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土木施工の仮設道路づくりで搬入ロスを減らす5手順

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

土木施工の現場では、仮設道路の計画と維持管理が搬入効率に大きく影響します。資材、残土、砕石、型枠材、鉄筋、重機、仮設材などの搬入は、工程全体を支える土台です。しかし、現場内の通行ルートが狭い、待機場所が足りない、雨でぬかるむ、車両同士がすれ違いにくい、荷下ろし場所まで遠回りになるといった問題があると、車両は動いているように見えても実際には多くの時間を失います。この記事では、土木施工の実務担当者に向けて、仮設道路づくりで搬入ロスを減らすための考え方を5つの手順に分けて解説します。


目次

仮設道路が土木施工の搬入ロスを左右する理由

手順1 現地条件と搬入動線を施工前に整理する

手順2 搬入車両と荷下ろし条件から道路形状を決める

手順3 支持力と排水を確保して止まらない道にする

手順4 待機場所と通行ルールを決めて渋滞を防ぐ

手順5 点検と記録で仮設道路を日々改善する

仮設道路づくりでよくある失敗と対策

まとめ 土木施工の搬入効率は仮設道路の設計と運用で変わる


仮設道路が土木施工の搬入ロスを左右する理由

土木施工における仮設道路は、単に車両が通るための仮の道ではありません。現場の生産性、安全性、工程管理、周辺環境への配慮を支える施工インフラの一つです。造成、道路改良、河川、橋梁、上下水道、宅地開発、法面、構造物基礎などの工事では、搬入車両や重機の移動量が多く、仮設道路の計画が不十分だと全体の作業効率が落ちる可能性があります。


搬入ロスには、車両が現場入口で待つ時間、場内で方向転換に手間取る時間、荷下ろし場所の空き待ち、路面不良による徐行、ぬかるみによるスタック、誘導不足による行き違い、作業員が資材を二次運搬する時間などが含まれます。これらは一つ一つを見ると数分のロスに見えるかもしれません。しかし、1日に何台も車両が入る現場では、数分の積み重ねが工程遅れにつながることがあります。


仮設道路づくりで重要なのは、強い路盤をつくることだけではありません。搬入車両がどこから入り、どこで待ち、どこで荷下ろしし、どのように退出するかを一連の流れとして考える必要があります。車両の動きと作業員の動きが交差しすぎると安全面のリスクが高まり、誘導員の負担も増えます。反対に、入口から荷下ろし場所、退出ルートまでが自然につながっていれば、現場全体の流れは安定しやすくなります。


また、土木施工では天候や地盤条件の影響を受けます。晴天時には問題なく通行できる仮設道路でも、降雨後に排水が悪ければ路面が軟弱化し、ダンプや資材搬入車が速度を落とさざるを得ない場合があります。仮設道路の補修が後手に回ると、作業開始前に砕石を入れ直したり、ぬかるみを均したりする時間が発生します。このような朝一番の手戻りは、その日の搬入計画全体に影響します。


仮設道路は完成物として残るものではないため、計画段階で軽視されることがあります。しかし、実務上は仮設道路の状態が施工の進み方に影響する場面も少なくありません。限られた敷地、近隣条件、工程、車両台数、作業ヤードを踏まえ、最初にどれだけ現実的な通行計画を組めるかが、搬入ロス削減の出発点になります。


手順1 現地条件と搬入動線を施工前に整理する

仮設道路づくりの第一歩は、現地条件を見てから場当たり的に道をつくるのではなく、搬入動線を想定したうえで現地を確認することです。多くの現場には、入口の位置、既設道路の幅員、近隣住宅や店舗、歩行者や通学路、電柱や架空線、既設構造物、用地境界、勾配、排水方向、地盤の弱い箇所、施工範囲の変化などの制約があります。これらを十分に確認しないまま仮設道路を設けると、後から車両が入りにくい、待機できない、旋回できない、荷下ろし位置が遠いといった問題が出ます。


施工前の確認では、まず搬入するものを時系列で整理します。初期段階では仮囲い材、敷材、重機、仮設設備が中心になります。掘削や盛土が始まると、残土搬出や砕石搬入が増えます。構造物工では鉄筋、型枠、生コンクリート関連の搬入が集中します。舗装や仕上げ段階では材料の種類が変わり、通行ルートも完成形に近い範囲へ移っていきます。つまり、仮設道路は工事期間中ずっと同じ使われ方をするとは限りません。工程ごとに主役となる搬入物が変わるため、最初から段階的な切り替えを想定しておくことが大切です。


