報、確認記録などを、現場のルールに沿って整理し、関係者が迷わず確認できる状態にしておく必要があります。


ただし、すべての情報を誰でも自由に変更できる状態にすると、誤入力や重複更新が起きる可能性があります。共有環境では、閲覧する人、入力する人、確認する人、承認する人の役割を分けることが大切です。たとえば、測量結果は測量担当者が登録し、施工進捗は工区担当者が更新し、最終的な確認状態は施工管理担当者が確定するなど、責任範囲を明確にすると運用が安定します。


進捗情報の更新頻度も決めておく必要があります。現場では作業が常に動いているため、完全なリアルタイム更新を求めすぎると担当者の負担が増えます。一方で、更新が数日遅れると見える化の意味が薄れます。朝礼前、作業終了後、日報作成時、週次工程会議前など、現場のリズムに合わせて更新タイミングを決めると継続しやすくなります。


共有する情報は、詳細すぎても使いにくくなります。発注者や本社担当者には全体進捗、遅れのある範囲、確認待ちの項目が分かれば十分な場合があります。一方で、測量担当者や現場職員には、具体的な測点、区画、確認状態、次の作業指示が必要です。情報化施工では、同じデータをもとにしながら、見る人に応じて必要な粒度で整理することが望ましいです。


共有環境では、変更履歴や更新者が分かるようにしておくと、後から確認しやすくなります。進捗情報は日々変化するため、過去の状態を確認したい場面もあります。いつ、誰が、どの区画を、どの状態に更新したのかが追えると、工程遅れの原因確認や検査前の資料整理にも役立ちます。


また、現場で使う共有環境は、事務所だけでなく現地でも確認できることが重要です。現場で立ち止まって現在の進捗や次の確認箇所を確認できれば、事務所に戻って資料を見る手間を減らせます。スマートフォンやタブレットなどの汎用端末を活用すれば、写真撮影、位置確認、簡易な進捗入力を現場で行いやすくなります。通信環境が不安定な場所では、事前に必要資料を保存しておくなど、現場条件に合わせた運用も必要です。


関係者が同じ情報を見るようになると、打合せの質も変わります。従来は「進んでいると思っていた」「まだ確認中だと思っていた」といった認識のずれが起きやすかった場面でも、共通の進捗情報を見ながら話すことで、課題の確認と対策の検討に時間を使えます。情報化施工の見える化は、単に画面を整えることではなく、関係者の判断基準をそろえる取り組みです。


遅れや手戻りの原因をデータで振り返る

施工進捗を見える化する目的は、現在の状況を把握するだけではありません。遅れや手戻りが発生したときに、その原因を振り返り、次の改善につなげることも大きな目的です。情報化施工では、日々の進捗、測量結果、写真、数量、作業記録、確認状態を蓄積できるため、感覚的な反省ではなく、データに基づいた振り返りがしやすくなります。


工程遅れが起きたとき、原因は一つとは限りません。天候、材料待ち、人員不足、測量待ち、設計照査の遅れ、協力会社間の調整不足、施工順序の見直し、品質確認のやり直しなど、複数の要因が重なることがあります。進捗データが整理されていれば、どの時点で、どの区画の進み方が遅くなったのかを確認できます。


手戻りの振り返りでは、施工前の確認が十分だったか、設計データと現地条件の整合が取れていたか、測量結果の確認が遅れていなかったか、写真や記録に不足がなかったかを確認します。情報化施工のデータを見返すことで、単に「作業者の注意不足」と片付けず、仕組みとしてどこに改善余地があるのかを考えやすくなります。


たとえば、ある区画で再測や是正が多く発生している場合、測量基準の確認、施工前の丁張や位置出し、作業指示の伝達、出来形確認のタイミングに課題があるかもしれません。写真記録が不足している場合は、撮影ルールや現場での入力手順が複雑すぎる可能性があります。数量集計に時間がかかる場合は、区画名や工種名の統一が不十分で、データを後からつなげる作業が増えている可能性があります。


振り返りを行う際は、現場担当者を責めるためではなく、次に同じ問題を減らすためにデータを使うことが大切です。見える化された進捗情報は、良い点も悪い点も明らかにします。そのため、運用を始めた直後は入力漏れや記録のばらつきが目立つこともあります。しかし、それを改善の材料として扱えば、現場全体の管理精度を高めるきっかけになります。


データによる振り返りは、週次や月次の工程会議でも活用できます。予定に対して進んだ範囲、遅れた範囲、確認待ちが多かった範囲を整理し、次週の人員配置や測量計画に反映します。作業量が多い日、確認作業が集中した日、写真整理が滞った日などを把握できれば、担当者の負担が偏らないように調整しやすくなります。


