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PVSystでまず何から学ぶ?基本機能を7つに絞って紹介

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この記事は平均6分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

PVSystは何をするためのソフトかを最初に理解する

基本機能1:プロジェクト作成とサイト条件の設定

基本機能2:気象データの選択と確認

基本機能3:方位角と傾斜角の設定

基本機能4:アレイ構成とストリング設計

基本機能5:損失条件の入力

基本機能6:影解析と周辺障害物の扱い

基本機能7:シミュレーション結果とレポートの読み方

初心者がつまずきやすいポイント

実務で使えるようになるための学習順

まとめ


PVSystは何をするためのソフトかを最初に理解する

PVSystを学ぶ前に、まず理解しておきたいのは、このソフトが単なる図面作成ツールではなく、太陽光発電設備の発電量を条件付きで推定するためのシミュレーションソフトだという点です。設備容量、設置場所、気象条件、モジュール配置、パワーコンディショナ構成、損失条件、影の影響などを入力し、それらをもとに年間発電量や月別発電量、性能比、各種損失の内訳を確認できます。


初心者が最初に混乱しやすいのは、PVSystの画面上で入力できる項目が多いため、「どこまで正確に入力すべきか」「どの項目が結果に大きく影響するのか」が分かりにくいことです。しかし、実務での使い方を考えると、すべての項目を同じ重みで覚える必要はありません。まずは、発電量に大きく影響する条件を優先して理解し、その後で詳細設定を少しずつ深掘りするのが効率的です。


PVSystの基本的な流れは、設置場所を決め、気象データを選び、太陽光パネルの向きや角度を設定し、機器構成を入力し、損失条件や影の条件を加え、最後にシミュレーションを実行して結果を読む、という順番です。この流れを一つの作業手順として捉えると、画面ごとの意味が理解しやすくなります。


特に実務担当者にとって重要なのは、PVSystの結果を「正解」としてそのまま扱うのではなく、「設定した前提条件に基づく計算結果」として読むことです。同じ設備容量でも、気象データ、傾斜角、方位角、損失設定、影の入力方法が変われば、発電量は変わります。つまり、PVSystを使いこなすとは、ボタン操作を覚えることだけではなく、どの前提が結果にどう影響しているかを説明できるようになることです。


基本機能1:プロジェクト作成とサイト条件の設定

最初に学ぶべき基本機能は、プロジェクト作成とサイト条件の設定です。PVSystでは、新しい案件を始めるときに、まず設置場所やプロジェクトの基本情報を設定します。ここで入力する情報は、その後の気象データ、太陽高度、日射量、発電量計算に関わるため、単なる名前付けではなく、シミュレーション全体の土台になります。


サイト条件では、緯度、経度、標高、地域情報などが重要です。太陽光発電の発電量は、同じ設備容量であっても設置地域によって大きく異なります。日射量が多い地域と少ない地域では年間発電量が変わりますし、気温条件によってもモジュールの出力特性が変化します。そのため、最初に設定する場所情報は、できるだけ実際の計画地に近い条件にする必要があります。


初心者の場合、まずは架空の案件ではなく、実際に扱う可能性のある地点を想定してプロジェクトを作ると理解が進みます。たとえば、屋根上設置、地上設置、低圧規模、高圧規模など、業務でよく扱う案件タイプを想定し、その条件に合わせて入力してみると、どの項目が後続の設定に影響するのかを体感できます。


プロジェクト作成で注意したいのは、最初から完璧な設定を目指しすぎないことです。PVSystでは、後から条件を修正して再計算することができます。最初の学習段階では、まず一つの案件を最後まで通して計算し、その後に条件を変えて比較する方が理解しやすいです。設置場所を変えると結果がどう変わるのか、標高や気象条件の違いがどの程度影響するのかを確認すると、サイト条件の意味が実務感覚として身についていきます。


また、案件管理の観点でも、プロジェクト名やバージョンの付け方は重要です。実務では、初期検討、配置変更後、機器変更後、損失条件見直し後など、複数の計算パターンを比較することがあります。後から見返したときに、どの条件で計算したものか分かるように名前を付けておくと、提案書作成や社内確認がスムーズになります。


基本機能2:気象データの選択と確認

次に学ぶべき基本機能は、気象データの選択と確認です。PVSystの発電量シミュレーションでは、日射量、外気温、風速などの気象条件が重要な入力情報になります。どの気象データを使うかによって、年間発電量や月別の発電傾向が変わるため、初心者であっても気象データの意味は早い段階で理解しておく必要があります。


