top of page

i-Construction 2.0で失敗しない進め方|よくある誤解6つ

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均4分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

i-Construction 2.0とは何かを先に整理する

なぜ誤解が起きやすいのか

よくある誤解1 便利な機器を入れれば対応できる

よくある誤解2 一部工程だけデジタル化すれば十分

よくある誤解3 3次元データは作成できればそれでよい

よくある誤解4 自動化は大規模現場だけの話

よくある誤解5 まず機械や仕組みを買えば前進する

よくある誤解6 一気に全現場展開した方が早い

i-Construction 2.0で失敗しない進め方

まとめ


i-Construction 2.0とは何かを先に整理する

実務担当者にとっての意味は明快です。i-Construction 2.0への対応とは、測る、つくる、確認する、記録する、共有するという一連の流れを、できるだけ人手に依存しすぎない形へ組み替えていくことです。したがって、導入の成否は「何を買ったか」よりも、「工程をどうつなげたか」「データを誰がいつどう使うかを決めたか」「紙と口頭に戻らない運用をつくれたか」で決まります。国の示す方向が3本柱である以上、現場の進め方も一部作業の改善ではなく、前後工程をつなぐ視点で考える必要があります。


なぜ誤解が起きやすいのか

それでも現場では、「前より高性能な機器を入れればよい」「3次元化できれば合格」「一部の担当者が分かっていれば進む」といった受け止め方が起きがちです。その背景には、施工、測量、設計、監督、検査、発注者対応といった工程ごとに担当が分かれ、各部門が自分の作業だけを最適化しやすい構造があります。国の2025年度資料でも、施工データの活用、遠隔施工、自動施工、3D・2D連動、3Dモデルの契約図書化、積算、デジタルデータを活用した監督・検査など、対象は工程横断で示されています。つまり、1部門だけが頑張っても、本来の2.0には届きにくいのです。


誤解を防ぐコツは、i-Construction 2.0を「導入する技術の名前」ではなく「現場運営の再設計テーマ」と見直すことです。この見方に立つと、何を買うかの前に、どこで待ち時間が発生しているのか、どこで二重入力が起きているのか、どこで確認作業が属人化しているのかが見えてきます。逆にこの視点を持たないまま進めると、見栄えはデジタルでも、中身は紙と電話と再入力に依存したままになり、投資に対して現場が楽にならないという失敗につながります。国の方針が「少ない人数で、安全に、快適に働ける建設現場」である以上、判断基準もその3点に置くべきです。


よくある誤解1 便利な機器を入れれば対応できる

実務で見るべきなのは、機器の性能表ではなく、取得したデータの流れです。座標や3次元情報を誰が受け取り、どの形式で保存し、どの時点で更新し、どの確認行為に使うのかを決めていなければ、現場は結局、画面の数字を見ながら紙へ転記し、別担当が再入力することになります。これではデジタル化したように見えて、実際には人手の工程が増えただけです。i-Construction 2.0で失敗しないためには、まず「そのデータは次工程で何に使うのか」を明確にし、その用途に合わせて機器や仕組みを選ぶ順番に変える必要があります。


機器導入を成功させたいなら、最初に決めるべきは三つあります。一つ目は、何を省人化したいのかです。測量時間を短縮したいのか、出来形確認を減らしたいのか、検査立会いを効率化したいのかで選ぶべき手段は変わります。二つ目は、データの受け渡し先です。現場だけで完結するのか、本社、協力会社、発注者まで共有するのかで必要な運用は変わります。三つ目は、紙に戻さない運用ルールです。ここを決めずに導入すると、現場では「便利になったはずなのに、前より確認が増えた」という不満が必ず出ます。国の3本柱が示す通り、道具は入口であり、本体は運用設計です。


よくある誤解2 一部工程だけデジタル化すれば十分

2025年度の取組予定でも、3D・2D連動の照査、3Dモデルの契約図書化、積算への活用、デジタルデータを活用した監督・検査など、後工程にデータを引き渡す前提で制度や要領の整備が進められています。これは「3次元データを作れれば終わり」ではなく、「作ったデータが後工程で使われて初めて意味がある」という考え方です。言い換えると、デジタル化の起点は測量や設計でも、成否を決めるのは監督、検査、契約、積算、記録管理まで含めたつながりです。


実務では、最初から全工程を変えようとする必要はありませんが、少なくとも一つの業務チェーンは通しで設計すべきです。たとえば「現況把握から出来形確認まで」「起工測量から日々の進捗共有まで」「設計変更の検討から現地確認まで」といった単位で、どのデータがどこへ流れるかを先に決めます。これができると、担当ごとの最適化ではなく、工程全体の手戻り削減で効果を測れるようになります。逆にここを曖昧にしたまま部分導入を繰り返すと、社内にツールだけが増え、現場ごとにやり方が違う状態が固定化されてしまいます。


