目次
• i-Constructionの対象業務を最初に整理
• i-Constructionは2016年から進められている施策
• 対象は施工だけではなく最初から最後まで
• 調査・測量は全体の出発点になる業務
• 設計は後工程につながる重要な業務
• 施工は中心的な場面だが全体の一部
• 検査は品質を確かめるための重要な業務
• 維持管理・更新まで含める意味
• なぜ単独の機械導入だけでは足りないのか
• 前後工程をつなぐ全体最適の考え方
• 対象業務を正しく理解することの大切さ
• まとめ
i-Constructionの対象業務を最初に整理
なぜなら、i-Constructionは施工段階だけを指すものではなく、単独の機械導入だけを指すものでもないからです。調査・測量で得られた情報が設計へつながり、設計の内容が施工へつながり、施工の結果が検査へつながり、さらにその先の維持管理・更新へつながっていく。この流れ全体の中で、どのように仕事を無理なく、無駄なく、そして質を保ちながら進めるかが大切にされています。
つまり、i-Constructionの対象業務を理解するうえで重要なのは、対象範囲を狭く見ないことです。ある工程だけを切り取って考えるのではなく、最初から最後までを一つの連続した仕事として見ることが基本になります。ここを正しく理解すると、i-Constructionが単なる流行語ではなく、業務全体のあり方に関わる考え方であることが見えてきます。
i-Constructionは2016年から進められている施策
対象は施工だけではなく最初から最後まで
i-Constructionの対象業務を考えるとき、最も大切なポイントの一つが、施工だけではないということです。事実メモにもある通り、i-Constructionは施工段階だけを指すものではありません。対象は、調査・測量、設計、施工、検査、維持管理・更新までを含みます。
最初に調査・測量があります。そこでは対象を把握し、仕事の出発点となる情報が整えられます。次に設計があります。そこで考え方や形が整理され、どのように進めるかの土台がつくられます。その後に施工があり、実際の形にしていく段階へ進みます。さらに検査で確かめ、最後に維持管理・更新へとつながっていきます。この一連の流れが対象業務です。
ここで見えてくるのは、施工だけを切り出して考えると、i-Constructionの本来の姿が見えにくくなるということです。施工だけを良くしようとしても、その前の 情報が不十分であれば進めにくくなりますし、その後の確認や管理につながらなければ、全体としては良い仕事になりにくくなります。だからこそ、対象は最初から最後までなのです。
また、対象範囲が広いということは、業務を担当する人の視点にも関係します。施工に関わる人だけがi-Constructionを考えればよいのではなく、調査・測量に関わる人、設計に関わる人、検査に関わる人、維持管理・更新に関わる人も含めて理解する必要があります。i-Constructionは、特定の部署や特定の場面だけの話ではなく、流れ全体にかかわる考え方だからです。
このように、i-Constructionの対象業務を正しく理解するには、施工中心の見方から少し離れ、最初から最後までを一続きのものとして見ることが欠かせません。施工が大切であることは間違いありませんが、施工だけが対象ではない。この基本を押さえることが、i-Constructionをやさしく理解する第一歩です。
調査・測量は全体の出発点になる業務
i-Constructionの対象業務の最初に置かれているのが、調査・測量です。ここが含まれていることには、大きな意味があります。なぜなら、調査・測量は後の工程すべてにつながる出発点だからです。
初心者の方にもわかりやすく言えば、調査・測量は、何をどう進めるのかを考える前提を整える段階です。対象の状況を把握しないままでは、その後の設計も施工も進めにくくなります。つまり、最初の段階でどのような情報が得られ、どのような成果物として次へ渡されるかが、後ろの工程に影響します。
また、調査・測量は単独で完結する業務ではありません。そこで得られたものは、次の設計へつながります。つまり、i-Constructionの対象業務として調査・測量を見るときは、その工程単体ではなく、次の工程にどうつながるかまで考える必要があります。この「つながり」を意識すること自体が、i-Constructionの考え方に沿っています。
ここで大切なのは、調査・測量をただの前準備として軽く見ないことです。i-Constructionでは、前後工程を含めた全体最適が重視されます。そのため、最初の工程である調査・測量も、全体の流れの中で重要な役割を持ちます。出発点が整っていなければ、後の工程で手間が増えたり、確認が難しくなったりしやすくなるからです。
調査・測量が対象業務に入っていることを知るだけでも、i-Constructionへの見方は変わります。i-Constructionは現場の工事だけを良くする話ではなく、仕事の最初から考え方を整える話でもあるのです。
