top of page

i-Construction 2.0対応で何を変える?施工管理の見直しポイント

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均4分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

i-Construction 2.0対応で施工管理が変わる理由

まず見直すべき前提は「紙を減らすこと」ではない

見直しポイント1 2次元図面中心の運用からデータ中心へ

見直しポイント2 現場記録は後追い作成ではなく同時取得へ

見直しポイント3 立会・段階確認・検査は現地一択で考えない

見直しポイント4 施工計画書を実運用の設計書として使う

見直しポイント5 工程管理と出来形・品質管理をつなげる

見直しポイント6 人の役割を「確認作業」から「判断作業」へ移す

i-Construction 2.0対応を進めるときの失敗パターン

まとめ


i-Construction 2.0対応で施工管理が変わる理由

この方向性を見ると、施工管理者の仕事は今まで以上に重要になります。なぜなら、自動化や省人化が進んでも、現場条件を踏まえて段取りを組み、どのデータを、どのタイミングで、どの精度で残し、誰がどの方法で確認するかを設計する役割は、むしろ重くなるからです。現場に人が多くいることで成り立っていた確認の重複や属人的な調整は、i-Construction 2.0の考え方とは相性がよくありません。施工管理は、作業を追いかけて記録する仕事から、施工と記録が同時に成立する仕組みを作る仕事へ変わっていきます。


さらに、国の直轄土木業務・工事では2023年度からBIM/CIMの原則適用が進み、その後も3次元モデルの活用、積算への接続、デジタル監督検査、ペーパーレス化などが段階的に整理されています。制度側が「2次元図面を作ってから必要に応じて後でデータ化する」流れから、「最初から後工程で使えるデータを前提にする」流れへ移っている以上、施工管理だけ従来のままでは整合が取れません。これからの施工管理は、現場実務とデータ流通の接点を作る役割として見直す必要があります。


まず見直すべき前提は「紙を減らすこと」ではない

i-Construction 2.0に対応すると聞くと、真っ先に「書類を電子化すること」「紙を減らすこと」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれも大事ですが、そこだけに意識が向くと失敗しやすくなります。なぜなら、紙をそのままPDFに置き換えるだけでは、現場で二重入力や転記作業が残り、施工管理の負担はあまり減らないからです。制度が求めているのは、最終成果だけを電子化することではなく、設計から施工、監督、検査までのあいだでデータがつながり、同じ情報を何度も作り直さない状態です。


施工管理の見直しは、帳票の見直しから始めるより、情報の流れを描き直すところから始めた方が効果的です。たとえば、出来形確認に必要な位置情報、写真、計測値、施工時刻、施工者の情報が、現場で一度取得され、その後の整理、報告、検査、維持管理まで再利用できる状態を目指すべきです。こうした発想に切り替えると、施工管理の目的が「書類を仕上げること」ではなく、「後工程で使えるデータを壊さず残すこと」だと見えてきます。


見直しポイント1 2次元図面中心の運用からデータ中心へ

i-Construction 2.0対応で最も大きく変わるのは、2次元図面を中心に現場を回す感覚です。従来は、平面図、縦断図、横断図、数量表、写真帳、出来形帳票というように、用途ごとに資料を分けて持ち、それぞれの帳票を見ながら個別に確認を進める場面が多くありました。しかし、BIM/CIMの進展や3次元モデル活用の方向性を見ると、今後は図面や帳票が主役なのではなく、元になるデータが主役になり、2次元の図面はその一つの表現手段になります。


ここで施工管理者が変えるべきなのは、現場への指示の出し方です。図面の何枚目を見て判断するのかではなく、どの構造物のどの部位を、どの属性情報と結びつけて管理するのかを明確にする必要があります。たとえば、位置、出来形、品質、写真、検査記録が別々の紙として存在するのではなく、同じ対象物に結びついた情報として扱える状態を目指すべきです。そうすると、手戻りの確認、工程変更時の影響範囲の把握、関係者への説明が一気にしやすくなります。


また、2次元中心の運用では、現場で起きた変更が図面修正、数量修正、写真整理、報告書修正という形で分散しやすく、変更の整合が崩れやすいという問題があります。データ中心で考えれば、変更の起点は一つに集約され、その更新内容が関係資料に反映される形を作りやすくなります。施工管理の見直しポイントは、紙の枚数を減らすことではなく、変更の起点を一元化することです。これができるだけで、現場監督の確認負荷は大きく変わります。


見直しポイント2 現場記録は後追い作成ではなく同時取得へ

施工管理の現場で今でも多いのが、まず施工を進め、あとから写真を整理し、あとから出来形や品質の記録を帳票にまとめるやり方です。この方法は、一見すると柔軟ですが、実際には抜け漏れ、撮り忘れ、記録の不一致、時刻や位置の曖昧さを招きやすく、再確認や再測の原因になります。i-Construction 2.0の方向性では、施工中に得られる履歴データや現場データを活用し、出来形管理や検査の効率化につなげる考え方が明確に示されています。つまり、記録は後で作るものではなく、施工と同時に生まれるものとして設計すべきです。


