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【PVSystでアレイ構成を決める方法|初心者向け6ステップ】

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この記事は平均6分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

PVSystでアレイ構成を決める前に理解すること

ステップ1:敷地条件と設計目的を整理する

ステップ2:モジュールと変換器の基本条件を確認する

ステップ3:直列枚数を電圧条件から決める

ステップ4:並列数と容量比を調整する

ステップ5:方位角・傾斜角・影条件に合わせてアレイを分ける

ステップ6:シミュレーション結果を見て構成を確定する

アレイ構成で初心者がつまずきやすいポイント

現地条件を正しく反映するために必要な測量データ

まとめ:PVSystのアレイ構成は現地情報の精度で差がつく


PVSystでアレイ構成を決める前に理解すること

PVSystでいうアレイ構成とは、太陽電池モジュールをどのように組み合わせて発電システムを作るかを決める設定です。具体的には、モジュールの種類、直列枚数、並列ストリング数、接続先の変換器、方位角、傾斜角、サブアレイの分け方などが関係します。初心者のうちは、アレイ構成を「モジュール枚数を入力する場所」と考えがちですが、実務ではそれだけでは不十分です。


太陽光発電では、モジュールを直列につなぐと電圧が上がり、並列につなぐと電流と容量が増えます。変換器には入力できる電圧範囲や電流範囲があり、その範囲に収まらない構成は現実的な設計になりません。PVSystでは、こうした電気的な整合性を確認しながら、発電量や損失を計算します。そのため、画面上でエラーが出ていなくても、実際の設計意図と合っているかを確認する必要があります。


また、アレイ構成は発電量だけでなく、損失の出方にも影響します。同じ合計容量でも、方位が異なる面を無理に一つのアレイとして扱うと、実際よりも単純化された計算になる場合があります。影のかかり方が異なる範囲をまとめすぎると、影損失の評価が粗くなります。逆に、細かく分けすぎると管理が複雑になり、入力ミスの原因になります。PVSystでは、実際の電気設計とシミュレーション上の扱いやすさの両方を考えながら、適切な粒度でアレイを組むことが大切です。


初心者がまず意識すべきことは、アレイ構成を最初から一発で決めようとしないことです。設計目的を整理し、機器仕様を確認し、直列数と並列数を仮決めし、シミュレーション結果を見ながら調整するという流れで進めると、判断の根拠が明確になります。PVSystは結果を確認しながら設計案を比較できるため、最初の入力値にこだわりすぎず、複数の候補を検討する姿勢が重要です。


ステップ1:敷地条件と設計目的を整理する

アレイ構成を決める最初のステップは、敷地条件と設計目的を整理することです。PVSyst上でモジュールや変換器を選ぶ前に、そもそもどのような発電所を想定しているのかを明確にしておく必要があります。屋根上なのか、地上設置なのか、斜面地なのか、限られた敷地に最大限の容量を載せたいのか、影の影響を抑えながら安定した発電量を重視したいのかによって、アレイ構成の考え方は変わります。


たとえば、面積が限られている案件では、できるだけ多くのモジュールを配置したいという考えになりやすいです。しかし、詰め込みすぎると列間影が増え、年間発電量の伸びが鈍くなることがあります。発電容量は増えたのに、単位容量あたりの発電量が下がる場合もあります。逆に、ゆとりを持って配置すれば影損失を抑えやすくなりますが、敷地を十分に使い切れない可能性があります。このような判断は、アレイ構成の前提として整理しておくべき内容です。


設計目的も重要です。概算検討の段階であれば、多少単純化したアレイ構成でも全体像を把握できます。しかし、社内稟議、事業性検討、施工前確認、発注仕様の確認に使う場合は、より実態に近い構成が求められます。モジュールの向きや設置面が複数ある場合、どこまで細かく分けるかを判断しなければなりません。PVSystで精度の高い結果を出したいなら、入力の前に「このシミュレーションは何を判断するためのものか」を決めておくことが欠かせません。


敷地条件を整理するときは、日射を遮る建物、樹木、法面、設備、フェンスなども確認します。特に地上設置では、地形の起伏や造成計画がアレイ配置に影響します。平坦な土地を前提にした構成と、実際の高低差を反映した構成では、影の出方や列間距離の考え方が変わります。PVSystでアレイ構成を決める前に、図面だけでなく現地の状況を把握しておくと、後工程での修正を減らせます。


この段階では、いきなり細かな直列枚数を決める必要はありません。まずは、設置できるおおよそのモジュール枚数、設置面の数、方位角と傾斜角の候補、影の懸念箇所、変換器をまとめて置ける範囲などを整理します。ここまで準備してからPVSystに入ると、単なる入力作業ではなく、設計判断としてアレイ構成を組み立てられるようになります。


