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外壁検査のDX最前線:スマホ3Dスキャンで足場いらずの安全点検

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

外壁のひび割れやタイル剥落による事故を防ぐため、実際に経年劣化した外壁タイルの落下で通行人が負傷するといった事故例も報告されており、一定規模以上の建物では外壁検査(外壁点検)が定期的に義務づけられています。特に竣工後10年を経過したマンションや公共施設では、専門技術者による外壁の全面調査が必要です(建築基準法第12条に基づく定期報告)。 建築基準法の定期報告制度では、不特定多数が利用する一定規模以上の特定建築物について、おおむね3年ごとの目視点検と、竣工後10年目(以降は必要に応じ)に全面打診等の詳細調査を実施することが義務づけられています。しかし従来の外壁検査には多くの課題があり、現場からは改善を求める声が上がっていました。


足場仮設の負担: 建物全周に足場を組むには多額の費用と日数がかかり、大規模修繕並みの準備が必要です。また、調査中は景観や日常生活への影響も避けられません。実際、調査方法の違いによって外壁点検費用は総額が数倍以上開き、高額な足場仮設の有無がコストを大きく左右するケースもあります。

高所作業の安全リスク: 高所での打診や目視作業は、常に転落事故などの危険と隣り合わせです。作業員の負担も大きく、人手不足の中で対応が難しくなっています。

点検作業の属人化: 外壁の劣化状態評価は人の目に頼りがちで、どうしても主観的になります。そのため、複数の担当者間で判断がばらついたり、劣化の進行度合いを定量的に記録・比較することが困難でした。

記録と報告の煩雑さ: 従来は外壁の図面に手書きでひび割れ位置を書き込んだり、撮影写真を後から整理する必要がありました。報告書作成にも手間がかかり、情報の共有や蓄積がスムーズに行かないという問題があります。


「全面打診のために足場を組まず、もっと手軽に外壁を調べられないか」「コストを抑えて確実な安全点検を実施したい」といった声は、建物オーナーや管理担当者から多く聞かれています。こうしたニーズに応えるべく、外壁検査のDX(デジタルトランスフォーメーション)最前線ともいえる新たな手法が登場しました。それが、スマートフォンを使った3D点群スキャンによる外壁検査です。足場なしで建物外観をまるごとデジタル化し、AR技術で損傷箇所をその場で確認できるこの方法により、外壁点検の在り方が大きく変わろうとしています。


スマホで実現する次世代外壁検査:LRTKの概要

こうした課題を解決するソリューションとして注目されているのが、スマートフォンを活用した外壁検査システム「LRTK」です。LRTKは小型のセンチメートル級GNSS受信機(スマホ背面に取り付ける手のひらサイズのデバイス)をスマホに装着し、専用アプリで3DスキャンやAR表示を行う仕組みで、現場の誰もが簡単にデジタル測量を実践できるよう設計されています。従来は特殊なレーザースキャナーや職人技が必要だった外壁の三次元計測も、スマホひとつで可能となりつつあります。


LRTKにより実現する主な機能は次のとおりです。


3D点群スキャン: スマートフォンのLiDARセンサーや写真測量機能を使い、建物外壁を隅々までスキャンして多数の点からなる三次元データ(点群)を取得します。足場や高所作業車を使わなくても、地上や建物周囲を歩くだけで壁面の形状を丸ごとデジタル記録できます。取得された点群データにはLRTKによる高精度な位置座標が付与されており、図面や他の測量データと組み合わせた解析も可能です。また、取得データには表面の色情報も含まれるため、小さなひび割れや汚れも3D空間上で視認できます。

ARによる損傷確認: 取得後の点群モデルはその場でスマホ画面にAR表示でき、現実の建物に重ねて確認することができます(スマホを動かしても常に実物とぴったり重なった位置に表示されます)。画面越しに見ると、仮想の3Dモデルが実物の外壁とピタリと一致して表示され、ひび割れや変形がないかを直感的に見比べられます。もし点群に欠損箇所(スキャン漏れ)があってもすぐ把握でき、必要に応じて追加撮影してデータを補完することができます。

