top of page

盛土体積を正確に計算する方法 - 現場で役立つ出来形・土量管理術を公開

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均5分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

はじめに

盛土体積を計算する必要性

盛土体積の基本的な計算方法

出来形管理と土量管理のポイント

体積計算の精度向上と注意点

最新技術を活用した盛土体積の計測

LRTKによる簡易測量

FAQ


はじめに

土木工事における「盛土」とは、所定の場所に土砂を盛り立てて造成すること、またその土の塊を指します。道路建設や造成工事などで地面を嵩上げする際に行われ、出来形(完成形状)や設計高さを満たすよう慎重に施工されます。一方で、盛土の施工量、つまり土砂の体積を正確に算出することは、現場管理の上で非常に重要です。盛土体積の計算方法を誤ると、必要な土の量を見誤ったり、過剰なコストや手戻りが発生したりする原因になります。この記事では、盛土体積を正確に計算するための基本的な方法と、現場で役立つ出来形・土量管理のコツについて詳しく解説します。


盛土体積を計算する必要性

盛土の体積を正確に計算することは、施工計画と品質管理の両面で欠かせません。まず、適切な土量を把握することで工事コストの管理が可能になります。土工事では土砂の調達・搬出費用が大きな割合を占めるため、必要な盛土量を正確に見積もることで材料の過不足を防ぎ、無駄な出費を抑えることができます。また、施工スケジュールの管理にも寄与します。例えば不足分の土を早めに追加手配したり、余剰土の処分計画を立てたりするには、盛土量の正確な把握が前提です。


さらに、盛土体積の把握は出来形管理(完成した構造物が設計通りの形状・寸法か確認すること)にも直結します。設計図で見積もった土量と実際に施工した土量を比較すれば、盛土が計画通りに施工されているかチェックできます。万一不足していれば追加の盛土が必要ですし、過剰なら所定の高さや形状を超えている可能性があります。こうした確認により、品質不良や施工ミスを早期に是正できます。盛土体積の正確な計算は、工事の進捗・コスト・品質を適正に管理するための基礎と言えるでしょう。


盛土体積の基本的な計算方法

盛土体積を算出する代表的な方法として、平均断面積法(平均断面法)とメッシュ法があります。平均断面積法は、道路築造など線状の盛土量算出によく用いられる手法です。まず一定間隔(例えば10mや20mごと)に横断面を設定し、各断面の盛土部分の面積を測定します。隣り合う2つの断面の面積を平均し、それに両断面間の距離を乗じることで、その区間の体積を求めます。この計算を全区間で積み重ねることで、盛土全体の体積を算出できます。式で表すと `V = (A1 + A2) / 2 × L` (V:区間体積、A1・A2:両端断面積、L:断面間距離)となり、比較的簡便に土量を計算できるのが特徴です。


一方、メッシュ法(グリッド法とも呼ばれます)は、造成地など面状の土工で活用される方法です。盛土区域を碁盤の目のような格子状(メッシュ)に区切り、各格子点での地盤高さを測量します。各格子における盛土厚(盛った土の高さ)を求め、その格子エリアにおける体積を柱状に計算します(高さ × 格子の面積)。格子ごとの小さな体積を全て合計することで盛土全体の体積を算出します。メッシュの間隔は例えば5m×5mなど一定ですが、より細かくするほど精度が上がる反面、測量量も増えるため現場状況に応じたバランスが必要です。


これら手作業主体の従来法では、現況地盤(施工前)と盛土完成後の地盤をそれぞれ測量し、断面図作成や面積計算を経て体積を求める必要があります。近年はエクセルやCADソフトを使って計算や図化を行うことも一般的になりましたが、いずれにせよ現地測量図面上での算出作業に手間と時間を要します。精度良く盛土量を出すには、測点の間隔や断面ピッチを適切に設定し、地形の起伏をなるべく捉えることが重要です。例えば起伏の大きい場所では断面間隔を狭くする、地形が複雑な箇所では測点を増やすなどの工夫が求められます。


出来形管理と土量管理のポイント

盛土体積の計算結果は、出来形管理と土量管理の現場実務に直結します。ここでは、それぞれの観点で押さえておきたいポイントを解説します。


まず出来形管理においては、盛土が設計通りの形状・寸法になっているかを確認することが肝心です。盛土完了後に所定の測点で高さや幅を計測し、設計断面とのズレがないかチェックします。特に体積については、設計時に算出された理論値と実測値を比較することで、全体として盛土材料の過不足がないか判断できます。出来形管理のポイントは、必要に応じ層ごと工程ごとに測量を行い、中間検証を重ねることです。たとえば盛土を何層にも分けて施工する場合、各層の締固め後に厚みや断面形状を測定しておけば、最終段階での大幅な誤差を防止できます。また、完了時には計測データ(断面図や測量座標データ)を保存し、発注者との出来形数量確認に役立てることも重要です。


