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車2台を停めやすいエクステリア|乗り降り幅の4目安

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

車2台分の駐車スペースを計画するとき、車が区画内に収まるかどうかだけで寸法を決めると、完成後に「ドアを十分に開けられない」「隣の車にぶつけそうで乗り降りしにくい」「荷物を持って玄関まで移動できない」といった問題が起こりやすくなります。


車の全幅はカタログや車検証などで確認できますが、一般に全幅の数値にはドアミラーが含まれません。実際のエクステリア計画では、ミラーを開いた状態の幅、ドアを開けるための空間、人が立つための空間、荷物を運ぶ通路、門柱や壁との距離まで含めて考える必要があります。特に2台を並列で停める場合は、車同士の間隔だけでなく、左右の外側にどの程度の余白を設けるかが使いやすさを左右します。


必要な乗り降り幅は、車種、ドアの形状、家族構成、利用者の体格や身体状況、駐車方法によって異なります。そのため、特定の寸法だけを正解と考えるのではなく、日常の使い方に合わせて段階的に検討することが大切です。


この記事で示す50〜60センチ、70〜80センチ、90センチ前後という数値は、法令上の一律基準ではなく、住宅の駐車スペースを検討するための計画上の目安です。原則として、車体側面から壁や柱などまで、または2台の車体側面間に残る最も狭い部分の有効幅を想定しています。中央の幅は2台で共有するため、同じ数値でも外側の片側余白より厳しい条件になることがあります。最終判断は、使用予定の実車と利用者の動作で確認する必要があります。


この記事では、車2台を停めるエクステリアを計画する人に向けて、乗り降り幅の4つの目安と、寸法を決める際の確認ポイントを詳しく解説します。


目次

車2台用エクステリアで乗り降り幅が重要な理由

乗り降り幅を決める前に確認したい車両条件

乗り降り幅の目安1|50〜60センチ程度は慎重に検討する

乗り降り幅の目安2|70〜80センチ程度で日常の動作に余裕を持たせる

乗り降り幅の目安3|90センチ前後で荷物や家族の動きを考える

乗り降り幅の目安4|中央と外側の余白を分けて設計する

並列駐車と縦列駐車で必要な寸法は変わる

門柱やカーポート柱が乗り降りを妨げるケース

駐車場の勾配と排水計画も使いやすさを左右する

玄関までの動線と駐車位置を一体で考える

将来の車種変更や家族構成の変化に備える

図面と現地で確認したいエクステリア設計の要点

まとめ|車2台分は車幅ではなく動作幅から計画する


車2台用エクステリアで乗り降り幅が重要な理由

車2台分の駐車スペースでは、敷地の間口に限りがあるため、車両を収めることが優先されがちです。しかし、駐車できることと、毎日無理なく使えることは同じではありません。図面上では車が2台並んでいても、ドアを少ししか開けられなければ、身体をひねりながら乗り降りすることになります。


駐車場の使いにくさは、完成直後よりも日常生活の中で徐々に目立ってきます。買い物袋を持って降りるとき、子どもをチャイルドシートから降ろすとき、雨の日に傘を扱うとき、仕事道具を車から取り出すときなど、停車後にはさまざまな動作が発生します。


乗り降り幅が不足していると、ドアの縁を壁や隣の車に当てないように注意し続けなければなりません。ドアや外構設備へ接触する可能性が高くなるほか、駐車位置を毎回細かく調整しなければならない計画では、車庫入れに慣れていない家族の負担になることもあります。


また、左右の車の使用時間が重なる家庭では、どちらかの車を先に移動しなければ乗り降りできない状態を避けたいところです。朝の通勤や送迎が重なる場合、わずかな使いにくさでも毎日の負担になり得ます。


車2台用のエクステリアでは、単純に間口を2等分するのではなく、運転席側、助手席側、車同士の中央、敷地境界側、建物側というように空間を分けて考えることが重要です。どの場所で誰が乗り降りするのかを整理すると、限られた幅の中でも優先順位を付けやすくなります。


乗り降り幅を決める前に確認したい車両条件

最初に確認したいのは、現在所有している2台の車の寸法とドアの動きです。一般的な車種区分だけで判断せず、全幅、ミラーを開いた状態の最大幅、ドアの長さ、ドアを必要な角度まで開いたときの張り出し、スライドドアの有無を確認します。カタログや車検証の全幅には通常ドアミラーが含まれないため、メーカーが公表する参考寸法や実車測定も併用すると判断しやすくなります。