現地調査では、車両が現場に入る前の外部道路も確認します。現場内だけを整えても、入口手前で右折待ちが発生したり、近隣の生活道路に車両が滞留したりすれば、搬入ロスだけでなく苦情や安全上の問題につながります。大型車が進入する角度、見通し、歩行者との分離、交通誘導の立ち位置、待機車両の逃げ場を確認し、場外から場内までを一つの動線として扱うことが重要です。道路上または道路近傍で作業場を設ける場合は、道路管理者や所轄警察署など関係先への確認が必要になることもあります。


現場内では、車両が最短距離で走れることだけを優先しすぎないようにします。最短ルートでも、狭い箇所で何度も切り返しが必要になれば、結果として時間がかかります。反対に少し距離が伸びても、一方通行にできるルートや、前進で入って前進で出られるルートの方が安定する場合があります。搬入ロスを減らす仮設道路は、距離の短さだけでなく、流れの止まりにくさを重視して設計します。


さらに、施工ヤードの変化も見込んでおく必要があります。掘削が進めば地盤高さが変わり、盛土が進めば通れる範囲が変わります。構造物の立ち上がりや仮設材の配置によって、当初使えていた通路が使えなくなることもあります。したがって、仮設道路計画は最初に一度決めて終わりではなく、工程ごとにどの時点でルートを切り替えるかを考えておくべきです。切り替え時期を工程表に反映しておけば、場当たり的な迂回や急な補修を減らしやすくなります。


搬入動線を整理するうえでは、現場担当者、職長、重機オペレーター、運搬業者、誘導員の意見を早めに集めることも有効です。図面上では通れるように見えても、実際の車両感覚では旋回が難しいことがあります。特に大型車や長尺物を扱う場合、曲がり角や入口幅、上空の障害物、勾配変化の影響は現場経験によって見え方が変わります。施工前の段階で関係者の視点を入れることで、仮設道路の手戻りを減らせます。


手順2 搬入車両と荷下ろし条件から道路形状を決める

次に行うべきことは、仮設道路の幅、勾配、曲線、待避部、転回場所を、実際に入る車両と荷下ろし条件から決めることです。仮設道路は、なんとなく広めに取ればよいというものではありません。広く取りすぎると作業ヤードや資材置場を圧迫します。一方で狭すぎると、すれ違いや旋回ができず、誘導に時間がかかります。現場の限られたスペースの中で、どの車両を基準にするかを明確にすることが重要です。


土木施工でよく使われる搬入車両には、土砂運搬車、資材運搬車、ミキサー車、ポンプ車、重機回送車、給水車、燃料補給車などがあります。車両ごとに車幅、車長、最小回転半径、必要な停車スペース、荷下ろし方法が異なります。たとえば、土砂運搬では荷台を上げるため上空の障害物確認が必要です。長尺材の搬入では、曲がり角や切り返しスペースに余裕が必要です。重機回送では、積み下ろし時の勾配や地盤の安定性が重要になります。


道路幅を考える際には、通行するだけの幅ではなく、誘導員や作業員が安全に退避できる余裕も含めて検討します。車両が通る幅だけを確保しても、脇に資材が積まれたり、法肩が近かったり、仮設排水溝があったりすると、実際の通行感覚は狭くなります。通行幅と作業帯、歩行者動線、資材仮置き範囲を分けて考えることで、車両と人の接触リスクを減らせます。


勾配については、上り下りのしやすさだけでなく、雨天時や積載時の走行性を考える必要があります。空荷では問題なく上がれる坂でも、積載状態では速度が落ちることがあります。下り勾配では制動距離が伸び、曲線や交差部と重なると危険性が増します。仮設道路の勾配変化が大きい箇所では、車両底部の接触や荷崩れにも注意が必要です。可能であれば急な勾配変化を避け、勾配の始まりと終わりに無理のないすり付けを設けます。