この発想に変わると、施工管理者が現場で最初に決めるべき内容も変わります。どの段階で位置を取るのか、どのタイミングで写真を撮るのか、計測値と写真をどう紐づけるのか、現場で取得したデータを誰がその日のうちに確認するのか。これらを曖昧にしたまま運用すると、データは集まっても使える記録にはなりません。逆に、施工前から取得ルールを決めておけば、日報、出来形管理、品質確認、検査説明までの流れがつながり、現場の負担はむしろ減ります。


特に重要なのは、現場記録を「証拠」としてだけ残さないことです。証拠として残す発想だけだと、どうしても提出に必要な最低限の写真や帳票づくりに寄ってしまいます。しかしi-Construction 2.0では、施工履歴や現場データを、監督・検査の効率化だけでなく、維持管理や後工程での活用にもつなげる考え方が示されています。施工管理者は、今日の記録が明日の説明資料になり、将来の維持管理データにもなるという前提で、記録項目を見直す必要があります。


見直しポイント3 立会・段階確認・検査は現地一択で考えない

ただし、ここで注意したいのは、何でも遠隔で済ませればよいという話ではないことです。通信環境、確認対象、見たい寸法や角度、周辺安全、現地状況によっては、従来どおり現地実施の方が適切な場面もあります。施工管理者に求められるのは、遠隔で実施しやすい確認事項と、現地でなければ成立しない確認事項をあらかじめ切り分け、確認方法を計画段階で整理しておくことです。ここを曖昧にすると、現場ではかえって混乱し、結局二重対応になります。


また、デジタル技術を活用した新たな施工管理、監督・検査の手法については、従来方法との比較を行い、支障がないことを受発注者双方で確認できた場合に活用できるとされ、実施内容は施工計画書に反映することが示されています。これは非常に重要です。施工管理の見直しは、現場で便利そうだから試すのではなく、どの確認を、どの手法で、どう成立させるのかを事前に定義してはじめて運用になります。遠隔化は、道具の問題ではなく、確認方法を設計する問題です。


見直しポイント4 施工計画書を実運用の設計書として使う

従来の施工計画書は、提出して承認を得るための書類として扱われやすい傾向がありました。もちろん法令や仕様に基づく重要文書ですが、実務では提出後にあまり見返されず、現場は別の口頭運用で進むことも少なくありません。しかし、i-Construction 2.0対応を本気で進めるなら、施工計画書は提出文書ではなく、現場運用の設計書として使う必要があります。特にデジタルデータを活用した新たな監督・検査手法を使う場合、実施内容を施工計画書に反映すると明記されている以上、計画書に書けない運用は現場でも安定しません。


具体的には、施工計画書の中で、どの工程でどのデータを取得するか、取得したデータの確認責任者は誰か、ファイル名や格納先のルールはどうするか、遠隔確認を行う場合の通信環境や記録方法はどうするか、現地確認へ切り替える条件は何かまで書き込むべきです。ここまで落とし込めば、施工計画書は単なる提出物ではなく、現場・内業・検査対応をつなぐ共通言語になります。逆にここが曖昧だと、担当者によって運用が変わり、せっかくのデジタル化が属人化に置き換わるだけで終わります。


さらに、施工計画書を実運用の設計書として使うと、教育にも効きます。経験の浅い担当者でも、どの段階で何を確認し、何を残し、誰に共有するかが見えやすくなるからです。i-Construction 2.0は、省人化と同時に、多様な人材が働ける環境づくりも目標に置いています。だからこそ、ベテランの頭の中にしかない段取りを、計画書レベルまで言語化することが重要です。施工管理の見直しとは、技術導入と同時に、運用知識を見える化することでもあります。


見直しポイント5 工程管理と出来形・品質管理をつなげる

施工管理が非効率になりやすい理由の一つは、工程管理、出来形管理、品質管理、写真管理、検査対応が別々に動いてしまうことです。工程は工程表、出来形は帳票、品質は試験結果、写真は写真帳、検査はその都度資料を寄せ集めるという運用では、現場の実態と書類がずれやすくなります。i-Construction 2.0の資料では、施工データを集約・活用するための共通データ環境や、施工データを活用した稼働日報、工程管理、資機材調達調整などの出力が示されています。これは、施工管理を機能ごとに切り離すのではなく、施工データを中心に再編していく考え方です。


この考え方を実務に置き換えると、工程の進捗と出来形の確認、品質の証跡、写真記録を同じ時間軸で扱えるようにすることが大切です。たとえば、ある日の施工実績が記録されているのに、その日の写真や出来形確認が別管理だと、後で整合を取るのに余計な時間がかかります。反対に、日単位、工区単位、構造物単位で情報をまとめておけば、進捗説明、社内報告、検査対応が一気通貫でしやすくなります。工程が遅れた理由も、品質対応で止まったのか、出来形再確認で止まったのかが見えやすくなります。