同じ全幅の車でも、ドアの長さやヒンジ位置、開き方によって必要な乗り降り幅は変わります。前席のドアが長い車では、少し開けただけでも先端が外側へ張り出すことがあります。一方、後席がスライド式の車は横方向への張り出しを抑えやすいものの、前席の乗り降り幅は別に必要です。


2台のうち、どちらを主に使用するかも重要です。毎日使う車と週末だけ使う車では、同じ条件で余白を配分する必要はありません。使用頻度が高い車の運転席側を広くし、使用頻度が低い車を境界側へ寄せるなど、生活に合わせた配置を検討できます。


運転する人の違いも確認します。運転席の位置を合わせるための目印が必要な人、車庫入れに時間がかかる人、ドアを大きく開いて乗り降りしたい人など、使いやすい寸法には個人差があります。高齢の家族が使う場合や足腰に不安がある人が利用する場合は、身体を横向きにして狭い隙間を通る計画を避け、実際の動作を確認することが大切です。


車に取り付ける設備や、日常的に積み降ろしする物も考慮します。ベビーカー、歩行補助具、スポーツ用品、仕事用のケース、買い物かごなどを横から出し入れするなら、人が通れるだけの幅では不足する可能性があります。後部から荷物を出す家庭では、車の後方寸法とバックドアの動作範囲も同時に確認します。


計画時点で車が1台しかない場合でも、将来の2台目を小型車と決めつけないことが大切です。家族の成長や仕事の変化によって車種が変わることがあるため、敷地条件が許す範囲で調整余地を残しておくと対応しやすくなります。


乗り降り幅の目安1|50〜60センチ程度は慎重に検討する

車体と壁の間、または2台の車体間に50〜60センチ程度の有効幅があれば、体格やドアの開き方によっては乗り降りできることがあります。ただし、この寸法帯は余裕のある計画というより、敷地条件が厳しい場合に慎重に成立性を確認する範囲と考えるのが安全です。


この程度の幅では、ドアを大きく開くことが難しく、身体を横向きにして移動する場面が増えます。手荷物を持った状態では通りにくく、衣服やかばんが車体や壁に触れることもあります。雨の日に傘を扱ったり、厚手の上着を着た状態で乗り降りしたりすると、さらに窮屈に感じる可能性があります。


ドアを開ける空間と、人が立って身体を移動させる空間は同じではありません。ドアを少し開けられても、その隙間へ身体を移す余裕がなければ、スムーズな乗り降りはできません。特に前席のドアが長い車では、ドア先端が壁や隣の車に近づきやすいため、図面だけでなく実車で確認することが重要です。


50〜60センチ程度の幅を採用する場合は、その場所を常用する運転席側にしない工夫が考えられます。たとえば、使用頻度の低い助手席側を境界へ寄せ、中央側や建物側に運転席の乗り降り空間をまとめる方法です。


ただし、助手席側であっても、家族が頻繁に乗る場合には注意が必要です。子どもを抱いて乗せる、後席の荷物を取る、座席の清掃をするといった作業では、通常の乗り降りより広い空間が求められます。


壁やフェンスが車体の横に連続している場合も、圧迫感が強くなります。同じ幅でも、低い植栽の横と高い壁の横では、運転者が感じる使いやすさが異なります。高い構造物の近くでは、ミラーや車体の位置を確認しながら慎重に入庫する必要があり、数値以上に狭く感じることがあります。


敷地条件から50〜60センチ程度しか確保できない場合は、その寸法が柱の出っ張りや設備を除いた有効幅であるかを確認します。設計図上の境界線から車体までの距離ではなく、完成後に人が通る最も狭い部分を基準に判断することが大切です。


乗り降り幅の目安2|70〜80センチ程度で日常の動作に余裕を持たせる

70〜80センチ程度の有効幅を確保できると、車種や利用者の条件が合えば、日常的な乗り降り動作に余裕を持たせやすくなります。ドアをある程度開き、人が車の横に立つための空間を取りやすくなるため、車2台用エクステリアの計画では一つの検討ラインになります。


この寸法帯では、身体を極端にひねらずに乗り降りできる可能性が高まり、通勤かばんや買い物袋を持った状態でも移動しやすくなることがあります。ただし、車種、ドア形状、利用者の体格によって感じ方は異なるため、すべての家庭に十分な寸法とは限りません。


2台を並列に停める場合、中央部分に70〜80センチ程度を確保しても、その幅は2台で共有します。両側のドアを同時に大きく開ける余裕があるとは限りませんが、片側ずつ乗り降りする使い方には対応しやすくなる場合があります。