曲線部では、車両の内輪差と外側へのふくらみを考慮します。図面上の中心線だけで判断すると、実際にはタイヤが路肩に寄りすぎたり、車両後部が資材や仮囲いに近づいたりします。曲がり角に余裕がない場合は、角を広げる、待避部を設ける、一方通行にする、搬入時間を分けるなどの運用対策も検討します。無理な曲線を残したまま誘導員の技量だけに頼る計画は、日によって効率が変わりやすく、搬入ロスの原因になります。


荷下ろし条件も道路形状に直結します。荷下ろし場所が通路上にあると、1台が止まるだけで後続車が動けなくなります。可能であれば、通行帯と荷下ろし帯を分ける配置にします。どうしても通路上で荷下ろしする場合は、荷下ろし時間が短くなるように置場を整理し、合図者と作業員の配置を決めておく必要があります。荷下ろし後に車両が前進で退出できるか、後退が必要かも重要です。後退が多い現場では誘導の手間が増え、接触事故のリスクも上がります。


仮設道路の形状を決める段階では、平面図だけでなく現場で実際に車両の動きを想像しながら確認することが欠かせません。入口から入って、曲がり、停まり、荷下ろしし、退出するまでを一連の動作として追いかけます。そのとき、対向車が来た場合、作業員が横断する場合、雨で路肩が弱くなった場合、別作業の重機が近くにいる場合など、少し悪い条件も想定します。余裕のある仮設道路とは、単に幅が広い道ではなく、現場の変化や人の動きが重なっても流れが止まりにくい道です。


手順3 支持力と排水を確保して止まらない道にする

仮設道路の搬入ロスを減らすうえで、路面の支持力と排水は重要です。どれだけ動線がよくても、路面が沈む、わだちができる、雨水がたまる、泥が付着して滑るといった状態になれば、車両は速度を落とし、場合によっては走行できなくなります。土木施工では、仮設道路が短期間だけ使われる場合でも、通行荷重や天候の影響を軽く見ないことが大切です。


支持力を確保するためには、まず現況地盤の状態を把握します。表土が柔らかい場所、埋戻し直後の場所、水分を多く含む場所、湧水がある場所、過去に水路や田畑だった場所などは、車両通行によって傷みやすい傾向があります。表面だけを均して砕石を薄く敷いても、下の地盤が弱ければわだちが発生することがあります。わだちが深くなるとハンドルを取られ、車両はさらに同じ箇所を踏みやすくなるため、損傷が広がります。


路体をつくる際には、不要な軟弱土を取り除き、必要に応じて良質な材料に置き換えることを検討します。砕石などの敷材は、厚さと締固めが重要です。材料を入れるだけでなく、車両荷重に耐えられるように均一に敷きならし、締め固めることで、沈下や局所的な破壊を抑えやすくなります。通行が集中する入口、曲線部、荷下ろし付近、勾配部は特に傷みやすいため、あらかじめ補強しておくと補修回数を減らせる場合があります。


敷板や敷鉄板などの仮設材を使う場合も、下地の整正が欠かせません。下地に凹凸があるまま敷くと、通行時にがたつきが出たり、段差が生じたりします。段差は徐行や荷崩れの原因になり、騒音や振動の問題にもつながります。仮設材同士の継ぎ目、端部、路肩部は特に注意し、車両の進行方向に対して不安定な段差ができないようにします。仮設材を設置したら終わりではなく、使用中にずれや沈みがないか確認することも必要です。


排水計画は、仮設道路の寿命を左右します。雨が降った後に水がたまる場所は、路面が弱くなり、泥の発生源になります。泥が車両タイヤに付着すると、場内だけでなく場外道路にも汚れを広げるおそれがあります。その結果、清掃作業や散水、近隣対応に時間を取られ、本来の施工に使うべき時間が失われます。仮設道路には、路面に適切な横断勾配を持たせ、雨水が自然に排水先へ流れるようにします。


排水先を考えずに水を逃がすと、別の作業場所や隣接地に水が集まることがあります。仮設側溝、集水ます、沈砂対策、排水ポンプなどを状況に応じて組み合わせ、濁水や土砂流出にも注意します。特に切土や盛土の途中で仮設道路を使う場合、法面からの水や上流側からの流入水が路面に集まりやすくなります。雨が降った後に初めて問題に気づくのではなく、雨水がどこから来て、どこへ流れるかを施工前に確認しておくことが大切です。


