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ドローン測量は森林でも使える?向き不向きを6項目で解説

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

森林でドローン測量は使えるのか

測りたい対象が地表か樹冠か

樹木の密度と季節条件

求める精度と出来形の考え方

飛行の安全性と現地環境

必要な成果物との相性

地上測量と組み合わせる前提があるか

森林でドローン測量を成功させる考え方

まとめ


森林でドローン測量は使えるのか

ドローン測量は森林でも使えます。ただし、平地の造成現場や舗装面の多い市街地と同じ感覚で考えると、期待した成果が得られないことが少なくありません。結論からいえば、森林でのドローン測量は、向いている場面と向いていない場面がはっきり分かれる仕事です。ここを曖昧にしたまま導入すると、飛ばしたのに地表が取れていない、点群はできたのに設計や数量算出に使えない、という事態になりやすくなります。


なぜ森林で難しさが増すのかというと、木が多いことで空から見える情報と地上で本当に知りたい情報が一致しにくいからです。一般的なドローン測量では、上空から撮影した画像をもとに地形や形状を再現します。しかし森林では、カメラに写るのは多くの場合、地面そのものではなく樹冠、つまり木の葉や枝の上面です。上から見えているものが地表ではない以上、地表面の起伏、路肩、法面の端、作業道の幅、排水の流れといった実務上重要な情報は、そのままでは読み取りにくくなります。


一方で、森林だからすべて不向きというわけでもありません。広い範囲を短時間で俯瞰したい、林道や作業道の全体状況を確認したい、伐採前後の変化を比較したい、崩壊地や土砂流出箇所の概況を早く把握したいといった目的には、ドローン測量は非常に有効です。空から全体を捉えられること自体が大きな価値になるからです。特に人が歩いて確認しにくい斜面や、面積が広くて従来方法だけでは時間がかかる現場では、初動の把握や記録に強みがあります。


つまり、森林でのドローン測量は、万能な置き換え手段ではなく、目的に応じて使いどころを見極める技術です。大切なのは、森林で飛ばせるかどうかではなく、森林で何をどこまで測りたいのかを先に決めることです。この順番を逆にすると、取得したデータが実務で使い切れません。ここからは、森林でドローン測量が向くか不向くかを判断するために、実務担当者が最初に見るべき6つの項目を順番に解説します。


1. 測りたい対象が地表か樹冠か

森林でドローン測量の向き不向きを判断するうえで、最初に確認すべきなのは、測りたい対象が何なのかです。これは非常に基本的な話に見えて、実務ではもっとも見落とされやすい点です。森林の仕事では、現場担当者によってほしい情報が異なります。ある人は地表面の起伏を知りたいと思っていますし、ある人は樹木の分布や樹高の傾向を知りたいと思っています。また別の人は、林道や作業ヤードの位置関係、伐採予定範囲の全体像、災害箇所の変状をまず俯瞰したいだけかもしれません。


もし知りたいのが樹冠の広がり、林地全体の見え方、道路や作業帯の配置、崩壊の概況、伐採後の空き区画の広がりなどであれば、ドローン測量はかなり向いています。上空から全体像を把握できるため、現地を歩き回るだけでは掴みにくい面的な情報が短時間で整理できます。記録性も高く、同じ範囲を時期を変えて取得すれば、変化の比較もしやすくなります。


しかし、知りたいのが木の下にある地表の高さ、土量計算の基準になる地盤面、排水計画に必要な細かな起伏、設計に使う断面、あるいは出来形確認のための地盤高である場合は注意が必要です。写真を主とするドローン測量では、木が密に生えているほど地面が見えません。見えていない地面は正確には再現できないため、見た目には3次元モデルができていても、それが樹木上面をなぞったものなのか、地表面に近いものなのかを区別しなければなりません。


この違いを曖昧にすると、現場では大きな誤解が生まれます。たとえば、色のついた立体モデルや点群が得られると、つい「地形が取れた」と思いがちです。しかし実際には、森林では木の上の形を取っているだけのことも多くあります。ドローン測量が向くのは、上から見えるものを把握したい場面です。逆に不向きなのは、上から見えない地表をドローンだけで確実に把握したい場面です。最初にこの線引きをしておくだけで、現場判断の精度は大きく上がります。