一方で、車が中央へ少しずれただけで余白が減るため、設計寸法とは別に駐車位置のばらつきを考慮する必要があります。毎回数センチ単位で正確に停めることを前提にすると、実際の使用では窮屈になる可能性があります。タイヤ位置の目印や床面のラインを設けるなど、停車位置を把握しやすくする工夫が役立ちます。


建物側に70〜80センチ程度の通路を設け、駐車場から玄関へ移動する計画も考えられます。ただし、室外設備、雨樋、配管、照明、段差などが通路へ張り出すと、実際に通れる幅が狭くなります。図面上の寸法だけではなく、設備を設置した後の最小有効幅で確認しなければなりません。


また、車止めの位置によって車体の停止位置が変わります。後輪を基準に車止めを置いても、車種によって前後の張り出しが異なるため、ドアと門柱の位置関係が変化します。現在の車に合わせすぎると、車種変更後にドアが設備と重なることがあります。


70〜80センチ程度は、日常的な乗り降りを検討するうえで使いやすい比較値ですが、子育て、介助、大型荷物の積み降ろしまで想定する場合は、さらに広い幅や別の作業スペースを検討する必要があります。


乗り降り幅の目安3|90センチ前後で荷物や家族の動きを考える

90センチ前後の有効幅を確保できると、ドアを開けた状態で身体を動かす余裕が生まれやすくなります。車の横で荷物を持ち替えたり、子どもの乗車を補助したりする家庭では、単に人が通れる幅よりも、立ち位置を変えられる幅を重視する必要があります。


子どもを後席へ乗せる場合、大人はドアの横に立つだけでなく、車内へ上半身を入れて座席ベルトなどを確認します。その際には、足元の位置を変えたり、身体を支えたりする空間が必要です。幅が狭いと、ドアを十分に開けられず、無理な姿勢になりやすくなります。


高齢者の乗り降りでも、90センチ前後の余白が役立つ場合があります。乗車前に身体の向きを変える、ドアや車体を支えにする、足をゆっくり車外へ出すといった動作には時間と空間が必要です。ただし、必要寸法は身体状況や介助方法によって異なるため、90センチを一律の安全基準として扱うことはできません。


買い物が多い家庭では、車の横に荷物を一時的に置けるかも確認します。足元に袋を置くと通路が塞がれるため、人の通行幅と荷物の置き場を同じ空間に頼らない計画が理想です。玄関近くに荷物を仮置きできる場所を設けると、駐車場内での動作を減らせます。


車いすや歩行補助具の利用を想定する場合は、90センチという数値だけで判断してはいけません。方向転換、介助者の立ち位置、移乗方法、ドアの開放角度を含めて個別に検討し、必要に応じて関係する法令、条例、設計基準や専門家の確認を受けます。一般的な乗り降り用の目安と、車いす利用を前提とする駐車スペースの寸法は分けて考える必要があります。


また、90センチ前後の幅があっても、床に大きな傾斜や段差があると使いにくくなります。ドアを開けた状態で身体を支える場所が傾いていると、荷物や歩行補助具が動きやすくなります。幅と勾配は別々に考えず、乗り降りする場所の床条件として一体的に確認します。


敷地全体で広い余白を確保できない場合は、毎回使う運転席側や家族が乗る側だけを90センチ前後にする方法もあります。2台分の左右すべてを均等に広げるより、利用頻度に応じて幅を配分したほうが、限られた間口を有効に使える場合があります。


乗り降り幅の目安4|中央と外側の余白を分けて設計する

車2台を並列で停めるときは、車同士の中央部分と、左右の外側部分を同じ幅にする必要はありません。誰がどのドアから乗り降りするかを整理し、必要な場所に優先して余白を配分することが重要です。


たとえば、2台とも右ハンドル車で車の向きをそろえて駐車すると、一方の運転席は中央側、もう一方の運転席は外側になります。敷地境界側に運転席が来る車には、境界との間に十分な乗り降り幅が必要です。


一方、道路条件と敷地形状が許し、片方を前向き、もう片方を後ろ向きに停められる場合は、2台の運転席を中央へ集める方法も考えられます。中央を広くして共通の乗り降り空間として使えば、左右の外側を比較的狭くできる可能性があります。ただし、道路からの進入方向、出庫時の視認性、切り返し回数、前向き駐車や後ろ向き駐車に関する地域のルールなどを確認する必要があります。


