top of page

建築工事の保証期間で後悔しない5つの確認項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

建築工事では、工事が完了して引渡しを受けたあとに、仕上がりの不具合、設備の作動不良、雨漏り、ひび割れ、建具の不具合などが見つかることがあります。そのときに重要になるのが保証期間です。ただし、保証期間は単に「何年間保証されるか」だけで判断できるものではありません。どの工事範囲が対象なのか、いつから期間が始まるのか、どのような不具合なら対応されるのか、誰にどの方法で連絡すべきかまで確認しておかないと、いざ問題が起きたときに対応範囲をめぐって認識違いが生じます。


特に建築工事は、構造、外装、内装、設備、外構、改修範囲などが複雑に関係します。新築工事と改修工事でも確認すべき点は異なり、住宅と非住宅でも前提が変わります。新築住宅では、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、引渡し後の責任期間が法律上問題になる場面があります。一方で、すべての不具合が同じ期間・同じ条件で保証されるわけではありません。内装、設備、外構、既存部分、使用方法に起因する損傷などは、契約や保証書、維持管理条件を確認して判断する必要があります。


この記事では、「建築 工事」で情報を探している実務担当者に向けて、保証期間で後悔しないために確認したい5つの項目を解説します。法務担当者だけでなく、発注担当者、現場管理担当者、施設管理担当者、オーナー側の担当者が読んでも実務に落とし込みやすいよう、契約書や仕様書、引渡し書類、写真記録、点検記録の見方まで含めて整理します。なお、個別の紛争、損害賠償、契約条項の有効性は案件ごとに判断が変わるため、判断に迷う場合は専門家へ確認することが大切です。


目次

保証期間を「何年か」だけで判断しない

保証の対象範囲と対象外を契約書で確認する

起算日と通知期限を引渡し時に明確にする

不具合発見後の連絡方法と補修手順を決めておく

点検記録と現場データを残して保証対応に備える

まとめ


保証期間を「何年か」だけで判断しない

建築工事の保証期間を確認するとき、多くの担当者が最初に見るのは「何年保証か」という点です。もちろん期間の長さは重要です。しかし、実務上は期間の数字だけを見ても十分ではありません。保証期間は、対象となる工事内容、対象となる不具合、発注者側の使用状況、メンテナンスの有無、通知の時期、契約書の表現とセットで判断されます。そのため、「保証期間が長いから安心」と単純に考えるのではなく、保証の中身を分解して確認する必要があります。


たとえば、同じ建築工事でも、構造に関わる部分、雨水の浸入に関わる部分、内装仕上げ、建具、設備、外構、仮設的な施工部分では、保証の考え方が異なる場合があります。構造や防水に関わる不具合は建物の安全性や使用継続に直結しやすい一方、内装の軽微な傷や使用に伴う劣化は、保証の対象外または短い期間で扱われることがあります。契約書に「保証期間」と書かれていても、そこに含まれる範囲が曖昧なままでは、後で「対象だと思っていた」「対象外だと説明した」という食い違いが起きやすくなります。


特に注意したいのは、保証期間、契約不適合責任、アフターサービス、定期点検、設備や部材ごとの保証が、現場では混同されやすい点です。発注者側から見ると、どれも「工事後に何かあったときの対応」に見えるため、同じものとして理解してしまいがちです。しかし実際には、契約上の責任として扱われるもの、施工会社が任意で設ける対応、設備や部材ごとの条件に基づく対応、点検だけを行うものなど、意味が異なります。保証期間を確認するときは、名称ではなく、どのような状態になったときに、誰が、どの範囲まで、どの費用負担で対応するのかを読むことが重要です。


また、建築工事では「完成時点では見えない不具合」があります。防水層の納まり、下地の施工状態、配管の勾配、躯体内部の処理、断熱や気密の不備などは、引渡し時の目視だけでは確認しきれないことがあります。引渡し直後は問題がなくても、雨、風、温度変化、使用開始後の負荷によって、一定期間を経て表面化する不具合もあります。保証期間は、こうした引渡し後に判明する問題に備える意味を持ちますが、だからこそ「期間内ならすべて無条件で対応される」と考えるのは避けるべきです。


請負契約に関する契約不適合責任では、目的物の種類や品質が契約内容に適合しない場合、不適合を知った時期や請負人への通知が重要になります。一般的には、不適合を知った時から一定期間内に通知することが問題になりますが、契約条項、請負人の認識、通知内容、消滅時効、案件の性質によって結論が変わることがあります。保証期間の説明を読むときは、契約上の保証と法律上の責任を同じものとして扱わず、必要に応じて専門家に確認する姿勢が必要です。