次に土量管理の観点では、工事全体を通じて土の収支バランスを取ることが求められます。切土と盛土のバランスが取れていれば余分な土の持ち込みや搬出を減らせるため、事前の土量配分計画が重要です。盛土体積の正確な計算によって、必要土量の的確な調達が可能になります。


ここで注意したいのは土量変化係数(あるいは膨張率・締固め率)です。掘削して積み上げた土は締め固めによって体積が減少するため、同じ100立方メートルの土でも「掘削土(ゆるい状態)」と「盛土(締固め後)」では容積が異なります。一般に盛土では土粒子間の空気が追い出され、元の土量より数%~数十%程度体積が減ることがあり、これを考慮して土砂を手配する必要があります。たとえば設計上の盛土量が1,000立方メートルの場合でも、実際にはゆとりを見てそれ以上の土を現場に用意しないと不足する可能性があります。


また、施工中の土量管理では進捗ごとの土量把握が欠かせません。定期的に盛土の出来高(体積)を測定することで、計画との差異を早期に発見できます。日々の盛土量を追跡すれば、「予定より土が足りないので追加調達する」「残土が多く出そうなので搬出を手配する」といった判断を前倒しで行えます。こうした土量管理のPDCAを回すことで、土工事の効率化とコスト最適化が実現できます。


体積計算の精度向上と注意点

盛土体積を正確に算出するために、現場では以下の点に注意して測量・計算を行う必要があります。


測量精度の確保: 体積計算の元データとなる測量の精度が何より重要です。レベルやトータルステーションで高さを測る際は、器械の整準や検定を確実に行い、見通しの悪い長距離測定による誤差を避けます。基準点の座標や高さも正しく設定し、盛土施工前後で同一の基準に基づいて計測することが肝要です。

測点密度の最適化: 断面法・メッシュ法いずれの場合も、測量ポイントの密度によって精度が左右されます。凹凸が激しい地形ほど細かな測点配置が必要ですが、時間との兼ね合いもあるため効率的な計画が求められます。経験上、重要な地形変化点(高低差の境目や法肩・法尻など)は漏れなく押さえるよう測点を配置し、平坦で変化の少ない部分はある程度間隔を広げるなどの工夫が効果的です。

計算手法の選択: 体積の算出方法自体による精度差も考慮しましょう。一般に平均断面積法は手軽ですが、断面間に予想外の凹凸があると誤差が生じやすい傾向があります。一方のメッシュ法は地表面全体を細分化して評価できるため精度が高いものの、従来は手計算に向かず専用ソフトが必要でした。近年は3次元設計データを用いた土量算出(後述)も普及しており、可能であればそうしたデジタルな手法を活用するのがおすすめです。

土質や締固めによる差: 前述の通り、同じ土量でも土質や含水比、締固め具合によって出来上りの体積は変化します。体積計算結果をもとに土を手配・搬出する際は、計算上の数値を鵜呑みにせず、現場の土質条件を踏まえて余裕をもたせることが大切です。特に粘性土なのか砂質土なのか、含水比が高いか低いかによっても土量変化率は変わるため、過去の実績値や試験結果があれば参考にします。


以上の点を踏まえ、二重三重のチェックを行うことで体積算出の精度を向上させられます。例えば、計算手法を変えて結果を比較したり(断面法とメッシュ法でそれぞれ計算する等)、他の現場スタッフにクロスチェックしてもらったりするのも有効です。大規模工事で土量が巨額の費用に関わる場合は、少しの誤差が金額や工期に影響します。慎重な管理と確認を重ねることで、盛土体積を「より確からしい」値に近づけていきましょう。


最新技術を活用した盛土体積の計測

近年、ICT技術の発展により、盛土体積の計測・算出は飛躍的に効率化されています。従来は人力による測量と計算が主体でしたが、今では3次元測量技術を活用することで短時間かつ高精度に土量を把握することが可能です。その代表格が点群データによる土量計算です。点群データとは、地形の表面を多数の測点で覆った3次元データで、レーザースキャナー計測やドローン空撮写真の解析(写真測量)によって得られます。地表面の凹凸をミリ単位まで詳細に記録できるため、この点群データ同士を比較することで盛土や掘削の体積差を精度良く算出できます。


