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埋設物損傷をARで防ぐ!事前に見える化して掘削事故ゼロへ

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この記事は平均6分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

はじめに

埋設物損傷事故の現状と課題

従来の埋設物確認方法と問題点

ARで図面・境界・埋設物を現場に可視化

図面・境界・埋設物をAR表示するメリット

RTK-GNSSで実現する高精度なAR表示

掘削現場でのAR活用:境界線と埋設物の見える化

LRTKによる簡易測量で手軽に高精度ARを導入

FAQ


はじめに

建設工事の掘削作業では、地中に埋設された配管やケーブルを誤って破損してしまうリスクが常につきまといます。例えば、バックホウ(油圧ショベル)で地面を掘削中にガス管や電力ケーブルを切断してしまえば、ガス漏れ事故や大規模な停電につながりかねません。実際に近年も地下埋設物の損傷事故が後を絶たず、近隣への影響や高額な復旧費用、安全面での深刻な問題を引き起こしています。


こうした掘削事故を防ぐためには、事前の綿密な確認と注意が欠かせません。埋設物の位置を正確に把握し、「見えないものを見える化」できれば、誰もが安心して作業できるでしょう。近年注目されているのが、AR(拡張現実)技術を活用して地下の埋設物や境界線を事前に可視化する取り組みです。本記事では、埋設物損傷事故の現状と従来対策の課題を踏まえ、ARによる図面・境界・埋設物の現場表示がいかに事故防止に寄与するかを解説します。さらに、高精度なARを手軽に実現する最新技術と、弊社の簡易測量システムLRTKについても紹介し、掘削事故ゼロを目指すためのヒントを探ります。


埋設物損傷事故の現状と課題

道路工事や造成工事の現場では、見えない地下インフラの存在が常に潜在的な危険要因となっています。日本国内では毎年100件以上の地下埋設物損傷事故が報告されており、年間で約150件前後にのぼる年もあります。主な被害対象は上水道管や下水管、通信ケーブル、電力線、ガス管など多岐にわたります。中でも水道管損傷は件数が多く、約半数を占める年もあります。ガス管の破損事故は件数自体は多くありませんが、一度起これば周囲へのガス漏洩や火災の危険が高く、常に重大事故につながるリスクがあります。


こうした埋設物損傷事故が起きる背景には、地下物探査や事前確認の不十分さ情報共有ミスが指摘されています。掘削作業員や施工管理者が「この場所には埋設物はないはずだ」と思い込んで重機を動かしてしまい、結果的に見落としていたケーブルを切断するといったケースもあります。また、図面では安全に見えた場所でも、実際の埋設位置が記載とずれていることもありえます。わずかな認識違いや油断が大きな事故につながってしまうのが現状であり、施工現場では常に注意喚起がされています。それでも事故が起きてしまえば工期の遅延や周辺への影響は避けられず、施工者にとっても社会的信用の失墜や損害賠償リスクとなって跳ね返ってきます。


「ゼロ災(無事故)」を実現するには、埋設物損傷事故を根絶する取り組みが不可欠です。そのためには、従来からある安全対策(事前の埋設物位置確認、手掘りによる試掘、第三者立会いなど)を徹底すると共に、最新技術の活用によって確認作業の精度と確実性を高めることが求められています。


従来の埋設物確認方法と問題点

事故防止のために、従来から現場では様々な確認作業が行われてきました。掘削に着手する前に、まず各種埋設物の埋設図面(埋設管路図や占有企業の配管図など)を取り寄せて、地下に何が埋まっているかを把握します。また必要に応じて、地中レーダー探査機やケーブル探知機といった埋設物探査機器を使い、実際の地面下の配管・ケーブルの位置を調べることもあります。重要なガス管や通信ケーブルがある場合は、その埋設事業者(ガス会社や通信会社)の担当者に立会いを依頼し、一緒に現場で位置を確認することも一般的です。確認した埋設物の経路は地面上にスプレー塗装でマーキングしたり、杭や標識で示したりして、重機オペレーターにも分かるよう可視化する取り組みも行われています。


しかし、こうした従来方法にはいくつかの問題点が指摘されています。第一に、図面情報の不確かさです。紙の図面や設計図は必ずしも現状を正確に反映しているとは限りません。古いインフラほど記録図面と実際の埋設位置にズレが生じていたり、改修工事後に更新されていないケースもあります。図面通りに安全と判断して掘削した場所に、想定外のケーブルが埋まっていたということも起こりえます。第二に、現場での位置特定の難しさです。図面上では数値で座標や距離が書かれていても、それを屋外の現地で正確に測り取るには測量知識と手間が必要です。熟練者でなければ、図面の情報を実際の地面上の一点に落とし込む作業は容易ではありません。結果として、経験頼みの勘に頼った判断になってしまうことがあります。


