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PVSystの画面の見方を解説|初心者が迷う8項目を整理

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この記事は平均7分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

PVSystの画面は案件作成から結果確認までの流れで見る

メイン画面では解析レベルと作業メニューを確認する

プロジェクト画面では案件情報と場所条件を整理する

気象データ画面では地点とデータ種別を確認する

システム画面ではパネルとPCSの組み合わせを見る

レイアウト画面では方位と傾斜と配置条件を見る

影設定画面では周辺障害物と影の計算条件を見る

損失設定画面では現場条件を数値として反映する

結果画面では年間発電量と損失内訳を読み取る

PVSystの画面を実務で使いこなすための確認手順


PVSystの画面は案件作成から結果確認までの流れで見る

PVSystの画面を理解するときに大切なのは、個別のボタンや入力欄を暗記することではなく、全体の作業の流れを先に把握することです。PVSystは、太陽光発電設備の設計条件を入力し、気象データや機器条件をもとに発電量を計算し、その結果を評価するためのソフトです。そのため、画面構成も基本的には、案件を作成する、条件を設定する、シミュレーションを実行する、結果を確認する、という順番に沿って作られています。


初心者が迷いやすい理由は、画面上に多くの設定項目が並んでいるからです。初めて見ると、すべてを正確に入力しないと先に進めないように感じるかもしれません。しかし実務では、最初から細かい損失値や影の条件まで完璧に設定するのではなく、まず基本条件で概算を作り、その後に現場条件や設計条件を反映して精度を高めていく進め方が一般的です。


PVSystの画面は、設計の成熟度に応じて使い分けるものです。初期検討では、設置場所、設備容量、パネル面の傾斜、方位、概略の機器構成を中心に確認します。詳細設計では、ストリング構成、PCS容量、温度損失、配線損失、影の影響、稼働停止、汚れ、経年劣化などを見ていきます。完成に近い段階では、結果レポートの数値が設計条件と整合しているか、想定外の損失や警告が出ていないかを確認します。


画面を見る順番としては、最初にプロジェクト全体の情報を確認し、次に気象データ、設備構成、レイアウト、影、損失、結果の順で進むと理解しやすくなります。各画面は独立しているように見えますが、実際にはすべてつながっています。気象データが変われば発電量が変わり、パネルの傾斜や方位が変われば日射量の受け方が変わります。PCS容量が変われば出力制限の発生量が変わり、影や汚れの条件が変われば損失内訳が変わります。


画面の見方に慣れるためには、「この画面は何を決める画面か」「この入力値は結果のどこに影響するか」「後から修正できる項目か」を意識することが重要です。PVSystは入力欄が多いため、初心者ほど細部に目が行きがちですが、まずは大きな流れを押さえることで、操作の迷いは大きく減ります。


メイン画面では解析レベルと作業メニューを確認する

PVSystを起動して最初に見るメイン画面は、作業の入口となる画面です。ここでは、どの種類の解析を行うのか、既存の案件を開くのか、新しい案件を作成するのか、どの設定領域に進むのかを判断します。初心者にとっては、このメイン画面でどのメニューを選べばよいかが最初の迷いどころになります。


メイン画面では、まず自分が行いたい作業が「新規案件の作成」なのか、「既存案件の編集」なのか、「結果の確認」なのかを分けて考えると分かりやすくなります。新しい発電所の検討を始める場合は、プロジェクトを新規作成し、場所や気象条件を設定する流れに進みます。すでに作成済みの案件を修正する場合は、既存プロジェクトを開き、対象の条件を変更します。過去に実行した結果を確認する場合は、シミュレーション結果やレポートの画面を開きます。


メイン画面で注意したいのは、同じ案件の中でも複数の設計案を扱える点です。たとえば、同じ敷地で傾斜角を変えた案、パネル容量を変えた案、PCS容量を変えた案、影の条件を変えた案などを比較することがあります。このとき、画面上ではプロジェクトと設計案の関係を意識する必要があります。プロジェクトは案件全体を表し、設計案はその中の条件パターンを表す、と考えると理解しやすいです。


初心者がよく混乱するのは、設定画面に入る前に複数の選択肢が表示されることです。どれを選んでも似たような画面に進めるように見える場合がありますが、実務では「年間発電量を確認したいのか」「機器構成を詰めたいのか」「影の影響を見たいのか」によって見るべき画面が変わります。まずは発電量シミュレーションを目的としているなら、詳細な研究や特殊な解析ではなく、標準的な系統連系型の発電設備を想定した画面を中心に使うのが基本です。


