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i-Construction 2.0を簡単解説|初心者向け7つのポイント

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

i-Construction 2.0という言葉を見かけても、何が新しくなったのか、従来のICT施工と何が違うのか、実務では何から手を付ければよいのかが分かりにくいと感じる方は少なくありません。実際、i-Construction 2.0は単に新しい機械や新技術の話ではなく、建設現場全体を「少ない人数で、安全に、快適に回せる仕組み」へ変えていく考え方として整理すると理解しやすくなります。国土交通省は2024年にi-Construction 2.0を取りまとめ、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍に高める目標を掲げています。 MLIT


この記事では、i-Construction 2.0を初めて調べる実務担当者向けに、制度の全体像、背景、3本柱、従来施策との違い、現場で起こる変化、最初の進め方、今後の見方までを7つのポイントに絞って整理します。用語を追うだけではなく、施工、設計、監督、検査、書類、データ連携といった日々の仕事がどう変わるかまでつなげて読むと、i-Construction 2.0の意味がかなりはっきり見えてきます。


目次

ポイント1:i-Construction 2.0とは何か

ポイント2:なぜ今、i-Construction 2.0が必要なのか

ポイント3:覚えるべき3本柱

ポイント4:従来のICT施工と何が違うのか

ポイント5:現場の仕事はどう変わるのか

ポイント6:初心者が最初にやるべき準備

ポイント7:今後の見方と実務担当者の着眼点

まとめ


ポイント1:i-Construction 2.0とは何か

i-Construction 2.0とは、一言でいえば、建設現場のオートメーション化を進めるための新しい段階です。国土交通省は、これまで進めてきたi-Constructionをさらに深化させる形で、デジタル技術を最大限活用し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働ける生産性の高い建設現場の実現を目指す方針を示しています。重要なのは、単に機械化を進めるだけでなく、建設現場で働く一人ひとりの生産量や付加価値を高め、将来にわたってインフラ整備や維持管理を続けられる体制をつくることにあります。 MLIT


このため、i-Construction 2.0は現場だけの話では終わりません。測量や設計で作ったデータを施工で使い、施工中のデータを監督や検査で使い、さらにその結果を次の現場や維持管理にもつなげていくという、工程横断の仕組みづくりが中心になります。初心者の方ほど「新しい機械を導入する制度」と捉えがちですが、実際には「建設生産プロセス全体をデータでつなぎ、自動化しやすい形に変える考え方」と理解したほうが本質に近いです。


ポイント2:なぜ今、i-Construction 2.0が必要なのか

i-Construction 2.0が強く求められる背景には、まず人手の問題があります。国土交通省の資料では、生産年齢人口は2040年度に2020年度比で約2割減少すると見込まれており、人口減少の中でも社会資本の整備と維持管理を持続させるには、従来と同じやり方では限界があると整理されています。さらに、災害の激甚化・頻発化やインフラ老朽化の進行も重なり、限られた人数で、より多くの仕事を、より安全に回す必要が高まっています。


ここで重要なのは、i-Construction 2.0の目的が単純な省力化だけではないことです。公式資料では、目標として省人化、生産性向上、安全確保、働き方改革、多様な人材の確保が並べられています。つまり、人数を減らすためだけの施策ではなく、危険な場所での人の作業を減らし、屋外中心だった仕事の一部をリモートやオフサイトへ移し、現場で働く人の負担を減らしながら建設業を持続可能にするための施策として位置付けられています。初心者が最初に押さえるべきなのは、「省人化」と「働きやすさ」は対立する概念ではなく、同時に進める前提で設計されている点です。


ポイント3:覚えるべき3本柱

i-Construction 2.0は、施工のオートメーション化、データ連携のオートメーション化、施工管理のオートメーション化という3本柱で構成されています。公式発表でもこの3本が軸として明示されており、2025年度の取組予定もこの枠組みで整理されています。言い換えると、現場で体を動かす部分だけ自動化しても不十分で、設計から施工、監督、検査、書類までを一続きに変えていく必要があるということです。