さらに、探知機器による埋設物調査も万能ではありません。コンクリート下の配管や深い箇所に埋まった樹脂管など、機器では見つけにくい対象も存在します。すべての埋設物を事前に完全に把握するには多大な時間と労力がかかり、現実的に困難な場合もあります。加えて、関係各所との立会い調整やマーキング作業にも手間がかかります。人為的ミスや伝達漏れがあれば、せっかくマーキングしても作業員に情報が共有されず、事故リスクは残ってしまいます。このように、従来の手法だけでは埋設物確認に限界があり、より直感的で確実な支援策が求められていました。


ARで図面・境界・埋設物を現場に可視化

そこで登場したのが、AR(拡張現実)技術を活用した新しいアプローチです。ARとは、スマートフォンやタブレットのカメラ映像にCGや文字情報を重ね合わせて表示する技術です。これを使えば、従来は紙の図面上でしか確認できなかった設計ラインや境界線、地下の埋設物の位置を、実際の現場に重ねてAR表示することが可能になります。例えば、タブレットの画面越しに現場を映すと、地面の上に仮想的なラインやマーカーが表示されます。それはあたかも透視メガネで地中を覗いているかのように、地下に埋まった配管の経路敷地境界線が現実空間上に浮かび上がって見えるのです。


ARによる表示のポイントは、作業員が直感的に理解できるビジュアル情報を提供できる点です。頭の中で図面を読み解いて現場に当てはめる必要がなく、スマホをかざすだけで「ここから先にガス管が通っている」「掘削して良い範囲はこの線まで」といった情報が一目瞭然となります。従来はベテランの勘に頼っていた確認作業も、ARなら誰でも視覚的に判断できます。経験の浅いオペレーターであっても、画面に表示された仮想の案内線に沿って重機を動かせば、安全な範囲内で正確に掘削作業を進められます。


また、ARはリアルタイムに情報を共有できる利点もあります。現場で表示しているAR映像を複数人で見れば、施工管理者もオペレーターも同じイメージを共有できます。離れた場所にいる本社スタッフや設計担当者に、そのAR映像を写真や動画で送れば、現地を訪れなくとも状況把握や指示が可能です。このようにARによる可視化は、単に見やすくなるだけでなく、現場のコミュニケーションツールとしても強力です。


図面・境界・埋設物をAR表示するメリット

AR技術を使って図面情報や境界線、埋設物の位置を見える化することには、以下のような多くのメリットがあります。


作業効率の向上: 現場で紙の図面と実際の状況を何度も見比べる手間が省け、端末をかざすだけで必要な情報を把握できます。丁張(基準杭)の設置や測量点の確認作業を一部ARで代替することで、測量や確認にかかる時間を大幅に短縮できます。結果として、準備作業の効率が上がり工期短縮にもつながります。

安全性・確実性の向上: 危険箇所や重要な埋設物の位置をARで正確に示せるため、誤って重機で損傷してしまうリスクを減らせます。作業員全員が同じ場所に注意を払えるため、「知らずに掘ってしまった」という事態を防ぎます。また、高所や狭い場所での計測作業も、離れた安全な位置からAR表示で確認できるため、作業員が危険な姿勢で確認する必要がなくなります。

円滑なコミュニケーション: ARで共有された視覚情報により、現場スタッフと設計者・監督者が共通のイメージを持ちやすくなります。まさに「百聞は一見に如かず」で、紙の図面上では伝わりにくかった複雑な設計意図も、一目で理解できます。これにより打ち合わせや指示出しがスムーズになり、認識違いによるミスも減らせます。

DXの推進・技術伝承への寄与: スマートフォンとARという身近な技術を使って高度な測量・確認作業が可能になるため、必ずしも熟練の測量技術者でなくともある程度の位置出し作業がこなせます。人手不足が深刻な建設現場で、省力化・省人化に資する新しいツールとなります。また、現場のデジタル化(ICT施工や*i-Construction*の推進)にも合致しており、若手にも受け入れられやすい直感的な技術として技術継承にも役立ちます。ベテランの「勘と経験」に頼らない再現性の高い手法は、今後の標準にもなり得るでしょう。


このように、ARによる現場可視化は作業の品質・効率・安全のすべてに好影響をもたらす画期的なソリューションと言えます。特に掘削工事においては、事故防止という観点で大きな武器となることは間違いありません。