座標付き写真記録: 壁面の気になる箇所は写真として撮影し、3D上の位置情報とともに保存できます。点群データ上で撮影ポイントを指定するため、どの部分の写真かが一目瞭然です。「ひび割れAは○階南面の窓際」などと手作業でメモしなくても、写真自体にXYZ座標や名称を紐付けて記録できるため、後から誰が見ても位置を正確に特定できます。写真には日時やコメントを付けることも可能で、劣化箇所の種類や緊急度に応じた分類整理もその場で行えます。

クラウド連携と共有: スキャンした点群データや記録写真はクラウド上にアップロードでき、インターネット経由で関係者と共有可能です。クラウド上のビューアを使えばウェブブラウザから3D点群や写真を閲覧できるため、専門ソフトが無くても誰もがデータを扱えます。現場で取得したデジタルデータをオフィスのパソコンで閲覧したり、離れた場所の技術者と同じモデルを見ながら議論したりといった活用ができます。遠く離れた熟練技術者がオフィスからデータをチェックして現地スタッフに指示を出すことも可能で、人材不足への対策にもなります。データはクラウドに蓄積されるため、次回の検査時に前回データと比較して劣化の進行を定量的に把握する、といった長期的な維持管理への応用も期待できます。また、クラウド上に保存されることでデータ紛失の心配もありません。


スマホ3Dスキャンを活用した外壁検査フロー

それでは、LRTKによるスマホ外壁検査が実際にどのような手順で進むのか、現場での基本的なフローを確認してみましょう。


建物全体の3Dスキャン: まず調査対象の建物外周を回りながら、スマホで壁面をスキャンします。LiDAR搭載スマホであれば端末をかざして歩くだけで壁の形状を次々と取得でき、短時間で建物全体の点群モデルが生成されます。スキャン中は取得した点群がスマホ画面にリアルタイム表示されるため、取り残しなく記録できているか確認しながら進められます。LiDAR非搭載の場合も、スマホカメラで複数の角度から撮影した写真を基に3Dモデル化が可能です。足元から軒先まで、従来は近づけなかった高所部分も含め、建築物の外観を余すところなくデジタル記録します。

ARでスキャン結果をその場確認: スキャン完了後、スマホをARモードに切り替えてその場で結果を確認します。先ほど取得した3D点群データが実物の建物に重ね合わされ、スマホ画面越しに見るとデジタル模型が目の前の外壁と一致して表示されます。これにより、肉眼では気付きにくい壁の微妙な歪みや傾きも可視化され、異常がないかを立体的にチェックできます。また点群モデルに欠損がある場合は、その部分だけ実物と表示がズレて見えるため、撮影漏れをすぐに発見できます。必要に応じて追加スキャンを行い、データを補完してから次の工程へ進みます。

損傷箇所の写真記録: 壁面にクラック(ひび割れ)や浮き、剥離跡などの劣化症状が見つかったら、スマホでその箇所を撮影して記録します。LRTKアプリ上で写真撮影を行うと、画像には自動的に撮影した位置の座標データが付加されます。例えば「北面中央の○階部分に幅○mmのひび割れ」といった情報も、写真を見れば一目で把握可能です。撮影した複数の写真は点群モデル上にピン留めされるため、後から3Dビュー上で劣化箇所を俯瞰しながら一覧できます。必要に応じて点群上で寸法を計測し、ひび割れの長さや浮き面積を定量的に記録しておくこともできます。

クラウド共有と報告: 現場で取得した点群データや写真情報は、クラウド経由ですぐに社内の関係者と共有できます。オフィスにいながらリアルタイムで現場の3Dモデルを確認したり、データをダウンロードして報告書に活用したりすることも容易です。従来は多数の写真整理や図面へのプロットに追われていた報告業務も、LRTKなら点群モデルと座標付き写真を組み合わせることで効率化が図れます。クラウド上に蓄積されたデータは、次回以降の外壁検査計画立案にも役立つ貴重な記録資産となります。


