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写真と座標を施工前後で比較しやすくする6つの方法

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この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

施工前後の状況を正しく比較するには、写真だけを残すのではなく、その写真がどこで、どの方向から、どの範囲を写したものなのかを座標と一緒に整理しておくことが重要です。現地調査では、施工前の状態を記録したつもりでも、施工後に見返したときに撮影位置が分からない、同じ方向から撮れていない、写真番号と測点名が対応していない、といった問題が起こりがちです。特に、発注者への説明、出来形確認、補修前後の比較、埋設物や境界付近の確認では、写真と座標のひも付けが曖昧だと、再確認や追加調査が必要になり、現場と事務所の両方に負担がかかります。この記事では、「現地調査 写真 座標」で情報を探している実務担当者に向けて、施工前後の比較をしやすくするための具体的な整理方法を解説します。


目次

施工前後で比較しやすい写真記録の考え方

方法1 撮影位置を同じ座標で再現できるようにする

方法2 撮影方向と撮影範囲を写真と一緒に残す

方法3 施工前後で同じ管理単位を使う

方法4 写真番号と座標データの対応を崩さない

方法5 位置ずれが起きやすい場所を事前に把握する

方法6 報告書で比較しやすい見せ方に整える

写真と座標を現場の共通情報として扱う

まとめ


施工前後で比較しやすい写真記録の考え方

施工前後の比較で大切なのは、きれいな写真を撮ることだけではありません。重要なのは、施工前に撮った写真と施工後に撮った写真を、後から同じ条件で並べて確認できる状態にしておくことです。写真は現場の状況を直感的に伝えられる一方で、単独では位置の情報が不足しやすい資料です。どの場所を写したのか、どの向きから撮ったのか、写真の中央にある対象物が管理上どの測点や範囲に該当するのかが分からなければ、比較資料としての価値は下がってしまいます。


現地調査では、担当者が現場で見ているときには状況を理解できていても、数日後、数週間後、あるいは別の担当者が確認する段階では、記憶に頼った判断が難しくなります。施工前の写真を見ながら施工後の状態を確認しようとしても、撮影位置が少し違うだけで、同じ箇所なのか別の箇所なのか判断しづらくなります。さらに、工事が進むと仮設物、掘削範囲、資材置場、舗装面、植栽、構造物の見え方が変わるため、施工前の目印がなくなることもあります。そのため、写真には座標や管理位置の情報を組み合わせ、後から同じ場所に戻れるようにしておくことが重要です。


施工前後比較の目的は、単に変化を記録することではなく、変化の根拠を説明できるようにすることです。たとえば、施工前に舗装のひび割れがあったのか、施工後に沈下や段差が発生していないか、既設構造物との取り合いが適切か、埋設物や境界付近の状況が変わっていないかを説明する場合、写真だけでは「どこを見ているのか」が曖昧になります。そこに座標が加わると、写真が現場内の特定位置と結びつき、図面や測量成果、点検記録、報告書と連携しやすくなります。


また、施工前後の比較では、撮影時点の違いにも注意が必要です。施工前、施工中、施工後、引き渡し前、補修後など、どの段階で撮影した写真なのかを整理しておかないと、比較対象を誤る可能性があります。同じ地点で撮影した写真でも、時系列が分からなければ、変化の順序を説明できません。写真、座標、撮影日時、撮影方向、管理名称を一体で扱うことで、現場の変化を追跡しやすくなります。


施工前後で比較しやすい記録を作るには、現場での撮影方法と、事務所での整理方法を分けて考えないことが重要です。現場では撮影しやすさを優先しがちですが、報告書を作る段階では、並べやすさ、探しやすさ、説明しやすさが求められます。つまり、現場で写真を撮る時点から、後で誰がどのように使うのかを想定しておく必要があります。撮影時に少しだけ座標や方向の情報を丁寧に残しておけば、後工程での確認作業を大きく減らせます。


方法1 撮影位置を同じ座標で再現できるようにする

施工前後の写真比較で最も基本になるのは、撮影位置をできるだけ同じにすることです。同じ対象物を写していても、撮影位置が数メートル違うと、奥行きや重なり方が変わり、施工前後の差が分かりにくくなります。特に、道路、造成地、法面、構造物周辺、配管や桝の位置確認では、撮影位置の違いが比較のしやすさに大きく影響します。そのため、施工前に写真を撮る段階で、撮影地点そのものを座標で残しておくことが有効です。