よくある誤解3 3次元データは作成できればそれでよい

i-Construction 2.0で3次元データが重視されるのは確かですが、作成できることと使いこなせることは別です。3次元データは、精度、座標系、属性、更新タイミング、版管理、閲覧権限、出力ルールが整って初めて業務資産になります。これらが曖昧なままでは、同じ現場なのに担当者ごとに別ファイルを見ていたり、最新版がどれか分からず判断が割れたり、現地確認と書類の数字が合わなくなったりします。現場では「3次元モデルはあるのに使われない」という声が出ますが、その原因の多くはデータの品質より、使い方の設計不足にあります。


失敗しないためには、3次元データの作成担当者だけでなく、それを使う人の視点でルールを決めることです。誰が日々更新するのか、どのタイミングで確定版とみなすのか、2次元図面や写真との対応をどう持たせるのか、検査で必要な項目をどこまでデータに持たせるのかを決めます。このルールがないと、現場の経験者ほど「紙の方が早い」と感じやすくなります。逆にここが整理されると、3次元データは説明のための資料ではなく、判断、共有、検査、再施工防止を支える実用品になります。i-Construction 2.0が目指すのは、まさにこの状態です。


よくある誤解4 自動化は大規模現場だけの話

この点を誤解すると、中小規模の現場では「うちは対象外」という空気が生まれます。しかし本当に重要なのは、現場規模ではなく、どこに人手依存が残っているかです。毎日の進捗報告が電話と手書きなら、その時点で改善余地があります。出来形確認のために毎回関係者が現地に集まるなら、そこにも改善余地があります。測量結果や位置情報の受け渡しが担当者個人の端末内で止まるなら、それも大きな非効率です。i-Construction 2.0の「施工管理のオートメーション化」は、こうした日常業務のリモート化、オフサイト化、データ活用による効率化を含んでいます。したがって、自動化を大型施工機械だけに限定して理解すると、本来すぐ着手できる改善機会を逃します。


むしろ実務では、「完全自動化」を目指す前に「人が判断すべきこと」と「人が毎回やらなくてよいこと」を切り分ける方が現実的です。現地でしかできない確認、資格者の判断が必要な承認、安全上人が見るべき箇所は残ります。一方で、位置情報の記録、日々の共有、定型的な照合、進捗可視化、履歴整理は、かなりの部分を自動化や半自動化に寄せられます。i-Construction 2.0で失敗しない企業は、最初から無人化を追わず、まずは人が本当にやるべき仕事へ集中できる状態を作っています。


よくある誤解5 まず機械や仕組みを買えば前進する

何から始めるべきか迷ったとき、機械やシステムの比較から入る企業は多いですが、これは順番として危うい進め方です。i-Construction 2.0の目的は、単に新しいものを導入することではなく、少ない人数で、安全に、快適に働ける建設現場へ移行することにあります。目的がそうである以上、最初に明確にすべきなのは、どの業務が詰まっているのか、どの確認に時間がかかっているのか、どこで手戻りが出ているのかです。課題を分解しないまま選定を始めると、機能は多いのに現場では使われない、という典型的な失敗になります。


たとえば、問題が「着工前の現況共有の遅さ」にあるのか、「施工中の出来形確認の煩雑さ」にあるのか、「検査資料づくりの属人化」にあるのかで、必要な手段はまったく変わります。前者なら高頻度で現場情報を取得してすぐ共有できる仕組みが効きますし、後者ならデータと検査項目の結び付けや遠隔確認の設計が重要になります。つまり、良い導入とは高機能な仕組みを入れることではなく、現場の詰まりを取り除くための最小構成を見極めることです。国が段階的な試行、要領整備、導入拡大という順序で進めているのも、最初に「何に効くのか」を見極める必要があるからです。


進め方としておすすめなのは、まず一つの代表現場を選び、そこで発生している待ち時間と転記作業を洗い出すことです。その上で、必要な精度、共有相手、記録方法、検査対応の流れを決め、最後に手段を選びます。この順番を守ると、導入後の定着率が大きく変わります。現場担当者も「新しい仕組みに合わせて働き方を変える」のではなく、「今の困りごとを減らすために仕組みを使う」と理解しやすくなるからです。i-Construction 2.0は、道具の刷新より、現場判断の精度と速さを上げるための設計変更だと捉えるべきです。


よくある誤解6 一気に全現場展開した方が早い

一斉展開が危険なのは、問題が起きたときに原因の切り分けができなくなるからです。教育不足なのか、データ形式の問題なのか、現場条件に合っていないのか、検査フローとの整合が取れていないのかが分からなくなります。その結果、現場では「やっぱり前のやり方の方が早い」という反発が起き、せっかくの投資が文化的に拒否されます。i-Construction 2.0は制度や技術の導入だけでなく、仕事の進め方を変える取り組みなので、現場の納得感を伴わない横展開は逆効果になりやすいのです。


