目次
• ドローン測量の課題:高スペックPCが必要だった
• クラウド型ドローン測量とは?
• クラウド活用のメリット
• クラウド型ドローン測量で得られる成果
• クラウド型ドローン測量の活用シーン
• スマホを活用したLRTKによる簡易測量
• FAQ
ドローン測量の課題:高スペックPCが必要だった
近年、建設業界では*デジタル変革(DX)*の一環としてドローンによる3次元測量が注目されています。国土交通省の*i-Construction*施策も後押しし、現場で取得した3D測量データの利活用が推進されています。しかし、ドローンで撮影した写真から高精度な3次元点群データを生成するには、高性能なパソコン(高スペックPC)と高価な専用ソフトウェアが従来は不可欠でした。*点群データ*とは、対象物の表面形状を多数の座標点の集合で表現した三次元モデルのことです。その初期導入コストは企業に大きな負担となり、せっかくドローンを導入しても撮影した写真を「ただ眺めるだけ」で終わってしまい、3Dモデル化まで踏み出 せないケースも少なくありませんでした。
さらに、100枚以上の高解像度写真を用いて点群を生成するには長時間の処理が必要で、その間はPCを占有してしまいます。写真測量(SfM解析)ソフトの操作には専門知識や経験が要求され、社内に熟練した技術者がいないと扱いが難しいという課題もありました。こうしたハードルの高さから、ドローンによる詳細な地形モデル作成や土量計算を自前で行うことを断念し、外部の測量会社にデータ処理を依頼せざるを得ない例も多く見られます。
外注した場合、解析完了までに数日を要する上にコストもかさみます。一方、自社でクラウドサービスを活用できれば、ドローン飛行当日にデータ処理まで完了し、その日のうちに結果を確認するといったことも可能になります。こうしたニーズに応えるため、高スペックPCが不要なクラウド完結型のドローン測量ソリューションが登場しています。
クラウド型ドローン測量 とは?
クラウド型ドローン測量とは、ドローンで撮影したデータの処理をクラウド上で完結できるサービスや手法のことです。現場で自分たちが取得した空撮写真をオンラインのプラットフォームにアップロードするだけで、自動的に3次元点群データやオルソ画像などの成果を生成してくれます。国内でもこうしたクラウドサービスが登場し始めており、専用の高スペックPCやソフトを購入せずとも手軽に高度な点群生成が可能になりつつあります。
使い方は至ってシンプルです。ウェブブラウザでクラウドサービスのサイトにアクセスし、ドローンで撮影した写真データをアップロードします。するとクラウド側の高性能サーバーで写真測量の解析処理(Structure from Motion技術による解析)が自動実行されます。複数の写真に写った共通ポイントを照合し、三角測量の原理で各点の3次元座標を計算する処理です。数百枚規模の写真でもサーバー側で並列処理するため効率よく進み、場合によっては従来のPCより短時間で結果を得られることもあります。解析が完了すると、3D点群データやオルソモザイク画像といった成果データがクラウド上に出力され、ユーザーはブラウザ経由でそれらを確認・ダウンロードできます。
重い計算処理を手元PCに任せる必要がないため、処理中でも他の業務を並行して進められます。長時間PCがフリーズ状態になり作業を止められるストレスからも解放されるでしょう。またクラウドサービス側で解析ワークフローが最適化されているため、難しい設定を行う必要もありません。写真の画質や撮影手順など基本的な条件さえ満たしていれば、専門知識がなくても高品質な3D点群を得ることができます。このようにクラウドの活用によって、ドローン測量における高度なデータ処理が飛躍的に身近になってきています。
クラウド活用のメリット
クラウドでドローン測量データを処理することには、従来の方法と比べて多くのメリットがあります。主な利点を以下にまとめます。
• 初期コストの削減: 高性能PCや高額な解析ソフトウェアの購入が不要になるため、設備投資を大幅に抑えられます。従来は数十万〜数百万円規模の機材投資が必要でしたが、その負担がなくなることで中小企業でも導入しやすくなります。
• 手元PCへの負荷軽減: 大量の写真データ処理をクラウド側で行うため、自分のPCが長時間フリーズしてしまう心配がありません。他の業務を並行して進めることができ、長時間の処理待ちによる生産性低下やストレスからも解放されます。
• 高速処理とスケーラビリティ: クラウドの強力なサーバーと並列処理によって、重い解析も短時間で完了します。写真点数やエリアの規模が大きくても対応可能です。例えば通常のPCで半日以上かかる解析が、クラウドでは数時間程度で完了するケースもあります。また、1社で複数の現場データを同時並行で処理するといったこともクラウドならではの柔軟性です。
• 場所を選ばず利用可能: インターネット経由でサービスにアクセスできるため、オフィスはもちろん現場や出先からでもデータのアップロード・結果確認が可能です。例えば現場で撮影直後に写真データをクラウドに送信し、移動中に解析を進めておけば、事務所に戻る頃には結果が得られている――といった使い方もできます。