RTK-GNSSで実現する高精度なAR表示

とはいえ、AR技術を実用レベルで現場に活かすためには精度の確保が重要です。通常のスマホやタブレットに搭載されたGPSでは、位置の誤差が数メートル生じることも珍しくありません。その状態で地下埋設物の位置を表示しても、実際の配管位置とメーター単位でズレていては安全確認には使えないでしょう。また、従来のARアプリはカメラ映像中の平面を認識したり人工マーカーを置いたりして位置合わせを行いますが、ユーザーが歩き回るうちに表示が次第にずれてしまうドリフト現象が起きがちでした。広い屋外の現場では目印も少なく、通常のGPS精度では仮想モデルの位置を長時間保つことが難しかったのです。このため、これまでARはあくまで概略的な可視化ツールに留まり、ミリ・センチ単位の厳密な精度を求められる測量や墨出し作業には適用が難しいのが現状でした。


この課題を解決する切り札となるのが、RTK-GNSS測位とAR表示の組み合わせです。RTK(リアルタイムキネマティック)方式のGNSS測位では、基準局からの誤差補正情報を使ってGPS等の測位精度を飛躍的に高めることができます。専用の高精度GNSS受信機をスマホやタブレットに取り付け、ネット経由で配信される基地局データや日本の準天頂衛星「みちびき」の提供するセンチメータ級補強サービス(CLAS)などの補正情報を受信すれば、スマホが自身の位置を誤差1〜2cm程度で特定できるようになります。従来の数メートル単位の精度とは桁違いの位置特定が、手のひらサイズの機器で実現するわけです。


スマホが世界測地系の正確な座標を把握できれば、設計図面やGISデータ上に示された配管ルートと現実空間とを直接ひも付けることが可能になります。つまり、デジタル上の座標と現地の物理的な座標を共通の基準で扱えるようになるのです。これによって、これまでは難しかった「絶対座標に基づくAR表示」が実現します。あらかじめ設計データに含まれる座標情報と、RTK-GNSSで求めた現場でのデバイス位置・方位をリンクさせることで、仮想オブジェクト(例えば埋設管のモデルや設計線)を現実の正しい位置にピタッと重ねて表示できるようになります。


高精度GNSSを用いたARでは、一度位置合わせをすればユーザーが移動しても仮想モデルが現実からずれることなくその場に固定され続けます。煩雑な初期キャリブレーションやマーカー設置を行わなくても、端末をかざすだけで自動的に正確な位置にモデルが現れるARが可能になります。通常のGPSでは困難だったこの「座標合わせ不要」のAR体験により、まさに設計図面上の点やラインが現地にそのまま現出する感覚を得られます。例えば、深夜でも荒天でも、端末上に表示された線を信頼すれば正しい位置まで掘削してよいという安心感につながります。こうしたセンチメートル級の精度を持つAR表示があってこそ、埋設物の損傷リスクを本質的に低減する頼れるツールとなり得るのです。


掘削現場でのAR活用:境界線と埋設物の見える化

それでは、具体的に掘削作業の現場でARがどのように活躍するか、典型的な活用例を見てみましょう。ポイントは、「どこを掘るか」と「どこに注意するか」を明確に示すことです。


まず掘削範囲の境界線マーキングへの活用です。開削工事などでは、設計図上で定められた掘削エリアの形状や深さがあります。通常はこの範囲を測量して地面に墨出ししたり、木杭やスプレーで印を付けたりしますが、ARを使えばその手間を大幅に削減できます。事前に設計図の2Dラインデータを準備しておけば、現場でスマホをかざすだけで掘削予定範囲のラインが地面上に仮想表示されます。オペレーターは画面に映るラインを確認しながら重機を操作することで、物理的な杭がなくても正確に所定の範囲内で掘削を進められます。例えば「ここから先は掘ってはいけない境界」が赤線で表示されていれば、一目で限界がわかりますし、周囲の作業員もそのラインを共有できます。経験の浅い作業員でも、視覚的なガイドラインに従っていけば迷うことなく作業できるでしょう。


次に埋設物の可視化です。事前に入手した地下埋設物の経路情報(GISデータやCAD図面など)をARアプリに読み込んでおけば、現場でカメラをかざした際に地下の配管やケーブルの経路が仮想的に地表に投影されます。例えば、埋設されたガス管が足元を斜めに横切っている場合、その真上の地面に沿う形で黄色い仮想ラインや警告マーカーが表示されます。作業員は「この下にガス管が通っている」と直感的に把握できるため、その付近の掘削はスコップを使った手掘りに切り替える、重機の爪を浅くして慎重に地山を除去する、といった対応が事前に可能です。誤って配管にヒットさせてしまうリスクを劇的に下げることができるのです。


