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外壁検査で出窓まわりの雨仕舞い不良を見抜く6項目

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

外壁検査で出窓まわりを重点確認すべき理由

検査前に整理しておきたい雨水の流れと確認手順

出窓上端の水切りと勾配を確認する

出窓側面と外壁の取り合いを確認する

サッシまわりのシーリングを確認する

外壁材のひび割れと浮きを確認する

出窓下端と支持部の納まりを確認する

室内側に現れる漏水サインを確認する

症状から雨水の侵入経路を絞り込む方法

検査結果を報告書に落とし込むポイント

雨仕舞い不良を見つけた後の対応判断

まとめ


外壁検査で出窓まわりを重点確認すべき理由

出窓は外壁面から張り出す形状のため、一般的な窓に比べて上端、左右側面、下端、サッシ周囲、支持部などの取り合いが増えます。実際の雨の受け方や不具合の生じやすさは、軒や庇の有無、出窓の形状、外壁材、下地防水、施工方法によって異なりますが、複数の材料や部材が連続する箇所として重点的に確認する価値があります。


出窓まわりの雨水浸入では、外部の侵入口と室内に現れる染みの位置が一致しないことがあります。上部から入った水が防水紙や下地材の表面を伝い、出窓の下端や室内側の窓台付近に現れる場合もあるためです。反対に、下端の変色が必ずしも直上からの漏水を示すとは限りません。外壁検査では、見えている劣化を記録するだけでなく、雨水の入口、通り道、排出先を仮説として整理します。


特に避けたいのは、シーリング表面だけを見て「切れていないから問題なし」と判断することです。開口部の雨仕舞いは、外装仕上げ、シーリング、水切り、防水紙や防水テープ、排水経路などが組み合わさって機能します。表面のシーリングが健全に見えても、隠れた防水層の状態までは目視で確認できません。一方、表面に細かな劣化があっても、直ちに室内漏水が発生しているとは限りません。例えば、木造住宅を対象とする住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準では、外壁開口部の周囲で防水テープを用いて防水紙を密着させることが示されています。([国土交通省][1])


したがって、出窓まわりの外壁検査では、一つの所見だけで原因や欠陥の有無を断定せず、複数の所見と調査条件を関連づけて評価することが重要です。本記事で扱うのは、主に目視を中心とした非破壊調査と、必要に応じて専門家が行う追加調査の考え方です。法定点検、設計図書との適合判定、構造安全性の確定診断を代替するものではありません。国土交通省の既存住宅に関する調査基準でも、外壁のひび割れ、欠損、浮き、はらみ、剥落、金属部の著しいさびなどを、目視、計測、打診等で確認する考え方が示されています。


検査前に整理しておきたい雨水の流れと確認手順

出窓まわりを検査する前に、建物の方位、周辺の風の抜け方、軒や庇の出、上階のバルコニー、屋根、配管貫通部、換気口などの位置を確認します。漏水が特定の風向きや雨の強さで起きる場合は、風を伴う雨によって通常とは異なる方向から水が作用している可能性があります。居住者や管理担当者から聞き取りができる場合は、発生した日時、雨の強さ、風向き、症状が現れるまでの時間、継続時間、過去の補修歴を記録します。


検査は、雨水が来る可能性のある上方と周辺を含め、上から下へ位置関係を追うと整理しやすくなります。出窓の直近だけでなく、上方の外壁、目地、配管貫通部、換気口、屋根やバルコニーとの取り合いまで視野に入れます。確認範囲を「一層分」など一律に決めるのではなく、建物形状、症状の位置、降雨条件から想定される経路に応じて設定します。


観察時は、晴天時の乾いた状態に加え、可能であれば降雨後の状態も比較します。雨上がりに一部だけ乾きが遅い、目地周囲の色が濃い、下端から水分がにじむといった差は、追加確認の手掛かりになります。ただし、日射、風、表面温度、材料の吸水性によって乾燥速度は変わるため、濡れ色だけで漏水を断定してはいけません。同じ方位、近い高さ、同種材料の健全部と比較し、局所的な差かどうかを確認します。