ステップ2:モジュールと変換器の基本条件を確認する

次に、使用する太陽電池モジュールと変換器の基本条件を確認します。PVSystでは、登録されている機器データを選択してアレイ構成を組むことができますが、初心者は選択しただけで安心しないように注意が必要です。実際に使う型式、仕様書上の電圧、電流、出力、温度係数、最大入力条件などを確認し、シミュレーション上の設定と合っているかを見ておきます。


モジュール側で重要になるのは、標準試験条件での出力、開放電圧、最大出力動作電圧、短絡電流、最大出力動作電流、温度係数などです。特に直列枚数を決めるときには、低温時に開放電圧が上がることを考慮する必要があります。気温が低い地域では、同じ直列枚数でも最大電圧が高くなりやすく、変換器の入力上限に近づくことがあります。


変換器側では、最大入力電圧、動作電圧範囲、最大入力電流、入力回路数、定格出力、過積載に対する許容の考え方などを確認します。PVSyst上で警告が出る場合、直列枚数が多すぎる、少なすぎる、並列数が多すぎる、容量比が極端であるといった原因が考えられます。警告を単に消すのではなく、なぜその警告が出ているのかを理解することが大切です。


初心者が混乱しやすいのは、モジュール容量の合計と変換器容量の関係です。太陽電池の直流容量を変換器の交流容量より大きくする設計は一般的に行われますが、大きくしすぎると出力抑制や変換器側の制限による損失が増える可能性があります。一方で、容量比を小さくしすぎると、変換器を十分に活用できない場合があります。どの程度の容量比がよいかは、日射条件、温度条件、設置角度、方位、影、事業目的によって変わるため、PVSystで比較しながら判断するのが現実的です。


このステップで大切なのは、機器仕様をアレイ構成の制約条件として扱うことです。モジュール枚数を先に決めてから無理に変換器へ合わせるのではなく、変換器が安全に受けられる電圧と電流の範囲を確認し、その範囲内で直列数と並列数を組み立てます。PVSystは入力値の整合性を確認するための助けになりますが、最終的な判断は設計者が行う必要があります。


ステップ3:直列枚数を電圧条件から決める

アレイ構成の中でも、直列枚数は特に重要です。直列枚数とは、1本のストリングに何枚のモジュールをつなぐかを表します。直列に接続すると電圧が積み上がるため、直列枚数が多いほどストリング電圧は高くなります。PVSystでアレイ構成を決める際は、まずこの直列枚数が変換器の入力範囲に収まるかを確認します。


直列枚数を決めるときは、低温時の最大電圧と高温時の動作電圧の両方を見る必要があります。低温時にはモジュールの開放電圧が上昇します。そのため、寒い朝などにストリング電圧が変換器の最大入力電圧を超えないようにしなければなりません。反対に、高温時には動作電圧が下がります。直列枚数が少なすぎると、暑い時期に変換器の動作電圧範囲を下回り、発電効率が落ちる可能性があります。


PVSystでは、直列枚数を入力した際に電圧範囲に関する警告や注意が表示されることがあります。初心者は、赤い表示や警告だけに注目しがちですが、警告が出ていない場合でも余裕度を確認することが大切です。最大電圧に近すぎる構成は、条件が少し変わっただけでリスクが高まります。動作電圧範囲の下限に近すぎる構成も、夏季や高温地域では不安定な条件になりやすいです。


実務では、直列枚数は機器仕様だけでなく、施工性にも関係します。同じ直列枚数で全ストリングをそろえられれば、設計図面や施工管理がわかりやすくなります。設置面ごとにモジュール枚数が異なる場合でも、できるだけ同じ直列枚数で構成できるように配置を調整すると、後の確認がしやすくなります。ただし、屋根形状や障害物の影響で同じ枚数にできない場合は、サブアレイを分けるなどの対応が必要になります。


PVSystで直列枚数を決める際は、最初に候補となる枚数を入れ、電圧範囲の表示を確認し、必要に応じて1枚単位で増減させながら調整します。ここで無理に容量を増やそうとして直列枚数を上げすぎると、低温時の電圧上限に引っかかることがあります。逆に、安全側を意識しすぎて直列枚数を減らしすぎると、動作電圧が不足する場合があります。直列枚数は、発電量と安全性の両方に関わるため、アレイ構成の中で最初に慎重に決めるべき項目です。


