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GNSSで体積・面積計測を簡単に!LRTKで効率アップする土木測量

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万能の測量機LRTKの説明

土木測量における面積・体積計算の重要性

土木工事の現場では、地形や構造物の面積計測体積計測が欠かせません。例えば、造成工事でどれだけ土を盛ったか(盛土の量)、掘削でどれだけ土を搬出するか(残土管理)、法面(のりめん)の表面積、道路や舗装エリアの面積など、正確な数量の把握が施工計画とコスト管理の要となります。これらの計測結果は、工程管理や出来形管理にも直結し、発注者への報告資料や出来高精算の根拠としても重要です。面積・体積の算出が不正確だと、材料の手配ミスや過不足、コスト超過、設計との不整合といった問題につながりかねません。そのため、土木測量の現場では迅速かつ正確に面積・体積を測定することが強く求められています。近年では国土交通省の提唱するi-Construction(ICT施工)の一環として、GNSSや3Dデータを活用した出来形管理が推進されており、現場測量のデジタル化が加速しています。現場測量のDXを支える技術として、GNSSを活用した自動計測が今まさに注目されています。


従来の方法とその限界(人手・精度・後処理)

重要な面積・体積の計測ですが、その手法はこれまで決して簡単ではありませんでした。従来の土木測量では、トータルステーションやレベルといった機器を用いて、現場で人力に頼った測定を行い、あとで事務所に戻ってから計算処理をするのが一般的です。例えば、断面をいくつも計測して体積を算出したり、測量図上で囲まれた範囲の面積を算出するといった作業には、熟練した技術者と多くの手間が必要でした。光学式のトータルステーションを使う場合、機材が重いうえに設置や据え付けに時間を要し、複数人での作業が前提になります。また、機器の定期メンテナンスや校正も欠かせません。一方、通常のGPS(GNSS)測位では手軽な反面、誤差が5~10m程度と精度が低く、土木測量で求められる面積・体積計算には使えません。最近ではドローンを使った写真測量や3Dレーザースキャナーによる点群計測も登場していますが、これらも専門知識やデータ処理の時間・コストがかかるため、日常的な現場作業で気軽に使えるものではありません。従来法にはこのように人手精度後処理の面で限界があり、もっと手軽で正確な方法が求められていました。


GNSSを活用した計測の基本原理

GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)とは、GPSをはじめロシアのGLONASSや欧州Galileoなど、人工衛星の電波を利用して地上の位置を測定する技術の総称です。GNSS受信機を用いれば、地球上のどこでも現在位置の緯度・経度・高度を取得できます。しかし通常の単独測位では数メートル程度の誤差が生じるため、精密な土木測量にはRTK(Real Time Kinematic)と呼ばれる補正技術が使われます。RTK-GNSS測量では、基地局からの誤差補正情報を利用したり、準天頂衛星「みちびき」の提供する補強信号(CLAS)を活用したりすることで、リアルタイムに測位精度を飛躍的に高めることが可能です。こうした高精度測位により、衛星測位でも誤差数センチの精度で観測点の座標を得られるようになりました。さらに、GNSSでは高さ(標高)も同時に測定できるため、別途水準測量をしなくても基準高との差分から切土・盛土量を算出するといった作業が可能になります。


高精度なGNSS座標が取得できれば、そのデータから様々な計測が行えます。複数の地点を測れば、点と点の間の距離はもちろん、複数点で囲まれた範囲の面積を計算することも容易です。地表の形状を詳細に記録できれば、ある基準面との高低差から体積(土量)を求めることもできます。従来は職人技が必要だった面積計算や土量計算も、高精度GNSSを使えば自動で即座に結果を得ることが可能になります。GNSSによる測位は電波が届く空の下であれば自由に移動して測れるため(光学式機材のように視通を気にせず測点を選定可能)、広い現場でも素早く多数の点を計測できるという利点もあります。これらの理由から、GNSSを活用した測量は土木分野でも非常に実用的なソリューションとなってきています。


