導入
建設業界・測量業界の最新技術が集結する展示会「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」は、毎年多くのプロフェッショナルが訪れる国内最大級のイベントです。今年も幕張メッセで開催され、会場には数多くのブースと来場者が熱気に包まれていました。第6回(2024年開催)では455社・2,760ものブースが出展し、3日間で約47,000人もの業界関係者が来場しました。その規模から、本展がいかに注目さ れているかがうかがえます。
この展示会では、業界の生産性向上に資する先端技術が一堂に会します。建設DXやi-Constructionに関連したICT施工、ドローン測量や自動化重機などのスマート建機、そして高精度測位を活用した機器類、さらには現場作業を効率化するAR(拡張現実)や施工記録の3Dデータ化といったカテゴリが特に注目されています。国土交通省も推進する「3次元出来形管理」やデジタル技術の現場導入を背景に、これら技術への関心が年々高まっているのです。
そうした技術の中でも、今年の建設・測量生産性向上展でひときわ目を引いたのが、ARと高精度GNSS測位を組み合わせた施工支援ソリューションでした。本記事では、その代表例として会場で実演が行われた「LRTK」のブースを訪れ、そのAR施工支援×高精度測位の実力を実際に体感した様子をレポートします。
LRTKブースの全体印象
幕張メッセの広大な会場内でも、レフィクシア株式会社のLRTKブースはひと際盛況でした。「スマホがcm級の万能測量機に!」と大きく掲げられたキャッチコピーに足を止める来場者も多く、ブース周辺は終始人だかりができていました。スマートフォンに装着する小型デバイスだけで本格的な測量・施工支援ができるというコンセプトに、現場経験の豊富なベテランから若手技術者まで幅広い層が興味を示していたのが印象的です。
ブースの構成は、実演スペースと製品紹介パネル、そして実機体験コーナーに分かれていました。中央の実演エリアでは、スタッフがスマートフォンに取り付けたLRTKデバイスを操作し、その画面を大型ディスプレイにミラーリングしてデモを実施。周囲にはLRTKの機能や導入事例を紹介するパネル展示があり、具体的な活用シーンをイメージしやすい構成です。また、希望者には実際にデバイスを手に取って試せる体験コーナーも設けられており、自ら操作感を確かめる来場者の姿も見られました。
来場者が特に関心を寄せていたポ イントは、大きく分けて二つあるようでした。ひとつは「本当にスマホで測量ができるのか」、もうひとつは「AR表示の精度はどれほどなのか」という点です。スタッフは実演を交えながら、「LRTKデバイスをスマホに装着し専用アプリを起動するだけで、即座に高精度測位が可能になる」ことや「補正情報には日本の準天頂衛星みちびき(CLAS)を利用しており、通信圏外の山間部でもcm級の測位が可能」などを丁寧に説明していました。スマホのGPSは誤差数m程度という常識を持つ来場者にとって、数cm単位の測位が当たり前にできるという話は驚きだったようで、熱心に耳を傾ける様子が見受けられました。
さらにブースで展示・実演されていたLRTKの特徴を整理すると、以下のような「ポケットサイズの万能測量機」ならではの多彩な機能が挙げられます。
• センチメートル級の高精度測位:独自のRTK-GNSS技術により、約1cmの測位精度で現在位置を取得可能(みちびきのCLAS信号に対応しており、通信圏外でも精度を維持できます)。
• 3Dスキャンによる点群計測:スマートフォンやタブレット内蔵のLiDARスキャナーやカメラを活用して、現場の対象物を3次元点群データとして取得し、その場で体積計算や形状確認が行えます。
• ARによる施工ナビゲーション:設計図やBIMモデル上の構造物・基準線を、現実の風景にAR表示して現場に正確に重ね合わせ可能です。これにより、墨出し作業や図面の読み取りを支援し、直感的な施工ナビが実現します。