また、仮設道路の路肩処理も搬入ロスに関係します。路肩が弱いと、車両が端に寄ったときに沈下したり、脱輪しそうになったりします。そのため車両は中央寄りに走り、すれ違いがさらに難しくなります。路肩を明確にし、必要に応じて法肩の保護や目印を設けることで、運転者が安心して通行しやすくなります。見えにくい段差や軟弱箇所を放置しないことが、結果として走行速度の安定につながります。


止まらない仮設道路をつくるには、初期施工だけでなく、傷みやすい箇所を予測して先に手を打つ姿勢が重要です。入口部、坂道、カーブ、荷下ろし場所、重機の旋回部は、ほかの区間より早く劣化しやすい箇所です。そこを重点的に補強し、雨前に排水を確認し、雨後に早めに手直しすることで、車両の滞留やスタックを防ぎやすくなります。支持力と排水は地味な要素ですが、土木施工の搬入効率を安定させる基本的な条件です。


手順4 待機場所と通行ルールを決めて渋滞を防ぐ

仮設道路ができても、運用ルールが曖昧なままでは搬入ロスは減りません。現場内で車両が詰まる原因は、道路の強度不足だけではなく、待つ場所、譲る場所、荷下ろしの順番、退出ルートが決まっていないことにもあります。土木施工では日々の搬入内容が変わるため、現場全体で共有できる通行ルールを設定し、関係者に伝えることが重要です。


まず考えるべきは、現場入口の混雑を防ぐことです。入口付近で車両が停まると、後続車や一般交通に影響します。場外で待たせるのか、場内に一時待機場所を設けるのか、搬入時刻を調整するのかを決めておきます。大型車が複数台連続して来る場合、全車を現場内に入れられるとは限りません。無理に入れると場内通路がふさがれ、別作業の車両や重機が動けなくなります。搬入計画と仮設道路計画は別々ではなく、同じ管理対象として扱うべきです。


待機場所は、ただ空いている場所を使うのではなく、出入りしやすく、通行帯をふさがず、作業員の動線と重なりにくい位置に設けます。待機車両がいることで見通しが悪くなる場合は、合図者の配置や停止位置を工夫します。荷下ろし前の待機、荷下ろし後の書類確認、退出前の待機が同じ場所で行われると混乱しやすいため、それぞれの目的に応じて位置を分けることも検討します。


一方通行の設定は、搬入ロス削減に有効な選択肢になる場合があります。すれ違いが難しい仮設道路でも、入口と出口を分けられれば、対向車待ちや後退誘導を減らしやすくなります。ただし、一方通行にするには、退出側の安全確認、場外道路への合流、周辺交通への影響も確認する必要があります。出口を別に設けられない現場では、時間帯ごとに入場と退場を分ける、待避部を設ける、誘導員が通行を整理するなどの方法で流れをつくります。


通行ルールでは、優先順位を明確にすることも大切です。たとえば、荷下ろし時間が限られる車両、コンクリート関連の連続作業に関わる車両、重機回送車、緊急対応車両などは、通常の資材搬入車両と同じ扱いでは工程に影響する場合があります。どの車両を優先するかを事前に決めておけば、現場でその都度判断する時間を減らせます。判断が曖昧な現場では、運転者、誘導員、職長の間で確認が増え、それ自体がロスになります。


合図と情報伝達のルールも欠かせません。現場入口で受付をした車両が、どこへ進めばよいのか分からない状態は危険です。搬入先、荷下ろし場所、待機場所、退出ルートを簡潔に伝えられる仕組みを整えます。看板や案内表示を使う場合は、運転席から見やすい位置と大きさにします。表示が多すぎると逆に分かりにくくなるため、現場の通行に必要な情報に絞ることがポイントです。


誘導員を配置する場合は、立つ場所と役割を明確にします。入口誘導、場内交差部、荷下ろし場所、後退誘導などを一人で兼ねすぎると、見落としが発生しやすくなります。誘導員同士、運転者、作業員の間で合図方法を統一し、曖昧な身振りや声かけに頼りすぎないようにします。特に騒音の大きい現場や見通しの悪い場所では、合図が伝わらないことを前提に、停止位置や確認手順を決めておく必要があります。


搬入ロスを減らす運用では、荷下ろし場所の整理整頓も重要です。仮設道路が整っていても、荷下ろし場所に不要な資材が残っていれば、車両は近づけず、手前で荷下ろしして二次運搬が発生します。二次運搬は人手と時間を使うだけでなく、資材の損傷や取り違えの原因にもなります。搬入前に置場を空ける、荷下ろし方向を決める、次工程で使いやすい位置に置くといった準備が、搬入効率を大きく変えます。


