top of page

境界確定申請で隣地が抵当権付きの場合の確認事項5つ

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

境界確定申請を進める際、隣地の登記事項証明書を確認すると、所有者だけでなく抵当権や根抵当権が記録されている場合があります。抵当権付きの土地と聞くと、境界確認そのものができないのではないか、金融機関などの抵当権者にも必ず同意を取る必要があるのではないかと不安になる実務担当者も少なくありません。


結論からいえば、隣地に抵当権が付いていることだけを理由に、直ちに境界確定申請が進められなくなるとは限りません。抵当権は土地の担保に関する権利であり、土地の所有者が当然に抵当権者へ変わるわけではありません。そのため、境界確認で中心になるのは、原則として現在の隣地所有者、共有者、または正当な代理権を持つ人です。


ただし、抵当権が設定されている土地では、所有者の状況、売買予定、融資や担保評価、差押えや競売の有無などを通常より慎重に見ておきたい場面があります。境界確認は土地の位置関係や面積認識に関わるため、後から金融機関、買主候補、相続関係者などが資料を確認する可能性もあります。


この記事では、境界確定 申請で調べている実務担当者に向けて、隣地が抵当権付きの場合に確認したい5つの事項を整理します。なお、ここでいう境界確定申請は、自治体や管理者に対する官民境界の申請、民民境界の確認、関連する立会い・確認書類の整備を含む一般的な実務上の表現です。実際の手続きや必要書類は、申請先、土地の種類、地域の運用、個別事情によって異なるため、最終判断は申請先窓口や土地家屋調査士などの専門家に確認することが大切です。


目次

抵当権付きでも境界確認の相手は原則として隣地所有者である

登記事項証明書で抵当権の内容と所有者情報を確認する

抵当権者への確認を意識すべき場面を見極める

将来の売買・融資・競売を想定して境界資料を整理する

現地立会いと合意書類の記録を丁寧に残す

抵当権付き隣地の境界確定申請で手戻りを防ぐ進め方


抵当権付きでも境界確認の相手は原則として隣地所有者である

境界確定申請で隣地が抵当権付きである場合、最初に整理したいのは、境界確認の当事者を誰と考えるかです。抵当権は、一般に債権を担保するために土地などに設定される権利です。抵当権が設定されているからといって、土地の所有権そのものが抵当権者へ移るわけではありません。そのため、境界確認の中心となる相手は、通常は隣地の登記名義人である所有者です。


実務では、隣地所有者に境界立会いを依頼し、現地で境界標、既存構造物、過去の測量図、地積測量図、公図、道路や水路との関係などを確認します。そのうえで、境界確認書や立会確認書などの書類に署名や押印を求める流れが一般的です。隣地に抵当権が設定されていても、所有者が境界確認に応じられる状態であれば、まずは所有者との確認を基本に進めます。


ただし、抵当権付きの土地では、所有者の状況が複雑になっている可能性があります。住宅ローンや事業資金の担保として抵当権が設定されているだけで、通常どおり所有者が土地を管理している場合もあります。一方で、売却の準備、返済状況の悪化、任意売却の相談、差押え、競売手続きなどが関係している場合は、所有者の意思確認だけで十分かどうかを慎重に見直す必要があります。


抵当権付きの隣地を確認したときは、抵当権があるからといって手続きを止めるのではなく、まず所有者が現在も土地を管理しているのか、連絡が取れるのか、境界立会いに応じる意思があるのかを確認します。所有者が法人の場合は、現地担当者の説明だけで進めず、代表者や権限のある部署が確認しているかを確認したほうが安全です。個人所有の場合でも、共有者がいる場合、相続未了の可能性がある場合、登記名義人と実際の使用者が異なる場合は、抵当権の有無とは別に、確認相手の範囲を慎重に整理する必要があります。


境界確定申請では、隣地所有者の確認や合意の記録が後日の紛争防止に大きく関わります。たとえ抵当権者が金融機関であっても、現地の利用状況や境界標の認識を日常的に把握しているとは限りません。現地の使い方、過去の経緯、塀や擁壁の設置事情などを把握しているのは、通常は所有者や使用者です。したがって、抵当権者の存在を確認しつつも、まずは所有者との立会い、説明、確認書類の整備を確実に行うことが重要です。