メイン画面では、最初からすべての機能を使おうとする必要はありません。発電量計算の実務でよく見るのは、プロジェクト作成、気象データ設定、システム設定、レイアウト設定、影設定、損失設定、シミュレーション実行、結果確認の流れです。この一連の画面を使えるようになれば、基本的なPVSystの使い方はかなり理解できます。


画面を開いたときは、今どの階層にいるのかを確認する習慣を持つとよいです。案件全体の画面なのか、設計案の画面なのか、個別条件の画面なのかを区別できるようになると、入力値の保存先や結果への反映範囲を間違えにくくなります。特に複数案を比較しているときは、どの案を開いているのかを確認せずに編集すると、意図しない条件変更につながることがあります。


プロジェクト画面では案件情報と場所条件を整理する

プロジェクト画面は、PVSystの中で案件の基本情報を管理する画面です。ここでは、発電所の所在地、緯度経度、標高、タイムゾーン、気象データとの紐づけ、案件名、設計案名などを確認します。発電量シミュレーションは設置場所の条件に大きく左右されるため、プロジェクト画面は単なる名前入力の画面ではなく、計算の前提を決める重要な画面です。


初心者がまず確認すべきなのは、案件の場所が正しく設定されているかです。太陽光発電の発電量は、地域の日射量、気温、太陽高度、季節変動の影響を受けます。同じ設備容量でも、設置地点が変われば年間発電量は変わります。そのため、緯度経度や地点情報がずれていると、後の計算結果も実態とずれてしまいます。


プロジェクト画面では、住所や地名だけで判断せず、緯度経度や標高などの数値条件も確認することが大切です。特に山間部、造成地、広大な発電所用地では、代表点をどこに置くかによって標高や周辺地形の見え方が変わることがあります。初期検討では敷地中央の代表点を使うことが多いですが、詳細検討では実際のアレイ配置範囲を意識して地点を確認した方がよい場合があります。


案件名や設計案名も実務上は重要です。単に「新規プロジェクト」や「案1」のような名前で管理すると、後から条件を比較するときに混乱しやすくなります。画面上で複数案を扱う場合は、傾斜角、容量、PCS比、影あり、影なし、損失条件など、違いが分かる名前を付けておくと管理しやすくなります。PVSystの画面の見方に慣れていないうちは、どの案が最新なのか分からなくなることが多いため、命名ルールを決めるだけでも作業ミスを減らせます。


プロジェクト画面で気をつけたいのは、場所条件と気象データが別々の概念である点です。設置場所を入力しただけでは、必ずしも適切な気象データが設定されたことにはなりません。場所情報は案件の位置を示し、気象データは計算に使う日射量や気温などの時系列または月別データを示します。この二つが近い地点で整合しているかを確認することが、正しいシミュレーションの第一歩です。


また、プロジェクト画面は後工程のすべての画面に影響します。場所が変われば、太陽の軌道、日射条件、気温条件、影の影響の見え方も変わります。したがって、システム設定や損失設定に入る前に、まずプロジェクト画面で案件の基本条件を固めることが重要です。後から場所条件を変更すると、すでに確認した結果を再評価する必要が出てきます。


気象データ画面では地点とデータ種別を確認する

気象データ画面は、PVSystの発電量計算において非常に重要な画面です。ここでは、対象地点の日射量、気温、風速など、発電量に影響する気象条件を選択または作成します。初心者は機器容量やパネル設定に注目しがちですが、実際には気象データの選び方によって年間発電量の結果は大きく変わります。


気象データ画面で最初に見るべきなのは、データの地点が案件の設置場所と合っているかです。近隣の代表地点のデータを使う場合でも、距離、標高、地形、海沿いか内陸か、山間部か平野部かによって日射や気温の傾向が変わることがあります。単に最も近い地点を選ぶだけでなく、発電所の環境を代表できるデータかどうかを考えることが大切です。


次に確認すべきなのは、気象データの種類です。月別平均データを使う場合、入力や比較は簡単ですが、時間ごとの変動や一時的な影の影響を細かく反映しにくい場合があります。一方、時間別データを使う場合は、より細かなシミュレーションに向いていますが、データの品質や期間の確認が重要になります。実務では、初期段階では入手しやすい代表的なデータを使い、詳細検討では精度や根拠を確認したデータに切り替えることがあります。


