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出来形ヒートマップの作り方:土量過不足を一目で見える化

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

土木施工の現場では、仕上がりの形状が設計通りかどうかを正確に確認する出来形管理が欠かせません。しかし、広範囲の出来形を短時間で把握するのは容易ではありません。従来は要所の高さを測って断面図で管理していましたが、計測点間の凹凸を見逃す可能性があります。特に大規模な造成現場では全てを人力で測るのは現実的でなく、品質管理にも限界がありました。そこで活用され始めているのが出来形ヒートマップです。本記事では、土量の過不足を一目で見える化できる出来形ヒートマップとは何か、その作り方と活用メリットについて詳しく解説します。


目次

出来形ヒートマップとは?

ヒートマップで土量過不足を見える化するメリット

出来形ヒートマップの活用範囲

出来形ヒートマップの作り方

スマホとLRTKで手軽に出来形ヒートマップを作成

FAQ


出来形ヒートマップとは?

出来形ヒートマップとは、土木工事などで施工後の実際の地形や構造物の形状(出来形)と、設計図における計画形状との差を色分けで可視化した図面のことです。出来形管理において、実測した高さや形状が設計通りかどうかを直感的に示すために活用されます。ヒートマップでは各地点のずれ量を数値ではなく色の強弱で表現するため、一見して「どこにどれだけ盛土が過剰か」「どこが削り不足か」といった土量の過不足を読み取ることができます。


一般に、出来形ヒートマップでは設計より高く盛られてしまった部分や基準より盛土が多い箇所が暖色系(赤やオレンジ色)で表示され、逆に設計より低く削られてしまった箇所や土量が不足している箇所は寒色系(青や緑色)で表示されます。そして設計通りほぼ誤差のない部分は中間色(緑や淡い色調)で示されるのが一般的です。このように色のグラデーションによって、設計との差分(プラスかマイナスか、その大きさ)がひと目で判別できます。数値の一覧表や断面図だけでは把握しづらい施工のムラも、ヒートマップ上であれば視覚的に捉えられるのが特徴です。


ヒートマップで土量過不足を見える化するメリット

出来形ヒートマップを活用すると、現場の出来形管理において次のようなメリットがあります。


直感的に良否が判断できる: 色による視覚情報のおかげで、専門知識がなくても施工箇所の良好・不良を直感的に判断できます。例えば、盛土しすぎの箇所は赤く表示され、仕上がりが低すぎる箇所は青く表示されるため、一目で要是正箇所が分かります。現場作業員や監督員とも共有しやすく、共通の理解の下で手直し指示や施工管理が行えます。数値の羅列よりも、地図上で赤や青の色を見るほうが直感的に理解しやすく、誰もが状況を把握できるという利点があります。

細部の不陸も見逃さない: 従来のポイントごとの検測では見落としていた微妙な凹凸や勾配不良も、面全体を色分布で評価することで検出可能です。ヒートマップなら広範囲を俯瞰してチェックできるため、「局所的に盛りすぎている場所」や「全体的に設計値より高めに仕上がっている傾向」など、数値比較では掴みにくいパターンも把握しやすくなります。

出来形検査の効率化: 点群スキャンなどで一度に面全体を計測しヒートマップを作成すれば、従来は多数の断面測定や写真撮影に費やしていた手間を削減できます。計測結果のまとめ作業も自動化され、報告用の図表作成がスムーズになります。施工途中でも逐次ヒートマップを生成して確認すれば、早期に手直し判断ができ、手戻りによる工期遅延を防ぐ効果も期待できます。実際に、点群スキャンとヒートマップを導入したことで、従来2日かかっていた出来形検査が半日で完了したケースも報告されています。

品質向上とデータ共有: ヒートマップは数値根拠に基づく客観的な評価ツールです。色の凡例(例えば誤差±5cm以内を緑、±5cm以上を赤など)を示したヒートマップを使えば、発注者への説明や社内共有も説得力のあるものになります。クラウド上にアップロードして関係者全員が3Dビューアで確認したり、PDFレポートとして保存・配布したりと、デジタルデータならではの共有性も高いです。また、出来形ヒートマップを蓄積しておけば、将来的に経年変化の分析やメンテナンス計画にも活用できるでしょう。


このように、出来形ヒートマップによる「見える化」は、単なる合否判定に留まらず、施工品質の向上や現場の効率化、関係者間の円滑なコミュニケーションに寄与します。近年ではタブレットやスマホを使ってヒートマップを現場でAR表示する技術も登場しており、画面越しに実物とヒートマップを重ねて確認することで即座に是正作業に取り掛かれるようになっています。国土交通省もi-Construction施策の一環で、3次元データによる面的な出来形管理を推進しており、ヒートマップによる評価は正式な出来形管理手法として認知されています。