手順5 点検と記録で仮設道路を日々改善する

仮設道路は、一度つくれば最後まで同じ状態を保てるものではありません。土木施工の現場では、天候、車両台数、重機の移動、掘削や盛土の進行によって、日々状態が変化します。そのため、搬入ロスを継続的に減らすには、点検と記録を通じて仮設道路を改善し続けることが必要です。


点検の基本は、朝の作業前と大きな搬入後、降雨後に状態を確認することです。わだち、沈下、段差、ぬかるみ、水たまり、敷材のずれ、路肩の崩れ、表示の見えにくさ、待機場所の混雑などを確認します。問題が小さいうちに補修すれば短時間で済みますが、放置して車両通行を続けると損傷が広がり、補修に多くの時間と材料が必要になります。仮設道路の不具合は自然に改善しにくいため、早期発見と早期対応が基本です。


記録では、単に写真を残すだけでなく、いつ、どこで、どのようなロスが発生したかを把握します。たとえば、入口で何台待ったのか、荷下ろしに想定以上の時間がかかったのか、どの箇所で車両が徐行したのか、雨後にどこが傷んだのかを記録します。これにより、感覚ではなく事実に基づいて改善できます。現場の朝礼や工程打合せで共有すれば、職長や協力会社も同じ課題認識を持ちやすくなります。


搬入ロスは、現場にいる人ほど慣れてしまい、問題として見えにくくなることがあります。毎日同じ場所で車両が待っていても、それが当たり前になると改善の優先度が下がります。しかし、待機時間や二次運搬時間を記録すると、改善すべき箇所が明確になります。たとえば、1台あたり数分の待機でも、1日あたりの台数、工期全体で見ると大きな損失になる場合があります。数字や写真で見える化することは、仮設道路改善の説得材料にもなります。


記録には、位置や時刻が分かる写真を活用すると効果的です。現場内のどの場所で路面が傷んだのか、どの時間帯に搬入が集中したのかが分かれば、補修や搬入調整の判断がしやすくなります。紙のメモだけでは後から場所を特定しにくい場合がありますが、写真と位置、コメントがまとまっていれば、現場事務所と現場、元請と協力会社の間で情報共有しやすくなります。


改善の進め方では、大きな変更だけを考える必要はありません。待機位置を数メートル移す、曲がり角の資材を片付ける、路肩に目印を置く、荷下ろし場所の順番を変える、雨水の逃げ道を少し整えるだけでも、車両の流れがよくなることがあります。小さな改善を積み重ねることで、現場全体の滞留が減り、作業員の移動や重機作業も安定します。


点検と記録を定着させるには、担当者任せにしすぎないことも重要です。現場代理人や主任技術者だけでなく、職長、誘導員、重機オペレーター、搬入業者から情報が上がる仕組みをつくります。実際に通行している人ほど、どこが危ないか、どこで時間がかかるかを知っています。現場の声を拾い、必要な対策を早めに実行することで、仮設道路は施工状況に合った使いやすい道になっていきます。


仮設道路づくりでよくある失敗と対策

仮設道路の失敗で多いのは、施工開始時の都合だけで道を決めてしまうことです。初期の重機搬入だけを考えて道路を設けると、その後の土砂搬出や資材搬入、構造物施工の段階で使いにくくなることがあります。工程が進むにつれて作業ヤードが狭くなり、仮設材や資材が増え、車両の通行範囲が制限されるためです。対策としては、工事全体をいくつかの段階に分け、それぞれの段階で主な搬入物と車両の流れを確認することが必要です。


次に多いのが、現場内の最短ルートにこだわりすぎる失敗です。最短ルートは一見効率的ですが、曲がり角がきつい、すれ違いができない、荷下ろし中に通路がふさがるといった問題があると、かえってロスが増えます。仮設道路では、短い距離よりも止まらず流れることを優先します。少し遠回りでも一方通行に近い動線が取れるなら、全体の搬入時間は安定しやすくなります。


