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国土地理院APIでヒートマップを作る流れを初心者向けに解説

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

国土地理院のデータを使ってヒートマップを作りたいと思っても、最初に迷いやすいのは「そもそも何をAPIとして使えばよいのか」「標高の色分けとヒートマップは同じなのか」「自分の点データと国土地理院の地図データはどう組み合わせればよいのか」という点です。実際には、国土地理院は地図や標高などの情報を、いわゆるXYZ方式の地理院タイルとして公開しており、それを背景地図や基礎データとして読み込み、その上で自分の集計処理を重ねることでヒートマップを構成するのが基本になります。まずは「国土地理院のAPIだけで一発で完成する」と考えるより、「公開タイルを土台にして、自分で意味のある色分けを作る」という発想で整理すると理解しやすくなります。


目次

国土地理院APIでヒートマップを作る前に知るべき基本

ヒートマップに使いやすい国土地理院データの種類

初心者向けの全体フロー

標高データを使ってヒートマップ化する流れ

点データや位置記録をヒートマップ化する流れ

実装前に押さえたい座標とズームの考え方

見やすいヒートマップにするための設計

よくある失敗と回避策

実務で役立つ活用場面

まとめ


国土地理院APIでヒートマップを作る前に知るべき基本

初心者が最初に押さえたいのは、国土地理院が公開しているのは「ヒートマップそのもの」ではなく、地図表示や解析に使える複数種類のタイルデータだという点です。地理院タイルは事前にタイル状に分割されたXYZ方式で配信されており、多くのウェブ地図APIが扱いやすい形式になっています。しかも各タイルは256ピクセル四方で統一され、左上を基準にXが東方向、Yが南方向に増えていくため、地図表示だけでなく自前の集計ロジックにも組み込みやすい構造です。つまり、国土地理院の公開データは「背景地図」「標高」「一部の主題データ」を受け取る基盤として非常に使いやすく、その上に濃淡や密度表現を実装するのが基本になります。


ここでいうヒートマップとは、ある範囲の中で数値の高低や密度の偏りを色で連続的に表現したものです。たとえば標高の高低、点検記録の集中、災害関連地点の分布、現地確認件数の偏りなどを色で見せる場合が該当します。一方で、国土地理院が提供している色別標高図は、標高値を色で段彩表現した既成の主題図です。見た目はヒートマップに近いものの、意味は「標高の可視化」であり、「観測件数」「発生頻度」「利用度」などを示す一般的なヒートマップとは用途が異なります。ここを混同すると、欲しい可視化の方向がずれやすくなります。


また、利用面でも基礎を押さえておく必要があります。国土地理院は地理院タイル一覧で利用条件を公開しており、ウェブサイトやソフトウェア、アプリケーション上でリアルタイムに読み込んで利用する場合は、出典の明示のみで申請不要としています。ただし、すべてのタイルが完全に同一条件というわけではなく、個別の備考や追加の出所明示が必要なものもあります。したがって、実務でヒートマップを公開するなら、技術だけでなく「どのレイヤを使ったか」「そのレイヤ固有の注意があるか」を早い段階で確認することが大切です。


ヒートマップに使いやすい国土地理院データの種類

初心者が扱いやすい国土地理院データは、大きく分けると背景地図、標高タイル、既成の主題図タイル、地物を持つデータの四つです。背景地図は標準地図や淡色地図のように、ヒートマップの土台として使うレイヤです。標準地図は地名や道路が見やすく、説明用の画面に向きます。淡色地図は背景の主張が弱く、色の濃淡を前面に出したいヒートマップと相性がよいことが多いです。背景地図はあくまで読みやすさを整える役割であり、値そのものは別のデータから与えるという整理で考えると分かりやすくなります。


標高タイルは、国土地理院APIでヒートマップらしい可視化を作るときに最も理解しておきたいデータです。標高タイルにはテキスト形式とPNG形式があり、どちらも地図タイルと同じ座標体系を持ちます。テキスト形式は256行256列の標高値をカンマ区切りで保持し、値が存在しない画素には「e」が入ります。PNG形式はRGB値から標高を復元する方式で、テキスト形式より軽量です。つまり、解析しやすさを優先するならテキスト形式、表示速度や通信量を意識するならPNG形式という考え方ができます。


既成の主題図タイルとしては、色別標高図のように、すでに可視化されたタイルも提供されています。これは自前で標高値を読んで色分けしなくても、地形の高低を直感的に見せる材料として使えます。ただし、色別標高図は「自分で重みづけしたヒートマップ」ではなく、あくまで国土地理院側で整えられた地形表現です。災害リスクの検討や初期の地形把握には役立ちますが、件数や稼働密度のような独自指標を表したい場面では、別途自分で値を集計して可視化する必要があります。さらに色別標高図には海域部に関する追加の出所明示が必要です。公開用途ではこの点を見落とさないことが重要です。