気象データ画面では、日射量の種類にも注意が必要です。太陽光発電では、水平面日射量、直達日射量、散乱日射量、傾斜面日射量など、複数の考え方があります。PVSystは入力された気象データをもとに、パネル面に入射する日射を計算します。そのため、どの種類のデータが入っているのか、変換や補完が行われているのかを理解しておくと、結果の読み取りがしやすくなります。


初心者が見落としやすいのは、気象データを選択した後に、グラフや月別値の傾向を確認しないことです。年間発電量だけを見るのではなく、月ごとの日射量や気温の変化が自然な傾向になっているかを確認することが大切です。たとえば、夏と冬の傾向が極端に不自然でないか、気温が現地の気候感と大きくずれていないか、日射量が過度に高すぎたり低すぎたりしないかを見ます。


気象データ画面は、後から結果を説明するときにも重要です。発電量の根拠を聞かれたとき、どの地点のどのデータを使ったのかを説明できなければ、シミュレーション結果の信頼性が下がってしまいます。PVSystの画面を使いこなすには、気象データを単なる選択項目として扱うのではなく、発電量計算の前提条件として確認する姿勢が必要です。


システム画面ではパネルとPCSの組み合わせを見る

システム画面は、PVSystの画面の中でも実務担当者が最もよく確認する画面の一つです。ここでは、太陽光パネルの種類、枚数、ストリング構成、PCSの容量、入力回路、電圧範囲、直流容量と交流容量の関係などを設定します。発電設備として成立するかどうかを判断する画面であり、年間発電量だけでなく、設計の妥当性にも関わります。


初心者が最初に見るべきなのは、直流側の容量と交流側の容量の関係です。太陽光発電では、パネル容量とPCS容量が完全に同じになるとは限りません。パネル容量をPCS容量より大きくする設計もあり、その場合は高日射時に出力制限が発生する可能性があります。PVSystのシステム画面では、このような容量比や出力制限の影響を確認できます。


次に重要なのが、パネルとPCSの電気的な整合です。ストリングあたりの直列枚数、並列数、入力電圧、最大電流、温度変化による電圧上昇や低下などが、機器の許容範囲に入っているかを確認します。画面上で警告や注意が表示される場合は、単なる表示として無視せず、どの条件が範囲外になっているのかを確認する必要があります。


システム画面では、パネルの型式やPCSの仕様を選ぶだけでなく、実際の配線構成を意識することが大切です。たとえば、同じパネル枚数でも、直列数と並列数の組み方によって電圧や電流が変わります。電圧範囲に余裕がない設計では、低温時の開放電圧や高温時の動作電圧が問題になることがあります。PVSystの画面では、こうした範囲を確認しながら構成を調整します。


初心者が迷いやすいのは、入力欄に数字を入れる順番です。最初から詳細なストリング構成を完璧に入れようとすると難しく感じます。まずは設備容量の目安を決め、パネル枚数を設定し、PCS容量を選び、その後にストリング構成を整えるという順番で見ると理解しやすくなります。発電量の概算を早く確認したい場合でも、電気的な警告が出ている状態の結果はそのまま使わない方が安全です。


また、システム画面はレイアウト画面とも関係します。画面上では電気的な構成を設定していても、実際の敷地にその枚数が配置できるとは限りません。逆に、レイアウト上は配置できても、電気的なストリング構成が成立しない場合もあります。そのため、PVSystの使い方としては、システム画面とレイアウト画面を行き来しながら、容量と配置の整合を取ることが重要です。


レイアウト画面では方位と傾斜と配置条件を見る

レイアウト画面では、太陽光パネルをどの向きに、どの角度で、どのように配置するかを確認します。PVSystの発電量計算では、パネル面に入る日射量が重要であり、その日射量は方位と傾斜に大きく影響されます。したがって、レイアウト画面は単なる配置図を見る画面ではなく、発電特性を決める画面として理解する必要があります。


初心者が最初に確認すべきなのは、方位の設定です。パネルがどちらを向いているかによって、午前と午後の発電傾向、年間の日射取得量、季節ごとの発電量が変わります。方位角の入力では、基準方向や符号の考え方を間違えると、意図と違う向きに設定される可能性があります。画面上の表示だけでなく、数値としてどの方位を向いているかを確認することが大切です。