2. 樹木の密度と季節条件

次に見るべきなのは、森林の密度と季節です。同じ森林でも、木の生え方や葉の付き方によって、ドローン測量の難易度は大きく変わります。ここを一括りにして「森林は難しい」「森林でもできる」と判断するのは危険です。実際には、疎林に近い場所、伐採後の区画、作業道沿い、法面が見えている場所、河川沿いで上空から地表が確認しやすい場所であれば、ドローン測量は十分に実務に乗ります。


一方で、枝葉が密に重なり、地面がほとんど見えない森林では、写真方式のドローン測量は厳しくなります。上空から撮影した画像同士の対応は取れても、その対応点が葉や枝の表面に偏るため、欲しい地表面のモデルにはなりにくいからです。しかも森林では、地表が見えないだけでなく、明暗差が大きくなることも多く、谷側の影、樹冠の濃い影、斜面の向きによる光の偏りなどが、処理結果の読みやすさに影響します。


季節も重要です。落葉する樹種が多い場所では、葉が少ない時期のほうが地面が見えやすくなり、取得しやすい情報が増えます。逆に葉が繁る時期は、森林の上面を把握するにはよくても、地表の再現には不利になります。常緑樹が中心の場所では、季節による改善幅が小さいこともあります。このため、森林でドローン測量を検討する際は、現場位置だけでなく、植生のタイプと時期も合わせて考える必要があります。


また、伐採直後や下草が整理された後など、見通し条件が変わるタイミングでは、同じ場所でも結果が大きく変わります。つまり森林では、場所の情報だけでは足りず、今その現場がどんな状態かが重要です。向いているのは、地表が部分的にでも見える条件があり、上空画像から意味のある形状が取れる現場です。不向きなのは、枝葉が密で地面がほぼ隠れ、しかも必要なのが地表情報である現場です。現場の写真を数枚見るだけでも、この判断はかなりしやすくなります。


3. 求める精度と出来形の考え方

森林でドローン測量を使うときは、どの程度の精度が必要なのかを最初に整理しておくことが欠かせません。実務担当者が失敗しやすいのは、「ドローン測量なら高精度だろう」と一括りに考えてしまうことです。実際には、必要な精度の水準によって、森林でドローン測量が向くか不向くかは大きく変わります。


たとえば、現況の全体把握、ルート検討の下見、災害箇所の概況確認、関係者への共有資料作成などであれば、多少の誤差よりも、広範囲を早く見える化できることのほうが重要です。この場合、森林でもドローン測量は十分に役立ちます。全体像を短時間で整理できる価値が高いからです。多少細部に不確かさがあっても、意思決定の初期段階では実用になることが多くあります。


しかし、設計に直結する高さ管理、断面作成、土量計算、施工計画に使う地盤高の把握、出来形管理の根拠といった用途になると話は変わります。森林では、そもそも見えていない地表を高精度に復元するのが難しいため、必要精度が上がるほど、ドローン単独で完結させるのは厳しくなります。ここで重要なのは、誤差の大小だけではなく、誤差の原因を説明できるかどうかです。森林では、見えていないこと自体が誤差の源になります。つまり、処理設定を工夫しても、元データに地表情報が乏しければ限界があります。


また、森林では水平方向と高さ方向で信頼度が異なることも意識すべきです。平面的な位置関係の把握には使えても、高さの解釈には注意が必要な場面があります。たとえば林道の線形は読み取れても、路肩の細かな高低差や側溝の深さまでは判断できないことがあります。この違いを理解せずに成果をそのまま図面化すると、後工程で修正が増えます。


森林でドローン測量を使うなら、何センチまで求めるのかではなく、どの判断に使うデータなのかを明確にすることが大切です。向いているのは、全体把握や比較、概況確認など、面的な可視化の価値が高い仕事です。不向きなのは、見えない地表を前提にした厳密な高さ管理を、追加の検証なしで進めたい仕事です。森林では、精度要求が高くなるほど、補足観測や検証点の確保が重要になります。


4. 飛行の安全性と現地環境

森林でドローン測量を考えるとき、データの取りやすさと同じくらい大切なのが飛行の安全性です。空から撮れそうかどうかだけで判断すると、現地で運用に詰まることがあります。森林は障害物が多く、空間に余裕があるように見えて、実際には離着陸場所の確保、樹木との距離、谷地形による風の乱れ、視認性の低下など、飛ばしにくい要素が重なりやすい環境です。


