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i-Construction 2.0とは?3つの柱と従来施策の違いを解説

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

i-Construction 2.0という言葉を見聞きしても、従来のICT施工と何が違うのか、BIM/CIMや遠隔臨場とどうつながるのか、現場では何から考えればよいのかが分かりにくいと感じる実務担当者は少なくありません。実際、i-Construction 2.0は単なる新しいスローガンではなく、2016年度から進めてきたi-Constructionを土台にしながら、建設現場のオートメーション化へ重心を移した次の段階の施策として位置づけられています。2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性1.5倍へ引き上げることが公式に示されており、これまでの延長線上にありながら、狙いも実装の深さも一段踏み込んでいます。


この記事では、i-Construction 2.0の基本像を整理したうえで、3つの柱の中身と、従来のi-Construction施策との違いを実務目線で分かりやすく解説します。単語の定義だけで終わらせず、なぜ今この考え方が必要なのか、どこから現場の変化が始まるのかまで踏み込んで見ていきます。


目次

i-Construction 2.0とは何か

なぜi-Construction 2.0が求められるのか

3つの柱1 施工のオートメーション化

3つの柱2 データ連携のオートメーション化

3つの柱3 施工管理のオートメーション化

従来のi-Construction施策との違い

実務担当者が押さえる導入の見方

まとめ


i-Construction 2.0とは何か

i-Construction 2.0とは、国土交通省が進める建設現場の生産性向上施策のうち、従来のICT活用をさらに加速させ、建設現場そのものをオートメーション化していく考え方です。国の資料では、2016年度に開始したi-Constructionが2024年に「深化」し、施工のオートメーション化、データ連携のオートメーション化、施工管理のオートメーション化の3本柱で進める構図が明確に示されています。つまり、単に新しい機器を導入する話ではなく、建設生産プロセス全体を自動化しやすい形へ再設計する政策パッケージと捉えるのが正確です。


ここで重要なのは、i-Construction 2.0が従来施策を否定しているわけではない点です。むしろ、これまで進めてきたICT施工や3次元データ活用、BIM/CIMの蓄積があったからこそ、その次の段階として自動化や遠隔化へ踏み込めるようになったと理解したほうが実態に近いです。2023年度から直轄土木業務・工事でBIM/CIMへの取り組みが原則化されたことも、その土台づくりの一つでした。紙と人手を前提にした流れを残したままではオートメーション化は進まないため、i-Construction 2.0は過去の成果をつなぎ直し、より省人化に効く形へ組み替える役割を担っています。


また、i-Construction 2.0の目標設定はかなり具体的です。2040年度までに少なくとも3割の省人化、すなわち生産性1.5倍を目指すという数値目標が掲げられており、単なる概念整理ではなく、中長期の制度・基準・実装ロードマップまで含めた施策として運用されています。ここに従来の「まず試してみる」段階から、「少ない人数で回る仕組みを標準化する」段階への転換が表れています。


なぜi-Construction 2.0が求められるのか

i-Construction 2.0が求められる最大の理由は、人手不足が今後さらに深刻化する前提で、社会資本の整備と維持管理を止めないためです。国土交通省のアクションプランでは、2040年には生産年齢人口が約2割減少すると見込まれ、建設業でも高齢就業者の比率が高く、若年層の増加は緩やかだと整理されています。現場の担い手が減るのに、災害対応や老朽化対策の重要性はむしろ高まるため、従来と同じ人数前提のやり方では持続しません。


さらに、近年は豪雨や土砂災害などの激甚化・頻発化により、平時の施工だけでなく、緊急復旧やインフラ維持の即応性も強く求められています。高度経済成長期以降に集中的に整備されたインフラの老朽化も進行しており、つくるだけでなく、守るための仕事量が増えているのが実情です。つまり、i-Construction 2.0は単に効率化を目指す施策ではなく、限られた人員で社会機能を維持するための基盤整備でもあります。


安全面から見ても、自動化や遠隔化の意義は大きいです。国の資料では、2022年時点の労働災害統計をもとに、建設機械に起因すると想定される死亡事故がおよそ2割を占めると整理されています。危険箇所や重機周辺から人が離れられるほど、人的被害リスクは下げやすくなります。i-Construction 2.0が「省人化」だけでなく「安全確保」を明確な目標に入れているのは、この背景があるからです。