また、工程と品質を分けすぎると、品質確認が後ろ倒しになり、問題発見が遅れます。i-Construction 2.0で重視される4Dモデルや事前シミュレーションの考え方は、まさにこの手戻り防止と相性がよいものです。現場で何をいつ確認すれば手戻りを防げるのかを、工程計画の中に埋め込む発想が必要です。施工管理者は、工程表を作る人ではなく、手戻りの少ない確認順序を設計する人へと役割を変えていくべきです。


見直しポイント6 人の役割を「確認作業」から「判断作業」へ移す

i-Construction 2.0が目指しているのは、単なる省人化ではありません。安全確保、働き方改革、多様な人材の確保も明確な目標に含まれています。これは、現場の人を減らすことが目的なのではなく、人が本来やるべき判断や調整に集中できる状態を作ることが目的だと読み取れます。施工管理者が何でも自分で現地確認し、写真整理し、帳票を作り、説明資料も作るという働き方は、これからますます維持しにくくなります。


特に施工のオートメーション化や遠隔施工の方向性を見ると、今後は一人のオペレータが複数の機械や複数の現場を管理するような考え方が広がっていきます。施工管理側も同様に、現場の全てを自分の目で見に行く担当者ではなく、必要なデータが適切に上がってきているかを確認し、異常を見つけたときに迅速に判断を下せる担当者へと変わっていくべきです。確認のための移動や待機時間を減らし、判断の質を上げることが、これからの施工管理の競争力になります。


そのためには、人の配置も見直しが必要です。現場常駐者、内業支援者、データ整理担当、検査対応担当をあいまいに兼務させるのではなく、どの役割が現地判断を担い、どの役割がデータの整合確認を担うのかを明確にした方が、少人数でも現場は回ります。経験者がすべてを抱え込む体制ではなく、判断基準を共有し、データで状況を共有し、必要なときだけ現場へ深く入る体制に移ることが、i-Construction 2.0対応では重要です。


i-Construction 2.0対応を進めるときの失敗パターン

i-Construction 2.0対応でよくある失敗は、道具の導入が先に立ち、運用ルールが後回しになることです。端末や計測機器を入れたのに、誰がいつ使うのか、データの保存先はどこか、ファイル名のルールはあるか、写真と位置と時刻がどう結びつくのかが決まっていない。これでは、現場でデータは増えても、施工管理の負担は軽くなりません。むしろ「新しい作業が追加されただけ」という感覚になり、現場に定着しなくなります。


次に多いのが、遠隔化やペーパーレス化を目的化してしまうことです。遠隔で確認できること自体に満足してしまい、本当に確認すべき情報が見えているか、現地での安全や精度に支障がないかを詰めないまま進めると、結局は現場再確認が増えます。新しい手法を使うなら、従来方法との比較、適用範囲、切り替え条件を事前に整理し、施工計画書にまで落とし込む必要があります。ここを飛ばしてはいけません。


さらに、データを取って終わりにしてしまうのも典型的な失敗です。写真、点群、出来形データ、施工履歴を集めても、それが工程管理、検査説明、維持管理に使われなければ、現場には「余計な記録作業をさせられた」という印象だけが残ります。i-Construction 2.0対応で成果を出す現場は、取得したデータが次の判断に使われる流れを作っています。だからこそ、まずは小さな工区でもよいので、取得したデータが日報、出来形確認、社内説明、検査のどこまでつながるかを見える形で作ることが重要です。


まとめ

i-Construction 2.0対応で施工管理が変わるというと、大がかりな自動化や高度な3次元活用だけを想像しがちです。しかし、実務で本当に先に変えるべきなのは、施工管理の基本動作です。2次元と紙を前提にした段取りを見直すこと。施工後に記録を整えるのではなく、施工と同時にデータを取ること。立会や検査を現地一択で考えず、適切にリモート化すること。施工計画書を提出書類ではなく運用設計書として使うこと。工程、出来形、品質、写真を分断せず、同じ流れで扱うこと。人の仕事を確認作業から判断作業へ移すこと。この積み重ねが、i-Construction 2.0に対応した施工管理の土台になります。


その第一歩として有効なのは、現場で最初に取得する位置情報と記録の精度を安定させることです。施工管理は、正しい場所で、正しいタイミングに、正しい記録を残せるかどうかで大きく変わります。LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用すれば、現場で取得した位置情報と写真、点の記録を結びつけやすくなり、後からの整理や説明がしやすくなります。i-Construction 2.0対応を机上の制度理解で終わらせず、施工管理の見直しを現場で前に進めるなら、まずは日々の記録を高精度に残せる体制から整えることが、最も現実的で効果の高い一歩です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page