新築住宅については、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に関して、引渡しから10年間の責任が定められる制度があります。ただし、これは対象となる住宅や部位が限定される考え方であり、すべての建築工事、すべての部位、すべての不具合が同じ扱いになるわけではありません。事務所、倉庫、店舗、工場などの非住宅、改修工事、部分修繕工事、外構工事などでは、契約書や仕様書、保証書の内容を個別に確認する必要があります。


実務担当者がまず行うべきことは、保証期間を一覧できる形に整理することです。ただし、ここでいう一覧化は社内管理上の整理であり、契約書の代わりではありません。構造、防水、外装、内装、設備、外構、改修範囲、別途工事などに分け、それぞれについて保証期間、対象となる不具合、対象外となる事由、連絡先、必要書類を確認します。社内で共有する際には、「この部位は何年」という単純な説明だけでなく、「この条件を満たす場合に対象になる」という書き方にしておくと、後から誤解が生じにくくなります。


保証期間を正しく理解することは、施工会社を疑うためではありません。むしろ、発注者と施工者の認識をそろえ、不要なトラブルを避けるための基本です。契約前に保証条件を確認しておけば、施工会社も対応範囲を説明しやすくなります。発注者側も、引渡し後の点検や記録を適切に行いやすくなります。建築工事の保証は、問題が起きてから読むものではなく、問題が起きる前に確認しておくものです。


保証の対象範囲と対象外を契約書で確認する

保証期間で後悔しないための2つ目の確認項目は、保証の対象範囲と対象外を契約書で確認することです。保証期間が明記されていても、対象範囲が曖昧であれば、実際の不具合発生時に判断が難しくなります。特に建築工事では、契約書、設計図、仕様書、見積書、質疑回答書、変更指示書、打合せ記録、引渡し書類など、複数の書類が関係します。保証の対象範囲を考えるときは、契約書だけを読むのではなく、契約に含まれる工事範囲全体を確認する必要があります。


まず確認すべきなのは、何が今回の工事範囲に含まれているかです。新築工事であれば建物全体が対象になりやすい一方、改修工事や部分修繕工事では、既存部分と新設部分が混在します。たとえば屋上防水の改修工事であっても、既存下地の状態、既存排水設備、周辺立上り、設備基礎、既存外壁との取り合いまで含むのかどうかで、保証範囲の判断は変わります。内装改修でも、表面仕上げだけを施工したのか、下地補修まで含めたのか、設備移設まで含めたのかによって、保証対象は異なります。


保証の対象範囲を明確にするには、工事範囲を言葉だけでなく、図面や写真と対応させておくことが有効です。契約書に「内装工事一式」「防水工事一式」といった表現がある場合、それだけでは実務上の判断が難しいことがあります。「一式」という言葉は便利ですが、範囲の境界を曖昧にしやすい面もあります。どこからどこまでを施工したのか、既存部分はどの状態で引き継いだのか、別途工事との境界はどこかを、契約前または着工前に整理しておくと、引渡し後の保証判断がしやすくなります。


次に確認したいのが、保証対象外となる条件です。一般的に、発注者側の使用方法に起因する損傷、通常の経年変化、消耗、第三者による改変、災害や不可抗力、適切な維持管理が行われなかったことによる不具合などは、保証対象外とされることがあります。ただし、どの条件が対象外になるかは契約内容によって異なります。対象外の記載がある場合は、単に読み飛ばすのではなく、自社の使用実態と照らし合わせて確認することが重要です。


たとえば、工場、倉庫、店舗、事務所、共同住宅、医療施設、教育施設などでは、建物の使われ方が異なります。重量物の搬入、頻繁な人の出入り、湿気や熱の発生、薬品や油分の影響、清掃方法、設備の稼働時間などにより、仕上げや設備にかかる負荷が変わります。施工会社が一般的な使用条件を前提に保証を設定している場合、特殊な使用環境では、追加の仕様確認や維持管理条件の明記が必要です。保証期間だけでなく、保証が成立する前提条件を確認しなければ、後で「通常使用ではない」と判断されるリスクがあります。


