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3次元モデルで変わる概算数量設計

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

概算数量設計の定義と土木業務での位置づけ

概算数量設計とは、土木プロジェクトの初期段階で工事に必要な数量(例:土工量、構造物の体積・面積など)を概略的に算出する設計プロセスを指します。この段階では、詳細な図面や施工計画が揃う前に、計画平面図や標準的な横断図などに基づいて大まかな数量を求めます。概算数量設計で得られた数量は、プロジェクトの事業規模や概算工事費の算定に用いられ、計画の妥当性評価や予算確保の重要な判断材料となります。


土木設計の流れにおいて、概略計画から予備設計・詳細設計へと進む中で、概算数量設計は特に初期の計画・予算策定フェーズで重要な役割を果たします。例えば、造成工事や道路計画では、どれだけの土砂を切取り・盛土する必要があるか、どのくらいの舗装面積や構造物数量が必要になるかを早い段階で把握しておけば、プロジェクト全体のコストや工期の見通しを立てやすくなります。近年では、この概算数量を活用して工事契約を早期に進める「概算数量発注方式」を試行する自治体もあり、初期設計段階での数量算定の精度向上と信頼性確保がますます求められています。


従来の2次元ベース設計の課題

従来の土木設計では、紙やCAD上の2次元図面(平面図・縦断図・横断図)を用いて計画を立て、その図面から数量を算出していました。例えば道路や宅地造成では、一定間隔ごとに横断面図を起こし、その断面積から平均断面法で土量を計算する手法が一般的でした。しかし、この2次元ベースの設計にはいくつかの課題が指摘されています。


地形の起伏や複雑な形状の反映不足: 横断図を数十メートルおきに切って計算する場合、その間にある細かな窪地や盛り上がりは平均化されてしまい、計算結果に反映されません。現実の地形は連続的に変化しますが、2次元図面では点と線でしか表現できないため、どうしても情報が粗くなってしまいます。

数量算出作業の煩雑さ: 図面上で長さや面積を測定し、区間ごとに体積を積算していく作業は人手に頼る部分が多く、時間がかかります。表計算ソフト等で断面ごとの計算を繰り返す必要があり、設計者にとって大きな負担でした。また計算過程が複雑になるほどヒューマンエラーのリスクも高まります。

設計変更への対応の非効率: いったん平面計画や縦断勾配を変更しようとすると、新たに横断図を引き直し、数量を再計算し直さなければなりません。計画の見直しや複数案の比較検討を迅速に行いにくく、設計段階での柔軟性を損ねる要因となっていました。

情報共有と合意形成の手間: 平面・縦断・横断と複数の図面を付き合わせて現場イメージを把握する必要があるため、発注者や施工者に設計意図を説明するのにも時間がかかります。2次元図面だけでは完成形を直感的に掴みにくく、地形との不整合や見落としが発生しやすいという問題もありました。


このように、従来手法では初期設計段階での数量の精度や作業効率に限界があり、後の施工段階で設計変更や契約変更につながる一因ともなっていたのです。


3次元モデル導入による具体的なメリット

こうした中で近年注目されているのが、3次元モデル(3Dモデル)の活用です。設計に3次元モデルを導入すると、従来の2次元設計では得られなかった多くのメリットが生まれます。具体的には以下のような点が挙げられます。


地形を忠実に反映した数量算定: 3Dモデルでは現況地盤と計画地盤をそれぞれ面データ(メッシュやTIN)で表現し、その差分から直接土量を算出できます。広範囲の地形を連続的に扱うため、細かな凹凸まで数量に反映されます。例えばメッシュサイズを細かく設定すれば、従来見落とされがちだった局所的なくぼみも計算に含めることができ、土量算定の精度が飛躍的に向上します。

数量計算の自動化・迅速化: 専用の土木3D CADソフト上でモデルを作成すれば、体積・面積・長さといった数量はソフトが自動集計してくれます。人手による測定や手計算を大幅に削減でき、数値算出にかかる時間を劇的に短縮可能です。ある大型現場では、4人がかりで7日間かけていた土量測定・計算作業が、3D点群モデルの活用により2人で1日で完了した例も報告されており、計算スピードの向上は設計・施工両面で大きな効果をもたらします。

設計変更や複数案比較への柔軟な対応: モデル上で計画線形や高さを修正すれば、数量は即座に再計算されます。異なる設計案の土量・数量を素早く比較検討することも容易で、最適案の選定や変更への追従が迅速になります。これにより、設計段階での検討の幅が広がり、より経済的・合理的な計画案を導きやすくなります。

整合性の高い設計とミス削減: 3D上で地形・構造物・付帯施設を一体的に表現できるため、設計要素間の干渉や矛盾を事前に発見しやすくなります。例えば道路と排水管の取り合い、擁壁と地盤の干渉といった課題もモデルで可視化することで、2次元図では気付きにくい問題を未然に防止できます。結果として施工段階での手戻りや修正を減らし、品質向上につながります。