路面を後で直せばよいと考えることも失敗につながります。軟弱地盤や排水不良を初期に見落とすと、雨のたびに補修が必要になります。補修作業は材料と重機を使うだけでなく、補修中に通行を制限するため、さらに搬入ロスを生みます。通行量が多い箇所や水が集まる箇所は、最初から弱点として扱い、路盤厚や排水処理を手厚くする方が結果的に効率的な場合があります。


荷下ろし場所を明確にしないことも大きな問題です。車両が到着してから置場を探す現場では、運転者が待ち、作業員が移動し、重機が手を止める時間が発生します。搬入物ごとに置場を決め、使う順番に合わせて配置すれば、荷下ろし後の二次運搬も減らせます。資材を現場に入れることが目的ではなく、次工程で使いやすい状態に置くことが目的だと考える必要があります。


通行ルールの周知不足もよくある失敗です。現場担当者だけがルートを理解していても、運転者や新規入場者、応援作業員に伝わっていなければ混乱します。特に土木施工では、日によって搬入業者や車両が変わることがあります。入口での説明、案内表示、誘導員の配置、朝礼での共有を組み合わせ、初めて来た人でも迷いにくい状態をつくることが大切です。


また、仮設道路と安全通路を分けないこともリスクになります。車両と作業員が同じ狭い通路を使うと、車両は徐行せざるを得ず、作業員も常に車両を避けながら移動することになります。これは効率面でも安全面でも望ましくありません。完全分離が難しい場合でも、横断箇所を限定する、退避場所を設ける、車両通行時間と歩行者移動時間をずらすなどの工夫が必要です。


仮設道路の管理で見落とされやすいのが、場外への影響です。泥の持ち出し、騒音、振動、車両待機による交通支障は、近隣対応の負担を増やします。現場内の効率だけを見ていると、結果的に清掃や苦情対応で時間を失うことになります。出入口の路面管理、タイヤに付着した泥への対策、待機車両の位置、交通誘導の分かりやすさを整えることで、施工全体の安定につながります。


最後に、記録を残さないことも改善を妨げます。仮設道路の不具合は、その場で直して終わりになりがちです。しかし、どの場所が何度も傷むのか、どの搬入時間帯に混むのか、どの業者が迷いやすいのかを残しておかないと、同じ問題を繰り返します。写真、簡単なメモ、位置情報、補修内容を残しておけば、次の工程や次の現場にも活かせます。仮設道路の管理は、現場ごとの経験を蓄積することで精度が高まります。


まとめ 土木施工の搬入効率は仮設道路の設計と運用で変わる

土木施工の仮設道路づくりで搬入ロスを減らすには、道路をつくる作業そのものよりも、車両と資材と作業の流れをどう設計するかが重要です。施工前に現地条件と搬入動線を整理し、搬入車両と荷下ろし条件から道路形状を決め、支持力と排水を確保し、待機場所と通行ルールを整え、点検と記録で改善を続ける。この5手順を押さえることで、現場内の滞留、二次運搬、補修待ち、誘導の混乱を減らしやすくなります。


仮設道路は完成後に残る構造物ではありませんが、工事中の生産性を支える重要な設備です。場内の移動がスムーズになれば、搬入車両だけでなく、重機、作業員、管理者の動きも安定します。荷下ろしが予定どおり進み、資材が使いやすい場所に置かれ、雨後も通行できる状態を維持できれば、工程全体の見通しも立てやすくなります。反対に、仮設道路を後回しにすると、現場のあちこちで小さな待ち時間が生まれ、それが積み重なって大きなロスになることがあります。


実務で大切なのは、仮設道路を図面上の線としてではなく、日々変化する施工の流れとして管理することです。入口で待つ車両、曲がり角で切り返す車両、荷下ろし場所を探す作業員、雨後に沈んだ路面を補修する重機など、現場で起きている事象を丁寧に拾えば、改善すべき場所は見えてきます。大掛かりな変更ができない現場でも、待機位置、排水、路肩表示、置場整理、搬入時間の調整によって、搬入ロスを減らす余地はあります。


土木施工の現場管理では、現場の状況を早く記録し、関係者と共有しながら改善する力も重要です。仮設道路の傷み、搬入車両の滞留、荷下ろし位置、危険箇所を写真や位置情報とあわせて残せれば、現場内の判断がしやすくなります。日々の点検、是正指示、進捗共有を続けながら、現場条件に合った仮設道路を維持することが、搬入ロスを抑える実践的な対策になります。


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