• クラウド連携とデータ共有:計測した点や写真(撮影位置・方位含む)データは即座にクラウドにアップロードされ、オフィスのPCで共有・確認できます。CADデータとの互換やBIM連携もスムーズで、現場と事務所間の情報共有を効率化します。
• 手軽さと省コスト:バッテリー内蔵の小型軽量デバイスで、現場作業の合間に誰でも扱えます。従来の専用測量機器に比べ大幅に安価で、教育コストも不要なため、小規模現場や多現場への展開にも向いています。
これらの機能群によりLRTKは「万能測量機」と称され、実際ブースでもそれらの利点を一目で理解できるデモが展開されていました。それでは次に、この中でも来場者の目を特に引いていたAR施工支援の実演について、詳しく見ていきましょう。
AR施工支援の実演
LRTKブースでひときわ注目を集めていたのが、AR機能を活用した施工支援の実演デモです。決まった時間になるとスタッフがスマートフォンの画面を来場者に向けて掲げ、「これからARによる施工ナビをお見せします」とアナウンス。ディスプレイにはスマホのカメラで映したブース前方の床面が映し出されました。
デモでは、あらかじめ用意された設計データをスマホのLRTKアプリに読み込んであり、その設計上の構造物や目印がカメラ映像に重畳表示されます。例えば、床面には何もないにも関わらず、スマホ画面上では地下に埋設された配管ルートが鮮やかなCGのラインで表示され、まるで床下を透視しているかのように見えました。また別のシーンでは、地面に描かれた仮想の基礎の位置や幅がARで示され、現実空間に計画中の構造物の輪郭が浮かび上がります。どちらの例も、数センチ単位の測位精度を活かして仮想情報が実物とピタリ重なっており、その精度の高さに来場者から驚きの声が上がりました。
スタッフが実際にスマホを手に持ってその場を歩き回ってみせても、AR表示がずれることはほとんどありません。通常、スマホ単体の簡易なAR機能だと、少し移動すると表示位置がじわじわズレてしまうことがあります。しかしLRTKでは、GNSSと慣性センサーにより常に位置と姿勢を高精度に補正しているため、移動中も仮想オブジェクトが現実空間にしっかりと固定されて表示されていました。「本当にずれないんだね」「これは現場でもすぐ使えそうだ」といった感想を漏らす来場者もおり、皆が食い入るようにデモ画面を見つめていました。
このAR施工支援デモで来場者が実感したのは、図面や測量杭を介さず直接空間に設計情報を示すことの分かりやすさです。例えば、従来は紙の図面や測量計画を見ながら位置をマーキングしていた作業も、ARなら画面に表示されたラインに沿って作業するだけで済みます。現場経験が浅いスタッフでも直観的に正しい位置や形状を把握できるため、コミュニケーションロスや施工ミスの防止につながるでしょう。デモを見たある若手技術者は「ゲーム感覚で位置合わせができてしまう」と笑いながらも、その有用性に感心した様子でした。
スマホ測量のデモ
AR機能の実演に続いて披露されたのが、スマートフォンによる測量・計測のデモです。LRTKのもう一つの柱である「高精度スマホ測量」がどのようなものか、スタッフが具体的な作業を再現して見せました。
まず示されたのは、シンプルなポイント測量の流れです。スタッフはブース内に設定した任意のポイントにスマホを持って立ち、「ここで計測」とアプリ上のボタンをタップしました。すると瞬時にその地点の座標値が取得・記録されます。測位精度が高いため、同じポイントで何度か測っても毎回ほぼ同じ数値が表示されており、安定した測定が可能であることが確認できました。従来であればトータルステーションや専用GNSS受信機を使って時間のかかる観測が必要な場面でも、LRTKならスマホ片手に数秒でポイント計測完了という手軽さに、来場者からは驚きの声が上がります。「これなら現場の合間にすぐ測れますね」と頷く方もいました。