LRTKが可能にする面積・体積の即時計測

上記のような高精度GNSS技術を現場で手軽に活用できるようにしたのが、iPhone/iPad用の測量デバイス「LRTK Phone」です。LRTKはポケットに収まる小型のRTK-GNSS受信機をスマートフォンに装着して使います。専用のLRTKアプリを起動すれば、衛星から得たcm級の座標データをリアルタイムに利用して測量作業を行うことができます。また、準天頂衛星からの補強信号にも対応しているため、山間部など携帯通信が届かない現場でも安定して高精度測位を行えます。測位した各点の情報はアプリに自動で記録され、そのデータから現場で直接面積計測体積計測を実行できるのが大きな特長です。また、点群スキャンを行わずとも、複数のGNSS測位点を入力することで囲まれた領域の面積を計算することも可能です。この場合、水平投影した面積と実際の傾斜面を含めた面積の両方をワンタッチで表示できます。


例えば、スマホ内蔵のLiDARスキャナーとLRTKの位置情報を組み合わせれば、地形や土砂の3D形状をその場でスキャンして取得できます。LRTKが常にスマホの位置をcm精度で補正しながら計測するため、歩行スキャン中に点群が歪む心配もありません。取得した点群データから任意の領域の面積や盛土の体積を即座に計算し、画面上に結果を表示できます。測定範囲を指で指定してボタンを押すだけで、選んだエリアの面積が○○㎡、土量が○○立方メートルといった数値が一瞬で算出されるため、現場で直接出来形を確認することが可能です。また、LiDARの届かない大規模な土量でも、スマホの画面上でAR表示を活用しながら複数の測位点を打つことで、広範囲の体積を推定する機能も備わっています。従来なら測量後にパソコンで解析していた計算を、LRTKなら現場にいながらにして完結できるため、大幅な効率化につながります。例えば、従来は高さや断面図から体積を算出して半日がかりだったような土量計測も、LRTKを使えば現地での計測が10分程度、計算処理は数秒で完了します。重量わずか数百グラム程度のスマホ+LRTKデバイスひとつで、一人の作業員が高精度の測量から計算までをこなせる点は、まさに次世代の土木測量と言えるでしょう。


実際の現場活用事例(法面、盛土、舗装、残土管理)

LRTKを使うことで、土木のさまざまな現場業務が効率化されます。具体的な活用例として、以下のようなシーンが挙げられます。


法面の面積計測: 擁壁や堤防の法面など、傾斜地の表面積を測定したい場合、LRTKなら短時間で正確な数値を得られます。従来は危険を伴う斜面に人が直接入って巻尺で測ったりしていましたが、LRTKの点群スキャンを使えば離れた位置から安全に計測可能です。傾斜面の実測面積と水平投影面積の両方がその場で算出できるため、防草シートの敷設面積や吹付コンクリートの必要量を見積もる際にも役立ちます。また、施工後の出来形管理として、設計値通りの勾配や面積になっているかを現場ですぐ確認できます。

盛土の体積管理: 道路や造成地の盛土工事では、搬入した土砂の体積を正確に把握することが重要です。LRTKを用いて盛土の出来形をスキャンすれば、盛土の高低差や地山との比較から盛土量(盛土の体積)を即座に算出できます。日々の盛土量を定量的に追跡できるため、進捗管理や出来高報告がスムーズになります。従来は丁張りや杭を基準に測量し、事務所で図面と照合していた作業が、現場でリアルタイムに完了するため、手戻りや材料過不足のリスクも減らせます。

舗装面の出来形確認: 道路舗装やコンクリート打設の現場では、施工範囲の面積計測や厚みの確認が品質管理上欠かせません。LRTKがあれば、舗装エリアの境界を歩いてポイント測量するだけで正確な平面面積を計算できます。また、舗装前後の地盤高をGNSSで測定しておけば、仕上がり厚から材料量を算出することも可能です。大規模な駐車場や道路でも、一人で短時間に出来形の面積を把握できるため、検測作業の負担が大幅に軽減します。

残土や資材の数量管理: 工事で発生した残土の山や、砂利・砕石などストックヤードの材料堆積量を測りたいケースでも、LRTKが力を発揮します。山積みになった土砂の体積計測は従来、上から棒を差すなど大まかな推定になりがちでした。LRTKなら、盛土と同様に堆積土砂の形状をスキャンして正確な容積を割り出せます。これにより、ダンプ何台分の残土が出るか、在庫材料があと何立方メートルあるかといった判断を即座に行え、余剰土の搬出計画や資材補給計画を的確に立てられます。なお、残土量を正確に把握することは、ダンプの過積載防止や不法投棄抑止など、安全・環境管理の面でも重要です。