視覚的なわかりやすさと合意形成促進: 完成イメージを3Dで共有できるため、発注者や地域住民への説明が平易になり、合意形成のスピードアップが期待できます。複雑な構造物もモデルをタブレット端末で見せれば直感的に理解してもらえますし、施工段階でモデルを活用すれば職人やオペレーターも空間的な完成像を共有できます。また、モデル上で工程シミュレーションや仮想施工を行うことで、安全計画の検討や施工手順の最適化にも役立ちます。

制度面での後押し: 国土交通省はi-Construction推進の一環でBIM/CIMの活用を原則化しつつあり、3次元モデルを用いた設計・積算が今後主流になることが見込まれています。実際、土木工事数量算出要領には3Dデータを用いた数量計算手法(点群のTIN差分やプリズモイダル法など)が規定されており、ソフトウェア各社もこれらに対応した機能を実装しています。技術革新により3D設計の導入ハードルは下がっており、かつては一部の大型案件に限られていた3Dモデル活用が、現在では幅広い現場で現実的な選択肢となり始めています。


土工・舗装・護岸・法面など主要構造ごとの数量設計の変化

続いて、土木分野の主要な工種ごとに、3次元モデル活用によって数量算出の進め方がどのように変わるかを見てみましょう。


土工(盛土・切土)

土工事では3次元モデルの導入効果が特に大きく表れます。現況地盤と計画地盤の3D表面モデルを比較することで、切土量・盛土量を一括して精度良く算出可能です。平均断面法のように測点間の凹凸を見逃すことがなく、全体の土量を漏れなく把握できるため、残土処理量や盛土材の調達量をより正確に見積もることができます。また、設計高の微調整による土量バランスのシミュレーションも容易で、場内発生土の有効活用や搬出土の最小化といった最適化検討を迅速に行えます。


舗装

道路や駐車場などの舗装設計でも、3Dモデルにより面積や厚さの算出がスムーズになります。道路モデル上で路面や路盤の3次元形状を作成すれば、カーブや勾配を含めた正確な舗装面積を自動的に求めることができます。従来は平面図上の長さ×幅から概算していた数量も、拡幅部や交差点の複雑な形状までモデルが正確に再現するため、必要なアスファルト量や路盤材の体積をもれなく算定できます。設計変更で線形・幅員が変わってもモデルを更新すれば瞬時に数量が再集計されるため、変更に伴う拾い直し作業も最小限で済みます。


護岸

河川や海岸の護岸工事においても、3D設計は形状把握と数量精度を大きく向上させます。例えば河川堤防を3次元でモデル化すれば、川の湾曲や勾配に沿った盛土量や法覆護岸ブロックの必要個数を正確に見積もることができます。2次元図面では代表断面でしか示せなかった区間も、モデル上では連続した構造物として表現されるため、延長方向に一貫した数量計算が可能です。これにより、護岸ブロックの個数・コンクリートの打設量・鋼矢板の延長なども的確に算出でき、設計段階から材料手配の計画に役立ちます。また、複雑な地形に合わせた護岸線形の調整も3D空間上で容易に検討でき、現地地形との納まりを事前に確認できます。


法面

造成地や道路脇の法面工でも、斜面形状を3次元で捉えることで必要材料の算出が確実になります。切土法面の仕上がり形状をモデル化すれば、その表面積を即座に測定できるため、種子吹付や法面被覆の面積を正しく見積もれます。従来は各断面ごとに斜面長を積み上げていた作業も、モデル上では法面全体を一括で演算できるため、計算ミスや漏れを防止できます。また、法肩・法尻のラインを地形に合わせて調整する作業も視覚的に行えるため、盛土法面の高さ設定段切り(ベンチ)の配置といった検討も合理的に進められます。これにより、必要な土留め工や補強材の数量も適切に把握でき、施工計画の信頼性が高まります。


設計段階から施工連携・維持管理までを見据えたデータ運用

3次元モデルの活用効果は設計段階に留まりません。作成したデジタルデータを施工や維持管理のフェーズまでシームレスに引き継ぎ、一貫して活用することで、さらなる効率化と品質向上が期待できます。


施工へのスムーズな引き継ぎ: 設計時に作成した3Dモデルは施工段階でもそのまま活用できます。従来、施工者は2次元図面から施工用のデータを作り直す手間がありましたが、設計モデルを共有すれば重機のマシンコントロールや測量機器へのデータ連携が容易になります。施工現場でモデルを参照することで、丁張り作業を削減したり、出来形をリアルタイムで確認したりすることも可能となり、ICT施工による省力化・高度化に直結します。

出来形管理・品質検査への活用: 工事中や完了時には、ドローン写真測量や地上LiDARで取得した点群データを設計時の3Dモデルと重ね合わせ、出来形数量の把握や出来高管理に利用できます。設計値と実測値の差異を三次元上で色分け表示するといった可視化が容易なため、過不足の早期発見や出来形検査の簡略化が図れます。例えば掘削工事では、施工後の地形をスキャンして切土量を自動算出し、設計土量との差を即座に評価できます。必要に応じて契約変更や追加調達を早期に検討できるため、現場対応の迅速化にもつながります。出来形の3Dデータはそのまま電子納品データとして保存・活用でき、従来の紙ベースの検査書類作成の負担軽減にも寄与します。