外壁検査DXのメリット:安全性・効率性・記録性の向上

スマホ3Dスキャンを用いる外壁検査手法は、従来と比べて様々な利点をもたらします。特に次のような点で、安全性・作業効率・記録精度が飛躍的に向上します。


高所作業削減による安全性向上: 足場解体や高所での打診作業が不要になるため、作業員の転落事故リスクが大幅に減ります。地上から安全にデータ収集できることで、これまで危険と隣り合わせだった外壁点検が格段に安心して行えるようになります。また、作業に伴う周囲への落下物リスクも低減し、建物利用者や近隣への安全面でもメリットがあります。また、ロープアクセスやドローンによる点検と比べても、スマホでの点検は特別な資格や訓練を必要とせず、より手軽で安全に実施できます。

作業時間の短縮とコスト削減: 仮設足場を組んだり解体したりする手間が省ける分、外壁検査にかかるトータルの作業時間が劇的に短縮されます。従来は着手から報告まで数週間~数ヶ月を要した大規模建物の点検も、デジタルスキャンならわずか数日程度で完了させることも可能です。迅速な点検は建物の早期復旧・補修判断にもつながり、長期的なコスト削減効果も期待できます。足場費用や人件費の圧縮により、調査コストは場合によっては従来手法の数分の一になるケースもあります。 また、調査のために建物全体をシートで覆って長期間住民に我慢を強いる必要もなくなります。さらに、仮設材の削減は廃材・産業廃棄物の減少や省資源化にも寄与し、環境負荷軽減の面でも有益です。

記録精度と情報共有の飛躍的向上: 3D点群+座標付き写真による記録は、検査結果を客観的なデータとして残せる点で画期的です。人による主観のブレがなく、誰が見ても同じ情報を共有できるため、劣化判定の再現性・信頼性が高まります。また点群データは時間経過による変化を定量的に比較できるため、「前回よりひび割れが何mm進展した」といった劣化の追跡も容易です。データはクラウドに蓄積され組織全体で共有できるため、ナレッジの蓄積や複数担当者での同時閲覧・分析もスムーズに行えます。紙の報告書では得られない精密な記録資産として、将来の維持管理や補修計画立案に大きく貢献します。 複数の建物を管理する場合もデータを一元管理でき、修繕の優先順位を客観的に判断するなど資源配分の最適化にも役立ちます。


導入事例・活用シナリオ:さまざまな建物で広がる外壁検査DX

スマホ3Dスキャンによる外壁検査は、戸建てから高層ビルまで幅広い建物で活用が見込まれます。以下に、想定される主な利用シーンを紹介します。


戸建住宅: 個人住宅や低層アパートでも、外壁のひび割れチェックや塗装劣化の調査に手軽に活用できます。従来は目視と梯子で行っていた戸建て住宅の点検も、スマホスキャンなら短時間で詳細記録が可能です。例えば地震や台風の後に外壁の状態をオーナー自身がスキャンして確認するといった使い方も考えられます。住宅メーカーやリフォーム業者がアフターサービスとして導入すれば、顧客への提案やメンテナンス計画立案に説得力を持たせることができるでしょう。 また、外壁塗装やリフォーム前の現状把握にも有効で、施工業者と施主が3Dモデルを共有しておけば補修範囲の共通認識を持ちやすくなります。

マンション・集合住宅: 管理組合や管理会社による定期点検業務で大いに威力を発揮します。建築基準法に則った外壁全面調査が必要な中高層マンションでは、コスト削減と迅速化の観点からもDX技術の導入メリットが大きいです。LRTKによるスキャンデータを用いれば、建物全体の劣化状況を一望でき、住民への説明資料として3Dモデルを共有することも可能です。従来は足場を架設して10年目ごとに実施していた調査を、必要に応じてより短いサイクルで実施することも現実的となり、早期の予防保全措置につなげられます。 また、取得した点群から外壁面積やタイル枚数などを算出し、補修工事の概算見積に役立てることもできます。