正しい順番は、小さく試し、効果を測り、標準化してから広げることです。具体的には、工種、現場規模、関係者数が比較的そろった案件で試行し、削減できた作業時間、減った確認回数、短くなった情報共有時間、書類作成の簡素化などを見える化します。その結果を基に、運用ルール、教育内容、データ命名、共有範囲、更新責任者を標準化していくと、横展開の失敗率が下がります。早く進めたいときほど、段階導入の方が結局は速いのです。


i-Construction 2.0で失敗しない進め方

第二に、一つの業務チェーンを通しで設計します。おすすめは、現況把握から日々の進捗共有、出来形確認、検査前整理までの一連を一つの線でつなぐことです。このとき重要なのは、各工程で使うデータを増やしすぎないことです。現場で取得する位置情報や記録は、次工程で本当に必要なものに絞り、誰が見ても解釈がぶれない形で残します。データ連携の目的は情報量を増やすことではなく、判断の早さと整合性を高めることにあります。国の3本柱が工程横断で示されているのは、この連鎖を前提にしているからです。


第三に、3次元データや現場データの運用ルールを先に決めます。ファイル名、座標の扱い、更新タイミング、確定版の定義、共有先、修正履歴、検査用出力の手順を決めておくと、導入後の混乱が一気に減ります。ここが曖昧だと、担当者が変わるたびに解釈がずれ、現場ごとに別運用が生まれます。逆にルールが明確なら、経験の浅い担当者でも品質を保ちやすくなり、現場の負担が属人性から解放されます。i-Construction 2.0が求めるのは、特定の達人だけが回せる現場ではなく、少ない人数でも回る再現性の高い現場です。


第四に、試行現場では効果を必ず数字で残します。たとえば、現場確認に要した人数、1回の確認に要した時間、共有資料作成の所要時間、再施工や手戻りの件数、検査前の資料整理時間などです。これらを導入前後で比較すると、現場は感覚ではなく実績で判断できます。国が試行工事や試行要領の検証結果を取りまとめて本要領につなげているのと同じで、民間企業も自社内の試行結果を標準化の材料にすべきです。数字の裏付けがあれば、現場の理解も管理部門の投資判断もそろいやすくなります。


第五に、教育は操作説明だけで終わらせないことです。どのボタンを押すかより先に、「なぜこのデータを残すのか」「誰が次に使うのか」「紙と口頭に戻さないために何を守るのか」を共有します。i-Construction 2.0は操作研修だけでは定着しません。前後工程の意味が分かって初めて、現場担当者は入力や更新を自分ごととして受け止めます。ここが弱いと、担当者は忙しい日に旧来運用へ戻り、データ連携が途中で切れます。導入の成否を分けるのは、技術理解よりも、運用意図の共有です。


そして最後に、最初の一歩はできるだけ現場に近いところから始めることです。i-Construction 2.0を前に進めるには、設計や書類の高度化だけでなく、現場で最初に取得する位置情報や観測記録の品質が安定していることが重要です。入口のデータが曖昧だと、その後の共有、照査、検査がすべて不安定になります。反対に、現場で誰でも同じ基準で位置情報を取得し、すぐ共有できる状態ができれば、後工程のデジタル化は一気に進めやすくなります。こうした意味で、i-Construction 2.0の実践は、壮大な構想から始めるよりも、現場の入口データを整えることから始めた方が失敗しにくいのです。


まとめ

i-Construction 2.0で失敗する企業には共通点があります。それは、政策を技術導入の話としてだけ理解し、工程をつなぐ視点を後回しにしてしまうことです。逆にうまく進む企業は、機器や仕組みの比較より先に、どこで人手がかかり、どこで情報が途切れ、どこで再入力が起きているかを見ています。そして、施工、データ連携、施工管理を一続きの流れとして捉え、小さく試して、効果を測り、標準化してから広げています。i-Construction 2.0は、派手な技術を導入する競争ではなく、現場を少ない人数でも安全かつ確実に回せる形へ作り替える取り組みだと理解することが、最初の成功条件です。


そのうえで、現場の起点となる計測や位置情報取得をどれだけスムーズにできるかは、実務上とても大きな差になります。iPhone装着型GNSS高精度測位デバイスであるLRTKのように、現場で高精度な位置情報を取得し、そのまま記録と共有につなげやすい仕組みを取り入れると、i-Construction 2.0で重要になるデータ連携の土台をつくりやすくなります。最初の一歩を確実にすることが、後工程の自動化や省人化を現実のものにする近道です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page