ステップ4:並列数と容量比を調整する

直列枚数を決めたら、次に並列数を調整します。並列数とは、同じように直列接続されたストリングを何本並べるかを表します。並列数を増やすと、モジュールの合計枚数と直流容量が増えます。PVSystでは、直列枚数と並列数を組み合わせることで、サブアレイ全体の容量が決まります。


並列数を考えるときに重要なのは、変換器の入力電流と容量比です。ストリングを増やせば発電容量は増えますが、入力電流も増えます。変換器の許容範囲を超える構成は現実的ではありません。PVSyst上で入力電流に関する警告が出た場合は、並列数を減らす、入力を分ける、変換器構成を見直すなどの対応が必要です。


容量比は、太陽電池側の直流容量と変換器側の交流容量の関係を見る指標です。容量比が低いと、変換器の能力に対してモジュール容量が少なく、設備を十分に活用できない可能性があります。容量比が高いと、日射が強い時間帯に変換器の出力上限で頭打ちになり、切り捨てられる発電が増える場合があります。ただし、容量比が高いから必ず悪いというわけではありません。朝夕や曇天時の発電を厚くし、年間発電量を増やす狙いで直流容量を大きめに設計することもあります。


初心者は、容量比だけを見て良し悪しを判断しないように注意が必要です。重要なのは、年間発電量、損失、変換器制限による損失、設備利用のバランスを見ることです。PVSystでは、シミュレーション結果に各種損失が表示されるため、並列数を変えたケースを比較すると、容量を増やした効果がどの程度あるかを確認できます。モジュールを増やしても、影損失や出力制限が大きくなりすぎる場合は、期待したほど発電量が伸びないことがあります。


並列数の調整では、設置面に実際に置ける枚数との整合も重要です。机上ではきれいなストリング数になっていても、現地の形状や通路、保守スペース、周辺設備の影響で配置できない場合があります。PVSystに入力する枚数は、実際のレイアウトと対応していなければ意味がありません。特に屋根上や複雑な敷地では、端数のモジュールをどう扱うかが問題になります。端数を無理に組み込むよりも、アレイを分けたり、配置を見直したりしたほうが、電気的にも管理上も自然な構成になることがあります。


PVSystで並列数を調整する際は、直列枚数を固定したまま並列数を増減し、合計容量、変換器との容量比、警告表示、損失の変化を見ます。この作業は一度で終わるものではありません。候補を複数作り、発電量と損失の差を比較しながら、実務上説明しやすい構成に絞っていくことが大切です。


ステップ5:方位角・傾斜角・影条件に合わせてアレイを分ける

アレイ構成では、電気的な直列数や並列数だけでなく、設置面の条件も考慮する必要があります。方位角や傾斜角が異なるモジュール群を同じアレイとして扱うと、実際の発電挙動を十分に表現できない場合があります。PVSystでは、設置条件が異なる範囲をサブアレイとして分けることで、より現実に近いシミュレーションができます。


たとえば、建物の屋根で南向き面と東向き面にモジュールを置く場合、それぞれの日射の受け方は異なります。朝に強い面、昼に強い面、午後に強い面があり、発電ピークの時間帯も変わります。これらを一つにまとめると、平均化された条件になり、実際の発電特性とずれる可能性があります。地上設置でも、斜面の向きが途中で変わる場合や、造成の都合で傾斜が異なる場合は、サブアレイを分けて考えるほうが自然です。


影条件もアレイ分けの重要な判断材料です。同じ発電所内でも、午前中だけ影がかかる範囲、午後に影が伸びる範囲、冬季だけ影の影響を受ける範囲があります。影のかかり方が明らかに異なるモジュール群を同じ扱いにすると、影損失の評価が粗くなります。PVSystで影解析を行う場合は、影を受ける範囲と受けにくい範囲を分けておくと、結果の解釈がしやすくなります。


ただし、サブアレイを細かく分けすぎると、入力や管理が複雑になります。初心者がすべての小さな違いを別アレイにしようとすると、構成がわかりにくくなり、後で数値を確認するのが大変になります。実務では、発電量に大きく影響する違いを優先して分けることが大切です。方位角が大きく異なる、傾斜角が異なる、影の条件が明確に違う、接続する変換器が異なるといった場合は、サブアレイとして分ける候補になります。


PVSystでアレイを分けるときは、実際の電気系統との整合も確認します。シミュレーション上では分けていても、実際の接続が一体であれば、その扱いが妥当かを考える必要があります。反対に、実際には別入力や別回路で管理するのに、シミュレーション上でまとめてしまうと、結果説明が難しくなります。サブアレイは、現地の配置、影、方位、電気系統をつなぐ設定です。見た目の配置だけでなく、実際にどのように接続されるかを意識して分けましょう。