高所は、地上からの望遠撮影、点検カメラ、適切な高所作業設備などを使い、無理な接近を避けます。脚立、足場、高所作業車等を使う場合は、法令、作業手順、設置条件に従い、必要な技能と安全設備を備えた人が実施します。撮影は全景、中景、近接の三段階で行い、近接写真だけで位置関係が失われないようにします。


また、検査前に「外部から確認できる範囲」と「仕上げを外さなければ確認できない範囲」を分けます。目視中心の外壁検査で把握できるのは、主に現時点の劣化事象、漏水痕、リスクの手掛かりです。防水紙の重ね、サッシフィン周囲の防水テープ、水切り裏側、下地材の劣化は、図面、施工記録、内視鏡、部分撤去などがなければ確定できない場合があります。報告時は、確認できた事実、原因仮説、未確認事項、追加調査の要否を分けて記載します。


出窓上端の水切りと勾配を確認する

最初に確認したいのは、出窓上端の水切りまたは屋根状部分と、その排水状態です。必要な勾配や端部形状は、材料、寸法、構法、製造者の仕様によって異なります。現場では数値だけで良否を決めず、雨水が建物側へ戻らず外側へ流れるか、局所的な滞水や逆勾配がないか、図面や仕様と整合しているかを確認します。


目視では、水切り上面のたわみ、へこみ、波打ち、継ぎ目の開き、端部の浮き、固定部周囲の劣化を確認します。雨上がりに水たまりが残る場合は、局所的な変形、排水経路の閉塞、勾配不足などの可能性があります。土ぼこり、藻、変色が帯状に残っている場合も、滞水や繰り返す濡れの手掛かりになりますが、それだけで内部への浸入を断定することはできません。


水切り先端では、雨水を外壁面から離して落とすための折り返しや滴下形状が機能しているかを見ます。先端が変形して外壁に近づいている、下面へ連続する汚れ筋がある、端部から側面へ水跡が回っている場合は、雨水が裏側や側面へ回り込む可能性を検討します。


水切りと外壁の取り合いでは、見える範囲の隙間、シーリングの剥離、部材の重なり、固定部、補修跡を確認します。ただし、外壁側への立ち上がり寸法や防水層との重ね順は、外観だけでは確認できないことがあります。不自然に厚いシーリングや複数回の補修跡は、過去に対策が行われた手掛かりにはなりますが、過去の漏水や補修効果をそれだけで断定してはいけません。


左右端部では、端部の止水形状、部材の重なり、隙間、局所的な汚れや腐食を比較します。片側だけ症状が強い場合は、風雨の当たり方、上方からの流下、端部納まりの差を候補にします。端部形状は製品や構法で異なるため、見慣れない形状を一律に欠損と判断せず、可能であれば図面や製造者の施工要領と照合します。


勾配は、手が届き安全に測定できる範囲で水平器等を用いると記録の客観性が高まります。局所的な凹凸と全体の排水方向は分けて評価します。散水調査を行う場合は、所有者等の同意を得たうえで、漏水調査の知識がある担当者が範囲、時間、水圧、観察体制を計画し、通常の雨を大きく超えるような一点集中の加圧を避けます。公的な事故調査資料でも、原因候補に通常の水圧で散水し、再現の有無を確認する方法が示されています。


出窓側面と外壁の取り合いを確認する

出窓の左右側面は、外壁と張り出し部分の取り合いが連続する場所です。上端から流れた水が側面へ回り、縦方向に下端へ移動することがあります。隙間、ひび割れ、段差、部材の重ね順の不整合があると、風圧や狭い隙間での水の移動によって内部へ水が入りやすくなる場合があります。左右を同じ条件で比較し、片側だけに変色、汚れ、シーリング剥離が集中していないかを確認します。


取り合い部にシーリングがある場合は、ひび割れ、肉やせ、欠落、端部剥離、表面の硬化や粉化、補修材の重ね塗りを見ます。表面が滑らかでも、被着面との境界に細い隙間が生じている場合があります。触診できる位置でも、工具を差し込んだり強く押したりせず、既存の防水材や仕上げを傷めない範囲にとどめます。


外壁材の端部では、切断面の露出、塗膜の途切れ、欠け、変形、腐食を確認します。窯業系サイディング、金属系外装、塗り仕上げなどで現れやすい劣化の形は異なります。端部からの吸水、切断部や固定部の腐食、取り合い部のひび割れなどを候補として見ますが、材料名だけで原因を決めつけず、下地構成や施工仕様も確認します。