撮影位置を座標で残す場合は、単に緯度経度や平面座標を取得するだけでなく、どの管理地点の写真なのかを分かる形にしておくことが大切です。座標値だけが一覧で残っていても、写真と結びついていなければ実務では使いづらくなります。撮影地点に名称を付け、写真番号、撮影日時、対象物、施工区分と合わせて記録することで、施工後に同じ場所へ戻りやすくなります。たとえば、施工前の撮影地点を現場内の管理点として扱い、施工後の撮影時にも同じ地点を目指して撮るようにすれば、写真を横並びで比較しやすくなります。


撮影位置の再現性を高めるには、現場の目印だけに頼らないことも重要です。施工前には見えていた仮囲い、杭、カラーコーン、既設舗装の線、土砂の形状などは、施工後に撤去されたり変化したりすることがあります。目印が失われると、写真を撮った場所を感覚で探すしかなくなります。座標を残しておけば、現場の見た目が変わっても、撮影地点を再確認できます。これは、広い現場や同じような景色が続く現場ほど効果があります。


ただし、座標には誤差があるため、取得した数値を絶対視しすぎないことも必要です。周囲に高い建物、樹木、法面、橋梁、仮設足場などがある場所では、測位環境が悪くなり、位置がずれる場合があります。施工前後の比較では、座標値を基準にしつつ、周囲の固定物や図面上の位置とも照合して判断することが現実的です。座標を残す目的は、現場を機械的に完全一致させることではなく、後から同じ地点を見つけやすくし、説明の根拠を増やすことにあります。


施工前に撮影位置を決めるときは、後で同じ場所に立てるかどうかも考えておく必要があります。施工後に構造物ができて立ち入りできなくなる場所、掘削や盛土で高さが変わる場所、車両動線になる場所、仮設物で塞がれる場所を撮影地点にしてしまうと、同じ位置からの再撮影が難しくなります。その場合は、施工後も立ち入りやすい位置を撮影基準点にするか、複数の代替撮影地点を設けておくと安心です。座標を使って比較しやすくするには、撮影地点の選定そのものが重要な作業になります。


方法2 撮影方向と撮影範囲を写真と一緒に残す

写真と座標をひも付けても、撮影方向が分からなければ施工前後の比較は十分ではありません。同じ地点に立っていても、北向きに撮った写真と東向きに撮った写真では、まったく別の資料になります。施工前後で同じ場所から撮影したつもりでも、向きが少し違うだけで、対象物の見え方や背景との関係が変わります。そのため、撮影位置だけでなく、撮影方向と撮影範囲を一緒に残すことが大切です。


撮影方向は、方位、対象物名、図面上の方向、測点の進行方向など、現場で共有しやすい表現に統一して記録します。たとえば、単に「右側」「奥側」と書くと、見る人によって解釈が変わることがあります。施工前後の比較では、方位や測点方向を使って表現した方が、後から再現しやすくなります。道路や線形構造物では、起点側から終点側、終点側から起点側といった書き方も有効です。構造物周辺では、正面、背面、上流側、下流側、民地側、道路側など、現場の管理で使われる方向表現と座標を組み合わせると分かりやすくなります。


撮影範囲を残すことも重要です。写真には広角で撮ったもの、対象物に寄って撮ったもの、全景を撮ったもの、詳細を撮ったものがあります。施工前後で比較する際に、施工前は広い範囲を写しているのに、施工後は一部だけを拡大していると、変化を説明しにくくなります。施工前に全景、近景、詳細のどれを撮ったのかを整理し、施工後も同じ粒度で撮影することで、比較資料として使いやすくなります。


撮影範囲を座標と結びつける場合は、撮影地点の座標だけでなく、写真に写っている主対象の位置も意識するとよいです。写真の座標が撮影者の位置を示しているのか、対象物の位置を示しているのかが曖昧だと、後で混乱します。現地調査では、写真を撮った場所と、写真で説明したい場所が離れていることがあります。たとえば、道路反対側から構造物を撮る場合、撮影地点の座標と対象物の座標は異なります。この違いを理解しておかないと、図面上に写真位置を落とし込んだときに、説明したい対象とずれて見えることがあります。