ステップ6:シミュレーション結果を見て構成を確定する

直列枚数、並列数、容量比、サブアレイ分けを設定したら、シミュレーションを実行して結果を確認します。PVSystでは、入力したアレイ構成に対して年間発電量、各種損失、性能指標、月別発電量などが表示されます。アレイ構成を決める作業は、入力して終わりではなく、結果を見て妥当性を判断するところまで含まれます。


まず確認したいのは、警告やエラーの有無です。電圧範囲、電流範囲、容量比、変換器制限などに関するメッセージが表示されている場合は、内容を読み、設計上許容できるものかを判断します。初心者は、警告を消すことだけを目的にしがちですが、警告の意味を理解することが重要です。たとえば、容量比が高いという注意が出た場合でも、年間発電量や出力制限損失を見て、事業目的に合っていれば候補として残ることがあります。


次に、損失の内訳を確認します。モジュール温度による損失、配線損失、変換損失、影損失、出力制限に関わる損失などを見て、極端に大きな項目がないかを確認します。特定の損失だけが大きい場合、アレイ構成や設置条件に問題があるかもしれません。たとえば、容量を増やしたケースで発電量は増えているものの、出力制限による損失が大きくなっているなら、容量比を見直す価値があります。影損失が想定以上に大きいなら、配置や列間距離、サブアレイ分けを再検討する必要があります。


月別発電量の確認も重要です。年間発電量だけを見ると問題がなさそうでも、特定の季節に損失が大きく出ている場合があります。冬季の太陽高度が低い時期に列間影が大きくなる、夏季の高温時に電圧条件が厳しくなる、朝夕に特定方向の影が効いているといった傾向は、月別や時間帯の結果を見ることで把握しやすくなります。アレイ構成を確定する前に、年間の合計値だけでなく、季節ごとの挙動を確認しましょう。


複数案を比較する場合は、モジュール枚数、直列数、並列数、容量比、年間発電量、主な損失、影条件を同じ観点で見ます。発電量が最も大きい案が常に最適とは限りません。施工しやすい構成、保守しやすい構成、説明しやすい構成、安全側の余裕がある構成が選ばれることもあります。PVSystの結果は意思決定の材料であり、設計全体のバランスを見て判断することが大切です。


最終的にアレイ構成を確定するときは、なぜその直列枚数にしたのか、なぜその並列数にしたのか、なぜサブアレイを分けたのかを説明できる状態にしておきます。社内レビューや顧客説明では、単に「PVSystで計算した結果です」と伝えるだけでは不十分です。設計条件、入力条件、比較した観点、採用理由を整理しておくことで、シミュレーション結果の信頼性が高まります。


アレイ構成で初心者がつまずきやすいポイント

PVSystのアレイ構成で初心者がつまずきやすいのは、入力項目が電気設計と配置計画の両方にまたがっているためです。地点設定や気象条件のように、順番に入力すれば完了する項目とは異なり、アレイ構成は複数の条件を行き来しながら決める必要があります。そのため、最初はどこから考えればよいのか分かりにくく感じます。


よくあるつまずきの一つは、合計容量だけを合わせようとすることです。たとえば、目標容量に近づけるためにモジュール枚数を調整しても、直列枚数が変換器の電圧範囲に合っていなければ、現実的な構成にはなりません。合計容量は重要ですが、それは直列数、並列数、電圧、電流、容量比が整ったうえで意味を持ちます。まず電気的な成立条件を満たし、そのうえで目標容量に近づけるという順番で考えると、迷いが減ります。


次につまずきやすいのは、サブアレイの分け方です。方位角が違う面をまとめてよいのか、少しだけ傾斜が違う場合も分けるべきか、影が一部だけにかかる場合はどうするのかといった判断に悩むことがあります。基本的には、発電挙動が明らかに異なる範囲は分けるほうが結果を解釈しやすくなります。ただし、差が小さく、実務上の影響が限定的であれば、まとめて扱うこともあります。重要なのは、分けるかどうかの判断理由を説明できることです。


警告表示への対応も初心者が迷いやすい部分です。PVSystでは、入力値に対して注意や警告が表示されることがあります。これを見て不安になり、適当に数値を変えて警告を消してしまうと、設計意図が崩れる場合があります。警告が出たときは、どの条件が原因なのかを確認し、直列数、並列数、変換器選定、容量比、温度条件のどれを見直すべきかを切り分けることが大切です。