次に見るべきなのは、傾斜角です。傾斜角は、年間発電量、冬季の日射取得、夏季の発電特性、積雪や汚れの影響などに関係します。低い傾斜では設置密度を高めやすい一方、影の影響や汚れの残り方を考慮する必要があります。高い傾斜では冬季の日射取得に有利になる場合がありますが、風荷重や列間隔、配置可能枚数との兼ね合いがあります。


レイアウト画面では、パネルの配置間隔も重要です。列と列の間隔が狭いと、前列の影が後列にかかる時間が増えます。特に太陽高度が低い冬季や朝夕には、列間影が発電量に影響します。PVSystでは、配置条件をもとに影や日射の計算へつなげるため、レイアウト画面の設定が影設定や結果画面にも関係します。


初心者が見落としやすいのは、レイアウトの見た目と計算条件が必ずしも同じ意味ではない点です。画面上でパネルが並んでいるように見えても、計算に使われる方位、傾斜、間隔、影の扱いが正しく設定されていなければ、結果は意図した条件になりません。配置図を見て安心するのではなく、数値設定と計算条件を確認することが大切です。


また、実務では現地の測量結果や造成計画、地盤の傾斜、架台の配置計画と照らし合わせる必要があります。PVSyst上のレイアウトは発電量計算のためのモデルであり、施工図そのものではありません。現場の高低差や境界、管理通路、離隔、法面、排水設備などを別途考慮しながら、PVSyst上の条件に反映できる部分を整理することが重要です。


影設定画面では周辺障害物と影の計算条件を見る

影設定画面は、PVSystの中でも初心者が特に迷いやすい画面です。太陽光発電では、周辺の建物、樹木、山、架台列、設備機器などによって影が発生します。影は発電量を下げるだけでなく、時間帯や季節によって影響が変わるため、どこまで詳細に入力するかの判断が必要です。


影設定画面で最初に考えるべきことは、影の原因が何かです。遠方の地形による影なのか、近くの建物による影なのか、パネル列同士の影なのかによって、見るべき設定が変わります。遠方の山や地平線の影は、太陽が低い時間帯に影響することがあります。近接する障害物の影は、特定のアレイやストリングに部分的な影を作ることがあります。列間影は、配置間隔や傾斜角と密接に関係します。


初心者がよく間違えるのは、影の設定を入れれば必ず精度が上がると考えることです。実際には、影のモデルが現場条件と合っていなければ、かえって結果が分かりにくくなることがあります。概略検討では大まかな影の影響を把握し、詳細検討では現地測量や図面情報をもとに障害物の位置や高さを反映するという段階的な使い方が現実的です。


影設定画面では、障害物の高さ、距離、方位、形状を確認します。建物や樹木を単純な形状で表現する場合でも、発電設備との位置関係が重要です。特にパネル面に近い障害物は、わずかな位置ずれでも影のかかり方が変わることがあります。現場写真や平面図だけでは高さ方向の情報が不足することもあるため、可能であれば現地測量や三次元データを使って確認するとよいです。


また、影には日射量の損失としての影響と、電気的なミスマッチとしての影響があります。パネル面の一部に影がかかると、その部分だけでなく回路全体の出力に影響する場合があります。PVSystの画面では、影をどのように計算するか、どこまで電気的影響を考慮するかを確認することが大切です。単純な日射損失だけを見ているのか、ストリング構成に応じた影響まで見ているのかで、結果の解釈が変わります。


影設定画面を使うときは、結果画面の損失内訳とセットで確認する必要があります。影を設定した後に年間発電量がどの程度変わったか、どの月に影の影響が大きいか、想定より大きな損失になっていないかを確認します。影の影響が大きい場合は、配置の見直し、列間隔の調整、パネル面の向きの変更、障害物との離隔確保などを検討します。


損失設定画面では現場条件を数値として反映する

損失設定画面では、発電設備が理想状態からどの程度発電量を失うかを設定します。PVSystの画面の中でも、実務担当者の判断が強く反映される画面です。温度損失、配線損失、汚れ、ミスマッチ、機器損失、稼働停止、経年劣化など、現場や設計に応じたさまざまな条件を数値として入力します。