実務では、写真データに付く位置情報が撮影者側の位置であることを前提にしつつ、対象物の座標や管理点名を別途残すと整理しやすくなります。撮影地点の座標は「どこから撮ったか」を示し、対象物の座標は「何を確認したか」を示します。この二つを区別して管理することで、施工前後の写真比較だけでなく、図面への反映や報告書での説明もスムーズになります。


また、撮影方向を残すときは、現場で毎回完璧な方位を測ることだけを目的にしない方が実務的です。重要なのは、施工後に同じ向きを再現できる程度の情報を残すことです。方位の数値、周囲の固定物、図面上の方向、対象物の位置関係を組み合わせれば、再撮影時の迷いを減らせます。写真に写る範囲が施工前後でそろっていれば、発注者や関係者も変化を理解しやすくなります。


方法3 施工前後で同じ管理単位を使う

写真と座標を比較しやすくするには、施工前と施工後で同じ管理単位を使うことが欠かせません。施工前は「現地調査写真」として保存し、施工後は「完成写真」として別のルールで保存してしまうと、後から対応関係を探すのに時間がかかります。撮影地点、測点、構造物番号、区画、工区、管理項目など、比較の軸になる単位をあらかじめ決め、施工前後で同じ名称を使うことが重要です。


管理単位がそろっていないと、写真と座標の情報があっても比較作業が複雑になります。たとえば、施工前の写真は「調査地点1」として記録され、施工後の写真は「完成確認A」として保存されている場合、同じ場所かどうかを写真の見た目や担当者の記憶で確認する必要があります。これでは、写真枚数が増えるほど確認に時間がかかります。最初から同じ管理名称を使っておけば、施工前写真と施工後写真を同じ行や同じフォルダ、同じ地図上で扱いやすくなります。


工事範囲が広い場合は、管理単位を細かくしすぎても粗すぎても扱いにくくなります。細かすぎると入力や整理の手間が増え、現場での運用が続かなくなります。粗すぎると、同じ管理単位の中に多数の写真が入り、目的の写真を探しづらくなります。実務では、発注者への説明、社内確認、出来形管理、維持管理で使う粒度を考えながら、管理単位を設定することが大切です。道路であれば測点や区間、造成であれば区画や造成面、構造物であれば部位や面、埋設物であれば路線や桝番号などが比較の軸になります。


施工前後で同じ管理単位を使う場合、名称の表記ゆれにも注意が必要です。全角と半角、漢字とひらがな、略称と正式名称、測点表記の違いが混在すると、検索や並び替えで見落としが起こります。現地調査の段階で、写真名やメモ欄に自由入力だけで記録すると、担当者ごとに書き方が変わります。できるだけあらかじめ決めた名称を使い、同じ地点は同じ名前で扱うようにします。これだけでも、施工前後の照合作業はかなり楽になります。


座標管理と管理単位は、別々に考えるのではなく、組み合わせて使うと効果的です。座標は位置を示す客観的な情報であり、管理単位は人が理解しやすい整理の単位です。座標だけでは現場の意味が分かりにくく、管理単位だけでは位置の根拠が弱くなります。両方を合わせることで、写真が「どこで撮られたか」と「何のために撮られたか」を同時に説明できます。


施工前後の比較を重視するなら、施工前の段階で比較対象の一覧を作っておくことも有効です。施工後に必要になりそうな写真を後から考えるのではなく、施工前に「この地点は施工後も同じ向きで撮る」「この範囲は全景と詳細を残す」「この座標は変化確認に使う」と決めておくと、撮り忘れを防ぎやすくなります。写真管理は、撮影後の整理だけでなく、撮影前の設計が大切です。


方法4 写真番号と座標データの対応を崩さない

現地調査では、写真、座標、メモ、図面、測定値が別々の形で保存されることがあります。このときに起こりやすい問題が、写真番号と座標データの対応が分からなくなることです。写真自体は残っていても、その写真の座標がどれなのか分からない。座標一覧はあるのに、どの写真に対応するのか分からない。この状態になると、施工前後の比較作業は一気に難しくなります。