中央部分は、2台のドアが向かい合う場所です。両方のドアを同時に開ける可能性がある場合は、片側の乗り降り幅だけでなく、ドア同士の干渉を考慮します。夫婦が同時に出発する家庭や、送迎前に家族全員が乗る家庭では、中央を共有空間として設計するだけでは不足することがあります。


外側の余白は、壁やフェンスの形状によって使いやすさが変わります。車のドア付近だけ壁を低くする、柱の位置をドアと重ならない場所へ移す、設備の突出を避けるなど、幅を増やさずに動作しやすくする工夫もあります。


車体幅と乗り降り幅を単純に足し合わせるだけでは、必要な駐車場幅を判断しきれません。ミラー、駐車時のずれ、構造物の厚み、境界側の設備、排水設備などを含めた有効寸法で検討します。


2台の車幅が異なる場合は、駐車区画を均等に分けるより、それぞれの車幅に合わせて中心位置を調整したほうが使いやすくなることがあります。大型の車に広い区画を割り当て、小型の車の停止位置を調整することで、必要な乗り降り空間を確保できる場合があります。


このように、4つ目の目安は特定の数値だけではなく、中央と外側のどこへ必要な幅を置くかという考え方です。エクステリア計画では、全体幅が限られていても、余白の配分によって日常の使いやすさを改善できる可能性があります。


並列駐車と縦列駐車で必要な寸法は変わる

車2台の駐車方法には、横に並べる並列駐車と、前後に並べる縦列駐車があります。一般に並列駐車は2台を個別に出し入れしやすい一方、広い間口が必要です。縦列駐車は間口を抑えやすいものの、奥の車を出すために手前の車を動かす場面が発生します。


並列駐車では、乗り降り幅の検討が特に重要です。2台を敷地内に収めることだけを優先すると、中央や外側の余白が不足しやすくなります。車の幅、左右の乗り降り空間、構造物との距離を合計し、最も狭い場所でも必要な有効幅が残るか確認します。


道路に対して直角に駐車する場合は、間口だけでなく奥行きも必要です。車体を敷地内へ収めても、前方が道路へ出る、後部が玄関動線を塞ぐ、門扉を閉められないといった問題が起こることがあります。


縦列駐車では、車同士の前後間隔を確認します。前後の間隔が狭いと、荷室を開けられない、車の周囲を歩けない、奥の車へ移動しにくいといった問題が生じます。後方へ大きく開くバックドアを使う場合は、その動作範囲も含めて奥行きを計画します。


2台を前後へ少しずらして配置する方法もあります。完全な並列ではなく、一方を建物側へ下げることで、ドアが向かい合う位置をずらし、中央の干渉を減らせる場合があります。敷地形状や玄関位置に合えば、限られた幅でも乗り降りしやすくできます。


ただし、ずらして配置すると駐車場内の動線が複雑になることがあります。車の前後にできた空間へ門柱や自転車置き場を設ける場合は、入庫時の見通しや切り返しに影響しないかを確認します。


駐車方式を選ぶ際は、敷地に何台入るかだけでなく、どちらの車を先に使うか、帰宅時間が重なるか、来客車を停めることがあるかまで整理することが大切です。


門柱やカーポート柱が乗り降りを妨げるケース

車2台分の駐車場では、門柱、屋根を支える柱、照明、宅配設備、散水栓、電気設備などが乗り降りを妨げることがあります。図面では十分な幅があるように見えても、ドアの位置と構造物が重なると、実際には必要な角度までドアを開けられません。


特に注意したいのが、車体の中央付近に配置される柱です。駐車時の車両位置によっては、前席または後席のドアと重なります。車の全長、ホイールベース、前後の張り出しは車種によって異なるため、現在の車だけに合わせて柱位置を決めると、車種変更後に使いにくくなる可能性があります。


柱の寸法だけでなく、基礎部分や保護材の張り出しにも注意が必要です。床面付近で基礎などが張り出すと、タイヤを想定位置まで寄せられず、車体が中央側へずれることがあります。その結果、反対側の乗り降り幅が狭くなる場合があります。


門柱は道路側に設けることが多いため、車の前方ドアやミラーと干渉しやすい設備です。郵便物を取り出す人の立ち位置と、車の進入経路が重なるケースもあります。門柱を配置するときは、駐車中だけでなく、車が出入りしている最中の視認性と動線も確認します。