設計は後工程につながる重要な業務
i-Constructionの対象業務には設計も含まれます。これも、施工だけではないという考え方を理解するうえで欠かせない点です。設計は、調査・測量の結果を受け取り、次の施工や検査、さらにその先へつながる役割を持っています。
やさしく言えば、設計は物事を形にしていく途中の大切な橋渡しです。調査・測量で把握した内容をもとに、次にどのように進めるのかを整理し、後の工程で使える形にしていく段階といえます。だからこそ、設計が対象業務に含まれていることには意味があります。
もしi-Constructionが施工だけの話なら、設計はそれほど重視されないかもしれません。しかし事実メモが示すように、i-Constructionは前後工程を含めた全体最適を重視しています。そのため、設計もまた単独で切り離して考えるのではなく、前の調査・測量と後ろの施工や検査とのつながりの中で見る必要があります。
設計が対象に含まれることで見えてくるのは、途中の工程を整えることの大切さです。出発点だけ整っていても、途中のつなぎ方が悪ければ、全体はうまく流れません。反対に、設計が前後の工程を意識して整理されていれば、その先の仕事は進めやすくなります。i-Constructionが設計を対象業務に入れているのは、このような流れのつながりを重視しているからだと理解できます。
また、設計を対象に含めることは、成果物のつながりを重視するという意味にもなります。事実メモには、各工程はデータや成果物でつながっているとあります。設計はまさに、そのつながりの中で中心的な役割を持つ工程の一つです。前から受け取ったものを整理し、後ろへ渡していく。その役割があるからこそ、設計はi-Constructionの対象業務として明確に位置づけられています。
初心者の方は、i-Constructionを施工中心の施策だと思いがちですが、設計が含まれている事実を見ると、その理解は広がります。i-Constructionは工事をする段階だけを変えようとしているのではなく、その前後も含めて仕事の流れを整えようとしているのです。
施工は中心的な場面だが全体の一部
施工は、i-Constructionの対象業務の中でも特に注目されやすい工程です。実際に形をつくっていく段階であり、現場の変化も見えやすいため、i-Constructionと聞いて施工を思い浮かべるのは自然な ことです。しかし、ここで大事なのは、施工は中心的な場面であっても、全体の一部であるという理解です。
事実メモにもある通り、i-Constructionは施工段階だけを指すものではありません。つまり、施工は対象業務の中に含まれていますが、それだけでi-Constructionのすべてを表すわけではありません。ここを取り違えると、i-Constructionの考え方が狭くなってしまいます。
施工が全体の一部であるということは、施工の前にある調査・測量や設計、施工の後にある検査や維持管理・更新との関係の中で理解する必要があるということです。施工だけが良くても、前から受け取る情報や成果物が整っていなければ、現場は進めにくくなります。また、施工の結果が後ろの工程にうまくつながらなければ、全体としての質や効率は上がりにくくなります。
だからこそ、i-Constructionでは施工だけを切り離して考えません。施工を大切にしながらも、前後工程を含めた全体最適を重視します。この考え方は、施工を軽く見るという意味ではまったくありません。むしろ、施工を本当に良くするためには、周囲の工程とのつながりまで見なければならないということです。
施工をi-Constructionの中心として理解することは間違いではありません。ただし、それを唯一の対象だと思ってしまうと、本来の考え方から離れてしまいます。施工は大事な一部分であり、その価値は前後の工程とのつながりの中で高まる。この見方が、i-Constructionをやさしく、そして正しく理解するためのポイントです。
検査は品質を確かめるための重要な業務
i-Constructionの対象業務には、検査も含まれます。検査は、仕事の結果を確かめるための重要な業務です。ここが対象に含まれていることからも、i-Constructionが単に進める速さだけを重視しているのではなく、質を保ちながら全体を良くしようとしていることがわかります。
初 心者の方にとって、検査は最後に確認する段階というイメージがあるかもしれません。その理解は大きく外れていませんが、i-Constructionの考え方で見ると、検査はただ最後に見るだけの工程ではありません。前の工程でつくられてきた情報や成果物、そして施工の結果とつながっている業務です。つまり、検査もまた全体の流れの一部です。