また、工事が終わった後の振り返りにも価値があります。どの工種で進捗が読みやすかったか、どの管理単位が細かすぎたか、どの記録が役立ったか、どの情報が使われなかったかを整理すれば、次の現場でより実用的な見える化を設計できます。情報化施工は、一度導入して終わりではなく、現場ごとの経験を積み重ねながら改善していくものです。


情報化施工の見える化を現場に定着させるために

情報化施工で施工進捗を見える化するには、機器やシステムを導入するだけでなく、現場で続けられる運用に落とし込むことが重要です。どれほど高度な仕組みを用意しても、入力が続かない、見方が分からない、現場判断に使われない状態では、見える化は定着しません。実務で成果を出すには、現場担当者が日々の作業の中で自然に使える形にする必要があります。


まず大切なのは、見える化の目的を明確にすることです。単に報告資料をきれいにするためなのか、工程遅れを早く見つけるためなのか、出来形確認の漏れを減らすためなのか、関係者間の認識をそろえるためなのかによって、集めるデータや表示方法は変わります。目的が曖昧なまま情報を増やすと、入力作業だけが増え、現場では負担として受け止められやすくなります。


次に、最初からすべてをデジタル化しようとしないことも大切です。現場には既存の帳票、写真管理、測量手順、工程表、打合せ方法があります。それらを急に大きく変えると、担当者が混乱することがあります。まずは区画ごとの進捗状態、写真の位置整理、測量結果の共有、確認待ち一覧など、効果が分かりやすい部分から始めると定着しやすくなります。


入力項目はできるだけ絞る必要があります。進捗を細かく把握したいからといって、毎回多くの項目を入力させると、忙しい現場では続きません。必須項目と任意項目を分け、最低限どの情報があれば判断できるかを決めておくことが重要です。区画名、工種、状態、日付、担当者、写真や測量結果との関連が分かれば、進捗管理として機能する場面もあります。


現場教育も欠かせません。情報化施工に慣れていない担当者にとって、データ管理や位置情報の扱いは難しく感じられることがあります。操作方法だけを説明するのではなく、なぜその情報を入力するのか、どの判断に使われるのか、入力しないと後でどのような手戻りが起きるのかを共有すると、運用の意味が伝わりやすくなります。


見える化の画面や資料は、現場で使う言葉に合わせることも重要です。専門的なデータ名やシステム上の項目名だけでは、作業班や協力会社に伝わりにくい場合があります。現場で普段使っている工区名、測点名、構造物名、工種名に合わせることで、進捗情報を見たときの理解が早くなります。情報化施工は、データを扱う取り組みであると同時に、現場の共通言語を整える取り組みでもあります。


また、見える化した情報を会議や朝礼で実際に使うことが定着につながります。入力しても誰も見ない、判断に使われない状態では、担当者は更新の必要性を感じにくくなります。朝礼で当日の施工範囲を確認する、夕方に進捗状態を更新する、週次会議で遅れや確認待ちを確認するなど、日々の管理サイクルに組み込むことで、見える化は現場の習慣になります。


情報化施工の見える化では、正確性とスピードのバランスも大切です。すべてのデータが完全に整うまで共有しない運用では、現場判断に間に合わないことがあります。一方で、不確かな情報を確定情報として扱うと誤解を招きます。速報、確認中、確定といった状態を分けることで、スピードを保ちながら誤判断を防ぎやすくなります。


施工進捗の見える化は、現場の負担を増やすためのものではありません。むしろ、確認作業、探し直し、報告資料作成、手戻り、認識違いを減らすためのものです。そのためには、現場で取得したデータを、すぐに確認でき、関係者が同じ意味で理解でき、次の判断につながる形に整えることが必要です。


情報化施工を進捗管理に活用すると、施工範囲、測量結果、写真、数量、出来形確認、共有状況、振り返りがつながります。これにより、現場の状況を個人の経験や口頭報告だけに頼らず、データをもとに確認しやすくなります。最初は小さな範囲からでも、区画名の統一、写真と位置の整理、測量結果の共有、確認状態の見える化を始めることで、現場管理の精度は少しずつ高まります。


これから情報化施工で施工進捗の見える化を進めるなら、自社の工種、現場規模、発注者の提出要件、既存の管理帳票に合う範囲から始めることが大切です。スマートフォン、タブレット、測量機器、施工管理システム、写真管理ツールなどを使う場合も、製品名や機能だけで選ぶのではなく、現場で取得した位置情報、写真、測量結果、数量、確認状態を無理なく結び付けられるかを確認しましょう。日々の施工状況をその場で残し、関係者が確認しやすい形に整理できれば、進捗管理の省力化と判断の迅速化につながります。


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