次に、スマートフォンに搭載されたLiDARセンサーを利用した3D点群の取得デモが行われました。スタッフがスマートフォンのLiDARセンサーを起動し、ブースに置かれた模型オブジェクトの周囲をぐるりと歩いてスキャンします。画面上ではリアルタイムに点群データが生成され、オブジェクトの形状が徐々に立体的な点の集まりとして映し出されていきました。わずか1〜2分ほどでスキャンが完了し、出来上がった点群を見て「こんなに簡単に3D化できるのか」と感心する声が上がります。さらにスタッフは取得済みの点群データを現場設計の3Dモデルとクラウド上で重ね合わせ、わずかな時間で出来形のヒートマップ(設計との差異を色分けした図)を作成してみせました。点群自体がcm精度の位置情報を持っているため、煩雑な位置合わせ作業なしにこうした比較ができるのです。この機能によって、例えば盛土や掘削の出来形を現場で即座に確認し、不整合が見つかればその場で手直しするといった施工管理も可能になってきます。生成されたヒートマップはスマホにも転送され、なんとARで現実空間に重畳表示することまで可能 です。この一連の流れに、最新のデジタル施工管理の片鱗を見た来場者も多かったようです。
そして座標ナビ(いわゆる杭打ちナビ)のデモも、来場者の関心を集めました。スタッフは事前に設定した目標点(仮想の測設箇所)の座標をアプリに入力し、ナビゲーションモードを開始。スマホ画面には「北へ0.12m、東へ0.07m」といった方向・距離のガイダンスが表示され、スタッフはその指示に従ってゆっくり歩いていきます。やがて距離表示が0mに近づき、目的地に到達するとスマホが音と画面表示で目標点に到着したことを知らせました。実際にスタッフの足元を見ると、目印として置いていた印がほぼピッタリの位置にあり、スマホ片手に狙い通りのポイントへ誘導できたことが確認できました。この様子には、見守っていた来場者から思わず拍手が起こる一幕も。紙の図面上で寸法を追いかけながら位置を割り出す従来型の「杭打ち」と比べ、まさにカーナビ感覚で杭打ち位置へたどり着ける手軽さに、皆一様に驚きを隠せない様子でした。従来は測量員が2人1組でトータルステーション等を用いて行っていた杭出しも、スマホ1台で1人でもできてしまう可能性があると感じさせる光景でした。
こうした一連のスマホ測量デモを通じて、来場者はLRTKの汎用性と実用性を肌で感じたようです。単点の測量から3Dスキャン、設計データとの突合、さらには杭打ちナビまで、従来は個別の機器や専門作業が必要だった工程が、わずかスマートフォン一つで完結する。その様子は、現場DXの可能性を強烈に印象付けるに十分でした。
会場での対話とユーザーの声:導入の決め手とは
デモ終了後、ブースではスタッフと来場者との間で活発な質疑や意見交換が行われていました。その中で浮かび上がってきたのは、LRTKのようなソリューションを導入する決め手として評価されているポイントです。実際に会場で聞かれた声や対話の一部を紹介しながら、その鍵を探ってみます。
ある中堅建設会社の現場代理人は「最近のDXツールは専門知識が必要そうで二の足を踏んでいたが、これは誰でも使えそうなくらい簡単ですね」と感想を述べていました。スマホアプリで完結する操作性や、触ってすぐ理解できるインターフェースは 、デジタル機器に不慣れな人でも受け入れやすいようです。また別の測量会社の技術者は、「精度が心配だったが、実演を見たら十分実務に使える精度だとわかった。これなら日常の測量業務にも組み込めそうだ」と述べ、初めて見る技術への不安が解消された様子でした。
価格面についての問いかけに対しては、「従来の高精度機器に比べれば格段に導入コストが低いので、小規模な現場でも採算が合う」という説明がスタッフからあり、頷きながら聞き入る来場者もいました。高額な専用機を各現場に配備するのは難しくても、手頃なLRTKなら各チームに1台ずつ持たせることも現実的でしょう。実際、「これならうちの部署でもすぐ予算が下りそうだ」と笑う土木会社の管理職の方もおり、コストメリットは大きな魅力の一つとなっていました。
