建設業界最大級の展示会CONEXPO-CON/AGG(コンエキスポ・コンアグ、[公式サイト](https://www.conexpoconagg.com))では、最新の建設テクノロジーやソリューションが世界中から一堂に会しました。私も現地を訪れ、特に注目したのが「クラウド施工管理」と「出来形確認」のデジタル技術です。これらを組み合わせることで、建設現場の生産性や品質、安全性に劇的な変革が起きつつありま す。本記事では、CONEXPO-CON/AGGで見えた業界トレンドを交えながら、クラウド施工管理と出来形確認の革新的技術や導入事例をご紹介します。現場DX(デジタルトランスフォーメーション)がもたらす効果や、最新の簡易測量ソリューションLRTKについても解説します。
目次
• CONEXPO-CON/AGGとは
• クラウド施工管理のメリット
• 出来形確認(出来形管理)の重要性と課題
• CONEXPO 2023に見る建設業DXの最新技術
- クラウドBIMとデータ共有
- AR(拡張現実)の現場活用
- 点群計測と3D出来形管理
- API連携によるシステム統合
- デジタル検査と帳票自動化
- IoTセンサーと遠隔監視
• 現場DXがもたらす効果と今後の展望
• 簡易測量・出来形管理を変えるLRTKの紹介
• FAQ
CONEXPO-CON/AGGとは
CONEXPO-CON/AGG(コネックスポ・コンアグ)は、北米最大規模の建設業界の展示会です。アメリカ・ラスベガスで3年に一度開催され、最新の建設機械や技術が世界中から集結します。前回のCONEXPO 2023では約2,800社が出展し、来場者数は約13万9千人に達しました。巨大なブルドーザーやクレーンといった重機が並ぶ迫力ある会場ですが、それ以上に印象的だったのはデジタル技術を活用したソリューションの数々です。自動運転の建機、AIによるデータ分析、クラウドを用いた現場管理、VR/ARの活用など、生産性や安全性を高める最新技術が各ブースで紹介されていました。世界的にも建設現場のDXが本格化していることを肌で感じられるイベントと言えるでしょう。
クラウド施工管理のメリット
建設プロジェクトを円滑に進めるには、現場と本社、協力会社など多くの関係者間で情報共有と協調が欠かせません。クラウド施工管理とは、工事に関する図面や工程、写真、報告書などの情報をクラウド上で一元管理し、誰もがリアルタイムにアクセスできるようにする手法です。クラウド施工管理を導入することで次のようなメリットが得られます。
• 最新情報の即時共有: 図面修正や工程変更があっても、クラウド上で更新すれば現場・オフィスの全員が即座に最新データを閲覧可能です。紙の図面を都度差し替えたり、メールで最新版を配布したりする手間が省けます。
• コミュニケーション効率化: クラウド上で図面や写真にコメントを付けたり、進捗状況を共有できるため、離れた場所からでもタイムリーに指示出しや相談ができます。これにより意思疎通の遅れが減り、トラブルへの即応性が向上します。
• データの一元管理: 工程表、施工チェックリスト、出 来形測定結果、検査記録などあらゆる情報をクラウドに集約できます。担当者ごとにバラバラに管理していたデータがひとつのプラットフォームで整理されるため、必要な情報を迅速に探し出せます。
• 遠隔からの状況把握: 管理者や監督者は現場にいなくても、クラウド上のデータやライブカメラ映像を通じて現況を把握できます。これにより複数現場を効率よく管理したり、出張移動の時間を削減したりでき、生産性向上につながります。
• 属人化の排除: 個人の手元やローカルPCに閉じたデータ管理をやめ、クラウドに蓄積・共有することで、担当者が交代しても業務の引き継ぎがスムーズです。情報が組織の資産として残り、属人化リスクが低減します。
このように、クラウド施工管理は現場とオフィス、さらには発注者や協力会社をデジタルに繋ぐ基盤となります。日本でも近年クラウド型の施工管理アプリが普及し始めており、国土交通省の推進する*i-Construction*(アイ・コンストラクション)の後押しもあって建設業界全体で導入が進んでいます。
出来形確認(出来形管理)の重要性と課題
一方で、現場DXを語る上で見逃せないのが出来形確認です。出来形管理とも呼ばれるこの工程は、施工した構造物や造成地の形状・寸法が設計図通りにできているか確認し記録する品質管理プロセスです。例えば、盛土の高さやコンクリート厚さが規定値どおりか測定して証明する作業であり、発注者の検査合格や工事引き渡しに不可欠なステップとなります。
出来形確認は品質確保の要ですが、従来手法には多くの課題がありました。従来は墨出しや巻尺・スタッフなどを用いて職人が手作業で各所の寸法を測り、紙の図面や表に実測値を書き込んで設計値との誤差をチェックするのが一般的でした。この方法では以下のような問題が生じがちです。
• 測量作業に人手と時間がかかる: 広い現場や大きな構造物では、複数人の測量班でポイントごとに測定する必要があり、非常に時間と労力がかかります。人力測定では一日に測れる点数に限界があり、工期にプレッシャーがかかる要因でした。
• 点でしか測れず見落としリスク: 手測りでは取得できるのは離れた点々の寸法データだけで、構造物全体を面的・立体的に把握することは困難です。測定していない箇所で設計とズレが生じていても気付けない恐れがあり、「一部が図面と違う」という不具合を見逃すリスクがありました。
• 写真記録の煩雑さ: 出来形確認では、後で見えなくなる鉄筋や埋設物などを施工中に写真撮影して残す必要があります。従来はそれらの写真を台帳やファイルで整理していましたが、撮影漏れや紛失、整理ミスが起こりやすいという問題がありました。現場の忙しさから必要箇所の写真を撮り忘れると、証拠が残らず最悪やり直し施工につながるケースもあります。
• 設計値との照合作業が煩雑: 測定値を許容誤差と比較して合否判定したり、検査提出用の報告書をまとめたりする作業は、多くの場合エクセルへの転記やCAD図面への追記で行われてきました。多数の測点がある場合、手計算や手描きでの整理は膨大な手間となり、現場技術者の負担になっていました。
このように従来の出来形管理は非効率でヒューマンエラーのリスクも高いのが実情でした。しかし、近年登場したデジタル計測技術とクラウドを活用する新しい手法によって、これらの課題が解決されつつあります。
CONEXPO 2023に見る建設業DXの最新技術
実際にCONEXPO-CON/AGG 2023の会場でも、出来形確認を含む現場DXに関連する様々なテクノロジーが展示されていました。ここでは、その中からクラウド施工管理×出来形確認に関わる主要な技術トレンドを紹介します。