また、境界確認は単にここでよいかと尋ねるだけでは不十分です。抵当権付きの土地では、将来、売買や競売などによって所有者が変わる可能性もあります。そのため、現在の所有者に対して、どの資料を根拠に境界案を示しているのか、現地のどの点を境界点として確認するのか、既存の塀や擁壁が境界と一致しているのか、それとも境界から控えているのかを明確に説明することが望まれます。説明が曖昧なまま書類だけを整えると、後日、新しい関係者が出てきたときに確認の経緯を説明しにくくなります。


抵当権付きの隣地であっても、境界確認の基本は変わりません。まず所有者を確認し、所有者や権限のある人に丁寧に説明し、現地と資料を照合し、確認した内容を書面や写真で残すことです。そのうえで、抵当権者や他の関係者への確認を意識すべき事情があるかを別途判断する流れにすると、過不足のない進め方になりやすくなります。


登記事項証明書で抵当権の内容と所有者情報を確認する

隣地が抵当権付きかどうかを確認するうえで、登記事項証明書の確認は欠かせません。境界確定申請では、対象地だけでなく、隣接地の所有者、地番、地目、地積、権利関係を確認する必要があります。抵当権や根抵当権は、登記記録の権利部のうち所有権以外の権利に関する欄で確認できるため、隣地調査の段階で見落とさないようにします。


登記事項証明書を見るときは、まず表題部で土地の所在、地番、地目、地積を確認します。次に権利部の甲区で、現在の所有者、所有権移転の経緯、差押えや仮処分などの記載がないかを確認します。そのうえで、権利部の乙区で、抵当権、根抵当権、地上権、地役権、賃借権など、所有権以外の権利に関する記載を確認します。境界確定申請では所有者確認に目が向きやすいですが、抵当権付きの隣地では、表題部、甲区、乙区を分けて確認することが重要です。


抵当権が記載されている場合は、抵当権者の名称、受付年月日、債務者、債権額、共同担保の有無などを確認します。根抵当権であれば、極度額、債務者、根抵当権者、共同担保の記載なども確認対象になります。ただし、境界確認の実務で最も重要なのは、金融条件の良し悪しを評価することではありません。確認すべきなのは、隣地が担保に入っている事実があること、抵当権者が誰であること、所有者との関係で手続き上の注意が必要になりそうかという点です。


特に注意したいのが、登記事項証明書の所有者情報と、現地で連絡を取っている相手が一致しているかどうかです。現地に住んでいる人や土地を使っている人が、必ずしも登記名義人とは限りません。親族が使用している、法人の担当者が管理している、賃借人が利用している、相続後に名義変更が済んでいないなどのケースもあります。抵当権付きの土地では、所有者本人と使用者が分かれている場合、境界確認の説明が伝言になり、誤解が生じやすくなります。


また、差押え、仮差押え、仮処分、競売開始決定などの記載がある場合は、通常の抵当権付き土地よりも慎重な対応が必要です。これらの記載がある土地では、所有者の財産処分や権利関係に制約が関係している可能性があります。境界確認自体が直ちに処分行為に当たると一律に決めつける必要はありませんが、将来の紛争や説明不足を避けるため、土地家屋調査士、司法書士、弁護士、申請先の窓口などに確認しながら進めるほうが安全です。


根抵当権が設定されている場合も、単なる抵当権とは記載内容や背景が異なることがあります。事業用不動産や法人所有地では、継続的な取引の担保として根抵当権が設定されていることがあります。境界確認の相手が所有者である点は基本的に同じですが、土地の管理権限、代表者の確認、社内承認の有無、将来の担保評価への影響を意識して、記録を丁寧に残すことが大切です。


登記事項証明書を確認する際は、取得日も記録しておきます。登記情報は時間の経過とともに変わる可能性があります。境界立会いの依頼をした時点では所有者が変わっていなくても、申請や確認書の回収までの間に売買、相続、差押え、抵当権抹消、抵当権追加などが起こる可能性があります。特に手続きが長引く案件では、立会い直前や書類提出前に改めて登記情報を確認すると安心です。