さらに、ある若手の現場監督はAR機能について「施工ミスを減らす切り札になり得る」と評価していました。彼の話では、ベテランでなくてもARで完成イメージや設計ラインを現場に表示できれば、認識のズレによるやり直しが減り、結果的に工期短縮につながるのではないかとのことでした。LRTKのクラウド共有機能についても、「現場で撮った写真が位置情報付きでクラウドに上がるのはありがたい。いちいち図面に記入して共有する手間が省ける」という声があり、現場と事務所のスムーズな情報共有という点でも評価されていました。
これら会場で聞かれた声から、LRTK導入の決め手として特に重要だと感じられた点をまとめると、以下のようになります。
• 簡単で使いやすいこと:スマホ操作中心のシステムなので直感的に扱え、特別な技術教育を受けていないスタッフでも現場で活用できる。
• 一台で多目的に活躍できること:測量(GNSS計測)から3D記録、施工支援(杭打ち誘導や出来形検査)まで、一つのデバイスで幅広く対応できる汎用性。
• 実用に足る精度があること:数cmの測位精度と安定したAR表示により、実際の施工管理や測量成果として十分に使えるクオリティを備えている。
• コストパフォーマンスの高さ:既存の測量機器類と比べ初期投資が抑えられ、維持管理や人件費の面でも効率が良い。安価に多数展開できるためDX化のハードルを下げる。
• データ連携とDX適合:クラウドを介したリアルタイムな情報共有や、CAD・BIMとのスムーズな連携が可能で、将来のデジタル施工フローに組み込みやすい。
こうした点が評価され、「現場のDXを進める上で格好のツールになりそうだ」という声が多く聞かれました。展示会という生の場でユーザー目線の意見に触れることで、LRTKが現場にもたらす価値がより明確になったように思います。実演前はスマホでの測量に半信半疑だった来場者も、デモ後にはその有用性に頷き、導入後の活用シーンを熱心に思い描く姿が印象的でした。
結び
今回の建設・測量生産性向上展におけるLRTK実演を通じ、AR×高精度測位が現場にもたらすDX効果を肌で感じることができました。紙の図面や熟練の勘に頼っていた作業に、デジタルの正確さと視覚的なわかりやすさが加わることで、誰もが正確かつ迅速に業務を行える未来がすぐそこまで来ていると実感させられる内容でした。
LRTKのようにスマホを活用したソリューションは、今後ますます現場のスタンダードになっていくでしょう。少子高齢化による人手不足が深刻化する建設業界において、特別な技能がなくても扱えるツールは、技能の平準化と生産性向上の切り札となり得ます。また、リアルタイムに現場データを取得・共有できることは、施工管理の迅速な意思決定や品質確保にも直結します。まさに「誰でもできる測量・誰でも使えるAR」というコンセプトが、これからの現場DXを力強く後押ししてくれるのではないでしょうか。
今回レポートしたLRTKの実演は、そうした未来像を具体的に示してくれるものでした。ARとGNSSの融合によって生まれる新たな価値を、会場で多くの方が実感したことと思います。まだ体験されていない方も、本記事をきっかけに是 非このスマホ測量ツールの可能性に触れてみてください。現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を身近なものにする鍵として、LRTKが皆様の現場で活躍する日も近いかもしれません。
今後、LRTKのようなスマホ測位技術はさらに進化し、AIやロボット建機、IoTセンサーなどとも連携しながら、現場のスマート化・自動化に一層寄与していくでしょう。その結果、測量や施工管理の在り方自体も、今とは劇的に様変わりしていくことでしょう。建設・測量生産性向上展の会場で垣間見えた最先端ソリューションの数々は、そうした未来の現場を先取りしたものでもありました。業界全体がDXへ舵を切る中で、この展示会は未来へのヒントを得る貴重な機会となっています。こうした技術を積極的に取り入れていくことが、これからの建設現場の鍵を握るに違いありません。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、
こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