事実メモには、各工程はデータや成果物でつながっているとあります。検査もそのつながりの中にあります。前の工程で整理されたものがどう受け渡され、最後にどう確かめられるかは、全体最適を考えるうえでとても大切です。検査が対象業務に含まれるということは、確認のしやすさや結果の受け渡しも、i-Constructionの考え方の中に入っているということになります。
検査が対象業務に含まれることは、速さと質の両方を考える姿勢を示しているともいえます。生産性向上という言葉だけを見ると、仕事を早くすることだけが重視されているように感じることがあります。しかし実際には、安全かつ高品質な体制づくりが目指されています。つまり、単に急ぐことではなく、確かめながら無理なく進めることが重要です。そのために検査も対象に入っています。
このように考えると、i-Constructionは現場の作業効率だけの話ではありません。結果をきちんと確かめ、その内容が次の維持管理・更新につながるところまで見ている施策です。検査を対象業務に含めていること自体が、i-Constructionの視野の広さをよく表しています。
維持管理・更新まで含める意味
i-Constructionの対象業務を理解するうえで、特に見落としやすいのが維持管理・更新です。事実メモでは、i-Constructionは調査・測量、設計、施工、検査、維持管理・更新までを含む生産性向上施策だとされています。この「までを含む」という言い方には、とても大きな意味があります。
維持管理・更新まで含める意味は、仕事を一時点だけで見るのではなく、続いていくものとして見ることにあります。インフラ整備と管理を持続できる体制づくりが目指されている以上、つくった後 のことを考えないわけにはいきません。少人数でも安全かつ高品質なインフラ整備と管理を続けるには、施工の段階だけでなく、その後も含めた見方が必要になります。
また、維持管理・更新を対象に含めることで、前の工程の意味も変わってきます。調査・測量や設計、施工、検査で扱ったデータや成果物は、その場限りのものではなく、その後の管理にもつながるものとして見ることができます。各工程はデータや成果物でつながっているという事実は、維持管理・更新まで含めたときに、よりはっきり意味を持ちます。
もし維持管理・更新が対象外なら、前の工程はその時点で完結すればよいことになります。しかし実際には、全体最適が重視されています。これは、前の工程の成果が後ろの工程で活かされることを前提にしている考え方です。維持管理・更新が対象に入っているからこそ、i-Constructionは単発の工事改善ではなく、業務全体のあり方を見直す施策として理解できます。
なぜ単独の機械導入だけでは足りないのか
i-Constructionについて誤解されやすい点の一つが、単独の機械導入だけを指すのではないということです。事実メモにも、この点ははっきり書かれています。これは、i-Constructionの対象業務を正しく理解するためにとても重要です。
その理由は明確です。i-Constructionは、調査・測量から維持管理・更新までを含む生産性向上施策だからです。つまり、対象は一つの道具や一つの場面ではなく、業務全体です。単独の機械導入は、その全体の中の一部分にすぎません。もしそこだけが変わっても、前後の工程とのつながりが悪ければ、全体としての改善にはなりにくいのです。
ここで大切なのが、各工程はデータや成果物でつながっているという事実です。たとえば、ある工程だけが急に進んでも、その前の工程から受け取る内容が整っていなかったり、その後の工程へうまく渡せなかったりすれば、結果として手戻りや無駄が増える可能性があります。i-Constructionが重視するのは、そのような部分的な改善ではなく、前後工程を含めた全体最適です。
単独の機械導入だけでは足りないというのは、機械が不要だという意味ではありません。そうではなく、機械を入れるかどうかよりも、それが全体の流れの中でどのような役割を持つかが重要だということです。i-Constructionは、道具そのものを目的にするのではなく、少人数でも安全かつ高品質なインフラ整備と管理を持続できる体制づくりを目指しています。目的が広いため、手段もまた全体の中で考えなければなりません。
この考え方を理解すると、i-Constructionを表面的に捉えずに済みます。見た目にわかりやすい機械の導入だけに注目すると、本来の意図が見えにくくなります。重要なのは、機械があるかないかではなく、業務全体がどうつながり、どう改善されるかです。これが、単独の機械導入だけでは足りない理由です。
前後工程をつなぐ全体最適の考え方
i-Constructionの対象業務を理解するうえで、最も中心にある考え方が全体最適です。事実メモには、各工程はデータや成果物でつながっており、前後工程を含めた全体最適が重視されるとあります。この一文は、i-Constructionの考え方をもっともわかりやすく表している部分だといえます。