出来形ヒートマップの活用範囲

出来形ヒートマップは、主に土工事の盛土・切土における仕上がり確認で威力を発揮しますが、それ以外の分野でも活用が広がっています。例えば、道路工事では路盤の平坦性や法面の勾配を面的に評価する際にヒートマップが利用されています。トンネル工事では掘削した内空断面が設計通りの形状になっているかを色分布でチェックできます。また、ダムや河川工事における地形の掘削・盛土状況の把握、コンクリート構造物の厚みや仕上がり寸法の検査など、形状の出来不出来を色で示せる場面であれば応用可能です。


実際の現場事例として、あるダムの浚渫工事においてドローン測量とヒートマップによる出来形管理が行われました。その結果、約2400点の測定点の平均高さ誤差が約-1.4cm、最大誤差が+8.6cm程度に収まり、全体が許容範囲内であることが色分布から一目で確認できました。従来の断面管理では把握しづらかった広範囲の出来形を効率的に評価できた好例と言えます。今後さらに多くの施工現場で、出来形ヒートマップが品質管理と効率化の切り札として活用されていくでしょう。


出来形ヒートマップの作り方

では実際に、出来形ヒートマップを作成する手順を見てみましょう。基本的な流れは、(1)設計データの準備 → (2)現況データの取得 → (3)差分の算出 → (4)ヒートマップ化となります。


設計データの準備 まず基準となる設計形状のデータを用意します。道路や造成の出来形管理であれば、設計図面から出来形管理用の3次元設計データ(地表面のモデル)を作成します。発注者から電子納品されたIFCデータやLandXML、あるいは自社で設計ソフトから書き出したTINデータなど、比較対象となる設計面のモデルを準備しましょう。このモデルがヒートマップの「基準面」となります。

現況(出来形)データの取得 次に、工事後の現況形状を計測します。従来は丁張や測量機で要所を点測していましたが、ヒートマップを作成するには面的な測定が必要です。近年は点群スキャンによる簡易計測が普及しており、ドローン空撮(写真測量)や地上型レーザースキャナー、あるいはLiDAR搭載のスマートフォンなどで短時間に現地の点群データを取得できます。広範囲を高密度に測れる点群なら、従来法では得られなかった詳細な現況モデルが得られ、これがヒートマップ作成の土台となります。取得した点群は基準座標系(できれば設計と同じ座標系)に合わせておきます。

点群処理と差分算出 計測した点群データをパソコンに取り込み、設計データとの差分を解析します。専用の出来形管理ソフトや点群処理ソフトを使用すると便利です。具体的には、点群と設計モデルを重ね合わせて各点の高さ差を計算します。この際、分析のメッシュ(格子)サイズ許容誤差のしきい値を設定することができます。例えば、格子サイズを1mにすれば1平方メートルごとの平均誤差を算出できますし、許容誤差を±5cmと設定すれば、その範囲を超える箇所を自動で判定することも可能です。ソフトによっては差分を計算すると同時に土量(体積)の過不足量も算出でき、どの程度の盛土を追加・削減すべきか数量的な把握もできます。

ヒートマップの生成 差分データに基づいてヒートマップを描画します。点群データの各点またはメッシュごとの高さ差に応じて色を割り当て、平面図もしくは3Dビュー上に色分布図を作成します。色のスケール(凡例)は任意に調整でき、先述のように青~緑~赤のグラデーションで「不足~設計通り~過剰」を表現するのが一般的です。ここで設定したしきい値に応じて、規格値内に収まる部分は緑、基準を外れる部分は赤といった合否表示も一目瞭然となります。生成されたヒートマップは必要に応じて画面上で3次元的に確認したり、画像ファイルとして出力して帳票に貼り付けたりすることができます。


以上の手順で、施工箇所の出来形ヒートマップを作成できます。重要なのは、設計データと点群データの座標を正しく合わせることと、適切なしきい値設定です。座標がずれていると、出来形が良好でも全体が一様に色付いてしまうなど誤った表示につながります。また、しきい値が厳しすぎると大部分が不良判定になり、逆に緩すぎると問題箇所の見落としに繋がります。現場の規模や求められる精度に応じて、メッシュの細かさや色分けの基準を調整し、実用的なヒートマップを作成しましょう。


スマホとLRTKで手軽に出来形ヒートマップを作成

上記のように出来形ヒートマップを作成するには、高精度な計測データと解析ツールが必要ですが、近年はスマートフォンと専用デバイスを組み合わせるだけで手軽に高精度測量ができるようになっています。その代表的な例が「LRTK」と呼ばれるソリューションです。


LRTKはスマホに取り付けて使う小型のRTK-GNSS受信機で、スマートフォンのGPSを補強して数センチ精度の位置計測を可能にします。LRTKは日本の準天頂衛星システム「みちびき」から提供される高精度測位サービス(CLAS)に対応しており、水平位置は約±1~2cm、鉛直方向も±3cm程度の精度を実現します。これはトータルステーションなど1級測量機にも匹敵する水準で、スマホが高度な測量機器へと早変わりすることを意味します。例えば最新のiPhoneなどLiDARセンサー搭載の端末であれば、LRTKで測位しながらカメラやLiDARで地形をスキャンすることで、高密度点群に絶対座標を付与できます。従来はドローン測量やレーザースキャナが必要だった3次元点群計測が、スマホとLRTKだけで誰にでも行えるようになりつつあります。