公共施設(庁舎・学校など): 行政が管理する公共建築物でも、外壁検査DXが進みつつあります。市役所庁舎や図書館、学校施設などは老朽化が進んでいても予算制約から調査が後回しになりがちですが、スマホスキャンであれば低コストで現状把握が可能です。例えば夏休み中の学校校舎をサッとスキャンしておき、二学期開始前に危険箇所がないか確認するといった活用も考えられます。3Dデータは議会や住民への説明資料にも活用でき、客観的なデータに基づく合意形成を支援します。 また国土交通省もインフラ点検へのICT活用を推進しており、自治体レベルでもこうした技術の導入が加速しています。

高層ビル・特殊建築物: 超高層オフィスビルや特殊な形状の建物では、従来ゴンドラやドローンを使った点検が中心でしたが、そこにもスマホ3Dスキャンの価値が生まれています。すべてを地上から撮影することは難しくても、下層階や手の届く範囲を頻繁にスキャンして蓄積しておけば、経年変化の傾向を掴む上で有用なデータとなります。またLRTKはドローン空撮で取得した写真データとも親和性が高いため、ドローンで高層部を撮影しつつ地上ではスマホで下層部をスキャンし、両方の点群を統合してビル全体のモデルを構築するといったハイブリッドな活用も可能です。これにより、高層建築物でも足場を極力使わない安全点検を実現できます。


例えば、築30年・10階建てのあるマンションでは、従来なら数百万円の足場仮設が必要だった外壁全面調査にLRTKを導入しました。管理会社の技術者がスマホ片手に建物周囲を2日間かけてスキャンし、高精度の点群データを取得。クラウド上で住民や修繕業者と共有しながら劣化箇所を検討することで、足場を組まずに補修計画まで立案することができました。このケースでは調査コストを約80%削減でき、住民への周知・説明も3Dモデルを用いることでスムーズに行えたと報告されています。


おわりに

外壁検査のDXを支えるスマホ3Dスキャン技術は、元々は測量分野で培われた位置計測テクノロジーと深く結びついています。LRTKのようなRTK測位対応デバイスによってスマホが高精度測量機へと進化したことが、誰でも手軽に建物の3Dモデルを取得できる現在の流れを可能にしました。こうした測量技術と外壁検査業務との親和性は高く、精密な点群データに基づく劣化診断は信頼性・再現性の点で非常に優れています。さらに、点検結果がデジタルデータとして残ることで、行政提出用の報告書作成や法令遵守のエビデンス確保も容易になります。また、一度取得した建物の点群データは他の用途にも活用できます。例えば外装の補修計画を立てる際の数量算出や、BIMソフトに読み込んでリニューアル設計のベースとするといった簡易3D測量的な応用も可能です。 つまり、従来分断されていた『点検』と『測量・設計』の領域をLRTKが橋渡しし、業務横断的なDXを促進する役割も果たしているのです。


従来から危険と隣り合わせだった外壁検査の現場に、このようなデジタル技術がもたらす恩恵は計り知れません。熟練の技に頼っていた作業をデータ駆動型に刷新することで、業務の属人化を排し、誰もが同じ基準で建物の安全性を評価できるようになります。さらに、点検結果の蓄積によって予防保全型の維持管理へシフトし、建物の長寿命化や資産価値維持にもつながっていくでしょう。今後はAI(人工知能)による自動ひび割れ検出や、ドローン・ロボットとの連携などさらなる技術発展も期待されますが、まずは手元のスマホからDXの第一歩を踏み出すことが重要です。実際に本技術を導入した企業からは「作業が格段に早くなった」「データを共有することで住民説明がスムーズになった」など効果を実感する声が上がっています。さらには「ベテランの勘に頼らず客観的に判断できるようになった」といった評価も聞かれ、DXへの手応えを示しています。外壁検査のDX最前線であるスマホ3Dスキャン技術を取り入れ、ぜひ貴社の建物管理に新たな一歩を踏み出してみてください。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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