気象データを見るときに大切なのは、データが存在するかどうかだけではなく、その地点が計画地にどれだけ近いか、データの期間や代表性が妥当か、極端に高すぎる日射量や低すぎる気温になっていないかを確認することです。特に提案段階では、発電量が大きく見える条件を無意識に選んでしまうと、後の説明で困ることがあります。発電量シミュレーションは、設計の根拠として使われることが多いため、使用した気象条件を説明できる状態にしておくことが重要です。


初心者がよくつまずくのは、気象データを選んだだけで安心してしまい、月別の傾向や年間値を確認しないことです。たとえば、夏場の日射量が想定より低い、冬場の発電が大きく落ち込む、気温条件が設備の出力低下に影響する、といった傾向は、結果を見る前に気象データの段階である程度把握できます。月別グラフや日射量の値を確認する習慣をつけると、後で発電量が想定と違ったときにも原因を追いやすくなります。


また、気象データは案件の性質に応じて使い分ける必要があります。概算検討では近傍地点の代表的なデータで十分な場合もありますが、詳細設計や金融機関向けの説明、長期収支の検討では、より慎重な確認が求められます。PVSystを実務で使う場合、気象データの選定理由を説明できることは、計算結果そのものと同じくらい重要です。


学習段階では、同じプロジェクトで気象データを変えて再計算してみると効果的です。発電量がどの程度変わるのか、月別の傾向がどう変わるのかを比較すると、気象データが結果に与える影響を具体的に理解できます。PVSystの使い方を覚えるうえで、気象データは単なる初期設定ではなく、発電量の前提条件そのものだと捉えることが大切です。


基本機能3:方位角と傾斜角の設定

3つ目に学ぶべき基本機能は、方位角と傾斜角の設定です。太陽光パネルがどの方向を向き、どの角度で設置されるかは、発電量に直接影響します。PVSystでは、設置面の向きや角度を入力し、その条件に基づいて受光量を計算します。ここを理解していないと、実際の配置条件とシミュレーション条件がずれてしまい、結果の信頼性が下がります。


方位角は、パネルがどの方向を向いているかを表します。一般的には、南向きに近いほど年間発電量が高くなりやすいですが、敷地条件や屋根形状、系統連系条件、自家消費の時間帯などによって、必ずしも単純に南向きが最適とは限りません。東西向きの配置では、朝夕の発電傾向が変わるため、年間発電量だけでなく、発電する時間帯の違いも意識する必要があります。


傾斜角は、パネルの傾きです。傾斜角が変わると、季節ごとの受光量や汚れの残りやすさ、風荷重、架台条件、施工性にも影響します。PVSyst上では数値として入力しますが、実務では構造条件や敷地制約とも関係します。そのため、単に発電量が最大になる角度を探すだけでなく、実際に施工可能な角度か、設計条件として妥当かを確認することが大切です。


初心者におすすめなのは、まず傾斜角と方位角を少しずつ変えて、発電量がどう変化するかを比較することです。同じ設備容量でも、向きや角度を変えるだけで年間発電量や月別発電量が変わります。この比較を何度か行うと、PVSystの数値が単なる計算結果ではなく、設計条件の違いを反映したものだと理解できます。


屋根上案件では、既存屋根の向きや勾配に合わせることが多く、自由に角度を決められない場合があります。一方、地上設置では架台角度を比較的自由に設定できますが、列間隔や影の影響、土地利用効率も考慮する必要があります。PVSystの学習では、屋根上と地上設置の両方を想定して方位角と傾斜角を設定してみると、案件タイプごとの考え方が見えてきます。


基本機能4:アレイ構成とストリング設計

4つ目の基本機能は、アレイ構成とストリング設計です。PVSystでは、太陽光モジュールの枚数、直列数、並列数、パワーコンディショナとの組み合わせなどを設定します。この部分は電気設計に関わるため、初心者には難しく感じやすいですが、実務でPVSystを使うなら避けて通れない重要な機能です。


アレイ構成とは、太陽光モジュールをどのように組み合わせて発電設備を構成するかという考え方です。設備容量は、モジュールの出力と枚数によって決まります。しかし、単に枚数を増やせばよいわけではなく、パワーコンディショナの入力条件、電圧範囲、電流範囲、直列枚数、並列回路数との整合を取る必要があります。PVSystでは、こうした条件を入力し、構成に無理がないかを確認できます。


ストリング設計では、直列に接続するモジュール枚数が重要です。直列数が少なすぎると電圧が不足し、直列数が多すぎると低温時の開放電圧が上限を超える可能性があります。また、並列数が多くなると電流条件や機器容量との関係も確認が必要です。PVSystの画面上で警告や注意表示が出ることがありますが、それらは単なるエラーではなく、設計条件の見直しを促す重要な情報です。