写真番号と座標データの対応を保つには、撮影時点でひも付けを完了させる運用が理想です。後から事務所で写真を見ながら座標を手作業で対応させる方法もありますが、枚数が多い現場ではミスが起こりやすくなります。特に、同じような景色の写真が続く場合、どの写真がどの地点なのかを判断するのは簡単ではありません。撮影と同時に座標、撮影時刻、管理名称が記録されていれば、後工程での確認負担を減らせます。


写真番号を管理する場合は、施工前後で対応関係が分かるようにしておくことが大切です。施工前の写真番号と施工後の写真番号が完全に同じである必要はありませんが、同じ地点で撮った写真同士を結びつけられるルールが必要です。たとえば、同じ管理地点名に施工前、施工後の区分を付ける方法や、同じ地点IDに時期情報を加える方法があります。重要なのは、ファイル名だけを見ても、どの地点のどの時期の写真なのかが大まかに分かる状態にすることです。


写真ファイルの名称を変える場合は、元の撮影日時や連番との関係を失わないようにします。ファイル名を分かりやすくすることは有効ですが、整理の途中で番号が重複したり、撮影順が崩れたりすると、かえって混乱します。施工前後比較では、撮影日時も重要な情報です。ファイル名、撮影日時、座標、管理名称のいずれか一つに頼るのではなく、複数の情報で照合できる状態にしておくと、万一の入力ミスにも気づきやすくなります。


座標データを一覧で管理する場合は、写真と同じ管理項目を持たせることが有効です。写真側に管理地点名があり、座標側にも同じ管理地点名があれば、対応関係を確認しやすくなります。逆に、写真側には日本語の場所名、座標側には別の記号、図面側にはさらに別の番号が使われていると、照合に手間がかかります。現場で使う名称、座標データで使う名称、報告書で使う名称をできるだけ統一することが、比較しやすい資料作成につながります。


また、施工前後で写真を比較する際には、削除や差し替えの履歴にも注意が必要です。不要に見える写真でも、後から施工前の根拠として必要になることがあります。写真を整理する段階で安易に削除すると、施工後の確認時に比較対象がなくなる場合があります。不要写真を完全に消すのではなく、使用しない写真として分けて保管するなど、元データを残す運用にしておくと安心です。写真と座標は、現場の証跡として扱う意識が必要です。


方法5 位置ずれが起きやすい場所を事前に把握する

写真と座標を使った施工前後比較では、座標のずれが問題になることがあります。現地で取得した位置情報は便利ですが、環境によって精度が変わる場合があります。周囲に高い建物がある場所、樹木が覆っている場所、谷地形や法面の近く、橋梁の下、金属構造物の近く、仮設物に囲まれた場所などでは、位置情報が安定しにくいことがあります。こうした場所では、施工前後で同じ地点を記録したつもりでも、地図上では少し離れて表示されることがあります。


位置ずれが起きやすい場所では、座標だけに頼らず、複数の確認材料を残すことが大切です。たとえば、近くの固定物、構造物の角、境界標、既設桝、道路端、基準点、測点など、現場で変わりにくい要素との位置関係を写真やメモに残しておくと、後から判断しやすくなります。座標が多少ずれていても、写真に写っている固定物やメモの内容と照合できれば、同じ場所かどうかを確認できます。


施工前後の比較で問題になりやすいのは、施工によって目印がなくなる場所です。施工前にあった舗装のひび割れ、土の盛り上がり、仮設の杭、資材の配置などは、施工後には消えていることがあります。こうした一時的な目印だけを頼りにすると、施工後に同じ位置を特定しにくくなります。施工前の写真には、できるだけ長く残る固定物や図面上の基準となる要素を一緒に写し込むようにします。対象物だけを大きく撮るのではなく、周辺との関係が分かる写真も残しておくことが重要です。


位置ずれを前提にした運用では、同じ地点を複数枚で記録する方法も有効です。全景写真で周囲の位置関係を残し、近景写真で対象物の状態を残し、必要に応じて詳細写真で劣化や境界、取り合いを記録します。全景だけでは細部が分からず、詳細だけでは場所が分かりません。複数の距離感で写真を残すことで、座標に多少の誤差があっても、施工前後の比較資料として使いやすくなります。