特に問題になりやすいのが、離着陸のしやすさです。上空が少し開けているだけでは十分ではなく、機体を安全に上げ下ろしできる平坦なスペースや、周囲との距離を取れる場所が必要です。森林では地面が柔らかかったり、枝や草が多かったり、傾斜していたりするため、飛行前後の作業が想像以上に制約されます。作業者が安定した姿勢で操作できるか、搬入路が確保できるかも重要です。


また、森林では目視での確認がしにくくなる場面があります。樹木の背後に機体が入りやすく、地形の起伏によって見通しが急に切れることもあります。上空では飛べても、操縦者から機体の状態を継続して把握しにくい環境は、運用上のリスクになります。さらに、谷沿いや尾根筋では風の流れが一定でないことがあり、同じ現場でも時間帯によって安定性が変わることがあります。


森林での飛行は、データ取得の成否以前に、安全に繰り返し作業できるかで判断すべきです。向いているのは、離着陸スペースが確保でき、飛行経路の見通しが比較的よく、作業者が無理なく運用できる現場です。不向きなのは、樹木が密で視認性が悪く、離着陸場所にも余裕がなく、わずかな操作ミスが接触リスクにつながる現場です。測れるかもしれない現場と、安定して仕事として回せる現場は別物です。実務では後者の視点が欠かせません。


5. 必要な成果物との相性

森林でドローン測量が向くかどうかは、最終的に何を納品物として求めるかでも変わります。同じ現場でも、ほしい成果物が違えば、向き不向きの結論は変わります。ここを整理しないまま発注や段取りを進めると、取得データと納品物の間にズレが生まれます。


森林で比較的相性がよいのは、空から見た現況画像、広域の位置関係を整理した資料、変化前後の比較、樹冠の広がりを把握する用途、作業ルートや進入路の確認、災害や崩壊箇所の概況整理などです。これらは、上空からの見え方そのものに価値があるため、森林でもドローン測量の強みが出やすくなります。現場共有資料としても使いやすく、関係者に状況を伝えやすい点も利点です。


一方で、地形図、断面図、土量計算、設計重ね合わせ、細かな勾配確認など、地表面の精度が強く問われる成果物は慎重に考える必要があります。森林では、見えている表面と求める地盤面が一致しないことがあるため、成果物の見た目が整っていても、実務上の根拠としては弱い場合があります。特に数量に関わる成果物は、どの面を基準にしているのかを明確にしなければ、後で説明に困ります。


また、森林の中でも場所によって相性が異なります。たとえば、林道周辺や伐採跡地、法面の露出部など、地表が見えている範囲は比較的使いやすい成果になります。逆に、樹冠が閉じている区画では、立体的な見え方はできても、設計や数量に使う地表成果にはつながりにくくなります。つまり、森林全体を一つの成果物で均一に扱えるとは限らないのです。


向いているのは、現況把握や共有に強い成果物を求めるケースです。不向きなのは、地表の厳密な再現を前提にした成果物を、ドローン単独でそのまま作ろうとするケースです。実務では、最終成果物から逆算して取得方法を決めるほうが失敗しません。森林では特に、この逆算が重要です。


6. 地上測量と組み合わせる前提があるか

森林でドローン測量を実務に乗せるなら、最後に確認すべきなのは、地上測量と組み合わせる前提を持てるかどうかです。ここが、森林での成否を分けるもっとも現実的なポイントです。ドローンだけで完結させたいという発想はわかりやすいのですが、森林ではそれが適するケースは限られます。むしろ、空からの面把握と地上での点の確認をどうつなぐかが、成果の質を左右します。


森林では、ドローンは広い範囲を早く見渡す役割に向いています。対して地上測量は、見えない場所や重要な基準点、設計に効く高さ、断面の要所、境界や構造物周辺などを確実に押さえる役割に向いています。この役割分担ができると、森林でも現実的で使いやすいデータセットが作れます。逆に、この役割分担を考えずにドローンだけで地表も高さも数量も全部やろうとすると、どこかに無理が出ます。