初心者は、まず標準的な構成で計算を通し、その後にモジュール枚数やパワーコンディショナ容量を変えて結果を比較すると理解しやすくなります。たとえば、設備容量を少し増やした場合に、発電量は増えるのか、出力制限が増えるのか、損失がどのように変化するのかを見ると、アレイ構成の意味が分かりやすくなります。


実務では、PVSystのアレイ構成は提案内容に直結します。見積用の設備容量、図面上の配置、電気設計、発電量シミュレーションが一致していないと、後工程で修正が発生します。そのため、PVSyst上で入力した枚数や容量が、別途作成している配置図や機器表と合っているかを確認する習慣が必要です。


また、過積載率の考え方もこの段階で押さえておきたいポイントです。太陽光モジュール容量とパワーコンディショナ容量の比率によって、発電量や出力制限の発生状況が変わります。PVSystでは、過積載による影響をシミュレーション結果として確認できるため、単に容量比を見るだけでなく、年間でどの程度の損失が出るかを読むことが大切です。


基本機能5:損失条件の入力

5つ目の基本機能は、損失条件の入力です。PVSystの結果を実務で説明するうえで、損失設定は非常に重要です。太陽光発電設備では、日射がモジュールに当たったとしても、そのすべてが交流電力として利用できるわけではありません。温度上昇、配線抵抗、機器変換、汚れ、ミスマッチ、影、経年劣化など、さまざまな要因によって発電量は低下します。


初心者がまず理解すべきなのは、損失は「発電量を下げるための適当な係数」ではなく、設備条件や運用条件を反映するための設定だということです。損失条件を厳しくすれば発電量は低くなり、緩くすれば発電量は高くなります。しかし、重要なのは高い発電量を出すことではなく、実態に近く説明可能な条件を設定することです。


温度損失は、モジュール温度が上がることで出力が低下する影響を表します。設置方式、通風条件、屋根上か地上か、架台の高さなどによって温度条件は変わります。配線損失は、直流側や交流側のケーブル長、断面積、電流条件などと関係します。汚れ損失は、周辺環境、降雨、清掃頻度、粉じんの発生状況などによって変わります。ミスマッチ損失は、モジュール個体差やストリング間のばらつきなどを考慮する項目です。


PVSystでは、これらの損失が結果レポート上で内訳として表示されます。そのため、損失条件を入力するときは、後でレポートを見ながら説明することを意識しておくとよいです。たとえば、発電量が想定より低い場合、どの損失が大きいのかを確認し、設計条件に問題があるのか、前提条件が保守的なのかを判断できます。


学習段階では、まず代表的な損失項目を一つずつ変えて再計算してみるのがおすすめです。温度条件だけを変えた場合、配線損失だけを変えた場合、汚れ損失だけを変えた場合に、年間発電量がどれだけ変化するかを確認します。この作業を行うと、損失設定が結果に与える影響を数字で理解できます。


実務で注意したいのは、損失条件の根拠を残しておくことです。社内標準値、案件ごとの設計条件、過去案件の実績、現地環境など、どの考え方で入力したのかをメモしておくと、後から計算結果を見直すときに役立ちます。PVSystを使う担当者が変わっても、同じ前提を追えるようにしておくことが、実務品質の安定につながります。


基本機能6:影解析と周辺障害物の扱い

6つ目の基本機能は、影解析と周辺障害物の扱いです。太陽光発電では、建物、樹木、電柱、山、隣接設備、架台列同士の影などが発電量に影響します。PVSystでは、影の条件を入力し、発電量への影響を計算できます。特に屋根上設置や周辺に障害物が多い案件では、影解析を理解しておくことが重要です。


影には、大きく分けて遠方の地形や周辺障害物による影と、近接物による影があります。山や地形による朝夕の日射遮蔽、建物や樹木による部分的な影、地上設置の列間影など、影の種類によって入力方法や結果への影響が異なります。初心者は、まず影をまったく入れない場合と、簡単な障害物を入れた場合で結果を比較すると理解しやすいです。


影解析で注意したいのは、影の入力精度が低いと、シミュレーション結果も不確かになることです。障害物の高さ、距離、方位、形状が現地と大きく違っていると、影損失の計算も実態からずれてしまいます。現地写真や測量結果、配置図、周辺建物情報などをもとに、できるだけ現実に近い条件を入力することが大切です。


ただし、初期検討の段階から過度に細かい影モデルを作り込む必要はありません。概算設計では、主要な障害物や明らかに影響が大きい条件を押さえ、詳細設計段階で精度を上げるという進め方が現実的です。重要なのは、どの段階でどの程度の精度が必要かを判断することです。