境界確定申請では、古い資料だけで判断しないことも重要です。過去の測量図、既存の境界確認書、開発時の図面、建築時の配置図などがあっても、現在の登記名義人や権利関係が変わっている場合があります。隣地が抵当権付きの場合は、過去資料と現在の登記情報を照合し、どの時点の誰が確認した資料なのかを明確にしておきます。これにより、以前の所有者が確認しただけではないか、現在の権利関係を見ていなかったのではないかと指摘されるリスクを下げられます。


登記事項証明書の確認は、単なる事務作業ではありません。隣地との関係者を確定し、説明すべき相手を整理し、境界確認書の署名者を間違えないための基礎作業です。抵当権付きの隣地では、この基礎作業を丁寧に行うことで、立会い依頼から申請書類の提出までの流れが安定しやすくなります。


抵当権者への確認を意識すべき場面を見極める

隣地に抵当権が設定されている場合、抵当権者へ必ず境界立会いを依頼しなければならないのかという疑問が生じます。実務上は、通常の境界確認において、抵当権者が常に立会い当事者になるわけではありません。土地の所有者が境界を確認し、必要な書類に署名や押印をすることを基本に進めるケースが多いです。


しかし、抵当権者への確認をまったく意識しなくてよいという意味ではありません。案件の内容によっては、所有者側で抵当権者、金融機関、売買関係者などへ説明や確認を行ったほうがよい場面があります。たとえば、境界確認の結果、隣地の面積や形状の認識に大きな影響が出る場合、担保評価や売買予定に関係する可能性があります。境界そのものを正しく確認する行為であっても、関係者から見ると土地の価値や利用可能範囲に関係する重要な情報になることがあります。


特に注意したいのは、境界確認により、従来の認識よりも隣地の有効利用範囲が狭く見える場合です。たとえば、長年使っていた塀や舗装の位置と、資料に基づく境界線が一致しない場合、隣地所有者にとっては利用範囲が変わるように感じられることがあります。このような場合、所有者だけで即断すると、後日、抵当権者や買主候補などから説明を求められる可能性があります。


また、隣地所有者が売却予定で、境界確認が売買条件の一部になっている場合も注意が必要です。抵当権付きの土地では、売買代金で抵当権を抹消する予定になっていることがあります。この場合、境界確認の結果が売買契約、融資審査、抹消手続きに関係することがあります。境界確定申請を進める側としては、隣地の売買事情に深入りする必要はありませんが、所有者からそのような事情を聞いた場合は、相手方の関係者間で確認が取れているかを促す姿勢が安全です。


差押え、競売開始、任意売却の相談中など、権利関係が動いている可能性がある場合も、慎重な見極めが必要です。所有者から立会いの同意を得られたとしても、その所有者が単独で判断してよい状況か、他の関係者から異議が出る可能性がないかを確認する必要があります。境界確定申請を行う側がすべての権利関係を判断することは難しいため、疑問が残る場合は、土地家屋調査士、司法書士、弁護士などの専門家や、申請先窓口に相談しながら進めるのが現実的です。


抵当権者への確認を意識すべきかどうかを考えるときは、境界確認の内容が既存資料と現地を照合して従来どおり確認するものなのか、隣地の認識と異なる境界を示す可能性があるものなのかを分けて考えると整理しやすくなります。前者であれば、通常は所有者との確認で進みやすいです。後者であれば、所有者に対して、抵当権者や売買関係者への説明が必要になる可能性を伝え、関係者間で整理してもらうことが望まれます。


ただし、抵当権者へ直接連絡する場合は、個人情報や守秘の観点にも注意が必要です。申請者側が一方的に抵当権者へ連絡して、隣地所有者の事情を説明することは、相手方との関係を悪化させる可能性があります。まずは隣地所有者に状況を説明し、必要に応じて所有者から抵当権者へ確認してもらう、または専門家を通じて進める形が無難です。


境界確定申請では、全員の不安を完全に取り除くことは難しい場合があります。それでも、抵当権者への確認を意識すべき場面を把握しておけば、危険な見落としを避けやすくなります。抵当権があるという事実だけで一律に複雑化させるのではなく、境界確認の結果が隣地の権利関係や担保価値に影響しそうか、所有者の状況が安定しているか、登記上ほかの制限がないかを見て判断することが大切です。