屋根を設ける場合は、雨に濡れにくい位置と乗り降りしやすい位置をできるだけ一致させます。屋根が車体だけを覆っていても、ドアを開けた先が屋根の外であれば、乗り降りの際に雨へさらされます。屋根の端部、柱、雨樋、雨水の落下位置を含めて検討します。


照明や配管などの小さな設備も無視できません。壁から数センチ突出した設備によって、肩や荷物が当たりやすくなる場合があります。設計段階では、壁面から突出する設備をできるだけ図面に反映し、最小有効幅を確認することが重要です。


駐車場の勾配と排水計画も使いやすさを左右する

駐車場には雨水を排出するための勾配が必要ですが、勾配の大きさや方向によっては、乗り降り時の姿勢やドアの動きに影響します。幅だけでなく、足元の安定性や排水位置まで含めて検討する必要があります。


横方向に傾斜している駐車場では、車のドアが自重で動きやすい側が生じることがあります。隣の車や壁へ向かってドアが動く配置では、乗り降り幅が確保されていても接触しやすくなる場合があります。


前後方向の勾配が大きい場合も注意が必要です。車の横で荷物を持ち替えるとき、身体の重心が安定しにくくなることがあります。高齢者、子ども、足腰に不安がある人が利用する場所では、幅だけでなく、可能な範囲で乗り降り位置の平坦性を重視します。


排水溝やふたの位置も乗り降りに影響します。ドアを開けた場所に溝や大きな段差があると、靴、杖、歩行補助具、小径の車輪などが引っかかる可能性があります。使用する器具や移動手段に合わせて、ふたの形状や目の細かさも確認します。


雨水が乗り降り位置へ集まる計画では、雨の日に水たまりができやすくなります。十分な幅があっても、降車時に水のたまる場所へ足を下ろす状態では使いやすいとはいえません。屋根から流れる雨水の落下位置も含め、車のドア周辺へ水が集中しないようにします。


床材の選定では、乾燥時の見た目だけでなく、雨天時の滑りやすさや清掃性を確認します。表面が滑らかな仕上げは、濡れたときに歩きにくくなる場合があります。一方で、凹凸が大きい床は、台車、ベビーカー、歩行補助具などを動かしにくくなることがあります。


乗り降り幅、勾配、排水、床面仕上げを別々に決めるのではなく、人が立って動く場所の条件としてまとめて検討することが大切です。


玄関までの動線と駐車位置を一体で考える

車から降りた後には、玄関まで移動する動線が必要です。駐車場内に十分な乗り降り幅を設けても、その先の通路が車で塞がれる計画では、日常的な使いやすさが低下します。


よくある問題は、駐車した車の前方や後方を回り込まなければ玄関へ行けない配置です。買い物袋を持っているときや雨の日には、わずかな遠回りでも負担になります。車の横から玄関へ連続して移動できる通路を確保すると、動線を短くできます。


建物側を通路として使う場合は、車のドアを開けた状態でも人が通れるかを確認します。乗り降り中の人と、玄関へ移動する人が重なる家庭では、ドアの開閉範囲と通路に必要な幅を分けて考える必要があります。


道路側に門扉を設ける場合は、門扉の開閉範囲が駐車位置と重ならないようにします。車が停まっていると門扉を開けられない、門扉を開けると車に当たるといった配置は避けたいところです。


自転車やごみ出しの動線も確認します。駐車中の車同士の間を自転車で通る計画では、車体へ接触しやすくなります。自転車を押して移動するためには、人だけが通る場合より広い幅が必要です。


玄関前に段差がある場合は、荷物を持った状態で安全に上がれるかを確認します。車のドアを閉めた直後に段差があると、足元を確認しにくくなることがあります。照明の位置も含め、夜間の移動を想定します。


エクステリアの駐車計画では、車を停める長方形を配置するだけでは不十分です。道路から入庫し、停車し、ドアを開け、荷物を取り出し、玄関へ移動する一連の動作をたどることで、必要な空間が見えやすくなります。


将来の車種変更や家族構成の変化に備える

現在の車2台に合わせて駐車場を設計しても、エクステリアは長期間使用します。その間に車種、家族構成、生活スタイルが変わる可能性があります。


現在は小型の車でも、子どもの成長や家族の増加によって大きな車へ変更することがあります。反対に、将来は小型車へ乗り換えることもあります。どの車にも完全に対応することは難しいものの、柱や門柱を移動できない位置へ固定しすぎないことが重要です。