また、設備工事や機器を含む建築工事では、建築工事全体の保証と、設備や部材ごとの保証条件が分かれることがあります。ここでも、特定の製品名やブランド名に頼って判断するのではなく、契約上どの範囲を施工者が取りまとめるのかを確認することが大切です。設備本体の不具合、設置施工の不具合、配管や配線の不具合、制御設定の不具合、使用説明不足によるトラブルは、それぞれ原因が異なります。発注者側としては、問題が起きたときの一次連絡先を一本化できるのか、施工会社が窓口になるのか、別の専門業者に直接連絡する必要があるのかを確認しておくと安心です。


改修工事では、既存不適格、既存劣化、隠れた損傷との関係にも注意が必要です。施工前に見えていなかった劣化が工事中または引渡し後に判明した場合、それが今回の施工不良なのか、既存部分に由来するものなのかを判断しなければなりません。保証期間で揉めやすいのは、まさにこの境界部分です。着工前の現況調査、写真記録、劣化範囲の確認、施工範囲外の明示が不十分だと、引渡し後に責任範囲を判断しにくくなります。


契約書を確認する際には、「保証する」と書かれている箇所だけでなく、「免責」「対象外」「発注者の義務」「維持管理」「検査」「引渡し」「変更」「協議」といった条項も読む必要があります。保証対応は、契約書の一部だけで完結するものではありません。不具合が起きたときに、どの条項に基づいて対応するのか、発注者側にどのような協力義務があるのか、補修の範囲をどのように協議するのかまで確認しておくと、実務で迷いにくくなります。


保証の対象範囲を確認する作業は、契約前だけで終わらせるべきではありません。工事中に仕様変更や追加工事が発生した場合は、その変更部分の保証扱いも確認する必要があります。追加工事の発注書や変更合意書が曖昧だと、引渡し後に「追加部分は保証対象なのか」「既存部分との取り合いは誰が見るのか」が問題になります。変更が発生した時点で、保証期間と対象範囲も一緒に更新する意識が大切です。


起算日と通知期限を引渡し時に明確にする

保証期間を確認するときに見落としやすいのが、起算日です。起算日とは、保証期間がいつから始まるのかという基準日です。建築工事では、工事完了日、完了検査日、是正完了日、引渡し日、使用開始日、部分引渡し日など、複数の日付が関係することがあります。保証期間が「1年」「2年」「10年」と書かれていても、いつから数えるのかが曖昧であれば、後から判断に迷います。


一般的には、引渡し日を基準に保証期間を数えるケースが多く見られます。しかし、実務では工事完了後すぐに引渡しが行われるとは限りません。完了検査で指摘事項が出て、是正後に正式な引渡しとなることもあります。建物全体の引渡し前に一部エリアだけを先行使用することもあります。テナント工事や施設改修では、営業や業務を止めないために段階的に施工し、部分ごとに使用開始する場合もあります。このようなケースでは、保証期間の起算日を明確にしておかないと、後で認識違いが起きやすくなります。


引渡し時には、引渡し書、完了確認書、検査記録、是正完了記録などの日付をそろえることが重要です。書類ごとに日付が異なる場合は、それぞれの意味を明確にしておく必要があります。たとえば、完了検査日と引渡し日が違う場合、保証期間はどちらから始まるのかを確認します。是正工事が残った状態で引渡しを受ける場合は、未完了部分や是正対象部分について、保証期間がどのように扱われるのかを記録しておくべきです。


部分引渡しがある場合は、エリアごと、工区ごと、設備ごとに起算日が異なる可能性があります。大型の建築工事や段階改修では、建物全体の最終引渡し日だけを基準にすると、先行使用部分の扱いが曖昧になることがあります。先に使用を開始した部分について、使用開始日から保証期間が始まるのか、全体引渡し日から始まるのか、契約書や引渡し書類で確認しておくことが大切です。


起算日と合わせて確認すべきなのが、通知期限です。不具合を発見したとき、発注者がいつまでに施工会社へ通知しなければならないのかを把握しておく必要があります。請負契約における目的物の種類または品質に関する契約不適合では、注文者が不適合を知った時から原則として1年以内に通知することが重要とされています。ただし、請負人が引渡し時に不適合を知っていた場合や重大な過失によって知らなかった場合など、例外的な扱いが問題になることもあります。また、契約で別の保証期間や通知方法を定めている場合もあるため、契約書と法律上の扱いを分けて確認する必要があります。