1つ目の施工のオートメーション化は、遠隔施工や自動施工、施工データのリアルタイム活用などを通じて、実際の作業をより少ない人数で進められるようにする考え方です。2025年度の資料では、短期的には現場取得データをリアルタイムに活用する施工の実現、中期的には一定条件下での自動施工の標準化、長期的には大規模現場での自動施工や最適施工の実現が掲げられています。つまり、いきなり全現場を無人化する話ではなく、まずは見える化、データ活用、試行工事、ルール整備を重ねながら、自動化できる工種や条件を広げていく流れです。


2つ目のデータ連携のオートメーション化は、BIM/CIMなどを使って、3次元モデル、点群、属性情報、図面、施工データをつなぎ、手入力や転記、紙中心の確認作業を減らしていく考え方です。2025年度資料では、3次元モデルと2次元図面の連動、3次元モデルの契約図書化に向けたロードマップ作成、属性情報を活用した積算の試行拡大などが示されています。初心者向けに言い換えると、「同じ内容を別の帳票に何度も写し替える仕事」を減らし、データをそのまま別工程で使えるようにする取組だと理解すると分かりやすいです。


3つ目の施工管理のオートメーション化は、監督、検査、確認、報告といった管理系業務をリモート化、オフサイト化し、現場に張り付く人の負担を減らす考え方です。公式資料では、遠隔臨場の要領策定と原則適用、プレキャスト部材活用、リモート施工管理、ロボットによる設備検査、高速ネットワーク整備などがロードマップとして示されています。つまり、i-Construction 2.0は施工機械だけの改革ではなく、監督員や現場代理人、検査に関わる実務の進め方まで変える構想なのです。


ポイント4:従来のICT施工と何が違うのか

i-Construction 2.0を理解するうえで大切なのは、従来のi-Constructionとの違いです。国土交通省資料では、2016年から進めてきたi-Constructionは、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させることを目指し、ICT活用やプレキャスト、平準化などを軸に進められてきました。そして、直轄事業ではICT施工による作業時間短縮効果を基準にした生産性向上比率が2015年度比で21%となったと整理されています。ここまでは、主に「ICT等を使って現場を効率化する段階」だったといえます。


一方のi-Construction 2.0は、その次の段階として「ICT等の活用」から「自動化」へステージを上げる考え方です。従来は、3次元測量や3次元設計、ICT建機、出来形管理など、個別工程ごとのデジタル化が中心でした。これに対して2.0では、施工自体の自動化、データ連携の自動化、監督検査のオフサイト化まで視野に入れています。つまり、これまでが「デジタルを使う現場づくり」だとすれば、これからは「デジタルで自動化しやすい現場づくり」へ移っていく、と捉えると差が見えやすくなります。


この違いは、現場担当者の受け止め方にも大きく影響します。従来の延長線で「測量機器を入れる」「3次元データを作る」だけで終わると、i-Construction 2.0の本質には届きません。重要なのは、そのデータが施工、数量算出、監督、検査、書類削減まで一貫して使われるかどうかです。設備やソフトを増やすこと自体が目的ではなく、工程をまたいでデータが流れる仕組みをつくることが目的だと理解すると、導入判断を誤りにくくなります。


ポイント5:現場の仕事はどう変わるのか

i-Construction 2.0が進むと、まず変わるのは、現場で扱う情報の形です。従来は2次元図面、紙の帳票、写真、個別ファイルがばらばらに存在し、人が読み替え、転記し、照合する場面が多くありました。これに対して、国土交通省はBIM/CIMの取扱要領整備、3次元モデルと2次元図面の連動、属性情報の標準化、設計データの積算活用などを進めています。これが実務で意味するのは、設計段階で作ったモデルや属性情報が、施工計画、施工管理、数量確認、検査準備までつながり、同じ情報を何度も作り直す手間が減るということです。