地上設置では、列間隔と傾斜角の関係が影に大きく影響します。列間隔を狭くすると設置容量を増やしやすくなりますが、前列の影が後列にかかりやすくなります。一方、列間隔を広くすると影の影響は減りますが、土地利用効率が下がります。PVSystでは、こうした設計上のトレードオフを発電量や影損失として確認できます。


影解析は、発電量の精度だけでなく、顧客説明にも役立ちます。なぜこの配置にしたのか、なぜ列間隔を確保する必要があるのか、なぜ一部の屋根面は発電量が低くなるのかを説明するとき、影損失の考え方を理解していると説得力が増します。PVSystを実務で使うなら、影解析は後回しにせず、基本機能として早めに触れておくべき項目です。


基本機能7:シミュレーション結果とレポートの読み方

7つ目の基本機能は、シミュレーション結果とレポートの読み方です。PVSystは計算を実行して終わりではありません。むしろ実務では、出力された結果を読み解き、設計条件の妥当性を確認し、提案資料や社内資料に使える形に整理することが重要です。


まず確認したいのは、年間発電量です。設備全体で年間どれだけ発電する見込みかを示す基本的な数値であり、提案や収支検討の中心になります。ただし、年間発電量だけを見て判断するのは不十分です。月別発電量、性能比、損失内訳、出力制限、影損失なども併せて確認する必要があります。


月別発電量を見ると、季節ごとの発電傾向が分かります。夏に発電が多いのか、春や秋がピークになるのか、冬にどの程度落ち込むのかを確認できます。自家消費案件では、年間合計だけでなく、需要の発生する時期や時間帯と発電傾向が合っているかも重要です。PVSystの結果を読むときは、単に合計値を見るのではなく、発電の分布を理解することが大切です。


性能比は、設備が理想条件に対してどの程度効率よく発電しているかを見る指標です。性能比が極端に低い場合は、損失設定、影、機器構成、温度条件などを見直す必要があります。一方で、性能比が高すぎる場合も、損失条件が楽観的すぎないか確認すべきです。実務では、性能比を発電量の品質チェック指標として使うと便利です。


損失図や損失内訳は、PVSystのレポートで特に重要な部分です。どの段階でどれだけ発電量が減っているのかを視覚的に確認できます。日射の段階での損失、モジュール側の損失、変換時の損失、影の損失などを順番に見ることで、発電量が高い理由や低い理由を説明しやすくなります。


初心者がやりがちな失敗は、レポートの最終値だけを転記してしまうことです。しかし、実務では「なぜその発電量になったのか」を説明できる必要があります。たとえば、影損失が大きい案件では、配置や周辺障害物の条件を説明する必要があります。温度損失が大きい場合は、設置方式や通風条件の影響を確認する必要があります。出力制限が多い場合は、アレイ容量とパワーコンディショナ容量の関係を見直す必要があります。


PVSystのレポートは、顧客提出用の資料としてそのまま使う場合もありますが、社内説明や比較検討の資料としても活用できます。複数パターンを比較するときは、年間発電量だけでなく、損失内訳や月別傾向も比較することで、どの案が現実的か判断しやすくなります。


初心者がつまずきやすいポイント

PVSyst初心者がつまずきやすいポイントは、操作画面の複雑さそのものよりも、入力項目の意味を理解しないまま進めてしまうことです。画面上の項目を埋めるだけで計算はできますが、前提条件を理解していないと、結果が正しいのか、見直すべきなのか判断できません。


よくあるつまずきの一つは、気象データとサイト条件の関係を軽く見てしまうことです。設置場所に近いデータを選んだつもりでも、実際には地域差が大きい場合があります。また、気象データを変えたときの発電量差を確認していないと、結果の妥当性を説明しにくくなります。


次に多いのは、方位角や傾斜角の入力ミスです。角度の定義を誤解していると、実際とは異なる向きで計算してしまうことがあります。屋根面が複数ある案件では、それぞれの面の向きや角度を正しく分けて扱う必要があります。全体を一つの面として単純化しすぎると、実際の発電傾向とずれる可能性があります。


アレイ構成でもつまずきやすいです。モジュール枚数、直列数、並列数、パワーコンディショナ容量の整合が取れていないと、警告が出たり、想定外の損失が発生したりします。初心者のうちは警告表示を無視せず、なぜ表示されているのかを確認することが大切です。警告は作業を止めるものではなく、設計条件を見直すための手がかりです。