ここで注意したいのは、「保証期間内に発生した不具合なら、期間満了後に連絡してもよい」と安易に考えないことです。不具合を把握していたにもかかわらず、社内で様子見を続けたり、担当者間で情報が止まったりすると、通知が遅れることがあります。建築工事の不具合は、時間の経過とともに原因の特定が難しくなる場合があります。雨漏り、ひび割れ、仕上げの浮き、設備の不調などは、早期に記録し、早期に通知することが、原因確認と補修対応の両方に役立ちます。


通知期限を管理するためには、引渡し時に保証期間一覧を社内で共有するだけでなく、不具合発見時の連絡フローを決めておくことが大切です。現場で不具合を見つけた担当者が、誰に報告し、どの書式で記録し、施工会社へ誰が連絡するのかを決めておきます。施設管理部門、総務部門、現場責任者、発注部門、経営側がそれぞれ別々に情報を持っていると、通知が遅れたり、同じ不具合について複数の連絡が行われたりすることがあります。


引渡し後の保証管理では、カレンダー管理も有効です。保証期間満了の直前になって慌てて点検するのではなく、満了前の一定時期に社内点検を行う予定を入れておきます。たとえば、引渡し後の早い段階、季節をまたいだ後、保証期間満了前など、建物の使われ方に合わせて確認時期を設定します。雨漏りや結露のように季節性がある不具合は、引渡し直後だけでは判断できない場合があります。年間を通じて状態を確認する意識が必要です。


起算日と通知期限は、契約書に書かれているから安心というものではありません。現場で使える形に落とし込まなければ、実務では機能しません。保証期間の開始日、満了日、通知先、通知方法、必要な記録、社内担当者をまとめ、関係者が確認できる状態にしておくことが、後悔を防ぐ実務対応になります。


不具合発見後の連絡方法と補修手順を決めておく

保証期間内に不具合が見つかったとき、発注者側が慌てて対応すると、記録不足や連絡漏れが起きやすくなります。保証対応を円滑に進めるには、不具合を発見した後の連絡方法と補修手順を、あらかじめ決めておくことが重要です。どれほど保証期間が明確でも、発見後の対応が曖昧であれば、原因確認や責任範囲の判断に時間がかかります。


まず決めておきたいのは、一次連絡先です。工事を担当した営業担当者、現場代理人、施工管理担当者、会社の窓口、保守担当者など、誰に連絡すべきかを引渡し時に確認します。担当者個人の連絡先だけに頼ると、異動や退職、休暇などで連絡が滞る可能性があります。個人名とあわせて、会社としての受付窓口や代表的な連絡方法を確認しておくと安心です。


次に、不具合をどの程度具体的に伝えるかを決めます。「雨漏りしています」「壁にひびがあります」「設備が動きません」という連絡だけでは、施工会社側も状況を判断しにくくなります。発見日時、場所、症状、発生頻度、天候、使用状況、写真、動画、周辺状況、応急対応の有無などを整理して伝えると、初動が早くなります。特に雨漏りや漏水のように再現条件が重要な不具合では、天候や発生時刻の記録が役立ちます。


不具合を見つけたときに、発注者側が独自に補修してしまうことにも注意が必要です。緊急性が高い場合は安全確保や被害拡大防止のための応急処置が必要ですが、原因確認前に本格的な補修や撤去を行うと、施工状態が確認できなくなることがあります。保証対応を求める可能性がある場合は、応急処置の内容を記録し、施工会社に早めに連絡したうえで、その後の対応を協議することが望ましいです。


補修手順については、現地確認、原因調査、対応方針の提示、補修実施、完了確認、記録保存という流れを想定しておきます。小さな不具合でも、口頭だけで進めると後で履歴が残りません。発注者側としては、いつ連絡し、誰が確認し、どのような説明を受け、どの範囲を補修し、いつ完了したのかを記録します。施工会社側からの説明についても、原因が施工にあるのか、使用状況にあるのか、経年変化なのか、既存部分に由来するのかを確認しておくことが重要です。


保証対応では、原因が一つに特定できないこともあります。たとえば、雨漏りの原因が防水層だけでなく、外壁の取り合い、開口部周辺、設備貫通部、排水不良など複数にまたがることがあります。設備の不調も、機器本体、電源、配線、制御、施工時の設定、使用方法など、複数の要因が考えられます。原因が複合的な場合、保証対象かどうかの判断には時間がかかることがあります。そのため、発注者側は感情的に結論を急ぐのではなく、事実を整理して協議する姿勢が大切です。