点群データを用いた土量算出の最大のメリットは、測量と計算の効率化にあります。従来法では現地で一定間隔ごとに高さを測って断面図を作成し、平均断面法で一つひとつ区間体積を計算していました。しかし点群計測では、例えば盛土施工前後の地形をそれぞれ丸ごと点群として取得し、コンピュータ上で両者の差分から自動的に体積を求めることができます。人手で多数の断面を起こす必要がなく、地形全体をすみずみまで測定したデータから計算するため見落としが少なく精度が高いのも特長です。


さらに、一度取得した点群データは保存しておけば、必要に応じてメッシュ法による再計算や一部範囲の土量算出にも再利用できます。計測自体も迅速で、旧来の測量作業と比べて大幅な時間短縮が報告されています。例えばある現場では、4人がかり7日間(延べ28人日)要していた土量測定・算出作業が、ドローン写真測量+点群解析の導入によって2人1日(2人日)で完了したケースもあります。人手と日数を大幅に削減しつつ、出来形数量の算出精度も従来手法と遜色ない(誤差約1%程度)ことが確認されており、点群による体積計測は実務上も有用性が実証されています。


また最新技術としては、地上型の3Dレーザースキャナー機器や、ブルドーザ・ショベルといった重機に搭載されたマシンガイダンスのデータ活用も挙げられます。固定式のレーザースキャナーを用いればミリ単位の精密な地形データが取得できますし、重機のマシンガイダンスで施工中の切土・盛土量をリアルタイムに把握する試みも行われています。しかし前者は機器が非常に高価で操作にも専門知識が要る点、後者は重機オペレータ向けの補助が主目的で出来形計測の記録には使いにくい点など、それぞれ制約もあります。そうした中、昨今特に注目されているのがスマートフォン・タブレットを用いた簡易3D計測です。例えば近年のスマートフォンにはLiDAR(ライダー)と呼ばれる光レーザーによる距離センサーが搭載されており、専用のアプリを使えば周囲の地形を短時間でスキャンして点群化できます。実際、iPhone 12以降のモデルやiPad ProではLiDARスキャナが標準搭載されており、これを活用して現場監督自ら数分程度で盛土の形状を計測し、即座に体積を算出することも可能になりつつあります。


スマホを用いた点群計測の利点は、手軽さと機動力にあります。ドローン撮影や据置型レーザースキャナでは、飛行許可や機器の運搬・設置、オペレーターの技能習得など一定の準備が必要でした。しかしスマートフォンであれば文字通り「ポケットの中のデバイス」であり、思い立ったときにすぐ現場で取り出して計測を開始できます。特別な資格や高度な訓練も不要で、誰でも扱える点も現場導入のハードルを下げています。例えば小規模な盛土や一時的な残土のボリューム確認であれば、測量の専門班を呼ばずとも現場代理人や監督員がその場でサッとスキャンし、土量を把握して重機やダンプの手配に活かす、といった運用が現実的になっています。従来はリアルタイムに行えなかった土工計画の即時見直し迅速な出来形確認が、モバイル端末による点群計測で可能になりつつあるのです。


さらに最近では、スマホで取得した点群データをクラウド上にアップロードし、自動的に3Dモデル化して土量を算出するサービスも登場しています。クラウドと連携することで、現場で計測したデータをオフィスのPCや離れた関係者と即時に共有することができ、施工履歴の一元管理にも役立ちます。施工中に定期的に点群を記録して進捗を見える化したり、完成後のデータを基準に経年変化をモニタリングしたりと、出来形・土量データの活用範囲も広がっています。こうしたデジタル技術の活用によって、盛土体積の計測は「迅速かつ確実」な新たなステージへ移行しつつあります。


LRTKによる簡易測量

スマートフォンを使った3D計測を現場でさらに手軽に活用できるようにするソリューションとして、LRTKがあります。LRTKはレフィクシア社が提供する高精度測位システムで、スマートフォン一体型の小型デバイスを用いることで手持ちのiPhoneなどを瞬時に高精度な測量機器へと変えるものです。具体的には、スマホに装着するアンテナを通じてネットワーク型RTK(リアルタイムキネマティック)測位を利用し、スマホのGPS位置情報をセンチメートル級の精度に高めます。これにより、スマホ内蔵のLiDARスキャナやカメラで取得する点群データ・写真データに正確な座標が付与され、従来は困難だった高精度な位置情報付きの点群計測がスマホだけで実現できます。