損失設定では、初期値のまま進めてしまうことがよくあります。もちろん学習段階では初期値を使って計算の流れを覚えることも有効ですが、実務では案件ごとの条件に応じて見直す必要があります。特に汚れ、配線、温度、影、経年劣化などは、計算結果に影響しやすい項目です。


また、レポートの読み方に慣れていないと、最終的な発電量だけを見て判断してしまいます。PVSystの価値は、発電量の合計だけでなく、損失の内訳や設計条件の影響を確認できるところにあります。結果レポートを読む習慣をつけることで、単なる操作担当から、条件を説明できる実務担当者へとレベルアップできます。


実務で使えるようになるための学習順

PVSystを効率よく学ぶには、機能を個別に暗記するのではなく、実務の流れに沿って一つの案件を最後まで通すことが大切です。最初は、設置場所を決め、気象データを選び、方位角と傾斜角を入力し、アレイ構成を作り、損失条件を設定し、影を簡単に入れ、シミュレーション結果を読むところまで進めます。この一連の流れを体験することで、各機能の位置づけが分かります。


最初の1回で完璧に理解する必要はありません。むしろ、最初は計算を最後まで通すことを優先し、2回目以降で条件を変えて比較する方が学習効果は高くなります。たとえば、傾斜角を変えた場合、過積載率を変えた場合、影を入れた場合、損失条件を変えた場合に、結果がどう変わるかを確認します。この比較作業によって、PVSystの数値がどの入力条件に反応しているのかが分かるようになります。


実務担当者にとって重要なのは、計算結果を社内外に説明できることです。そのため、学習の段階から「なぜこの条件にしたのか」「この数値は何を意味するのか」「発電量が変わった理由は何か」を言葉にする練習をしておくとよいです。PVSystを操作できるだけではなく、結果を説明できるようになることが、実務で使える状態です。


また、案件ごとに条件を整理する習慣も大切です。設置場所、気象データ、設備容量、方位角、傾斜角、アレイ構成、損失条件、影条件、計算結果を一つのメモとして残しておくと、後で比較や修正がしやすくなります。特に複数人で案件を扱う場合、条件の記録がないと、なぜその結果になったのか分からなくなることがあります。


PVSystの学習では、最初から高度な機能に進むよりも、今回紹介した7つの基本機能を繰り返し使うことが近道です。基本機能を理解すれば、詳細な損失設定、複雑な影解析、自家消費モデル、蓄電池を含む検討、複数案比較などにも進みやすくなります。土台がないまま応用機能に進むと、結果の意味が分からなくなりやすいため、まずは基本機能を確実に押さえることをおすすめします。


まとめ

PVSystでまず学ぶべき基本機能は、プロジェクト作成とサイト条件、気象データ、方位角と傾斜角、アレイ構成とストリング設計、損失条件、影解析、シミュレーション結果とレポートの7つです。この7つを順番に理解すれば、太陽光発電設備の発電量シミュレーションに必要な基本的な流れをつかむことができます。


PVSystの使い方を学ぶうえで大切なのは、単に画面操作を覚えることではありません。入力した条件が発電量にどう影響するのか、結果レポートの数値をどう読み解くのか、顧客や社内にどのように説明するのかを意識することです。発電量シミュレーションは、設計や提案の判断材料になるため、条件設定と結果確認の両方を丁寧に行う必要があります。


最初は、すべての機能を網羅しようとせず、基本機能を使って一つの案件を最後まで計算することから始めるのがよいです。その後、気象データ、角度、機器構成、損失条件、影条件を少しずつ変えて比較すると、PVSystの仕組みが実務感覚として理解できるようになります。計算結果をただ受け取るのではなく、条件と結果の関係を確認する習慣が、実務での精度向上につながります。


そして、PVSystのシミュレーション精度を高めるには、ソフト上の設定だけでなく、現地条件を正確に把握することも欠かせません。周辺障害物の位置、地形の起伏、設置予定範囲、架台位置、影の原因となる構造物など、現場の情報が曖昧なままでは、入力条件にも不確かさが残ります。発電量シミュレーションをより実態に近づけるには、現地の位置情報や地形情報を効率よく取得し、設計条件に反映する流れが重要です。


そのような現地確認や簡易測量の場面では、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用することで、設置予定地の位置確認、現況把握、写真記録、点群取得などを現場で行いやすくなります。PVSystで発電量を検討し、現場ではLRTKを使って位置や地形を確認することで、机上のシミュレーションと実際の現地条件をつなげやすくなります。太陽光発電の設計や提案でPVSystを学ぶなら、あわせて現場情報を正確に取得する方法も整えておくことが、実務品質を高める大きな一歩になります。


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