現場ではこれまで、図面上で配管の直線距離を測って地面にマーキングし、「たぶんこの辺に埋まっているはず」と注意しながら掘るといった作業が行われていました。しかしARなら、埋設物の走行ルートがそのまま見える形で現れるため、「ここから先1m以内に管がある」といった距離感まで具体的に把握できます。これは作業者にとって大きな安心材料です。万一、図面になかった未知の埋設物が露出した場合でも、周囲に表示された既知の埋設物との位置関係から、「この管は新設図面にないから古いものかもしれない」など瞬時に判断が付きやすくなります。つまり、ARは既存情報の提示だけでなく、現場での気付きを促す効果も期待できます。


以上のように、掘削範囲の境界線と埋設物位置をARで同時に見せることで、「どこまで掘る」「どこを避ける」が明確になります。施工管理者は事前に危険箇所を洗い出し、AR上で確認することで作業計画を最適化できますし、朝礼やKY活動(危険予知活動)で実際の映像を使って注意喚起することもできます。結果として、現場全体で事故ゼロへの意識と具体策を共有できるのです。


LRTKによる簡易測量で手軽に高精度ARを導入

このようなARによる埋設物の見える化を現場で実現するには、高精度の位置合わせが鍵となることを述べました。では、その高精度な位置情報を現場で手軽に得るにはどうしたらよいでしょうか。従来であれば、測量機器を設置して基準点を出し…と専門的な手順が必要でしたが、今やスマホだけでセンチ精度測位が可能な時代です。その代表例が、弊社が提供する携帯型GNSSシステム「LRTK」です。


LRTKはスマートフォンやタブレットに装着できる小型の高精度GNSS受信機と専用アプリから構成されており、電源を入れてアプリを起動するだけでRTK測位が開始できます。ポケットに入るほど軽量コンパクトな機器で、重たい三脚や据え置き型の測量機材を持ち運ぶ必要はありません。複雑な初期設定も不要で、測位したい地点で画面のボタンをタップすれば、その瞬間の緯度・経度・高さを記録できます。難しい専門知識がなくとも直感的に操作できる設計になっており、ベテランから若手まで誰でも扱える手軽さが特長です。


それでいて測位精度は驚くほど高く、RTK補正情報を受信することで数センチ以内の精度を安定して得られます。専用の大型装置を新規購入したり現地に基地局を設置したりする必要もなく、初期導入コストが従来の高精度測量機器に比べて抑えられている点もメリットです。さらに、LRTK受信機は日本の衛星だけでなく複数の衛星測位システム(GPS・GLONASS・Galileoなど)に対応しており、山間部など受信環境が悪い場所でも安定して測位できます。みちびきのCLAS信号対応モデルなら携帯電波が届かない現場でも衛星から直接補正情報を取得できるため、トンネル内や山奥でも高精度測位を継続可能です。どんな現場でも一貫して精度を維持できる信頼性は、現場担当者にとって大きな安心材料でしょう。


LRTKを活用すれば、こうしたセンチ精度の位置情報を誰でも簡単に取得できるため、先述の高精度ARによる埋設物の可視化もスムーズに導入できます。例えば、現地の既知の基準点や建物角をLRTKで測っておき、設計図の座標系に合わせておけば、後はスマホの画面上に設計データを正確に重ねるだけです。従来は熟練者が半日がかりで行っていた位置合わせ作業も、LRTKとARがあれば短時間で誰でも再現できます。結果として、埋設物事故防止のためのAR表示を現場の新しい日常として取り入れやすくなるのです。高価な専用機材が不要で、必要なときにすぐ測れるLRTKは、まさに簡易測量の革命と言えます。こうした最新ツールを積極的に活用し、現場の安全水準を引き上げていくことが、掘削事故ゼロへの近道となるでしょう。


最後に、ARによる見える化と高精度測位技術の融合は、これからの建設現場のスタンダードになりつつあります。人命と社会インフラを守るために、私たちも積極的に技術を活用し、「埋設物損傷ゼロ」という目標に向かって前進していきましょう。


FAQ

Q. 本当にARで地下の埋設物が「見える」ようになるのですか? A. ARは透視魔法ではありませんが、事前に用意した埋設物の位置データを現実の映像に重ねて表示することで、あたかも地下が見えているかのような体験を可能にします。例えば、図面に記載されたガス管の経路情報をARアプリに取り込めば、現場でスマホ越しに地面を見るとそのガス管の通り道がライン表示されます。実際に土中のパイプそのものが見えるわけではありませんが、「ここに何が埋まっている」という情報を視覚的に確認できるため、結果として肉眼で見ているのと近いレベルの判断ができます。