維持管理へのデータ活用: 完成した構造物の3Dデータは維持管理段階でも貴重な情報資源となります。引き渡し時の出来形モデルを基準データとして保存しておけば、将来の定期点検時に新たな点群測量データと比較して経年変化を把握したり、災害後の変状を定量的に評価したりできます。さらに、3Dモデルに属性情報(材質や施工年次など)を持たせておけば、維持管理システムやGISと連携してデジタル台帳としても機能します。設計から施工、維持管理まで一貫してデータを活用・更新していくことで、プロジェクトのライフサイクル全体で情報が生きる「デジタル連携型」の業務フローが実現します。


小規模プロジェクトや自治体設計でも活かせる実践性

ここまで3次元モデル活用の利点を述べてきましたが、「とはいえ大規模プロジェクトや専門業者でないと難しいのでは」と思われるかもしれません。しかし昨今は、小規模な案件や地方自治体の設計業務においても3次元モデルを活用する環境が整いつつあり、身近な業務へも応用が広がっています。


ソフトウェア面では、直感的に操作できる土木設計向けの3D CADやクラウドサービスが普及し、専門知識がなくても基本的な地形モデル・設計モデルを作成できるようになってきました。フリーソフトや手頃な価格のツールも登場しており、予算が限られた案件でも導入しやすくなっています。またハードウェア面でも、ドローン空撮や地上レーザー計測のコストが下がり、場合によってはタブレットやスマートフォンで現場の3Dデータを取得するといった手軽な計測手法も利用可能になっています。


実際、地方自治体が管理する小規模な道路改良や治山ダム工事でも、試験的に3次元設計を取り入れて成果図の充実や設計期間の短縮を達成した例が報告されています。少人数の設計チームであっても、部分的に3D化(例えば地形モデルと主要構造物のみモデル化)することで業務の効率と精度を高められるケースが増えてきました。重要なのはプロジェクトの規模に応じて無理のない範囲からデジタル化を始めてみることです。例えば、まずは現況の3D地形モデルを作成して土量を算出してみる、といった小さな一歩でも従来手法との差異を実感できるでしょう。


このように、3次元技術は決して大規模案件だけの特別なものではなく、日常の設計業務をアップデートする有力な手段としてあらゆる規模のプロジェクトで活用できるのです。


LRTKによる簡易3D測量の実装メリット

最後に、3次元モデル活用を一層身近なものにする技術として注目されるLRTKによる簡易3D測量について紹介します。どれほど設計技術が進歩しても、現地の正確な地形・構造物データがなければ精度の高い数量算定はできません。しかし従来、高精度の3D測量には高額なレーザースキャナー機器や専門オペレーターが必要で、小規模現場には導入が難しい面がありました。LRTK(エルアールティーケー)は、そのハードルを大きく下げる画期的なソリューションです。


LRTKとは、スマートフォンに装着できるポケットサイズのRTK-GNSS受信機と専用アプリから成る測量システムで、これを用いることで誰でも手軽にセンチメートル級の測位が可能になります。RTK-GNSSによりスマホの位置情報を補正し、高精度な座標を取得できるのが特徴です。さらにスマホ内蔵のLiDARスキャナーやカメラと連携し周囲をスキャンすることで、現場の形状を3D点群データとして記録することもできます。従来は専門機器が必要だった3次元測量が、スマホ+小型デバイスだけで実現するため、まさに「3次元測量の民主化」を象徴する技術と言えるでしょう。


LRTKを現場に導入すると、多くのメリットが得られます。まず低コストで始められる点が大きな利点です。専用の高額機材を揃える必要がなく、スマホと比較的安価な受信機だけで導入できるため、初期投資を桁違いに抑えられます。次に携帯性・機動力に優れ、ポケットに収まるデバイスを携えて現場内を歩き回りながら計測できるため、山間部の小規模工事や崖地など大型機械が持ち込めない場所でも活躍します。また操作の簡便さも特筆すべき点で、特別な訓練を受けた測量技術者でなくとも、アプリの画面指示に従ってボタンを押すだけで精密な測量が完了します。複雑な機器設定や専門知識が不要な直感的操作により、誰でも扱える万能測量ツールとなっています。さらに、リアルタイムなデータ共有と即時解析も可能です。測ったその場でクラウドにデータをアップロードし、オフィスの同僚と共有してすぐに検討に活かせます。取得した点群から体積を自動計算して即座に土量を把握するといったことも現場で実現し、迅速な意思決定につながります。


このようにLRTKを活用すれば、従来は手間と時間を要した現地の3Dデータ取得が飛躍的に容易となり、3次元モデルによる概算数量設計をあらゆる規模のプロジェクトで実践可能にします。初期設計段階から高精度の現況3Dデータを取り込めれば、土工量や構造物配置の精度が上がり、設計の信頼性向上と手戻り削減に直結します。まさに、3次元モデル活用による概算数量設計の変革を支えるキー技術としてLRTKが期待されているのです。今後、こうした手軽な3D測量ツールも駆使しながら、土木設計業務のデジタル化・高度化は一段と加速していくでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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