地物を持つデータとしては、GeoJSON形式で配信されるものもあります。たとえば指定緊急避難場所のように、地点や属性を持ったデータはGeoJSONで取得でき、施設名や住所、対応災害種別などの属性も含まれています。この種のデータは、点をそのまま表示することもできますし、一定範囲ごとに件数集計してヒートマップ化することもできます。初心者にとっては、背景地図の上に点を置くところから始め、その次の段階でメッシュ集計に進むと理解しやすい流れになります。


初心者向けの全体フロー

国土地理院APIでヒートマップを作るときの全体フローは、実務的にはとてもシンプルです。第一に、何を色で見せたいのかを決めます。これは標高差なのか、件数の集中なのか、危険度の仮評価なのかで必要なデータが変わるからです。第二に、背景として使う地図を選びます。第三に、値を与える元データを取得します。第四に、その値を地図上で比較しやすい単位にそろえます。第五に、色の段階を決めて描画し、最後に読み違いが起きないよう凡例や注記を整えます。技術的にはいろいろな作り方がありますが、考え方はこの順番でほぼ整理できます。


初心者がつまずきやすいのは、APIから取ってきたデータをそのまま重ねればヒートマップになると思ってしまう点です。しかし実際には、地図タイルや標高タイルは「元になる値」を渡してくれるだけで、それをどう色分けし、どの範囲を一つの単位として集計するかは利用側で決める必要があります。たとえば点の記録をそのまま描けば点群表示に近くなりますし、一定半径でぼかせば密度分布に近づきます。格子状にまとめれば、比較しやすい業務向けのヒートマップになります。つまり、APIの取得と可視化設計は別工程だと理解しておくことが大切です。


さらに、最初から細かく作り込みすぎないことも重要です。まずは小さな範囲で、背景地図の上に値を置き、色の偏りが読み取れるかを確認します。その後で対象範囲を広げ、配色や凡例、更新頻度、公開方法を整えていくと失敗しにくくなります。国土地理院のタイルはXYZ方式で安定して扱いやすいため、最初の試作は比較的進めやすい一方、集計単位や見せ方の設計を誤ると、見た目はきれいでも判断に使えない地図になります。試作段階では「何を見せたいか」に立ち返りながら設計することが重要です。


標高データを使ってヒートマップ化する流れ

標高データを使う場合は、まず「地形の高低を見たいのか」「現地の起伏傾向をざっくり把握したいのか」「自前の標高区分を作りたいのか」を決めます。地形の雰囲気をすぐ確認したいだけなら、色別標高図を背景的に使う方法が速いです。対して、一定の基準で独自に標高帯を分けたい場合や、特定の範囲だけ別の配色で表したい場合は、標高タイルそのものを取得して、自分で階級分けする方法が向いています。つまり、見た目の即効性を取るか、集計の自由度を取るかで入口が変わります。


標高タイルを直接扱うときは、対象範囲に対応するタイルを取得し、タイル内の各ピクセルを標高値として読みます。テキスト形式なら256行256列の数値として扱えますし、PNG形式ならRGB値から標高を復元できます。ここで重要なのは、標高タイルの値が単純な原データの写しではなく、元となる標高モデルから算出・平滑化された値だということです。国土地理院は、最大ズームレベルでは近傍の標高点から線形的に平滑化して値を求め、より小さいズームでは上位ズームの4点平均から値を作ると説明しています。そのため、厳密な原測量値そのものとして扱うのではなく、可視化向けに整えられた値として理解する必要があります。


また、標高タイルには複数の系統があり、精度はDEM1A、DEM5A、DEM5B、DEM5C、DEM10B、DEMGMの順に高いと国土地理院のサンプルで示されています。しかも高精度なデータは全国一律にそろっているわけではありません。そのため、場所によって参照している標高モデルが異なり、境界部では標高値や断面図、色別標高図に不連続が生じる場合があります。初心者がヒートマップを作るときに大事なのは、色の段差が必ずしも現地の急変だけを意味するわけではなく、元データの違いに由来することがあると理解しておくことです。


標高ヒートマップを実務で見やすくするには、絶対値のまま細かく色分けしすぎないことがポイントです。低地、中位、高位といった区分や、実務上意味のある閾値でまとめるほうが伝わりやすくなります。たとえば浸水想定や避難動線の初期検討では、標高を細密に塗り分けるよりも、低地帯を強調するほうが判断しやすい場面があります。逆に造成や斜面の把握では、標高差そのものより傾斜や地形変化の連続性を見るべき場合もあります。国土地理院の標高タイルは土台として有効ですが、最終的な色の意味づけは業務目的に合わせて設計することが欠かせません。