また、座標の取得方法が施工前後で変わる場合にも注意が必要です。施工前は簡易な位置情報で記録し、施工後は別の測位方法で記録した場合、同じ地点でも数値の出方が変わる可能性があります。比較の目的が大まかな位置確認なのか、厳密な出来形や境界確認なのかによって、求められる精度は変わります。重要な確認に使う写真では、どの程度の精度が必要かを事前に整理し、必要に応じて測量成果や図面上の基準と照合します。


位置ずれを完全になくすことだけを目指すと、現場運用が重くなりすぎる場合があります。大切なのは、ずれが起こり得ることを前提に、後から説明できる情報を残しておくことです。施工前後の比較では、座標、写真、方向、周辺目印、管理名称を組み合わせることで、実務上確認しやすい記録を作ることができます。


方法6 報告書で比較しやすい見せ方に整える

施工前後の写真と座標は、現場で記録して終わりではありません。最終的には、報告書、打合せ資料、検査資料、社内共有資料などで使われます。そのため、記録の段階から、報告書でどう見せるかを意識しておくことが重要です。比較しやすい報告書にするには、施工前写真と施工後写真を同じ管理単位で並べ、撮影位置や対象物の情報を一目で確認できるようにします。


報告書では、写真の見た目だけでなく、位置の根拠を添えることが大切です。写真の下に撮影地点名、座標、撮影方向、撮影日、施工区分を整理しておくと、読み手は写真の意味を理解しやすくなります。特に、発注者や管理者が現場に詳しくない場合、写真だけを見ても場所を判断できません。座標や図面上の位置とセットで示すことで、説明の根拠を示しやすくなります。


施工前後を並べるときは、写真の大きさや切り取り方をそろえることも重要です。施工前は横長、施工後は縦長、施工前は遠景、施工後は近景というように見せ方がばらつくと、変化が分かりにくくなります。撮影条件を完全に一致させることは難しい場合もありますが、できるだけ同じ構図、同じ方向、同じ範囲で並べるようにすると、読み手が差分を見つけやすくなります。比較資料では、写真の美しさよりも、同じ条件で見比べられることが重要です。


座標を報告書に載せる場合は、読み手に必要な情報量を考える必要があります。すべての数値を細かく並べると、資料が読みにくくなることがあります。一方で、座標情報を省きすぎると、根拠が不足します。実務では、写真ごとに管理地点名と必要な座標を示し、詳細な一覧は別資料として整理する方法が使いやすいです。報告書本文では比較の理解を優先し、必要に応じて座標一覧や図面と対応できるようにしておくと、確認作業がスムーズになります。


また、報告書では、写真の並び順も大切です。撮影順、測点順、工区順、構造物順など、読み手が現場を追いやすい順番に整理します。施工前写真だけをまとめ、その後に施工後写真だけをまとめると、比較時にページを行き来しなければならない場合があります。施工前後を地点ごとに並べると、変化を直感的に確認しやすくなります。報告書の目的が比較であるなら、整理の軸も比較しやすさを優先すべきです。


報告書での見せ方を整えることは、現場の記録品質を高めることにもつながります。なぜなら、報告書で必要な項目が分かっていれば、現地調査時に何を記録すべきかが明確になるからです。撮影地点、対象物、方向、座標、施工区分、コメントが必要だと分かっていれば、現場で撮影するときに漏れを確認できます。現場記録と報告書作成を別々の作業として考えるのではなく、最初からつながった流れとして設計することが大切です。


写真と座標を現場の共通情報として扱う

施工前後の比較をしやすくするには、写真と座標を担当者個人の記録ではなく、現場全体の共通情報として扱うことが重要です。現地調査を行った本人だけが分かる写真管理では、担当者が変わったときや、時間が経過したときに資料として使いにくくなります。誰が見ても、どの写真がどの場所を示しているのか分かる状態を目指す必要があります。


