目次
• 駐車場照明は明るさより配置のバランスが重要
• 配置1 車の進入方向を照らす入口付近
• 配置2 乗り降りを支える駐車区画の側 面
• 配置3 足元を確認しやすい玄関までの動線
• 配置4 建物側から外周へ向ける壁面照明
• 配置5 死角を補う駐車場の奥と境界付近
• 眩しさを抑える照明器具の選び方
• 暗がりを残さないための照明計画
• 人感センサーと常夜灯を使い分ける
• 配線と電源をエクステリア計画に組み込む
• 近隣への光漏れと道路への影響を確認する
• 駐車場照明を長く使うための点検と管理
• まとめ
駐車場照明は明るさより配置のバランスが重要
駐車場のエクステリアを計画するとき、照明は後回しにされやすい設備です。日中の図面や完成イメージだけを見ていると、駐車スペースの広さ、舗装材、カーポート、門柱、植栽などに意識が向き、夜間の見え方までは想像しにくいからです。しかし、実際の暮らしでは、帰宅時に駐車場を利用する時間が日没後になることも少なくありません。
駐車場照明が不足していると、車止め、段差、側溝、荷物、植栽の枝などを見落としやすくなります。雨の日には路面の境界が分かりにくくなり、濡れた舗装面の反射によって距離感をつかみにくくなることもあります。車から玄関までの移動中に足元が見えなければ、転倒や荷物の落下につながるおそれもあります。
一方で、照明を増やして駐車場全体を強く照らせば よいとは限りません。運転席の視線に光源が入る配置では、帰宅時や出庫時に眩しさを感じます。明るい照明の直後に暗い場所を見ると、目が暗さに慣れるまで周囲を確認しにくくなることもあります。隣家の窓や道路側へ強い光が向けば、近隣への配慮が不足したエクステリアになりかねません。
駐車場照明で大切なのは、照明器具の数や明るさだけではなく、必要な場所へ必要な方向から光を届けることです。入口、駐車区画、乗降場所、玄関への動線、建物際、外周部といった場所ごとに役割を整理し、複数の弱い光を組み合わせると、眩しさと暗さの両方を抑えやすくなります。
また、駐車場の形状によって適切な配置は異なります。道路と平行に駐車する場合、道路から直角に進入する場合、縦列で二台を止める場合、旗竿地の細長い通路を通る場合では、車の向きや運転者の視線が変わります。カーポートの柱、門柱、塀、植栽、建物の出隅などが光を遮ることもあるため、平面図だけでなく、照明の高さと照射方向を含めて検討する必要があります。
ここからは、駐車場照明で押さえておきたい五つの配置を、実際の利用場面に沿って解説します。
配置1 車の進入方向を照らす入口付近
一つ目は、道路から駐車場へ入る入口付近です。駐車場の入口は、敷地と道路の境界、側溝、縁石、門柱、フェンスの端部などが集まりやすく、夜間に位置を把握しにくい場所です。入口が暗いと、運転者は車のライトだけを頼りに進入することになりますが、車のライトは進行方向を照らすため、車体の側面やタイヤ付近まで均一に確認できるとは限りません。
入口付近の照明は、駐車場の位置を遠くから認識するための目印としても役立ちます。ただし、道路側へ向けて強い光を照射すると、通行する車や歩行者の視界に影響する可能性があります。入口を明るくする場合は、道路を照らすのではなく、敷地内の路面や門柱の内側を照らす方向を基本にします。