次に変わるのは、施工の進め方です。2025年度の資料では、自動施工や遠隔施工の試行拡大、施工データのリアルタイム活用、技術基準や安全ルールの整備が進められています。これは、危険な場所や重機が集中する場所で、人が常に機械のそばにいる前提から、離れた場所で監視や操作、判断を行う前提へ徐々に移っていくことを意味します。初心者の方は、ここを「無人化」の一言で片付けず、「人が現場にいる比率を減らしつつ、人の判断はより上流と管理側に移る変化」と捉えると理解しやすいです。


さらに大きいのは、監督や検査の変化です。公式資料では、遠隔臨場の要領策定と原則適用に加え、出来形管理データを現地で重ね合わせて監督・検査を行った場合、出来形管理図表の作成・提出を不要とするよう要領改訂が進められています。つまり、検査のための書類づくりを別作業で行うのではなく、現場データそのものを使って確認し、紙を減らす方向へ進んでいるのです。施工管理担当者にとっては、現場作業と書類作業が別々に存在する時代から、データ取得の時点で検査準備まで進める時代へ変わりつつあるといえます。


加えて、i-Construction 2.0は働き方そのものも変えます。国土交通省は、オートメーション化を進めても建設現場に人の介在は不可欠であり、働き方改革の推進が必須だと明記しています。これは重要なメッセージです。現場作業を減らせば人が不要になるのではなく、現場判断、データ確認、遠隔監視、品質管理、工程管理といった役割がより重要になるという意味です。経験者の勘や判断が不要になるのではなく、データと組み合わせて再現しやすく、共有しやすくしていく方向だと理解するのが適切です。


ポイント6:初心者が最初にやるべき準備

i-Construction 2.0を自社や現場で考え始めるとき、いきなり大きな設備投資や全面導入を考える必要はありません。むしろ最初にやるべきなのは、自分たちの現場でどこに手作業、二重入力、紙の往復、現場往復が多いかを見える化することです。i-Construction 2.0の3本柱をそのまま当てはめると、施工で人手が張り付いている工程はどこか、設計から施工へデータが渡るときに手戻りが起きる場所はどこか、監督検査で紙や写真整理に時間を取られている部分はどこか、という3方向で洗い出すのが分かりやすい進め方です。これは公式の柱立てを現場課題に翻訳する作業だといえます。


次に重要なのは、データの入口を整えることです。3次元モデル、点群、出来形データ、位置情報、写真、属性情報などが現場で混在していても、形式や命名、共有方法がばらばらだと、自動化以前の問題で止まります。国土交通省がBIM/CIM取扱要領、属性情報の標準化、3次元モデルと2次元図面の連動ルール、設計データの積算活用などを進めているのは、まさにデータの入口と受け渡し方をそろえないと後工程で使えないからです。初心者ほど、機器選定より先に「どのデータを、どの形式で、誰が、次工程へ渡すか」を決めるほうが成果につながりやすいです。


そのうえで、対象を一つに絞った小さな試行から始めるのが現実的です。たとえば、出来形確認のデジタル化、遠隔での段階確認、3次元モデルと2次元図面の照合、数量算出の半自動化など、1工程だけでも効果が見えれば現場の理解が進みます。公式資料でも、各施策は試行工事や試行業務を積み上げながら要領策定や改定につなげる流れになっており、最初から一気に本格適用する発想ではありません。実務でも、まずは一つの業務で手戻り削減、移動時間削減、書類削減を実感できる形にすることが、次の展開につながります。


また、試行の段階では「導入したかどうか」ではなく、「何がどれだけ減ったか」を必ず確認することが大切です。たとえば、現場往復回数が減ったのか、数量算出の時間が短くなったのか、書類作成の工数が減ったのか、段階確認までの待ち時間が短くなったのか、といった指標で見ると効果が判断しやすくなります。i-Construction 2.0は華やかな先端技術の話に見えますが、実務では作業時間、移動時間、確認回数、手戻り件数のような基本指標で改善を見ていくことが成功の近道です。制度理解と同じくらい、現場での測定と振り返りが重要になります。