Q. ARで埋設物を表示するにはどんな準備や機器が必要ですか? A. 基本的にはAR対応のスマートフォンまたはタブレットと、埋設物や設計図面のデジタルデータがあれば始められます。まず、表示したい配管やケーブル、境界線などの位置情報をGISデータやCAD図面形式で用意し、対応するARアプリに読み込ませます。次に、スマホ側で現在位置と向きを正確に把握する必要があるため、内蔵GPSだけでなく高精度GNSS受信機(例えばLRTKのような機器)を利用するのがおすすめです。高精度GNSSがなくてもAR自体は動作しますが、表示位置に誤差が生じやすくなるため、安全用途で使うには心許ない精度となってしまいます。高精度機器を使ったスマホであれば、準備したデータが現場の所定の場所に正確に重ね合わされるので、安心してAR表示を活用できます。


Q. スマホのGPSや電子コンパスだけで位置合わせをしても大丈夫でしょうか? A. 通常のスマホ内蔵GPSやコンパスの精度では、正直なところ精密な位置合わせには不十分です。GPSの誤差数メートルはザラですし、コンパスも周囲の磁気環境に影響されやすく、地下配管の精密な位置を示す目的には適していません。そのため、現場でARを本格的に活用する場合は、スマホに取り付けるタイプの高精度GNSSユニットを併用するのが現実的です。高精度GNSSから得られるRTK測位により、誤差数センチで現在位置を把握できますし、方位もGNSSベースで高精度に補正できます。こうした補助デバイスを使えば、スマホ画面上の仮想モデルが常に実際の位置と狂いなく一致し、安心して現場作業の判断に使えるARとなります。


Q. 図面データがもし不正確だった場合、AR表示にも影響しますか? A. はい、ARはあくまで提供されたデータを表示する技術なので、元の図面情報が誤っていると同じ誤りを再現してしまいます。例えば図面に配管が記載漏れだった場合、ARにも当然表示されません。この点は注意が必要です。しかし、ARを導入することで既存データの不備に気づく機会も増えます。現地でAR表示を確認する際に、「図面では真っ直ぐのはずの管が実際は迂回しているのでは?」と違和感を覚えたら、改めて探査機で調べ直すといった対応が可能です。要するに、ARは万能ではないものの、人間の気づきを促す補完ツールとして有効です。正確なデータが揃っていればARが最大限活きますし、データに不備があれば現場で早期に察知できるというメリットもあります。いずれにせよ、最新の図面情報や事前探査の結果を反映したデータを用意することが、AR活用の前提となります。


Q. 現場の作業員たちがうまく使いこなせるか不安です。特別な訓練は必要ですか? A. ARアプリの操作自体は非常にシンプルで直感的です。基本的にはスマホやタブレットのカメラをかざすだけで自動的に情報が表示されます。普段からスマホのカメラや地図アプリに慣れている方であれば、戸惑うことは少ないでしょう。導入時に数時間の説明や簡単なデモ体験を行えば、ほとんどの作業員が翌日から現場で活用できるレベルです。それどころか、紙の図面を読むより「視覚的で分かりやすい」と若手からも好評です。また、LRTKのような測位機器についても、電源を入れてスマホに接続するだけと操作は容易で、専門知識がなくても扱えるよう設計されています。現場ではまず指揮監督者が率先して使い、それを見た作業員が興味を持って自分でも試してみる、といった形で自然に浸透していくケースが多いようです。


Q. ARや高精度機器を導入するコストに見合う効果が本当にありますか? A. 埋設物損傷事故を一件でも防げれば、その効果は計り知れません。事故対応や補修にかかるコスト、工期遅延による損失、社会的信用の低下を考えれば、事故ゼロへの投資としてAR導入は十分に意義があります。幸い、最近の高精度GNSS機器やARアプリは普及に伴い導入ハードルが下がっており、専用の重機を新たに買うのに比べれば比較的少ない投資で始められます。現場の効率化による人件費削減やミス削減効果も含めれば、総合的に見てコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。また、一度データを整備してしまえば他の現場や将来の工事でも繰り返し活用できる資産となります。安全と生産性の両面でメリットが得られるAR活用は、今や次代の標準的手法になりつつあり、早期に取り入れることが将来的な競争力向上にもつながるはずです。現場の安全文化を変革しつつ効率も上げられるAR技術は、きっと費用以上の価値をもたらしてくれるでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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