点データや位置記録をヒートマップ化する流れ

ヒートマップという言葉で検索する実務担当者が本当に作りたいものは、標高よりもむしろ「地点の集中」や「発生の偏り」を表した地図であることが少なくありません。その場合、考え方はさらに明快です。まず地点データを用意し、その各地点に件数、時間、重要度、異常判定の有無などの値を持たせます。次に、その点を地図の上に直接描くのではなく、一定の範囲ごとにまとめて数値化します。最後に、その集計結果を色に変換して背景地図の上に重ねます。これで、地図は「場所」、ヒートマップは「偏り」を示す役割分担になります。


国土地理院データをここでどう使うかというと、背景地図としての利用が第一です。標準地図は説明性が高く、淡色地図はヒートマップの色を邪魔しにくいので、目的に応じて背景を選べます。そのうえで、必要ならば国土地理院が公開している地点系データや主題データを補助情報として重ねます。たとえば避難関連施設の分布を参照しながら、独自に集計した通報件数や巡回記録を重ねれば、単なる件数分布よりも解釈しやすい地図になります。背景と値を分けて考えることが、初心者にとっては最も失敗しにくい進め方です。


このとき重要なのは、点をまとめる単位です。小さすぎる単位にすると点のばらつきがそのまま出て、ノイズの多い図になります。大きすぎる単位にすると、局所的な偏りが見えなくなります。したがって、実務では「現場が判断したい範囲」に合わせて単位を決める必要があります。地域全体の傾向を見るなら粗め、施設周辺の集中を見るなら細かめ、と考えると整理しやすいです。国土地理院のタイルは256ピクセル単位で扱われるため、ズームレベルと組み合わせて「どの粒度で見せるか」を最初に決めておくと後工程が安定します。


実装前に押さえたい座標とズームの考え方

ヒートマップを破綻させやすい原因の一つが、座標とズームの理解不足です。地理院タイルは世界測地系を用い、日本国内の地図についてはJGD2011を採用しつつ、メルカトル投影でタイル化されています。さらに、地球全体をズームレベル0の1枚タイルとして定義し、ズームが1つ上がるごとに縦横2分割で4倍に増える仕組みです。こうした前提を知らずに点データや独自メッシュを重ねると、位置のずれや見え方の不統一が起こりやすくなります。初心者ほど、可視化以前に座標系とタイル座標の一致を確認する習慣を持つことが大切です。


また、ズームレベルが変わると、同じ色でも伝わる意味が変わります。広域表示では「大まかな傾向」を見せる色であるべきなのに、狭域向けの細密な集計をそのまま載せると読みづらくなります。逆に、局所判断をしたいのに広域向けの粗い集計しかなければ、現場で使えない図になります。標高タイルでも、ズームによって参照される値の作られ方が変わります。したがって、作る側は「どのズームで使われる図か」を先に決め、そのズームで意味の通る集計単位と配色にそろえる必要があります。


さらに、背景地図の選択とズームの関係も重要です。標準地図や淡色地図は複数のズーム帯で提供されており、ズームに応じて地図情報の粒度が変わります。実務用のヒートマップでは、背景が細かすぎると値の読み取りを邪魔し、粗すぎると場所の把握がしにくくなります。初心者はつい背景地図の情報量を増やしたくなりますが、ヒートマップの主役は色の偏りです。背景は「読み取りの補助」に徹し、過剰に主張しないように整えることが大切です。


見やすいヒートマップにするための設計

見やすいヒートマップを作るには、色数を増やすことよりも、意味のある色の階段を作ることが大切です。初心者は滑らかなグラデーションを重視しがちですが、実務では「どこから注意なのか」「どこが高いのか」「どこが比較対象より目立つのか」が伝わるほうが重要です。そのため、閾値の考え方を先に決め、凡例の説明と色の意味を対応させる必要があります。標高なら高さ帯、点データなら件数帯や重み帯、巡回履歴なら更新頻度帯といったように、値の意味に合わせて色分けを設計すると、利用者の誤読が減ります。


背景を淡くすることも効果的です。国土地理院の淡色地図のような背景は、色の重なりを見やすくし、地点名や道路も最低限把握できます。一方、背景自体の彩度が高いと、ヒートマップの色との競合が起きます。特に災害、点検、巡回、利用密度のような分布表現では、背景を引き算して、主題である色の差を前に出したほうが読みやすくなります。地図を作るときは、つい背景の情報量に目が向きますが、判断に必要なのは色の意味と位置関係です。背景の役割を絞ることが、見やすさに直結します。