加えて、建設業の働き方そのものを変える必要もあります。真夏の屋外や危険を伴う現場で、人が張りついたまま管理と判断を続ける働き方は、今後ますます人材確保の面で不利になります。だからこそ、i-Construction 2.0では、快適な室内からの遠隔操作やリモート確認、データ共有による資料作成時間の削減など、働く環境の改善まで一体で考えています。ここが、単なる技術導入ではなく、現場運営の再設計であるゆえんです。


3つの柱1 施工のオートメーション化

第1の柱である施工のオートメーション化は、もっともイメージしやすい領域です。従来のICT施工では、3次元設計データを使って建設機械の操作を補助したり、測量や出来形管理を効率化したりすることが中心でした。これに対してi-Construction 2.0では、遠隔施工、自動施工、施工データの集約と活用を通じて、人が現場に常駐し続けなくても施工が進む状態を目指します。国の2025年度資料でも、施工のオートメーション化の中核として、ICT施工 StageⅡ、遠隔施工、自動施工が明示されています。


実際の方向性としては、一人が複数台の建設機械を現場外から管理する世界観が示されています。2024年度の事例では、積込用バックホウの自動運転や大規模現場での自動施工が進められ、3人の管制員が14台の自動化建設機械を稼働させた事例や、ダンプトラックとバックホウの位置情報・稼働状況を可視化して運搬作業員を延べ80人削減した事例が紹介されています。ここでのポイントは、単に機械を高機能化することではなく、施工データを見える化し、工程全体の最適化につなげていることです。


この柱が実務上意味するのは、現場の改善対象が「操作の上手さ」だけではなくなることです。人がうまく動かすことに依存する施工から、データに基づいて機械の配置、運搬経路、待機時間、作業順を最適化する施工へ移っていきます。つまり、現場の省人化は、無人化の一点突破で実現するのではなく、施工計画、機械配置、通信、センサー、安全ルール、データ基盤がそろって初めて効き始めます。だからi-Construction 2.0では、自動施工の安全ルール整備や現場試行が並行して進められているのです。


一方で、すべての現場がすぐ自動施工に置き換わるわけではありません。国の資料でも、自動施工技術はまだ開発途上で、導入可能な工種や現場条件に制約があると整理されています。そのため、当面は土工、運搬、トンネル、大規模造成、ダムなど、反復性が高くルール化しやすい分野から進み、効果の出た手法を他工種へ広げていく流れになります。現場担当者にとって大切なのは、全面自動化をすぐ求めることではなく、どの作業が自動化と相性がよいかを見極めることです。


3つの柱2 データ連携のオートメーション化

第2の柱であるデータ連携のオートメーション化は、i-Construction 2.0の本質にもっとも近い領域です。施工現場では、測量データ、設計図書、数量、施工計画、出来形、検査資料など、膨大な情報が行き来します。しかし従来は、各工程ごとにデータ形式が分かれ、紙やPDF、2次元図面への転記、人手による再入力が多く、せっかくデジタル化しても情報がつながらない場面が目立ちました。国土交通省はこの課題に対し、BIM/CIMを基盤に、3次元モデルの標準化、2次元図面との連動、設計から施工・積算・検査までのデータ活用を進める方針を示しています。


国のアクションプランでは、BIM/CIMは2023年度から原則適用が始まった一方で、現時点では3次元モデルが参考資料にとどまり、工事契約図書などとして十分活用できていないことが課題として挙げられています。そこでi-Construction 2.0では、3次元モデルと2次元図面の連動を担保し、将来的には3次元モデルを契約図書の一部として使う方向へ進めています。2025年度資料でも、2024年度に86件の取り組みを実施し、2025年度は3次元モデルを工事契約図書として活用するロードマップの作成や、整合確認ルールの策定、2次元図面削減の検討を進めるとされています。