たとえば、現場全体はドローンで取得し、林道の中心線や分岐点、法面の肩と尻、排水施設周辺、搬入路の要所、地表が見えにくい区間は地上で補うという考え方は、森林で非常に相性がよい進め方です。これなら、面の速さと点の確かさを両立できます。現場担当者にとっても、どこまでが空からの情報で、どこからが地上確認なのかが明確になるため、成果の説明がしやすくなります。


また、基準点や検証点の考え方も重要です。森林では、開けた場所を活用して位置の基準を確保し、必要な範囲をつないでいく発想が現実的です。すべてを木の下で完結させようとせず、周辺の条件を使って全体の品質を上げる考え方が求められます。向いているのは、ドローンと地上測量を補完関係として捉えられる現場です。不向きなのは、地上で一切確認せず、空撮だけで設計や数量に直結する判断まで済ませたい現場です。森林でドローン測量を上手く使っている現場ほど、実は空と地上の役割分担が明確です。


森林でドローン測量を成功させる考え方

ここまでの6項目を踏まえると、森林でドローン測量を成功させるために必要なのは、高性能な機材への期待よりも、測る目的と方法の整合を取ることだとわかります。森林で失敗しやすい案件は、たいてい「飛ばせば何とかなる」という発想から始まっています。逆に成功しやすい案件は、「どこは空から取れて、どこは地上で押さえるべきか」を先に決めています。


まず大切なのは、森林全体を一律に扱わないことです。同じ案件の中でも、開けた区間、樹木が密な区間、路線沿い、谷沿い、伐採跡地、作業ヤード周辺では条件が異なります。現場を区間ごとに見て、ドローンで取りやすい場所と取りにくい場所を分けて考えるだけでも、計画の精度は上がります。これにより、後処理で無理に整えようとして時間をかけるより、はるかに実務的な段取りになります。


次に、最終成果から逆算することです。共有資料がほしいのか、経過記録がほしいのか、設計に使いたいのか、数量に使いたいのかで、必要な取り方は変わります。森林では、見た目のよい3次元データができても、それがそのまま実務成果になるとは限りません。現場担当者としては、見栄えよりも、どの判断に使えるデータかを重視したほうが失敗しません。


さらに、現地条件の確認を軽視しないことも大切です。森林では、地図上ではわからない障害が多くあります。離着陸場所、搬入のしやすさ、見通し、地形、風、作業者の立ち位置、周辺の安全管理など、現地で初めてわかる条件が結果に直結します。撮影条件が少し悪いだけなら後処理で補えることもありますが、安全条件の不足は後から取り返せません。


そして何より、森林では「ドローン単独で完結させること」より、「必要十分なデータを無理なくそろえること」を目標にしたほうが成果が安定します。空からの面情報は非常に強力ですが、地上の点情報が加わることで初めて実務に使いやすくなる場面は多くあります。森林でのドローン測量は、空撮の華やかさよりも、現場全体をどう設計するかという地味な計画力がものを言います。この発想を持てるかどうかで、向き不向きの判断も、導入効果も大きく変わります。


まとめ

ドローン測量は森林でも使えます。ただし、それは森林なら何でも測れるという意味ではありません。向いているのは、広い範囲の概況把握、樹冠や地表が見えている範囲の記録、林道や作業道の全体確認、変化比較、災害箇所の初動把握など、空からの面情報に価値がある仕事です。不向きなのは、枝葉に隠れた地表をドローンだけで厳密に再現し、設計や数量、細かな高さ管理まで一気に済ませようとする仕事です。


判断のポイントは、測りたい対象が何か、樹木の密度や季節はどうか、どの程度の精度が必要か、安全に飛ばせるか、求める成果物は何か、そして地上測量と組み合わせる前提があるかの6点です。この6つを整理すれば、森林でドローン測量が向く案件かどうかはかなり見えます。森林の現場では、飛ばせるかどうかより、取得したデータが実務判断に使えるかどうかが重要です。


森林のように、空からの把握と地上での補足確認を組み合わせる現場では、位置の基準づくりや要所の確認を効率よく行える体制が成果の質を左右します。たとえば、林道や作業道、法面、ヤード周辺などで必要点を押さえながら、空撮データとつなげていきたい場合には、iPhone装着型GNSS高精度測位デバイスのLRTKも有効です。ドローンで広く把握し、地上で必要な点を確実に押さえる。この考え方が、森林での測量を実務で使えるものにしていきます。


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