側面に縦長の汚れ筋がある場合は、起点を上へ追います。上端水切りの端部から始まるのか、途中の目地や固定部から始まるのかを記録すると、雨水経路の仮説を立てやすくなります。ただし、汚れ筋は正常な表面排水でも生じるため、シーリング剥離、外壁の浮き、室内側の症状、降雨時の再現性などと合わせて評価します。


防水紙や防水テープの連続性は重要ですが、通常は外観から直接確認できません。見える範囲では、上側の部材が下側へ適切に重なるか、上向きに水を受ける隙間がないか、下端の排水経路が塞がれていないかを確認します。疑わしい場合は、設計図書、施工記録、製造者の納まり資料を確認し、それでも判断できなければ部分撤去等の追加調査を検討します。木造の防水紙を用いる構法では、外壁と開口部周囲を、表面材だけでなく防水紙と防水テープを含む連続した構成として評価します。([国土交通省][1])


サッシまわりのシーリングを確認する

サッシまわりのシーリングは目につきやすい一方、表面状態だけで雨仕舞い全体を判断しやすい箇所です。確認する所見には、ひび割れ、肉やせ、剥離、欠落、硬化、変色、汚染、補修材の重ね塗りなどがあります。サッシ上辺や上部の角は雨水が集まりやすく、部材間の動きも受けるため、周囲と比較しながら丁寧に観察します。


シーリング中央の破断は材料の劣化や変形追従不足、端部の隙間は接着不良や被着面の動きなどを示すことがあります。ただし、外観だけで原因を確定することはできません。目地幅、深さ、バックアップ材、プライマー、被着面の状態など、隠れた施工条件も関係します。既存シーリングの上に補修材が重ねられている場合は、補修端部の剥離、周囲の膨れ、変色、水抜き経路への影響を確認します。


サッシ下辺は、上辺と同じように「全面が塞がっていれば良い」とは限りません。サッシや外壁の構法によっては、枠内部や取り合い部に入った水を外へ排出する開口や経路があります。設計上の水抜きや排水経路をシーリングや塗膜で塞ぐと、滞水につながる可能性があります。一方、単なる施工欠損が排水口のように見える場合もあるため、製品図、施工要領、周囲の納まりを確認して判断します。


水抜き用と考えられる開口がある場合は、塗膜、ほこり、土砂、補修材などで塞がれていないかを見ます。開口周辺の白い析出物、錆汁、変色は、水分移動や材料劣化の手掛かりにはなりますが、「排水機能が正常に働いている証拠」とは限りません。上部から過剰に水が入っている、内部で腐食が進んでいる、表面を流れた水が付着したなど、複数の可能性を残します。


サッシ枠とガラスの取り合い、枠の接合部、固定部周辺も確認対象です。外壁側に異常がなくても、ガスケットやシーリング、枠接合部の劣化が関係する場合があります。ただし、サッシの水密・排水構造は製品や開閉形式によって異なります。見慣れない穴や隙間を欠損と誤認せず、可能であれば製造者資料を確認し、外壁側の雨仕舞いと建具自体の水密性を分けて評価します。


外壁材のひび割れと浮きを確認する

出窓などの開口部周辺では、材料の収縮、下地の動き、固定状態、構造変形などの影響により、外壁材や仕上げ層にひび割れが生じることがあります。ひび割れは雨水の入口になり得る一方、表面層だけにとどまる場合もあります。外壁検査では、位置、方向、長さ、幅、段差、周辺の浮き、補修跡、経時変化を記録します。


出窓の角部から斜め方向へ伸びるひび割れは、開口部周辺で見られる形の一つです。表面を充填しても再発する、複数の仕上げ材をまたぐ、段差を伴う、左右で著しく非対称、時間とともに広がるといった場合は、仕上げだけでなく下地や構造の動きも含めた追加確認が必要です。ひび割れ形状だけで原因を一つに決めないことが重要です。


塗り仕上げでは細いひび割れ、板状外壁材では固定部、切り欠き、継ぎ目付近の割れや欠け、金属系外装では継ぎ目の開き、変形、切断端部や固定部の腐食を確認します。錆汁がある場合は起点を追いますが、雨水の侵入口、内部の金属部、表面付着物など複数の原因があり得ます。