また、保証期間内の補修であっても、補修範囲がどこまでかを確認する必要があります。不具合箇所だけを補修するのか、周辺の仕上げ復旧まで含むのか、仮設や養生、清掃、使用停止中の対応まで含むのかによって、実務上の負担は変わります。たとえば、壁内部の配管補修では、壁の開口、配管修理、下地復旧、仕上げ復旧、清掃まで必要になることがあります。保証対象の補修であっても、どこまでを施工会社が対応するのかを事前に確認しておかないと、完了時に不満が残る可能性があります。


業務用施設や店舗、工場などでは、補修の時間帯も重要です。通常営業時間中に補修できない場合、夜間や休日の対応が必要になることがあります。保証の範囲には補修そのものが含まれていても、特別な時間帯対応や仮設対応の扱いが契約上どうなるかは別問題です。引渡し後に不具合が起きた場合の対応可能時間、緊急時の連絡方法、立会いの要否、作業許可の手順を整理しておくと、実際の補修時に混乱しにくくなります。


不具合連絡では、社内の情報共有も重要です。現場担当者が施工会社に直接連絡し、別の担当者が別ルートで同じ内容を問い合わせると、情報が分散します。施工会社側も、どの連絡が正式な依頼なのか判断しにくくなります。発注者側の窓口を決め、現場からの情報を集約してから連絡する運用にすると、保証対応の履歴が整理されます。


補修完了時には、完了確認を必ず行います。補修後に見た目だけで判断するのではなく、原因に応じた確認を行うことが大切です。雨漏りであれば散水確認や降雨後の確認、設備であれば運転確認、建具であれば開閉確認、仕上げであれば周辺との納まり確認など、問題が解消したことを記録します。補修後に同じ不具合が再発した場合の扱いも確認しておくと、後の対応がスムーズになります。


点検記録と現場データを残して保証対応に備える

保証期間で後悔しないための5つ目の確認項目は、点検記録と現場データを残しておくことです。保証対応では、契約書の内容と同じくらい、現場の状態を示す記録が重要になります。不具合が発生したとき、発注者側が「以前からこうだった」と説明しても、写真や記録がなければ客観的に確認することが難しくなります。建築工事では、引渡し時の状態、使用開始後の変化、不具合発生時の状況を記録しておくことが、保証判断を助けます。


まず重要なのは、引渡し時の記録です。完成図書、検査記録、是正完了報告、写真、設備の説明資料、維持管理に関する資料などを整理して保管します。引渡し時点で小さな傷、汚れ、納まりの違和感、未完了事項がある場合は、その場で記録し、是正の要否や扱いを確認します。口頭で「あとで対応します」と言われた内容も、書面や共有記録として残しておくことが望ましいです。


引渡し時の写真は、全体写真だけでなく、後から問題になりやすい箇所を重点的に残すと有効です。屋上、外壁、開口部周辺、設備まわり、配管貫通部、床の仕上げ、天井点検口まわり、外構との取り合い、排水経路などは、引渡し後に状態確認が必要になることがあります。写真を撮る際は、場所が分かるように全景と近景を組み合わせ、日付と撮影位置を管理します。写真だけが大量にあっても、どこの写真か分からなければ保証対応では使いにくくなります。


工事中の記録も重要です。完成後に隠れてしまう部分は、引渡し後に確認できません。下地、配筋、配管、配線、防水層、断熱材、固定金物、貫通部処理などは、施工中の写真や検査記録が後から役立つことがあります。発注者側がすべてを記録することは難しい場合でも、施工会社から提出される工事写真や検査記録を受け取り、必要な範囲が記録されているか確認することが大切です。


引渡し後は、定期点検の記録を残します。点検は、単に不具合を探す作業ではありません。建物の状態変化を継続的に把握し、保証期間内に確認すべき事項を見逃さないための管理です。点検時には、ひび割れ、漏水跡、仕上げの浮き、建具の動き、設備の異音、排水の流れ、外部の劣化、周辺地盤の変化などを確認します。異常がない場合も、「異常なし」と記録することで、後から状態変化を比較しやすくなります。


不具合発見時の記録では、写真や動画に加えて、発見日時、発見者、場所、状況、使用条件、天候、直前の作業、応急処置の有無を残します。雨漏りの場合は、雨の降り方、風向き、発生した場所、漏水量、室内側の被害範囲を記録します。ひび割れの場合は、長さ、幅、方向、発生箇所、周辺の変化を記録します。設備不良の場合は、表示内容、動作音、発生頻度、再現条件を記録します。こうした情報があると、施工会社が原因を調査しやすくなります。