将来の売買・融資・競売を想定して境界資料を整理する

隣地が抵当権付きの場合、境界確定申請の資料は、現在の申請を通すためだけでなく、将来の説明にも使える状態にしておくことが重要です。抵当権が設定されている土地は、住宅ローンや事業資金の担保となっていることがあり、将来的に売買、借換え、追加融資、担保評価、競売などの場面で土地の境界資料が確認される可能性があります。


境界確定申請の実務では、申請対象地の境界を明確にすることが目的ですが、隣地側から見れば、自分の土地の境界を確認する行為でもあります。特に抵当権付きの土地では、後から関係者が資料を見る可能性があるため、測量成果や立会い記録の根拠が分かりやすいことが大切です。どの公図を使い、どの地積測量図を参照し、どの境界標を確認し、どのような現地状況だったのかを整理しておくと、後日の説明がしやすくなります。


資料整理でまず重要なのは、境界点の根拠を明確にすることです。境界標がある場合は、種類、位置、確認日、周囲の状況を記録します。境界標がない場合は、過去資料、隣接する境界点、構造物の位置、道路や水路の管理資料などを総合して判断することになります。その場合、単に測量図だけを残すのではなく、なぜその位置を境界案として示したのかを説明できるようにしておく必要があります。


次に、隣地所有者への説明内容を記録します。抵当権付きの土地では、所有者が後日、抵当権者や買主候補、親族、法人内の関係部署に説明する場面が出るかもしれません。そのとき、口頭説明だけでは内容が伝わりにくくなります。境界立会い時に使った図面、説明資料、写真、確認した境界点の一覧などを整理し、相手が後から見ても分かる状態にしておくことが望まれます。


また、現地写真は重要な記録になります。境界点、境界標、塀、擁壁、フェンス、舗装、側溝、道路端、水路、建物の位置関係などを、全体写真と近景写真で残しておくと、境界確認時の状況を説明しやすくなります。抵当権付きの隣地では、将来、所有者が変わった後に現地が改変される可能性もあります。写真の撮影日、撮影方向、対象点が分かるように整理しておくと、資料としての使いやすさが高まります。


売買や融資を想定する場合、境界確認の成果がどの範囲までの資料なのかも誤解されないように注意します。境界確認書があるからといって、すべての法的問題が解決するわけではありません。道路境界、民民境界、官民境界、筆界と所有権界の違い、越境物、建築制限、地積更正登記の要否などは、それぞれ別の確認が必要になることがあります。記事や社内資料で説明する場合も、境界確認を行えば必ず売買や融資が円滑に進むと断定せず、必要資料の一つとして位置付ける表現が安全です。


競売や差押えの可能性がある土地では、境界資料の時点管理も重要になります。いつ取得した登記事項証明書なのか、いつ立会いを行ったのか、いつ所有者から確認を得たのかを明確にします。時間が経つほど、所有者、抵当権者、管理状況が変わる可能性が高まります。申請までに期間が空いた場合は、最新の登記情報を再確認し、必要に応じて関係者への説明を更新することが望まれます。


資料整理では、社内での引き継ぎや再確認も意識します。境界確定申請は、調査、測量、立会い、書類作成、申請、補正対応、成果品整理と工程が多く、複数人で対応することがあります。隣地が抵当権付きであることを担当者だけが把握していても、書類作成者や申請担当者に伝わっていなければ、確認漏れが起こります。案件メモやチェックシートに、抵当権の有無、登記取得日、所有者確認状況、注意事項を残しておくと、手続き全体の品質が安定します。


抵当権付きの隣地では、将来の関係者が資料を見る可能性を前提に、見返して分かる資料を作ることが大切です。境界確定申請は現場作業と書類作業が密接に関わる手続きです。現地で確認したことを資料に反映し、資料で示したことを現地写真や立会い記録で裏付ける。この流れを徹底することで、抵当権付き隣地でも説明しやすい申請資料になります。