この動きが現場に与える影響は大きいです。従来は、設計で作った情報を施工で使い直すときに、人が別形式へ写し替えたり、数量を再計算したり、図面とモデルの差異を目視で確認したりする必要がありました。i-Construction 2.0では、この重複作業を減らし、設計データを積算に活用し、ICT建設機械や工場製作にも直接つなげることが狙われています。言い換えると、データ連携のオートメーション化は、紙を減らすこと自体が目的ではなく、手戻りと転記ミスを減らし、後工程まで一気通貫で使える情報に変えることが目的です。


また、この柱ではデジタルツインの活用も重要です。4Dモデルで施工ステップを事前に再現したり、ARやVRで関係者間の施工イメージを共有したりすることで、着手前に干渉や手戻りの芽をつぶしやすくなります。現場が忙しいほど、問題は起きてから対応するものだと思われがちですが、i-Construction 2.0の考え方は逆です。事前に共有できるものは共有し、コンピューターで処理できるものは人手から外す。その積み重ねが、最終的に省人化へつながります。


3つの柱3 施工管理のオートメーション化

第3の柱である施工管理のオートメーション化は、現場担当者にとって最も身近な変化につながりやすい領域です。国の資料では、この柱をリモート化・オフサイト化と位置づけています。施工管理、監督、検査を現地常駐と紙書類に依存させず、遠隔臨場、デジタルデータ活用、ロボット、プレキャストなどを組み合わせて、現場でしかできない仕事と現場外でできる仕事を切り分けていく考え方です。


たとえば遠隔臨場は、その象徴的な施策です。国の関連資料では、2022年度から原則すべての直轄土木工事で適用が進み、2024年度からは検査にも適用を拡大する流れが示されています。i-Construction 2.0の文脈では、これを単なるオンライン立会いとして見るのではなく、移動時間や待機時間を削減し、監督・検査の生産性を上げるための仕組みとして捉える必要があります。移動しなくても確認できる仕事が増えれば、発注者側も受注者側も、限られた技術者をより重要な判断業務に振り向けやすくなります。


さらに、2025年度資料では、ARを活用した土工の出来形確認が紹介されています。施工段階で作成した3次元モデルや出来形管理図表を現地に重ねて投影し、視覚的に良否を把握することで、段階確認や実地検査の効率化と迅速化、検査書類の一部ペーパーレス化、出来形管理図表の不要化が進むとされています。ここには、施工管理を「現場に行って紙で照合する仕事」から、「データを現地で即時に判断する仕事」へ変える意図が表れています。


この柱では、プレキャストの活用促進も重要な位置づけです。プレキャストは昔からある考え方ですが、i-Construction 2.0では、現場作業を減らし、工場製作へ寄せるオフサイト化の手段として改めて評価されています。しかも国の資料では、工法比較を従来のコスト中心から見直し、省人化、働き方改革への寄与、安全性向上、環境負荷低減といった価格以外の価値も含めて評価する方向が示されています。これは、施工管理のオートメーション化が単なる省力化技術ではなく、発注・設計・施工の評価軸まで変えようとしていることを意味します。


従来のi-Construction施策との違い

i-Construction 2.0と従来のi-Construction施策の違いを一言でいえば、ICTを使う段階から、ICTを前提に仕事の流れそのものを自動化し直す段階へ進んだことです。2016年度に始まった従来のi-Constructionでは、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの建設生産プロセス全体でICTを活用し、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させることが目標でした。トップランナー施策としては、ICTの全面的な活用、全体最適の導入、施工時期の平準化が掲げられていました。


この従来施策は大きな成果も出しています。国の2024年公表資料では、ICT施工は2022年度時点で実施可能な直轄土木工事の87パーセントで実施され、2015年度比で平均約21パーセントの作業時間短縮効果が確認されています。都道府県・政令市でもICT施工の公告件数は2016年度の84件から2022年度の13,429件へ大幅に増加しました。つまり、従来施策は「ICTを現場に広げる」という役割を着実に果たしてきたわけです。


ただし、i-Construction 2.0は、その成果を踏まえたうえで、従来の延長だけでは省人化に限界があると見ています。従来のICT施工は、オペレーターが現場で機械に乗って高精度に施工する形が基本でした。これに対して2.0では、遠隔施工、自動施工、施工データ共有基盤、3次元モデルの契約図書化、遠隔臨場、AR検査、プレキャスト活用などを通じて、人がやるべき作業そのものを減らし、現場滞在時間も減らす方向へ進みます。違いは機械の性能差ではなく、仕事の担い方の差にあります。