浮きの確認には、仕上げの種類や安全条件に応じて打診が用いられることがあります。健全部と異なる音質が連続する範囲は追加確認の手掛かりになりますが、下地の空洞、胴縁、接着方法、部材厚さによって音は変わります。打診音だけで浮きや剥離を断定せず、目視、触診、図面、必要に応じた詳細調査と組み合わせます。国土交通省の調査基準でも、外壁の仕上材の著しい浮きは、外壁の種類に応じて打診または目視の対象とされています。


外壁表面の膨れや塗膜剥離には、下地水分、付着不良、材料劣化、錆、施工条件など複数の原因があります。日射を受ける面で目立つ場合でも、水蒸気圧だけを原因として断定しないようにします。水分計を使用する場合は、対象材料に適した方式と設定を選び、金属、塩分、表面状態、測定深さなどの影響を考慮します。単一点の数値ではなく、同種材料の健全部との比較や分布を重視します。含水率計等は、部材表面の水分量や雨水浸入による水分分布を確認する補助方法として用いられます。


出窓下端と支持部の納まりを確認する

出窓下端は、上部や側面から流れてきた雨水の排出に関係する場所です。水切り、滴下形状、排水用の開口や隙間が設計どおり機能しないと、雨水が下面へ回り込み、外壁内部や支持部へ影響する場合があります。下面は影になりやすく、地上から見落としやすいため、全景だけで済ませず、安全に確認できる方法を選びます。


まず、下端から雨水が外壁面を離れて落ちる形状になっているかを見ます。先端に明確な切れがない、変形している、下面から建物側へ連続する水跡がある場合は、回り込みの可能性を検討します。下面の黒い筋、藻、塗膜の膨れ、腐食、白い析出物は、繰り返す濡れや材料劣化の手掛かりですが、症状だけで侵入口を特定することはできません。


支持金物や受け材がある場合は、固定部周辺の錆、緩み、変形、欠損、塗膜剥離を確認します。固定部が外壁や防水層を貫通する納まりでは、止水処理の状態が重要です。錆汁の起点、金物と外壁の隙間、周囲のひび割れ、変形を記録します。支持部の著しい腐食、変形、ぐらつき、部材の落下のおそれがある場合は、接触や載荷を避け、立入制限を含む安全措置と専門家による緊急確認を優先します。


木質の下地や化粧材では、変色、膨れ、割れ、塗膜剥離、軟化を確認します。触診は損傷を広げない範囲で行い、不自然な軟らかさがある場合は、長期的な吸水や腐朽を候補として詳細調査を検討します。金属部材では、接合部、折り曲げ部、固定部、異種金属の接触部など、腐食が進みやすい箇所を確認します。


下端をシーリングで全面的に塞いだ補修跡がある場合は、設計上の排水経路に影響していないかを確認します。入口を塞ぐ補修が、一時的に漏水を減らしても、内部に入った水の出口まで塞ぐと滞水につながる場合があります。ただし、下端の開口が必ず排水口とは限らず、単なる欠損の可能性もあります。図面や施工要領、周囲の重ね順、水跡を総合して判断します。


室内側に現れる漏水サインを確認する

外壁検査では、許可を得られる場合は室内側も確認します。出窓まわりの雨水浸入は、窓台、額縁、壁紙、出窓天板の裏側、カーテンボックス、床などに、染み、変色、壁紙の浮き、塗膜の膨れ、木部の黒ずみ、金属部の錆、かび臭、仕上げ材の軟化として現れることがあります。乾いている症状でも、過去の水分履歴を示す可能性があります。


染みの位置は侵入経路を考える手掛かりですが、侵入口と一対一で結びつけてはいけません。出窓上部の室内側に染みがあれば上端や上方外壁、窓台の左右端だけに症状があれば側面取り合いやサッシ角部、下部に集中すれば枠内部の排水や下面への回り込みなどを候補にできます。ただし、下地、防水紙、断熱材、構造材の配置によって水は横や下へ移動するため、いずれも仮説として扱います。