LRTKの導入によって得られる最大の利点は、現場におけるリアルタイムな土量計測です。LRTK対応の専用アプリ上で盛土や残土の山をスキャンすれば、取得された3D点群からその場で自動的に体積が計算され、スマホ画面上に結果が表示されます。もちろん取得データはクラウドにも即時アップロードされるため、事務所のPCで詳細を確認したりチームで共有したりすることも容易です。LRTKによる点群データは初めから絶対座標が合った高精度データなので、設計図面上の標高や基準面との比較も迅速に行えます。従来であれば点群取得後にPCで解析・計算していた工程を大幅に省略でき、測量から出来形数量算出までのタイムラグをほぼゼロに縮めることが可能です。その結果、例えば「当日中に残土処理が必要か判断する」「即座に埋め戻し土量を確認して追加発注する」といった迅速な施工判断につなげられます。


さらにLRTKはクラウドサービスとの連携に優れており、現場で取得したデータを蓄積していくことで施工履歴を時系列で管理することもできます。複数回の点群データを比較して進捗を定量的に評価したり、将来的にメンテナンス目的で地形変化をモニタリングしたりと、応用範囲も広がります。従来は測量専門家に依頼していた3次元計測を、現場スタッフ自らが日常的に行えるようになることで、施工管理の精度とスピードは飛躍的に向上するでしょう。まさに「一人一台」時代に向けた革新的なツールと言えます。盛土体積の計算で悩んでいる現場の皆さんも、ぜひ一度このLRTKによる簡易測量を試してみてはいかがでしょうか。高精度・高効率な出来形数量管理がもたらす新たな施工管理の形を実感できるはずです。


FAQ

Q: 出来形管理とは何ですか? A: 出来形管理とは、工事で出来上がった構造物(盛土やコンクリート構造物など)が設計図書どおりの形状・寸法になっているか確認する品質管理のプロセスです。高さや厚さ、幅、体積などを実際に測定し、設計値や規格値と比較して基準を満たしているかを評価します。盛土工事では、所定の高さまで土が盛られているか、傾斜や幅が設計通りか、そして盛土した土量が適正かどうかを確認することが出来形管理の重要なポイントです。


Q: 平均断面積法とメッシュ法の違いは何ですか? A: 平均断面積法は、一定間隔ごとに地盤の横断面を作図し、その断面積から体積を求める方法です。道路のように細長い盛土量算出に適しており、計算手順が比較的簡単です。一方のメッシュ法は、対象エリアを格子状に分けて各マスの高さ(盛土厚)を調べ、体積を積み上げていく方法です。広い面積の造成工事などに向いており、地形全体の起伏を細かく反映できる分、平均断面法より精度が高い傾向があります。ただし手計算には向かないため、近年は点群データを用いたソフトウェアで自動計算するケースが増えています。


Q: ダンプトラックの台数から盛土量を計算できますか? A: おおまかな見積もりは可能ですが、正確性は限定的です。ダンプトラック1台あたりの積載容量(立方メートル)に積載効率を掛け、走った台数を乗じることで概算の土量は算出できます。ただし土の含水比や締固め具合によって実際の盛土体積は変動しますし、ダンプへの積み方(積載ロス)によっても誤差が生じます。現場で盛土体積を正確に把握するには、やはり直接測量して計算する方法(断面法・メッシュ法や点群計測など)が確実です。


Q: スマホのLiDARで本当に測量ができますか? A: 最新のスマートフォン(例:iPhoneの上位モデルなど)に搭載されたLiDARセンサーを使えば、簡易的な3D測量が可能です。実際に地形や構造物をスキャンして点群データを取得し、寸法を測ったり体積を計算したりできるアプリが登場しています。ただし単体のスマホではGNSS(位置測位)の精度が数メートル程度と粗いため、厳密な測量には向きません。高い精度を求める場合は、LRTKのようにスマホにRTK測位機能を追加して位置情報を補正することで、センチ単位の測量精度を実現できます。


Q: LRTKとは具体的に何をするための機器ですか? A: LRTKはスマートフォンやタブレットと組み合わせて使用する高精度測位システムです。専用の小型アンテナ受信機をデバイスに装着し、リアルタイムキネマティック(RTK)という衛星測位補強技術を利用することで、スマホのGPS精度を飛躍的に高めるものです。これによりスマホで取得する点群データや写真に正確な座標が付与されるため、本格的な測量機器に匹敵する精度での計測が可能になります。要するに、「いつでも・どこでも・誰でも」スマホひとつで精度の高い測量と出来形計測が行えるようになるのがLRTKの役割です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page