もう一つ大きい違いは、データの位置づけです。従来施策でも3次元データ流通やBIM/CIMの活用はありましたが、実務では参考資料扱いにとどまる場面が多く、工程間で十分につながらないことが課題でした。i-Construction 2.0では、設計から施工、検査、積算、維持管理へデータをつなぐこと自体が主役になっています。ここでは「3次元モデルを作ること」がゴールではなく、「3次元モデルが後工程で自動的に使われること」がゴールです。この違いは非常に大きいです。


さらに、評価軸も変わりつつあります。従来は工法や形式の選定でコスト面が中心になりがちでしたが、i-Construction 2.0の関連資料では、省人化、働き方改革寄与度、安全性向上、環境負荷低減など、価格以外の価値も評価する考え方が示されています。つまり、i-Construction 2.0は単に安く早くつくるための施策ではなく、少ない人数で安全に、持続可能に現場を回すための施策へ変わっているのです。


実務担当者が押さえる導入の見方

実務担当者がi-Construction 2.0を考えるとき、最初に意識したいのは「何を買うか」ではなく「どこで人手が二重三重にかかっているか」です。現場では、測量結果を図面に整理し直し、設計情報を施工用に読み替え、出来形や検査資料を別形式でまとめ直すという重複作業が多く残っています。i-Construction 2.0は、こうした重複の解消が省人化の入口だと考えると理解しやすくなります。新しい技術を入れても、データがつながらなければ仕事は減らないからです。


次に大事なのは、現場を一気に無人化しようとしないことです。施工のオートメーション化が注目されやすい一方、現実には、まず遠隔確認、点群や3次元モデルの活用、設計と施工のデータ連携、プレキャストへの置き換えといった「部分的に人手を減らせるところ」から始まるケースが多くなります。実務では、全面導入の可否よりも、どの工程なら確実に待ち時間、移動時間、転記作業、手戻りを減らせるかを見極めるほうが重要です。


また、導入判断は単一工種ではなく、前後工程を含めて行う必要があります。たとえば施工機械だけ高度化しても、起工測量や設計データ、出来形確認、検査資料作成が従来通りなら、期待したほど効果は出ません。逆に、測量から出来形管理まで同じ基準・座標・データ形式でつなげられれば、現場の人数を大きく増やさなくても処理量を伸ばしやすくなります。i-Construction 2.0のキーワードであるオートメーション化は、個別作業ではなく流れ全体で捉えるべきものです。


その意味で、現場導入の第一歩は、データの入口を整えることにあります。正しい位置情報で現況を取り、設計や施工管理で再利用しやすい形にしておくことが、後工程の省力化を左右します。高機能な解析や高度な自動化を目指すほど、入口データの精度と扱いやすさが重要になります。実務担当者がi-Construction 2.0を自分ごととして捉えるなら、まずは測る、残す、共有するという基本動作を、後工程まで見据えて見直すことが欠かせません。


まとめ

i-Construction 2.0とは、従来のi-Constructionを引き継ぎながら、建設現場の生産性向上を「ICT活用」から「オートメーション化」へ進めた次の段階の施策です。3つの柱は、施工のオートメーション化、データ連携のオートメーション化、施工管理のオートメーション化で構成されており、それぞれが独立した施策ではなく、少ない人数で安全に、快適に、高い品質を維持しながら現場を回すために連動しています。従来施策との違いは、技術の追加ではなく、仕事の進め方そのものの再設計にあります。


そして、実務で重要なのは、i-Construction 2.0を遠い将来の話として眺めることではありません。測量、設計、施工、出来形確認、検査のどこに重複や待ちがあるかを洗い出し、データがつながる入口から整えていくことが現実的な第一歩です。とくに現況把握や出来形確認の精度とスピードは、その後のデータ連携全体を左右します。そうした意味で、現場で素早く高精度な位置情報を取得しやすいLRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスは、i-Construction 2.0に向けた実務の土台づくりと相性がよい選択肢です。現場の省人化を本気で進めるなら、まずはデータの入口をどう整えるかという視点から見直してみるのがおすすめです。


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