• データ共有が容易: 生成された点群データやオルソ画像はクラウド上の安全なストレージに保存されるため、社内外の関係者とオンラインで共有したり、共同で閲覧することも簡単です。大容量データもクラウドに蓄積されるため、PCのディスク容量不足を心配する必要もありません。また各自のPCに専用ビューアをインストールしなくても、ブラウザ上で直接3Dデータを確認できます。
• 常に最新の技術を利用: サービス提供側で解析アルゴリズムや機能のアップデートが継続されるため、ユーザーは常に最新バージョンの技術を享受できます。アップデートのたびに自動的に精度向上や新機能が追加されるので、ユーザー側で面倒なソフト更新作業を行う必要もありません。
• 手厚いサポート体制: 国内ベンダーによるクラウドサービスであれば、日本語による手厚いサポートや導入支援を受けられる安心感もあります。操作方法の質問や万一のトラブル対応もすぐに相談できるため、初心者でも安心して利用を開始できます。
クラウド型ドローン測量で得られる成果
クラウド型のドローン測量サービスを使うと、単に点群データが得られるだけでなく、測量や設計に役立つさまざまな成果物を自動生成できます。代表的なものを挙げます。
• 3D点群データ: ドローンで撮影した多数の写真から、高密度でカラフルな3次元点群を生成します。RTK対応ドローンの位置情報や地上の基準点データを組み合わせれば、各点に正確な絶対座標が付与された高精度点群が得られます。生成した点群データはLAS形式など標準フォーマットでエクスポートできるため、他のCADソフトや解析ツールでも活用可能です。
• オルソモザイク画像: 広範囲を空撮した写真を合成し、歪みのない真上視点のオルソ画像を作成します。地形図のように現況を俯瞰できる画像で、座標情報付きのため測量図面として活用できます。
• 数値地形モデル(DSM)と等高線: 生成した点群から地表面の標高データを抽出し、グリッド形式のDSMや指定間隔の等高線図を自動作成できます。地形図として そのまま利用することが可能です。
• 各種計測機能: クラウド上の点群ビューアで、任意の2点間距離や囲った範囲の面積、さらには体積や高低差、勾配といった測定も行えます。例えば盛土の体積は、点群上で基準面を設定するだけで自動計算されます。特別なCADソフトがなくても、ウェブ上で必要な寸法情報をすぐに読み取ることができます。
• 断面図の作成: 点群データから任意の断面線に沿った断面図を切り出し、自動でCAD図面化する機能もあります。生成された断面図はDXF形式でダウンロードでき、設計図面との比較や報告書作成に活用できます。
• 設計データとの重ね合わせ: 3次元点群に設計モデルや2D図面データを重ね表示し、出来形(施工結果)と設計計画との差分を可視化することも可能です。国交省の出来形管理要領(案)で推奨されているカラーの差分図も出力でき、施工不良の早期発見に役立ちます。完成形と現況とのズレを色分け表示する機能により、施工管理や検査業務を強力にサポートします。
クラウド型ドローン測量の活用シーン
クラウド完結型のドローン測量サービスは、さまざまな業種・業務で活用が期待できます。特に以下のような分野では大きな効果を発揮するでしょう。
• 建設・土木: 施工現場での出来形管理や土量計算にドローン測量が活用できます。例えば造成工事でドローン撮影した点群から盛土・掘削の体積を算出すれば、工事の進捗管理や出来形報告を効率化できます。従来は人力で数日かかっていた出来形測定も、ドローンを使えば撮影からクラウド処理まで当日中に完了し、迅速な意思決定につながります。これは国土交通省が推進する*i-Construction*にも合致した3D測量手法で、現場管理の高度化に寄与します。
• 測量会社・建設コンサルタント: 高速かつ低コストで3D成果品を作成できるため、業務効率とサービス競争力が向上します。社内に高価なワークステーションやソフトを抱えなくても、大規模な測量プロジェクトのデータ処理をクラウドに任せられるので、納期短縮やコスト削減につながります。また、自動処理によりデータ品質が安定するため 、経験の浅い技術者でも高品質な成果を出せるという利点もあります。
• 自治体・公共団体: インフラ点検や災害対応において、ドローンで取得した現況データを迅速に3D化できます。現場で撮影した画像をクラウドに送信するだけで、数時間後には詳細な地形モデルやオルソ写真を得られるため、被災状況の把握や施設管理に素早く役立てられます。例えば大規模な土砂災害でも、ドローンで上空から被害状況を撮影して即座にクラウド解析を行うことで、その日のうちに精密な現況モデルを関係部署で共有し、早期の対策立案に繋げられます。
スマホを活用したLRTKによる簡易測量
クラウドによるドローン点群生成に加えて、現場で手軽に3次元測量を行う方法としてスマートフォンを使った簡易測量も注目されています。当社が提供するLRTK Phoneは、スマホだけでセンチメートル級精度の3D測量を実現する画期的なシステムです。専用の小型アンテナを装着したスマートフォンを用い、高精度のGNSS測位と内蔵LiDARスキャナ・カメラを組み合わせることで、1人でも簡単に高精度の点群データを取得できます。専用アプリを起動してスマホを手に現場を歩くだけで、その場で3D点群化まで完了します。