木部の変色や膨れがある場合は、現在の含水状態と過去の漏水履歴を分けて考えます。水分計は複数点で測り、健全部と比較します。金属下地、配線、材料密度などが測定値に影響することがあるため、機器の表示だけで腐朽や漏水を確定しません。赤外線画像も表面温度差を可視化する補助方法であり、日射、断熱欠損、空調、気流、材料差でも温度差が生じます。目視、触診、測定、発生条件を組み合わせて評価します。


雨水浸入と結露の区別も必要です。低温時にガラスや枠周囲へ広く水滴が生じ、室内湿度や換気条件と連動する場合は結露が候補になります。特定方向の風雨の後に局所的な染みが広がる場合は、雨水浸入を疑う材料になります。ただし、結露と雨水浸入が同時に起きる場合や、給排水設備、空調設備など別の水分源が関係する場合もあります。天候、室温、湿度、設備使用状況、発生時刻を記録し、外観だけで決めつけません。


居住者が行った応急処置も重要な情報です。吸水材を置いた位置、拭き取った範囲、壁紙や木部を交換した時期、家具を移動した理由、過去の写真などを確認します。現場で症状が再現していなくても、発生日時と気象条件、室内の変化を整理すると、外部所見との関連を検討しやすくなります。


症状から雨水の侵入経路を絞り込む方法

六つの確認項目で得た所見は、単独ではなく、位置関係、発生条件、時間の順序で整理します。最初に上部と周辺にある原因候補を洗い出し、その下方へ続く汚れ筋、ひび割れ、目地の剥離を追います。次に、下端の排水状態と室内側の症状を照合します。所見が一つの経路として整合するほど仮説の優先度は上がりますが、それだけで確定とはしません。


例えば、出窓上端の左端に部材の開きがあり、直下の側面目地に剥離が見られ、室内の左上に降雨後の染みがある場合は、関連する経路の一つとして検討できます。一方、外部の所見と室内症状の位置が大きく離れる場合は、壁内での横移動、別の侵入口、結露や設備漏水なども候補にします。複数の不具合が同時に存在することもあるため、無理に一つの原因へまとめません。


散水調査は、仮説ごとに範囲を小さく区切り、他部位への回り込みを抑えられる順序を計画します。下方の局所部から上方へ進める方法が用いられることもありますが、建物形状と想定経路に応じて調整します。散水位置、範囲、水圧、時間、休止時間、風、室内で変化が現れた時刻を記録し、必要に応じて再現性を確認します。漏水や仕上げ損傷を誘発するおそれがあるため、所有者等の同意、室内監視、電気設備の養生、安全な高所作業体制を整え、専門家が実施します。


散水で再現しなかった場合も、雨仕舞いに問題がないとは断定できません。実際の強風雨では散水時と異なる方向や圧力で水が作用し、長時間の降雨後に材料が吸水して初めて症状が出る場合もあります。反対に、過大な水圧を一点へ当てると、通常の雨では生じない浸入を起こす可能性があります。結果は、試験条件の範囲内で再現したか、再現しなかったかとして評価します。


表面補修を繰り返しても再発する、支持部や下地の劣化が疑われる、原因候補が複数残る場合は、部分撤去、内視鏡、含水分布の確認などを検討します。撤去を伴う調査は、所有者等の同意を得て、復旧方法まで計画したうえで専門業者が行います。開口後は、防水層の重ね順、固定部の貫通、下地の変色や腐朽、断熱材の濡れ、排水経路の閉塞を記録します。


検査結果を報告書に落とし込むポイント

外壁検査の報告書では、「異常あり」「雨漏りのおそれあり」だけで終わらせず、対象位置、確認方法、症状、範囲、調査条件を具体的に記載します。建物の方位、階、室名、出窓の左右、基準点からの距離など、第三者が位置を再現できる情報を残します。


写真は、建物全体の中で位置が分かる全景、出窓全体が分かる中景、劣化状態が分かる近接の順で整理します。必要に応じて目盛りを写し込みますが、劣化部を隠さないようにします。同じ箇所を異なる角度から撮影し、撮影日時、天候、降雨からの経過時間も記録すると、濡れ色や水跡を比較しやすくなります。