初心者にとって分かりにくいのは、損失項目が多く、それぞれの意味が似て見えることです。しかし、損失設定は発電量の妥当性を決める重要な部分です。たとえば、パネルの温度が上がると出力は低下します。配線が長くなれば電気抵抗による損失が増えます。パネル表面が汚れれば日射の透過が低下します。設備の一部が停止すれば、その期間の発電量は減ります。これらをどの程度見込むかによって、年間発電量の結果は変わります。


損失設定画面を見るときは、まず初期値をそのまま使ってよいのかを確認することが大切です。初期値は計算を進めるための出発点にはなりますが、すべての案件に最適とは限りません。砂じんが多い地域、積雪がある地域、海沿いで塩分の影響を受けやすい地域、高温になりやすい屋根上、長距離配線が必要な大規模設備などでは、損失条件を現場に合わせて見直す必要があります。


温度損失では、パネルの設置方法や通風条件が関係します。地上設置で風通しがよい場合と、屋根面に近接して設置する場合では、パネル温度の上がり方が異なります。画面上では温度に関する係数や条件を確認し、設備の実態と合っているかを見ます。温度損失は年間を通じて発電量に影響するため、軽視できない項目です。


配線損失では、直流側と交流側の配線長、電流、電圧、ケーブル条件などが関係します。初期検討では概算値を使うことがありますが、詳細設計では実際の配置や集電計画に合わせて確認する必要があります。配線距離が長くなる大規模発電所では、配線損失の見込みが発電量評価に影響します。


汚れや稼働停止の設定も、現場条件と運用方針によって変わります。周囲に砂ぼこりが多い、農地や未舗装道路が近い、鳥害が想定される、清掃頻度が低い、保守対応に時間がかかるといった条件がある場合は、損失設定に反映するかどうかを検討します。PVSystの画面では数値を入力するだけですが、その背後には現場の実態をどう見るかという判断があります。


損失設定画面を使うときは、すべての損失を保守的に大きくすればよいわけではありません。過度に大きな損失を入れると、発電量を必要以上に低く見積もることになります。一方で、損失を小さく見すぎると、実際の運用時に計画値との乖離が大きくなります。重要なのは、根拠のある値を使い、後から説明できる状態にしておくことです。


結果画面では年間発電量と損失内訳を読み取る

結果画面は、PVSystで設定した条件がどのような発電量として表れるかを確認する画面です。シミュレーションを実行すると、年間発電量、月別発電量、比発電量、性能指標、損失内訳などが表示されます。初心者は年間発電量の数字だけを見がちですが、実務ではその数字がどのような過程で導かれたのかを読み取ることが重要です。


まず確認すべきなのは、年間発電量です。これは設備が一年間にどの程度の電力量を発電するかを示す基本的な指標です。ただし、年間発電量は設備容量が大きいほど増えるため、単純な大小比較だけでは設計の良し悪しを判断できません。容量あたりの発電量や、設備利用率に近い考え方の指標も併せて確認すると、設計案同士の比較がしやすくなります。


次に見るべきなのは、月別発電量の傾向です。太陽光発電では、季節によって日射量や気温が変わるため、発電量も月ごとに変動します。結果画面で月別の傾向を確認することで、気象データや方位、傾斜、影の影響が自然に反映されているかを判断できます。たとえば、特定の月だけ極端に発電量が低い場合は、影や気象データ、損失設定を見直すきっかけになります。


損失内訳も重要です。PVSystの結果画面では、日射の変換、温度、影、配線、機器、ミスマッチ、出力制限など、発電量が減少する要因を段階的に確認できます。この損失内訳を見ることで、どの要因が発電量に大きく影響しているかを把握できます。単に最終的な発電量を見るだけでは、改善の余地がどこにあるのか分かりません。


初心者が特に注目すべきなのは、想定より大きい損失がないかという点です。たとえば、影の損失が大きすぎる場合は、レイアウトや障害物設定を見直す必要があります。出力制限が大きい場合は、パネル容量とPCS容量の関係を再検討する必要があります。温度損失が大きい場合は、設置方式や通風条件の設定を確認します。配線損失が大きい場合は、配線長や電気設計の条件を見直します。


結果画面では、警告や注意表示も確認します。計算自体は完了していても、入力条件に不整合や注意点がある場合があります。警告が出ている状態のレポートをそのまま使うと、後から説明に困ることがあります。警告の内容を確認し、設計上問題ないのか、入力ミスなのか、条件を見直すべきなのかを判断することが大切です。