現地立会いと合意書類の記録を丁寧に残す

境界確定申請で重要な工程の一つが、現地立会いです。隣地が抵当権付きの場合でも、立会いの基本は変わりません。対象地と隣地の関係者が現地で境界点を確認し、図面や資料と照合し、認識に違いがないかを確認します。ただし、抵当権付きの土地では、後から確認経緯を説明する必要が出る可能性があるため、立会い記録をより丁寧に残すことが大切です。


現地立会いでは、まず参加者を正確に記録します。隣地所有者本人が立ち会ったのか、代理人が立ち会ったのか、法人の担当者が立ち会ったのか、親族や使用者が同席しただけなのかを区別します。登記名義人と立会者が異なる場合は、委任状や権限確認が必要になることがあります。抵当権付きかどうか以前に、境界確認の相手が適切でなければ、書類の信頼性が下がります。


次に、立会い時に示した境界点を明確にします。現地でこのあたりですと曖昧に説明するのではなく、境界標、仮杭、鋲、構造物の角、測点番号などを図面と対応させて説明します。境界標が見つからない場合は、見つからない事実も記録します。後日、境界標を復元する場合や新たに設置する場合は、その根拠と隣地所有者の確認状況を残しておくことが重要です。


抵当権付きの隣地では、所有者が境界確認の意味を十分に理解しているかにも配慮します。所有者の中には、抵当権が付いているため自分だけで確認してよいのか不安を感じる人もいます。その場合は、境界確認が土地の売買契約や抵当権抹消手続きそのものではなく、現地境界や資料に基づく確認手続きであることを説明しつつ、抵当権者や関係者への確認が必要と感じる場合は自身で相談してもらうよう促します。申請者側が権利関係について断定的な助言をするのではなく、必要に応じて専門家へ確認する姿勢を取ることが安全です。


合意書類を作成する際は、署名欄や押印欄だけでなく、対象地、隣地、確認した境界点、図面番号、作成日、立会日などを分かりやすく記載します。どの土地とどの土地の境界を確認した書類なのかが曖昧だと、後日使いにくい資料になります。隣地が複数筆に分かれている場合や、同じ所有者が複数の隣接地を持っている場合は、地番の記載間違いに注意が必要です。


また、境界確認書と測量図の対応関係も重要です。書類に添付する図面には、確認した境界点が分かるように表示し、現地で説明した点と書類上の点が一致していることを確認します。抵当権付きの隣地では、後から第三者が書類を見る可能性を考え、図面だけを見ても何を確認したのか理解できる状態にしておくことが望まれます。


立会いの結果、隣地所有者がその場で判断できない場合もあります。たとえば、家族に相談したい、法人内で確認したい、抵当権者に確認したい、過去の資料を探したいという反応があるかもしれません。この場合、急いで署名や押印を求めるのではなく、確認事項と次回対応を記録し、期限や連絡方法を整理します。境界確定申請では、無理にその場で合意を取ろうとすると、後で撤回や再説明が必要になることがあります。


反対に、立会いで異議が出た場合も、感情的に処理しないことが大切です。抵当権付きの土地では、所有者が土地の価値や利用範囲に敏感になっている場合があります。現地の塀や使用状況と資料上の境界が違う場合、すぐに合意できないこともあります。そのようなときは、異議の内容、相手の主張、確認した資料、不足している資料、次に行う調査を記録します。異議がある状態で申請を進められるかどうかは、申請先や手続きの種類によって異なるため、窓口や専門家に確認する必要があります。


合意書類の管理では、原本、写し、電子データの保管も意識します。署名押印済みの書類、添付図面、立会い写真、登記事項証明書、連絡記録を案件ごとに整理しておけば、後日の問い合わせに対応しやすくなります。抵当権付きの隣地では、時間が経ってから新しい所有者や関係者から説明を求められる可能性もあるため、資料の所在が分からなくならないようにすることが重要です。


境界確定申請は、現地での合意形成と書類での記録が両輪です。抵当権付きの隣地では、所有者以外の関係者が将来関わる可能性を見据え、立会いの参加者、説明内容、確認点、合意の範囲を丁寧に残すことで、手戻りやトラブルを防ぎやすくなります。


抵当権付き隣地の境界確定申請で手戻りを防ぐ進め方

隣地が抵当権付きの場合でも、境界確定申請を必要以上に難しく考える必要はありません。大切なのは、通常の境界確認の基本を崩さず、抵当権があることによって追加で注意すべき点を見落とさないことです。所有者確認、登記確認、立会い、資料整理、合意書類の作成を順序立てて行えば、多くの案件では落ち着いて進めることができます。