現場の共通情報にするためには、記録ルールを簡単で続けやすいものにすることが大切です。あまりに細かい入力項目を増やすと、忙しい現場では運用が続きません。一方で、必要な情報が少なすぎると、後から比較できなくなります。最低限、撮影地点、撮影対象、施工前後の区分、撮影方向、座標、撮影日時がそろっていれば、後から確認しやすい記録になります。現場ごとに必要な項目を追加しながら、無理なく続けられるルールを作ることが現実的です。


共有のしやすさも重要です。写真と座標が担当者の端末や個別フォルダに分散していると、必要なときに探せません。施工前後比較では、施工前の写真を施工後の担当者が確認する場面が多くあります。現場で撮った写真と座標を、関係者が参照しやすい形で整理しておくことで、撮り直しや問い合わせを減らせます。特に、現場と事務所、元請と協力会社、発注者と施工者の間で情報を共有する場合、写真と座標の整理状態がコミュニケーションの質に直結します。


写真と座標を共通情報にするには、地図や図面と結びつけて確認できる状態にしておくと効果的です。写真一覧だけでは、現場内の位置関係を把握しづらいことがあります。座標を使って写真位置を図面や地図上に配置できれば、どの範囲が記録済みで、どこに写真が不足しているかを確認しやすくなります。施工前の段階で写真位置を可視化しておけば、施工後に同じ地点を回る際の確認ルートも作りやすくなります。


また、写真と座標を共通情報として扱うと、現場の引き継ぎにも役立ちます。担当者が変わった場合でも、施工前の写真、座標、方向、管理名称がそろっていれば、過去の状況を把握しやすくなります。工事が長期化する現場や、複数工区に分かれる現場では、記録の引き継ぎ品質が後工程に影響します。施工前後の比較資料は、単なる報告書作成のためだけでなく、現場管理の継続性を支える情報でもあります。


さらに、写真と座標の整理は、トラブル防止にもつながります。施工前に既存の損傷や周辺状況を座標付きで記録しておけば、施工後に発生した指摘に対して、施工前から存在していたものか、施工後に変化したものかを確認しやすくなります。もちろん、写真だけで全てを証明できるわけではありませんが、位置と時期が明確な記録は、説明の根拠として大きな意味を持ちます。曖昧な記憶ではなく、共有できる記録に基づいて話せることが、現場の信頼性を高めます。


まとめ

写真と座標を施工前後で比較しやすくするには、施工後にどう使うかを考えながら、施工前の段階で記録方法を整えておくことが重要です。撮影位置を座標で残し、同じ場所に戻れるようにすること。撮影方向と撮影範囲を写真と一緒に記録し、同じ構図で比較しやすくすること。施工前後で同じ管理単位を使い、写真番号と座標データの対応を崩さないこと。さらに、位置ずれが起きやすい場所を把握し、座標だけでなく周辺目印や管理名称も組み合わせることが大切です。


現地調査の写真は、撮った直後は分かりやすく見えても、時間がたつほど場所や意図が分かりにくくなります。施工が進めば現場の見た目も変わり、施工前の目印が消えることもあります。そのため、写真を単なる画像として保管するのではなく、座標、方向、対象物、撮影日時、施工区分と一緒に管理する必要があります。こうした情報がそろっていれば、施工前後の変化を説明しやすくなり、発注者への報告や社内確認、検査資料の作成もスムーズになります。


実務で大切なのは、完璧な記録を一度だけ作ることではなく、現場で無理なく続けられる記録ルールを整えることです。撮影のたびに必要な情報が自然に残り、後から写真と座標をまとめて確認できる仕組みがあれば、担当者ごとのばらつきも減らせます。施工前後の比較がしやすい資料は、現場の説明力を高めるだけでなく、手戻りや再確認の削減にもつながります。


これから現地調査の写真管理を見直す場合は、まず施工前写真に座標と方向を確実にひも付けるところから始めるとよいです。そのうえで、施工後に同じ地点を再撮影し、同じ管理単位で並べられるようにします。写真と座標を現場の共通情報として扱えるようになれば、施工前後の比較は大きく効率化します。現場で写真と位置情報を一体で記録し、後から見返しやすい形で整理できる運用にしておくことで、日々の現地調査から報告資料づくりまでをつなげやすくなります。


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