クラウド連携と帳票出力までの一気通貫プロセス

LRTKはクラウドサービスとも連携しており、現場で取得したデータをそのまま一気通貫で活用できます。LRTKアプリで測位・計測した情報はワンタップでLRTKクラウドにアップロード可能です。クラウド上のWebプラットフォームにアクセスすれば、現場から離れたオフィスでも即座に測量データを確認できます。アップロードされた測点や点群データは、ブラウザ上で2D地図や3Dビューアを通じて直感的に可視化されます。専用のソフトをインストールしなくても、オンラインで点群を回転・拡大しながら任意の箇所の距離・面積・体積を計測できるため、現地で見落としがあった場合も後から追加分析が可能です。さらに、設計時の3Dモデルデータをクラウドに読み込んで現況点群と重ね合わせれば、掘削・盛土の予定量と実測値との差分を自動計算することもできます。さらに、取得した点群から横断面図の自動作成やオルソ画像の生成といったツールも用意されており、図面化の作業負担も大きく軽減できます。また、クラウド上で共有用のWeb URLを発行すれば、社内外の関係者が専用ソフト無しにブラウザ上で点群データを閲覧することも可能です。誰でも手軽に三次元の測量結果を確認できるため、情報共有がスムーズになります。測量成果はCADデータとしてダウンロードできるほか、写真やメモ付きの測点一覧を帳票形式(PDF)で出力する機能も備わっています。現場での計測からデータ共有、そして成果品の作成まで、一連のプロセスをデジタルに完結できるのがLRTKの大きな魅力です。


LRTKによる簡単測量の流れと導入メリット

最後に、LRTKを用いた測量が具体的にどれほど簡単か、その基本的な流れを確認してみましょう。


スマホとGNSSのセットアップ: 現場に着いたら、まずスマートフォンにLRTK受信機を装着し、LRTKアプリを起動します。数十秒ほどでGNSSがFix解(固定解)を取得し、高精度測位の準備が整います(みちびき受信により携帯圏外でも精度確保可能)。

測りたい対象を計測: アプリ上で計測モードを選択し、測定対象に応じてデータを取得します。点単位で面積を求める場合は、測りたい範囲の境界を歩いてポイント測量を行います。土量を調べる場合は、対象物の周囲を歩いてスマホのカメラとLiDARでスキャンします。わずか数分の作業で、地形の形状や測点群がすべてスマホ上に記録されます。

現場で結果を即確認: 取得したデータに基づき、アプリが自動で面積・体積を計算します。例えば、スキャンした土の山を画面上で囲めば、その容積が瞬時に表示されます。計測結果は現地で即座に確認できるため、追加で測りたい箇所があればすぐに対応できます。測定画面のスクリーンショットを保存しておけば、後から誰でも結果を見返すことができます。

クラウド共有とデータ活用: 測量が終わったら、アプリからワンクリックでクラウドにデータを同期します。オフィスではブラウザからアップロードされた情報を確認でき、必要に応じて詳細な解析や帳票へのまとめが可能です。現場で作成したデータをチーム内で即時共有できるため、コミュニケーションロスが減り、その後の工程の意思決定もスピーディーになります。


このようにLRTKを導入すれば、誰でも簡単に高精度のGNSS測量が行えるようになります。測量アプリの操作もシンプルで直感的なため、特別なスキルがなくてもすぐに現場で使いこなせます。一人で手早く土木測量が完了し、そのままデジタルデータとして残せるため、従来比で作業時間を大幅に短縮できるのは大きなメリットです。さらに、LRTKデバイスは従来の測量機器と比べ導入コストが低く、1人1台の配備も現実的です。現場スタッフ全員が自ら測量できる環境を整えれば、一層の効率化が図れるでしょう。従来は測量会社や専門オペレーターに委託していた作業も、LRTKがあれば自社の施工管理スタッフだけで完結できるため、外注コストの削減や現場対応力の向上にも寄与します。また、LRTKは距離測定や杭打ち位置誘導、写真付き測量記録、ARによる出来形確認など多彩な機能を備えており、まさにスマホが万能測量機に変身します。実際に、地方自治体や建設会社でもLRTKの導入が始まっており、災害現場での土砂量把握や日常の工事管理で効率化につながったとの報告もあります。GNSSとスマートフォンを活用した新しい測量スタイルは、これからの現場管理になくてはならないツールとなっていくでしょう。あなたもぜひLRTKによる手軽で高精度な面積・体積計測を体感してみてください。その手軽さと精度にきっと驚かれることでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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