また、結果レポートを外部説明に使う場合は、前提条件を合わせて確認する必要があります。年間発電量の数字だけを抜き出して共有すると、どの気象データを使ったのか、どの損失を見込んだのか、影を考慮したのか、設備容量はどの条件なのかが分からなくなります。PVSystの結果画面は、単なる答えの画面ではなく、設計条件と計算結果をつなぐ説明資料として見るべきです。


PVSystの画面を実務で使いこなすための確認手順

PVSystの画面を実務で使いこなすには、画面ごとの役割を理解したうえで、毎回同じ確認手順を持つことが大切です。初心者のうちは、思いついた画面から開いて修正しがちですが、その進め方では入力漏れや条件の不整合が起こりやすくなります。案件ごとに確認の流れを固定すると、作業品質が安定します。


まず、プロジェクト画面で案件名、設置場所、緯度経度、標高、設計案名を確認します。ここで場所条件がずれていると、その後の気象データや日射計算もずれてしまいます。次に気象データ画面で、使用するデータの地点、期間、種類、月別傾向を確認します。気象条件は発電量の土台となるため、ここを曖昧にしたまま進めないことが重要です。


その後、システム画面でパネル容量、PCS容量、ストリング構成、電圧範囲、警告の有無を確認します。設備として成立しているかを見たうえで、レイアウト画面に進み、方位、傾斜、配置間隔、設置可能枚数を確認します。ここでは、電気的に成立している構成が、実際の敷地条件にも合っているかを意識します。


次に、影設定画面で障害物や列間影の条件を確認します。影を詳細に入れる場合は、現地情報や測量情報との整合が重要です。影の入力が不確かな場合は、影ありと影なしの比較を行い、影響の大きさを把握する方法もあります。そのうえで損失設定画面に進み、温度、配線、汚れ、停止、ミスマッチなどの値が現場条件に合っているかを確認します。


最後にシミュレーションを実行し、結果画面で年間発電量、月別発電量、損失内訳、警告表示を確認します。結果が想定と違う場合は、すぐに数字だけを修正するのではなく、どの画面の条件が原因になっているかをたどることが重要です。発電量が低い場合は、気象データ、影、温度、出力制限、配線損失などを順番に確認します。発電量が高すぎる場合は、損失の入れ忘れや影の未反映、設備容量の設定ミスがないかを確認します。


PVSystの画面の見方で大切なのは、各画面を単独で見ないことです。プロジェクト、気象データ、システム、レイアウト、影、損失、結果はすべてつながっています。一つの数値を変えると、別の画面の結果に影響します。その関係を意識しながら見ることで、PVSystの使い方は単なる操作から、設計検討の道具としての使い方に変わります。


また、実務ではPVSyst上の入力だけでなく、現地条件を正しく把握することも重要です。発電所の敷地には、高低差、法面、境界、既設構造物、樹木、通路、排水設備、周辺地形など、発電量やレイアウトに影響する情報が多く存在します。これらを正確に把握できなければ、PVSyst上でどれだけ丁寧に設定しても、現場とのずれが残ります。


特に、影設定やレイアウト検討では、現地の位置情報と高さ情報が重要になります。図面上では問題がないように見えても、実際には周辺地物の高さや地盤の起伏によって影の出方が変わることがあります。現場の測位や地形確認を効率化できれば、PVSystに入力する条件の信頼性も高めやすくなります。


そのため、PVSystで発電量シミュレーションを行う実務では、机上の設定作業と現地計測を切り離さずに考えることが大切です。現地の座標、標高、設備予定位置、障害物の位置を把握し、それを設計条件に反映することで、シミュレーション結果の説明力が高まります。PVSystの画面を正しく見る力は、入力画面の理解だけでなく、現場情報をどの項目に反映するかを判断する力でもあります。


現地条件の取得を効率化したい場合は、LRTK(iPhone装着型GNSS高精度測位デバイス)を活用することで、現場で取得した高精度な位置情報を設計検討に生かしやすくなります。太陽光発電設備の計画では、敷地境界、架台予定位置、周辺障害物、地盤高、管理通路、法面などの情報を現場で素早く確認できることが重要です。PVSystで画面上の条件を正しく設定し、LRTKで現場の位置情報を正確に押さえることで、発電量シミュレーションと実際の施工計画をつなげやすくなります。


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