子どもが小さい時期には、後席の乗り降り幅が重要です。成長後は自転車の出し入れや、複数人が同時に車を使う場面が増える可能性があります。高齢の家族と同居する場合は、将来的に介助スペースが必要になることも考えられます。


車の充電や清掃に使う設備を後から追加する場合、通路へ機器や配線が張り出すことがあります。設置予定があるなら、駐車位置、設備位置、ケーブルの取り回しを初期計画へ反映しておくと、後から有効幅が不足する事態を避けやすくなります。


屋根やフェンスなどを後から設置する予定がある場合も、基礎や柱によって有効幅が減ることを考慮します。最初は広く使えていても、追加工事後に乗り降りしにくくなるケースがあります。


将来の変更へ対応しやすくするには、床面に固定する設備を必要以上に増やさない、柱を想定するドア位置から離す、駐車位置を調整できる奥行きを残すといった方法があります。


また、2台のうち1台を手放した場合に、空いた場所を来客用、自転車置き場、作業スペースとして使えるかも検討できます。用途を限定しすぎないエクステリアは、生活の変化に対応しやすくなります。


図面と現地で確認したいエクステリア設計の要点

車2台分の計画を図面で確認するときは、車の輪郭だけでなく、ドアの開閉範囲を描くことが大切です。前席と後席ではドアの位置や長さが異なるため、誰がどこから乗り降りするのかを反映します。


図面上の車両寸法は、実際の所有車や購入予定車に近い数値を使います。小さな車両記号だけを配置すると、完成後に想定より余白が少ないことがあります。ミラーを開いた状態の幅、ドアの張り出し、前後のオーバーハングも確認します。


次に、境界線からの寸法と有効幅を分けて確認します。境界線上または境界付近には、フェンス、ブロック、柱、配管などが設置されるため、線から車までの距離がそのまま通路幅になるとは限りません。


道路との接続部分では、進入角度を確認します。間口が十分でも、道路が狭い、電柱が近い、向かい側に壁があるといった条件によって、切り返しが必要になることがあります。乗り降りしやすい位置へ停められても、入庫が難しければ毎日の負担になります。


現地では、メジャーや目印を使って実際の車幅と乗り降り空間を再現すると判断しやすくなります。現在の駐車場や安全を確保できる場所で、車体から50センチ、70センチ、90センチ程度の位置に目印を置き、ドアの開き方や身体の動きを確認する方法があります。


2台を実際に並べられる場合は、通常の駐車位置だけでなく、少し左右へずれた状態も確認します。常に図面どおりの位置へ停められるとは限らないため、多少のずれがあっても必要な乗り降り幅を残せる計画が実用的です。


施工前には、門柱や柱の位置を現地へ仮表示して確認する方法もあります。図面では問題なく見えても、実際の視線や車の大きさと重ねると、圧迫感や干渉に気付くことがあります。


実務では、車両寸法、乗り降り幅、駐車位置のずれ、構造物、勾配、玄関動線を一枚の図面や現地表示で確認することが重要です。個別の寸法が適切でも、複数の条件が重なることで使いにくくなる場合があります。


まとめ|車2台分は車幅ではなく動作幅から計画する

車2台を停めやすいエクステリアをつくるには、車体が敷地内に収まるかだけでなく、ドアを開けて人が動けるかを確認する必要があります。


50〜60センチ程度の幅は、条件によって乗り降りできる場合があるものの、日常的に使う場所としては慎重な検討が必要です。70〜80センチ程度を確保すると、車種や利用者の条件が合えば、一般的な乗り降り動作に余裕を持たせやすくなります。荷物の積み降ろし、子どもの乗車補助、高齢者の利用まで考える場合は、90センチ前後を一つの比較値にできます。ただし、いずれも法令上の一律基準ではなく、実車と利用者の動作で確認するための計画目安です。


必要な幅を左右へ均等に設ける必要はありません。2台の使用頻度、運転席の位置、家族が乗る側を整理し、中央と外側へ適切に余白を配分することが大切です。


門柱や屋根の柱、壁面設備、排水溝などがあると、有効な乗り降り幅は図面上の寸法より狭くなります。駐車位置のずれや将来の車種変更も含め、最も条件が厳しい位置で確認することが重要です。


エクステリア計画では、道路から入庫し、車を停め、ドアを開け、荷物を持って玄関へ移動するまでの流れを一体で検討します。実際の敷地で寸法を測り、スマートフォンの写真やメモで車両位置と周辺設備の関係を記録して共有すると、乗り降りしやすい配置を具体的に検討しやすくなります。


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