もう一つ大事なのは、値がない場所をどう扱うかです。標高タイルでは欠損画素に「e」が入ったり、海部などデータが存在しない箇所が定義されたりしています。点データ系のヒートマップでも、値がゼロなのか未観測なのかを分けて考えなければなりません。ゼロと欠測を同じ色で塗ると、実際にはデータがないだけの場所を「問題なし」と誤認するおそれがあります。初心者向けの地図ほど、この違いを凡例や注記で明確にしておくと、実務での信頼性が上がります。


よくある失敗と回避策

よくある失敗の一つ目は、色別標高図とヒートマップを同じものとして扱ってしまうことです。色別標高図は地形の高低を見るには便利ですが、業務件数や危険度の仮スコアを表すものではありません。これをそのまま「リスクの濃淡」と誤って受け取ると、地図の意味が大きくずれてしまいます。回避策は単純で、何の値を色にしているのかを地図の設計段階で一文で言えるようにすることです。標高を見せているのか、点の密度を見せているのか、独自評価を見せているのかが曖昧な図は、見た目が整っていても実務では使いにくくなります。


二つ目は、元データの違いを無視してしまうことです。国土地理院の標高表示は、その地点で利用可能な最も計測精度の良い標高タイルを採用しますが、場所によって元の標高モデルや計測時期が異なります。そのため、境界部で値が不連続になることがあります。こうした仕様を知らないと、色の切れ目をそのまま現地の異常だと誤読してしまう危険があります。回避策としては、広域図では細かな段差の解釈を控え、必要に応じて別の確認手段を併用することです。


三つ目は、利用条件の確認不足です。地理院タイルはリアルタイム読み込みなら出典明示のみで利用しやすい一方、個別の備考や追加の出所明示が必要なタイルもあります。特に公開物や社外共有資料に載せるときは、背景地図だけでなく、主題図や補助レイヤも含めて利用条件を確認しなければなりません。技術的に表示できることと、適切に公開できることは別です。初心者のうちから、実装と同時に出典表記の整理を行う習慣をつけると、後戻りが減ります。


実務で役立つ活用場面

実務での活用場面として分かりやすいのは、防災、維持管理、現地確認の三つです。防災では、標高や地形の起伏傾向を把握しながら、独自に集計した危険箇所や確認件数を重ねることで、重点確認エリアを見つけやすくなります。維持管理では、点検結果や異常報告の位置を集約して、対応が偏っている区域や未確認区域を見える化できます。現地確認では、巡回履歴や撮影位置を地図上で密度化することで、どこが確認済みでどこが薄いかを直感的に把握しやすくなります。国土地理院APIの価値は、こうした業務データを地理的な文脈の中で整理できる点にあります。


さらに、最初から完璧なヒートマップを目指さないことも実務では重要です。まずは小範囲で試し、色の意味が伝わるか、背景が見やすいか、位置のずれがないかを確認し、必要に応じて集計単位や閾値を調整します。ヒートマップは「作ること」より「正しく読めること」が大切です。国土地理院の公開データは土台として非常に扱いやすいため、初期構築のハードルは高くありません。しかし、業務判断に使うなら、最後は現場目線での読みやすさと解釈の一貫性が重要になります。そこまで意識すると、単なる見栄えの良い地図ではなく、意思決定に役立つ地図になります。


まとめ

国土地理院APIでヒートマップを作る流れを初心者向けに整理すると、要点はとても明快です。まず、背景地図として何を使うかを決めます。次に、標高なのか件数なのか位置記録なのか、色で表したい値の正体を決めます。そのうえで、国土地理院の地理院タイルや標高タイル、必要に応じて地点系データを取得し、自分の目的に合った単位で集計し、意味のある色分けに変換して重ねます。この順番を守れば、初心者でも「何をどう地図に載せているのか」がぶれにくくなります。


現場で本当に使えるヒートマップは、派手な表現よりも、位置の信頼性と判断のしやすさが重要です。だからこそ、国土地理院の公開データで広域の把握を行い、必要な場面では現地の位置確認や座標確認を確実に行う運用が欠かせません。とくに、現地で取得した位置情報を地図上の判断とつなげる場面では、座標の確かさがそのまま業務品質に直結します。そうした場面では、iPhone装着型のGNSS高精度測位デバイスであるLRTKを活用することで、現地の位置確認や簡易測量をよりスムーズに進めやすくなります。国土地理院APIによる可視化と、現場での高精度な位置取得を組み合わせることで、地図を見るだけで終わらない、実務につながる運用を組み立てやすくなります。


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