このLRTKによる簡易測量で取得した点群データは、クラウド上のサービスで設計データと自動的に照合され、ワンクリックで出来形ヒートマップを生成することも可能です。専門的なソフトを使いこなせなくても、現場でスマホをかざしてスキャンするだけで、その場で自分たちの施工成果をカラー表示でチェックできます。AR技術と組み合わせれば、生成したヒートマップを実際の地形に投影して、ズレがある箇所を現場で確認することもできます。これにより、非専門者でも簡単に出来形管理を行い、手戻りを減らして品質を確保することが可能となります。


従来は測量会社や専門オペレーターに委ねていた出来形計測・土量管理ですが、LRTKを活用すれば自社の施工管理担当者が少ない手間と人員で正確な出来形ヒートマップを作成できます。また、専用の高価な機材を揃える必要がなく、比較的低コストで導入できる点も魅力です。最新テクノロジーを取り入れることで、現場DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、効率的かつ高品質な施工を実現してみてはいかがでしょうか。


FAQ

Q: 出来形ヒートマップとは何ですか? A: 出来形ヒートマップとは、工事完了後の実際の地形や構造物(出来形)と設計図面との差を色で可視化した図面のことです。各地点の高さ誤差や寸法のずれを青や赤などの色分布で示し、施工が設計通りに行われたか一目で判断できるようにしたものです。


Q: なぜ土量の過不足をヒートマップで見える化する必要があるのですか? A: 土量の過不足は、工事品質や追加の手戻り作業に直結する重要なポイントです。ヒートマップで可視化すれば、数値の羅列では見落としがちな盛りすぎ・削り残し箇所を直感的に把握できます。早期に是正箇所を発見し対処できるため、無駄な掘削や盛土を減らし、工期短縮と品質確保に繋がります。


Q: 出来形ヒートマップを作成するにはどんなデータや機材が必要ですか? A: 基本的には「設計データ」と「現況の計測データ(点群など)」が必要です。設計データは3次元の設計モデルや図面から作った基準面データを用意します。現況データはドローンによる写真測量の点群や、地上型レーザースキャナで取得した点群、最近ではスマホのLiDARで取得した点群でも構いません。これらを比較できるソフトウェア(出来形管理ソフトや点群処理ソフト)を使えば、自動で差分計算とヒートマップ描画が可能です。


Q: ドローンで撮影した点群データからでもヒートマップを作れますか? A: はい、作成できます。ドローン空撮による写真測量で生成した点群データを、設計モデルと比較すればヒートマップを作成可能です。実際に国土交通省の要領でも、3次元設計データと出来形計測した点群を付き合わせて評価する方法が正式に採用されています。ただし、ドローン点群の場合は座標精度を確保するために適切な対空標識やRTK測位を併用することが望ましいです。


Q: 現場でヒートマップを確認する方法はありますか? A: パソコン上で作成したヒートマップを印刷して持ち出す方法に加え、タブレット端末などで3次元データを表示して確認することもできます。さらに最近では、スマートフォンやタブレットのカメラ越しにヒートマップを実物に重ねて表示するAR技術も登場しています。これを使えば、現場で実際の地形に仮想的な色マップを投影し、正しく施工できている場所と手直しが必要な場所を即座に把握できます。


Q: 専門家でなくても出来形ヒートマップを作成できますか? A: 以前は高度な測量機器や専門知識が必要でしたが、現在は技術の進歩により専門家でなくても作成しやすくなっています。例えばスマホに取り付けるLRTKデバイスを使えば、誰でも簡単に高精度の点群を取得でき、専用アプリが自動でヒートマップを生成してくれます。現場担当者自身が扱えるツールが増えており、少しの研修で十分に使いこなせるでしょう。


Q: 従来の出来形管理手法と比べて何が違いますか? A: 従来は定められた測点を測って数値で評価し、規格内かどうかを判断するのが一般的でした。これに対しヒートマップでは、施工箇所全体を面的に計測し、色によって誤差の大小を直感的に可視化できる点が大きな違いです。また、経験や勘に頼らず数値に基づく評価が可能になるため、より客観的で信頼性の高い出来形管理が実現します。さらに、紙の図面や写真帳表では得られなかった詳細なデジタルデータが残るため、検査後の分析や記録としても有用です。


Q: 出来形ヒートマップを作成する際の注意点は何ですか? A: 最も重要なのは、設計データと計測データの座標系を正しく合わせることです。基準点をもとに両者の位置や高さを揃えておかないと、ヒートマップ上に誤った差分が表示されてしまいます。また、色分けのしきい値設定もポイントです。基準値を厳しくしすぎるとほとんどが不合格色になり、逆に緩すぎると問題箇所を見逃してしまう恐れがあります。現場の規格に合わせた適切な基準値を設定し、精度の高い点群データを用いることで、信頼性の高いヒートマップを作成できます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

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