また、現地の配置とPVSyst上の設定がずれることもよくあります。図面上ではきれいに配置されているように見えても、実際には通路、保守スペース、機器置き場、フェンス、法面、排水設備などの制約があります。現地条件を十分に反映せずにアレイ構成を決めると、後からモジュール枚数やストリング数を変更しなければならないことがあります。PVSystの入力だけで完結させず、必ず現地条件や配置図と照合することが重要です。


さらに、シミュレーション結果を発電量だけで判断することも注意点です。発電量が高い案でも、損失が大きい、容量比が極端、施工性が悪い、影の影響を受けやすいといった問題がある場合があります。実務では、発電量、損失、安全性、施工性、保守性、説明のしやすさを総合的に見ます。PVSystは最適案を自動で決める道具ではなく、設計者が判断するための材料を整理する道具として使うのが適切です。


現地条件を正しく反映するために必要な測量データ

PVSystでアレイ構成を適切に決めるには、現地条件の把握が欠かせません。特に地上設置や複雑な屋根形状の案件では、現地の高低差、方位、障害物の位置、周辺地物の高さがアレイ構成に影響します。図面だけをもとに入力すると、実際の影や傾斜を十分に反映できない場合があります。


地上設置では、土地が完全に平坦であるとは限りません。わずかな起伏でも、列間影や架台高さの考え方に影響することがあります。斜面地では、同じ傾斜角で配置したつもりでも、地形に沿って設置する場合と造成して整える場合で条件が変わります。PVSystで影解析やアレイ配置を行う際には、地形の情報が正確であるほど、実態に近い検討ができます。


屋根上設置でも、現地確認は重要です。屋根の勾配、向き、段差、設備機器、手すり、隣接建物などが発電量に影響します。特に影を作る対象物は、平面図だけでは高さや位置関係を把握しにくいことがあります。現地の測位データや点群データがあれば、影の原因となる構造物をより正確に把握し、PVSystでの入力条件を整理しやすくなります。


アレイ構成を決める段階で必要な現地情報は、単に敷地の外形だけではありません。モジュールを置ける範囲、避けるべき範囲、影の原因、変換器や接続箱を配置する場所、ケーブルルート、保守動線なども関係します。これらの情報が曖昧なままだと、PVSyst上では成立していても、実際の施工計画と合わない構成になってしまいます。


また、PVSystの結果を社内や顧客に説明する際にも、現地データの有無は説得力に影響します。現地の座標や高さ、障害物の位置を把握したうえでアレイ構成を組んでいる場合、なぜその配置にしたのか、なぜそのサブアレイ分けにしたのかを説明しやすくなります。反対に、現地条件が曖昧なままだと、結果の精度について質問されたときに根拠を示しにくくなります。


PVSystの使い方を覚えることは重要ですが、入力値の元になる現地情報の精度も同じくらい重要です。シミュレーションは、入力した条件に基づいて結果を出します。つまり、現地条件が正確でなければ、どれだけ丁寧にPVSystを操作しても、結果の信頼性には限界があります。アレイ構成を実務で使えるレベルにするには、ソフト上の操作と現地測量を一体で考えることが大切です。


まとめ:PVSystのアレイ構成は現地情報の精度で差がつく

PVSystでアレイ構成を決めるときは、敷地条件を整理し、モジュールと変換器の仕様を確認し、直列枚数を電圧条件から決め、並列数と容量比を調整し、方位角や傾斜角、影条件に合わせてサブアレイを分け、最後にシミュレーション結果を見て妥当性を確認する流れが基本です。この6ステップを押さえることで、初心者でも入力値の意味を理解しながら設計を進められます。


アレイ構成は、発電量を大きくするためだけの作業ではありません。安全な電圧範囲に収めること、変換器との相性を確認すること、影損失を適切に評価すること、実際の配置や施工性と整合させることが求められます。PVSystの画面上で数値が入っていても、現地条件や機器仕様と合っていなければ、実務で使えるシミュレーションにはなりません。


特に重要なのは、現地の形状や障害物、方位、傾斜、高低差を正確に把握することです。アレイ構成の精度は、ソフト上の設定だけでなく、入力前に集めた現地情報の質に大きく左右されます。敷地の測位、設備位置の確認、影の原因となる構造物の把握を丁寧に行うことで、PVSystの結果はより現実に近づきます。


現場で使える高精度な位置情報を効率よく取得したい場合は、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用することで、太陽光発電所の候補地確認や現況把握を進めやすくなります。現地で取得した座標情報や周辺状況をもとに、設置範囲、障害物、測点、地形条件を整理できれば、PVSystに入力する前提条件の精度も高められます。アレイ構成を机上の検討だけで終わらせず、現場の位置情報と結びつけて設計に反映することが、発電シミュレーションの信頼性を高める近道です。


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