ポイント7:今後の見方と実務担当者の着眼点

今後i-Construction 2.0を見るときに注目したいのは、「試行」から「ルール化」、そして「標準化」へ何が進んでいるかです。2025年度資料を見ると、自動施工では安全ルールや技術基準類の整備、データ連携では3次元モデルと2次元図面の連動ルールや契約図書化の検討、施工管理では遠隔臨場の原則適用や要領改定が並んでいます。つまり、単発の実証実験よりも、実務で使える条件や手順が整ってきているかを追うことが重要です。制度の成熟度は、機械の性能よりも、要領、ルール、標準、運用の整い方に表れます。


もう一つの着眼点は、「どこまで自動化されても人の仕事が残るのか」を見誤らないことです。国土交通省は、オートメーション化を進めてもなお人の介在は不可欠だと明示しています。これは、現場の熟練者や管理者の役割が消えるのではなく、より判断、監視、調整、データ活用、品質確保へ重心が移ることを示しています。だからこそ、i-Construction 2.0対応で本当に必要なのは、単純な機械操作スキルだけでなく、3次元データを読み、現場とデータを対応づけ、工程全体で情報をつなぐ力です。将来の実務担当者ほど、施工とデジタルの両方を理解できる人材が強くなります。


さらに言えば、i-Construction 2.0は大規模現場だけの話ではありません。確かに公式資料にはダムやトンネルなど大規模な試行事例も出ていますが、考え方の中心は「人がやらなくてもよい作業を減らし、データが自然に流れる現場をつくること」です。この発想は、日々の出来形確認、写真整理、座標取得、進捗確認、関係者への共有といった身近な業務にもそのまま当てはまります。初心者の方は、まず自分の現場の中で「これは紙でなくてもよい」「これは現地常駐でなくてもよい」「これは最初から3次元や位置情報付きで持てる」と思える業務を見つけることから始めると、i-Construction 2.0が抽象論ではなくなります。


そして実務担当者が特に注目したいのは、今後の発注条件や契約図書の考え方です。3次元モデルと2次元図面の連動、3次元モデルの契約図書化、属性情報を活用した積算が進むということは、将来的に「あとから紙に直して説明する」よりも、「最初からデジタルで整った情報を出せるか」が強く問われる方向に進む可能性が高いということです。現時点では試行やルール整備の段階ですが、早い段階から3次元データの扱い方、属性の持たせ方、受発注者間の共有方法に慣れておくことは、将来の対応力に直結します。


まとめ

i-Construction 2.0を簡単に言えば、建設現場をデータでつなぎ、施工、確認、検査、書類作成の各工程を自動化しやすい形へ変えていく取組です。押さえるべきポイントは、単なるICT活用の延長ではなく、自動化を前提にした段階へ進んでいること、3本柱は施工、データ連携、施工管理の全体最適であること、そして目的は省人化だけでなく安全確保と働き方改革にもあることです。言葉だけを見ると難しく感じますが、本質は「同じ情報を何度も作らない」「人が行かなくてよい場所には行かない」「危険な作業や単純な転記を減らす」という、非常に実務的な発想にあります。


そのため、これからi-Construction 2.0に対応していくなら、まずは現場のデータ取得と共有の質を上げることが重要です。三次元化やデジタル化を机上の計画で終わらせず、現地の位置情報、出来形、写真、点群などを実務で扱いやすい形で持てるようになると、その先のBIM/CIM活用や監督検査の効率化にもつながりやすくなります。現場での測位や簡易測量、データ取得の入口を整えたい方は、iPhone装着型GNSS高精度測位デバイスであるLRTKを活用し、まずは日常業務の中でデジタルデータを自然に残せる状態をつくるところから始めると、i-Construction 2.0への対応を現実的に進めやすくなります。特に、最初の一歩として現場座標や出来形の把握を素早くデジタル化できる環境を持つことは、その後の三次元活用やデータ連携を進める土台づくりとして有効です。


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