例えばドローンでは撮影が難しい橋梁の下面や森林内の地表なども、LRTK Phoneを手に歩くだけで詳細にスキャン可能です。こうして取得した地上点群データは絶対座標を持っているため、ドローンで生成した点群とも自動で重ね合わせることができます。上空から捉えにくい死角部分をスマホで補完することで、より漏れのない現況把握が可能となります。
また日常的な簡易計測であれば、何もドローンを飛ばすまでもなくスマホだけで完結できます。必要なときに素早く現場の3Dデータを取得できるため、測量作業の頻度が高い現場では生産性向上に大きく貢献するでしょう。クラウドのドローン測量サービスとLRTK Phoneを使い分けることで、広範囲のマッピングから細部の計測までシームレスに対応できる体制が整います。
このように、クラウド完結型サービスとスマホ測量技術の登場により、ドローンを用いた3次元測量は一段と身近なものになりつつあります。高スペックPCに縛られない新たなワークフローを現場に取り入れ、DXの波を起こしてみませんか?煩雑なPC処理から解放され、現場データのスピーディーな活用が実現します。当社のLRTKプラットフォームは、これら最新技術を通じて皆様の測量業務改革を力強くサポートいたします。クラウド解析技術は日進月歩で進化しており、当社LRTKプラットフォームも今後さらなる機能拡充を予定しています。最新テクノロジーを取り入れることで、皆様の業務効率化を継続的に支援してまいります。
FAQ
Q: どんなユーザーに適したサービスですか? A: 建設現場の技術者や土木系の測量担当者はもちろん、空間データを扱う建設コンサルタント、インフラ管理を行う自治体職員など、ドローン測量による3Dデータ活用を必要とする幅広い方々に適したサービスです。専門部署がない小規模事業者でも手軽に導入できるため、ドローンを有効活用したいすべての人におすすめできます。個人のドローンオペレーターや小規模企業でも、低コストで高度な3D測量を実現できる手段として有用です。
Q: このサービスからどんな成果物が得られますか? A: 3次元の点群データ(カラー点群)、高精細なオルソ画像(俯瞰写真)、数値地表モデル(DSM)や等高線図、任意断面の図面化(DXF形式の断面図)など、多彩な成果を自動生成できます。測量や設計に必要な出力が一通り揃うので、取得したデータを様々な用途に直接活用できます。
Q: 解析にはどれくらい時間がかかりますか? A: 処理時間は写真の枚数やクラウドサーバーの状況によって変わりますが、目安として100枚程度の写真であれば1時間前後、500枚規模の大規模案件でも数時間〜半日程度で点群生成が完了します。通常は当日中に結果を得ることが可能で、従来のPC単体で解析するよりも早く結果を得られるケースが多いです。
Q: 利用にあたって特別な機材やソフトは必要ですか? A: 必要なのは一般的なパソコン(またはタブレット端末)とインターネット環境、そして空撮用ドローン本体だけです。クラウドサービスはウェブブラウザ経由で利用できるため、専用ソフトのインストールも不要です。WindowsでもMacでもブラウザが動作するOSであれば問題なく利用でき、高スペックPCでなくても処理はすべてサーバー側で行われるため支障ありません。
Q: 利用できるドローンに決まりはありますか? A: 市販されている空撮用ドローンで撮影した写真であれば、基本的にどの機種でも処理可能です。ただし高品質な点群モデルを生成するには、カメラの解像度や撮影方法が重要です。写真は高解像度で鮮明に撮影し、十分な重複度が確保されていれば精度の高いモデルが得られます。またRTK搭載ドローンを使用すれば位置情報の精度が向上するため、生成される点群の測量精度もさらに高まります。
Q: 生成された点群の精度はどの程度ですか? A: ドローンのGPS精度や飛行高度、使用する地上基準点の有無などによって変動します。通常のGPS搭載ドローンのみの場合でも、条件が良ければ相対誤差で数cm〜十数cm程度の精度が得られるため、多くの用途で実用上問題ありません。さらにRTK対応ドローンや地上の既知点を用いれば、 誤差を数センチ程度まで抑えることも可能です。適切な精度管理を行えば、国土交通省の3次元測量ガイドラインに準拠した成果品として利用できる品質が得られます。
Q: 操作には高度な専門知識が必要ですか? A: いいえ。写真データのアップロード手順さえ理解していれば、高度な解析処理はクラウド側が自動で行うため、画像解析の専門スキルは不要です。画面表示やマニュアルも日本語対応で直感的に操作できる設計となっており、ガイドに沿って進めれば初めての方でもスムーズに扱えます。不明点があってもサポートチームにすぐ相談できるため、安心して利用を開始できます。
Q: データをクラウドに預けるのは不安ですが、セキュリティ面は大丈夫でしょうか? A: 当サービスでは通信経路やデータ保管に強固なセキュリティ対策を施しています。アップロードされた写真データや生成された点群データは暗号化され、安全なクラウドサーバー上に保管されます。またユーザーごとのアクセス権限設定により、社内でも許可されたメンバーだけがデータを閲覧可能です。クラウドサーバーは国内の信頼性の高いデータセンターで運用しており、機密性が求められるプロジェクトでも安心してご利用いただけます。
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