たとえば、前の工程で整理された内容が次にうまく渡らなければ、後ろの工程で確認や調整の手間が増えやすくなります。逆に、後ろの工程で必要になることを前から意識しておけば、流れはよりなめらかになります。ここで重要なのは、どの工程が一番大事かを競うことではありません。すべての工程がつながっているからこそ、全体として整える必要があるのです。
i-Constructionが施工だけではないとされる理由も、まさにここにあります。施工だけを改善しても、前の工程や後の工程とつながっていなければ、全体としての成果は限られます。単独の機械導入だけでは足りないとされるのも同じです。部分的な変化だけでは、全体最適には届きません。
また、全体最適は生産性向上とも結びついています。生産性向上という言葉を、一つの工程を早くすることだと考えると、i-Constructionの本来の意味は狭くなります。しかし、前後工程をつないで全体の流れをよくすることまで含めて考えると、生産性向上の意味はより広く、そして実務的になります。つまり、i-Constructionにおける生産性向上は、流れの改善でもあるのです。
このように、前後工程をつなぐ全体最適の考え方は、i-Constructionの対象業務の広さを説明するだけでなく、その広さがなぜ必要なのかを説明する鍵にもなります。対象が広いのは、話を大きく見せたいからではありません。すべてがつながっているからこそ、広く見る必要があるのです。
まず重要なのは、「少人数でも」という部分です。これは、対象業務を個別にばらばらに見るのではなく、全体として無理なく進められる形が求められていることを意味しています。人が多くいなければ成り立たないやり方ではなく、少人数でも続けられるような流れが必要です。そのためには、一部の工程だけを改善しても足りません。全体最適が重要になります。
さらに、「インフラ整備と管理を持続できる体制づくり」という表現からは、仕事を一時点で終わるものとして見ていないことがわかります。整備だけではなく管理まで含めて持続することが目的だからこそ、維持管理・更新までがi-Constructionの対象業務に入っています。この点からも、i-Constructionが単発の現場改善ではなく、長く続く業務全体を見据えた考え方であることが理解できます。
対象業務を正しく理解することの大切さ
i-Constructionの対象業務を正しく理解することは、言葉の意味を知るだけにとどまりません。どこまでが対象で、何が重視されているのかを理解することで、i-Constructionを狭く捉えずに済むようになります。
反対に、対象業務が最初から最後まで広く設定されていることを理解すれば、i-Constructionの考え方はとても筋の通ったものとして見えてきます。各工程はデータや成果物でつながっており、前後工程を含め た全体最適が重視される。これは、少人数でも安全かつ高品質なインフラ整備と管理を持続できる体制づくりを目指すうえで自然な考え方です。
初心者の方がi-Constructionを学ぶときは、細かな言葉や周辺の話から入るよりも、まず対象業務の範囲をしっかり押さえることが大切です。調査・測量、設計、施工、検査、維持管理・更新までが対象であり、施工だけではない。単独の機械導入だけでもない。各工程はつながっており、全体最適が重視される。この基本が理解できると、i-Constructionの全体像はかなり見えやすくなります。
また、対象業務を正しく理解することは、それぞれの立場の人がi-Constructionを自分ごととして考えるためにも重要です。施工に関わる人だけでなく、調査・測量や設計、検査、維持管理・更新に関わる人も、自分の業務がi-Constructionの対象に含まれていることを知る必要があります。対象を狭く見てしまうと、関係者が分断されやすくなりますが、広く正しく理解すれば、全体の流れの中で自分の役割を見やすくなります。
i-Constructionは難しい専門用語のように見えても、対象業務の考え方そのものは決して複雑ではありません。仕事の流れ全体を見て、つながりを整え、少人数でも安全かつ高品質に続けられるようにする。そのための施策であると理解すれば、対象業務の広さにも納得しやすくなります。
まとめ
また、i-Constructionが維持管理・更新までを対象に含めていることからも、工事のその場だけではなく、その先まで含めて持続できる体制づくりが目指されていることがわかります。少人数でも安全かつ高品質なインフラ整備と管理を続けていくためには、対象業務を狭く見ず、最初から最後までを一つの流れとして捉えることが欠かせません。
つまり、i-Constructionの対象業務とは、仕事の一部ではなく、流れ全体そのものです。そしてその全体をどうつなぎ、どう最適化していくかが、i-Constructionを理解するうえでのもっとも大切な視点だといえます。
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