記録を残す際に大切なのは、担当者個人の端末や紙資料に分散させないことです。建築工事の保証期間は、担当者の異動や退職をまたぐことがあります。引渡し時の担当者が数年後も同じ部署にいるとは限りません。記録が個人管理になっていると、不具合が起きたときに必要な資料を探せなくなります。社内の共有保管場所を決め、契約書、図面、写真、点検記録、補修履歴をまとめて管理することが重要です。


特に現場写真や位置情報は、保証対応の実務で効果を発揮します。建物内外のどこで不具合が起きたのかを正確に示せれば、施工会社とのやり取りが早くなります。広い施設、複数棟の建物、大規模な外構、屋上や敷地境界を含む工事では、場所の説明だけでも時間がかかります。写真に位置情報やメモを付けて管理しておけば、現地確認の日程調整や補修範囲の確認がスムーズになります。


保証対応では、「言った、言わない」を避けることも重要です。電話で連絡した場合でも、その後に連絡内容を簡単に記録して共有しておくと、履歴が残ります。現地確認で説明を受けた内容も、確認日、参加者、説明内容、今後の対応を記録します。発注者側と施工会社側の双方が同じ情報を確認できる状態にしておくことで、不要な誤解を防げます。


記録管理は、保証対応だけでなく、将来の改修計画や維持管理にも役立ちます。どの部分で不具合が起きやすいのか、どの時期に点検すべきか、過去にどの補修を行ったのかが分かれば、次回工事の仕様検討にも活用できます。建築工事は完成して終わりではなく、建物を使い続ける中で管理が続きます。保証期間をきっかけに、現場データを継続的に残す体制を整えることが、長期的な品質管理につながります。


この点で、現場の記録を効率よく残す仕組みを整えることは大きな意味があります。紙のメモ、個別の写真、担当者ごとの報告だけに頼ると、必要な情報が散らばりやすくなります。写真、位置、メモ、点検内容を現場でまとめて記録できれば、保証期間内の不具合確認や施工会社への説明がしやすくなります。建築工事の保証管理では、契約内容の確認と同時に、現場の状態を正確に残す仕組みづくりも欠かせません。


まとめ

建築工事の保証期間で後悔しないためには、「何年保証か」だけで判断しないことが重要です。保証期間は、対象範囲、対象外条件、起算日、通知期限、連絡方法、補修手順、点検記録と一体で確認する必要があります。特に建築工事は、構造、防水、内装、設備、外構、改修範囲などが複雑に関係するため、保証の内容を曖昧なままにしておくと、引渡し後に不具合が起きた際の判断が難しくなります。


まず、保証期間の長さだけでなく、どの部位が対象で、どのような不具合が対象になるのかを確認します。新築住宅では法律上の責任期間が関係する部分がありますが、すべての不具合が同じ扱いになるわけではありません。契約書、仕様書、図面、見積書、変更記録を合わせて確認し、工事範囲と保証範囲を整理することが大切です。


次に、保証期間の起算日と通知期限を明確にします。工事完了日、検査日、引渡し日、使用開始日が異なる場合は、どの日付を基準にするのかを確認します。不具合を発見した場合は、社内で放置せず、早めに記録し、施工会社へ通知する運用を整えます。保証期間内であっても、通知が遅れると原因確認や対応協議が難しくなることがあります。


さらに、不具合発見後の連絡方法と補修手順を決めておくことも欠かせません。一次連絡先、記録する内容、現地確認の流れ、補修範囲、完了確認の方法をあらかじめ整理しておけば、実際に問題が起きたときに慌てず対応できます。特に雨漏り、漏水、ひび割れ、設備不良のような不具合は、発生時の写真や状況記録が原因調査に役立ちます。


最後に、点検記録と現場データを残す体制を整えることが重要です。引渡し時の状態、工事中の隠ぺい部分、定期点検、不具合発見時の状況、補修履歴を整理しておけば、保証対応だけでなく、将来の維持管理や改修計画にも活用できます。担当者が変わっても情報が引き継がれるよう、社内で共有できる形にしておくことが大切です。


建築工事の保証期間は、トラブルが起きたときだけ見るものではありません。契約前から確認し、工事中に記録し、引渡し時に整理し、引渡し後に点検することで、はじめて実務で役立つ管理項目になります。保証期間を有効に活かすには、契約上の確認と現場記録の両方を整え、関係者が同じ情報を確認できる状態にしておくことが必要です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page