所見と推定原因は分けて書きます。例えば、「出窓上端水切りの左端に約○ミリメートルの開きが見られた」が所見であり、「同部から側面取り合いへ雨水が回り込んだ可能性がある」が推定です。さらに、「内部防水層は目視できず未確認」「原因確定には散水調査または部分撤去が必要」と調査上の限界を記載します。既存住宅の目視中心の調査は、劣化事象等の有無を把握するもので、原因や瑕疵の有無を直ちに確定するものではないという前提を保ちます。


緊急度は、現在の室内漏水だけでなく、外壁材や部材の落下のおそれ、支持部の腐食や変形、下地腐朽の疑い、電気設備への到達、劣化の進行性を考慮します。落下や感電のおそれがある場合は、通常の補修提案より先に、立入制限、電源遮断の要否確認、専門業者への連絡などの安全措置を記載します。


補修提案では、「シーリングを打ち替える」など単一工法を先に決めず、確認済みの所見と原因仮説に対応する範囲を示します。上端の排水不良が疑われるなら、水切りの変形、勾配、端部納まり、防水層との重なりを確認します。排水経路の閉塞があるなら、設計上必要な開口の回復と、上部からの流入原因の確認を組み合わせます。外壁材の浮きや下地劣化がある場合は、必要範囲を撤去して下地を確認し、復旧後の散水確認や降雨後の再点検方法まで計画します。


雨仕舞い不良を見つけた後の対応判断

雨仕舞い不良が疑われる箇所を見つけても、構造を確認せずに表面を全面封鎖することは避けます。追加シーリングで一時的に漏水量が減る場合はありますが、設計上の排水経路まで塞ぐと内部の滞水を招く可能性があります。特に出窓下端やサッシ下辺は、製品や構法によって排水機能を持つため、図面や施工要領を確認してから対応します。


対応は、被害拡大を抑える応急措置、原因調査、本補修、効果確認に分けます。室内へ水が入っている場合は、感電や漏電のおそれを確認し、安全を確保したうえで、養生や受け材により内装、家具、設備への被害を抑えます。外部の高所作業や散水調査は、天候と安全条件を整えたうえで専門家が実施します。


本補修では、劣化材料の交換だけでなく、水切りの排水状態、部材の重ね順、防水層の連続性、固定部の止水、排水経路を回復させます。補修範囲は見えているひび割れや剥離より広くなる場合があります。シーリングの破断部だけを直しても、周辺の接着面や下地が劣化していれば再発する可能性があるためです。


原因が出窓単体にない場合もあります。上階の外壁目地、屋根と外壁の取り合い、配管貫通部、換気口、バルコニー端部などから入った水が、壁内を伝って出窓付近に現れることがあります。出窓まわりを補修しても症状が続く場合は、過去の補修箇所に限定せず、上方と周辺へ調査範囲を広げます。


補修後は、見た目だけで完了とせず、雨水が外へ流れること、排水口が塞がれていないこと、室内側の症状が再発しないことを確認します。水分計を使う場合は、同じ機器、同じ設定、近い温湿度条件で健全部と比較し、経時変化を追います。乾燥に要する期間は材料、濡れの量、通気、季節で変わるため、「数週間」など一律の期限で良否を決めず、条件に応じた再確認時期を設定します。


まとめ

出窓まわりの雨仕舞い不良を確認する際は、上端水切りの排水状態、側面と外壁の取り合い、サッシ周囲のシーリング、外壁材のひび割れと浮き、下端と支持部の納まり、室内側の漏水サインという六つの項目を、上方と周辺から下方へ連続して確認します。一つの劣化だけで原因を断定せず、雨水の入口、通り道、出口を仮説として整理すると、見落としや誤補修を減らせます。


外壁検査では、目視で確認できた事実、測定結果、居住者からの聞き取り、そこから推定した原因、未確認事項を分けて記録します。表面に異常がなくても隠れた防水層に問題がある場合があり、表面劣化があっても直ちに室内漏水へ結びつくとは限りません。必要に応じて、専門家による散水調査、内視鏡、部分撤去へ進みます。


出窓まわりは形状と構法による差が大きく、応急的なシーリングだけでは原因が残る場合があります。漏水を繰り返す、支持部に著しい腐食や変形がある、外壁材の浮きや落下のおそれがある、電気設備付近まで濡れているといった場合は、近づいたり自己判断で散水・解体したりせず、建築士、施工会社、雨漏り調査の専門業者などへ早めに相談してください。


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