手戻りを防ぐためには、最初の調査段階で隣地の登記情報を確認し、所有者と抵当権の有無を把握することが重要です。境界立会いの直前になって抵当権や差押えの存在に気付くと、関係者への説明や社内確認が後手に回ります。対象地の周辺調査を行う段階で、隣接地ごとに所有者、地番、権利関係、連絡先の確認状況を整理しておくと、後工程が安定します。


次に、隣地所有者への依頼文や説明内容を丁寧に整えます。境界確定申請の目的、立会いで確認する内容、当日見てもらう境界点、必要な書類、所要時間の目安などを分かりやすく伝えます。抵当権付きの土地であることを申請者側から過度に強調する必要はありませんが、所有者から不安を示された場合に、境界確認の趣旨を説明できる準備をしておくことが大切です。


また、社内の判断基準をそろえることも有効です。抵当権があるだけなら通常の所有者確認で進めるのか、差押えがある場合は専門家に確認するのか、所有者と立会者が異なる場合は委任状を求めるのか、売却予定がある場合は追加確認を促すのかなど、あらかじめ対応方針を決めておくと、担当者ごとの判断ばらつきを減らせます。境界確定申請は案件ごとの個別性が高いため、すべてを一律に処理することはできませんが、確認の抜け漏れを防ぐ型を持つことは重要です。


現地では、境界点を確認するだけでなく、隣地所有者がどのように認識しているかを聞き取ります。過去に測量したことがあるか、以前の所有者から境界について説明を受けているか、塀や擁壁を設置した経緯があるか、越境について認識があるかなど、現地でしか分からない情報があります。抵当権付きの土地では、所有者が将来の売買や融資を意識している場合もあるため、境界に関する不安や疑問を早めに把握することが手戻り防止につながります。


書類作成では、断定しすぎない表現にも注意します。境界確認書や説明文で、実際に確認した範囲を超えて問題がない、将来も争いが起きない、抵当権者にも影響がないといった表現を使うのは避けたほうが安全です。確認したのはどの境界点か、誰が立ち会ったのか、どの図面に基づくのかを明確にすることが大切です。必要以上に広い保証のような表現を入れると、後日の説明責任が重くなる可能性があります。


さらに、申請先ごとの運用差にも注意が必要です。官民境界、民民境界、道路境界、水路境界、公共用地との境界など、境界確定申請といっても関係する窓口や必要書類は異なります。自治体や管理者によって、隣接地所有者の同意書式、添付図面、印鑑書類、委任状、立会い方法が異なることがあります。隣地が抵当権付きであること自体よりも、申請先の書式や添付資料の不足で補正になることもあるため、事前確認を怠らないことが大切です。


抵当権付きの隣地では、関係者が増える可能性があるからこそ、記録の一元管理も重要です。登記情報、現地写真、測量図、立会い記録、所有者との連絡履歴、確認書類、申請先とのやり取りをまとめておけば、問い合わせや補正に対応しやすくなります。特に現場写真や境界点の記録は、時間が経つほど価値が高まります。現地状況が変わってからでは、立会い時の状態を再現しにくいためです。


まとめると、隣地が抵当権付きの場合の確認事項は、所有者を正しく確認すること、登記事項証明書で権利関係を把握すること、抵当権者への確認を意識すべき場面を見極めること、将来の売買や融資を想定して資料を整理すること、現地立会いと合意書類の記録を丁寧に残すことです。抵当権があるからといって境界確定申請が必ず止まるわけではありませんが、権利関係が後から問題にならないよう、確認と記録を積み重ねることが大切です。


現場での境界確認や申請準備を効率よく進めるには、写真、位置情報、メモ、測点ごとの記録をその場で整理できる仕組みも役立ちます。特定の製品名やサービス名だけに頼らず、登記情報、現地写真、測量データ、立会い記録、申請先とのやり取りを案件ごとに整理できる運用を整えておくと、抵当権付き隣地を含む境界確定申請でも、説明不足や手戻りを防ぎやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page