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出来形管理の数量集計で二重計上を防ぐ5つの照合方法

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

出来形管理では、測定結果を正しく記録するだけでなく、その数量を過不足なく集計し、設計数量、施工数量、出来形数量、検査資料の整合を取ることが重要です。現場では、同じ施工範囲を別の管理項目で再度集計してしまったり、変更後の数量と変更前の数量が混在したり、測点名や区間名の揺れによって同一箇所を別箇所として扱ってしまったりすることがあります。こうした二重計上は、出来形管理資料の信頼性を下げるだけでなく、確認作業の手戻り、協力会社への再確認、検査前の修正作業にもつながります。


本記事では、出来形管理の数量集計で二重計上を防ぐために、実務で使いやすい5つの照合方法を解説します。測点、図面、写真、日報、集計表をどのように結び付けるかを整理し、現場担当者が迷わず確認しやすい流れをまとめます。


目次

出来形管理の数量集計で二重計上が起きる主な原因

照合方法1:施工範囲と管理単位を先に固定する

照合方法2:測点名・区間名・部位名を統一して照合する

照合方法3:図面数量と実測数量を分けて確認する

照合方法4:写真・日報・出来形表を横断して確認する

照合方法5:変更数量と控除数量を履歴で追跡する

数量集計を属人化させないための運用ポイント

まとめ:出来形管理の数量集計は照合ルールの標準化で安定する


出来形管理の数量集計で二重計上が起きる主な原因

出来形管理における数量集計は、単に測定値を足し合わせる作業ではありません。施工範囲、管理項目、設計図面、変更指示、現場写真、日々の施工記録をつなげながら、どの数量を正式な出来形として扱うのかを判断する作業です。そのため、集計の前提が曖昧なまま作業を進めると、同じ数量を別の名称で重複して拾ってしまうことがあります。


二重計上が起きやすい代表的な場面は、施工範囲の境界が曖昧なときです。たとえば、道路工事や造成工事では、区間ごと、工種ごと、層ごと、施工日ごとに数量を整理することがあります。このとき、ある区間の終点と次の区間の起点が重なっていたり、仮設範囲と本設範囲の境界が明確でなかったりすると、同じ部分を両方の集計に含めてしまう可能性があります。出来形管理では、測定した事実そのものは正しくても、集計範囲の切り方が不明確であれば、最終数量に誤差が生じます。


次に多いのが、管理単位の違いによる重複です。延長で管理する項目、面積で管理する項目、体積で管理する項目、個数で管理する項目が同じ施工対象に関連している場合、どの数量が出来形数量で、どの数量が補助的な確認数量なのかを区別しておく必要があります。補助的に拾った数量を正式数量として再度集計すると、意図せず二重計上になることがあります。特に、面積から体積を算出する場合や、延長に幅を掛けて面積を求める場合は、元となる数量と計算後の数量の関係を明確にしておかなければなりません。


また、現場変更が多い工事では、変更前数量と変更後数量の混在も問題になります。設計変更、施工範囲の追加、取りやめ、再施工、部分撤去などが発生すると、当初の数量表に追記するだけでは管理しきれなくなります。古い数量を残したまま新しい数量を足してしまうと、実際には置き換えられた数量まで含めて集計してしまいます。出来形管理で重要なのは、追加された数量だけでなく、控除すべき数量を同時に確認することです。


さらに、測点名や区間名の表記揺れも二重計上の原因になります。同じ場所を、現場では略称で呼び、図面では正式名称で記載し、写真台帳では別の表記を使っている場合があります。人が見れば同じ場所だと分かる場合でも、集計表では別項目として扱われることがあります。これにより、同じ出来形が複数行に分かれて入力され、合計時に重複することがあります。


出来形管理の数量集計で二重計上を防ぐには、集計後に合計値だけを見るのでは不十分です。集計前に範囲、単位、名称、根拠資料、変更履歴をそろえ、集計中に重複の兆候を確認し、集計後に別の資料と照合する流れが必要です。ここからは、実務で取り入れやすい5つの照合方法を順番に解説します。


照合方法1:施工範囲と管理単位を先に固定する

数量集計の二重計上を防ぐ最初の方法は、施工範囲と管理単位を先に固定することです。出来形管理では、どこからどこまでを一つの数量として扱うのか、どの単位で集計するのかが明確でなければ、後からいくら測定値を確認しても整合が取りにくくなります。集計作業に入る前に、範囲と単位をそろえることが基本的な対策です。


施工範囲を固定する際は、図面上の範囲だけでなく、現場で実際に施工した範囲との対応を確認します。図面では一つの工区として描かれていても、現場では日ごとに分けて施工していることがあります。逆に、図面では複数の区間に分かれていても、現場では連続して施工していることもあります。このような違いを整理せずに数量を集計すると、日報ベースの数量と図面ベースの数量が重なり、どちらを採用したのか分からなくなります。


管理単位についても、集計前に明確にしておく必要があります。たとえば、同じ構造物でも、出来形管理では延長、幅、厚さ、高さ、面積、体積、個数など、複数の単位が関係します。すべての数値を同列に集計表へ入れてしまうと、確認用の数値と出来形数量として扱う数値が混在します。数量集計では、正式に合計する単位と、品質確認や寸法確認のために記録する単位を分けて管理することが大切です。


施工範囲を固定する実務上のポイントは、起点と終点を明確にすることです。延長管理であれば測点や距離標、構造物番号、区画番号などを使い、重複しない範囲に分割します。面積や体積を扱う場合は、平面範囲と高さ方向の範囲を分けて確認します。高さ方向の範囲を曖昧にすると、掘削、盛土、基礎、路盤、仕上げなどの数量が重なって見えることがあります。各層を別々に管理するのか、完成断面としてまとめるのかを決めておくことで、後の照合が進めやすくなります。


また、施工範囲を区切るときは、境界部分の扱いを決めておくことも重要です。区間を分ける場合、境界の測点を前の区間に含めるのか、次の区間に含めるのかを統一しておかなければなりません。両方に含めると二重計上になり、どちらにも含めないと数量漏れになります。現場ではわずかな境界の違いに見えても、延長や面積が大きい工事では最終数量に影響することがあります。


集計表を作るときは、施工範囲を一意に識別できる項目を設けると効果的です。工区、工種、測点、区間、部位、施工日などを組み合わせて、同じ範囲が重複して入力されていないか確認できるようにします。単に名称だけで管理するのではなく、範囲を特定できる情報を複数持たせることで、人による確認もしやすくなります。


出来形管理では、測定結果が正しくても、どの範囲に属する測定結果なのかが曖昧だと、数量集計の信頼性は下がります。二重計上を防ぐには、集計作業の前に施工範囲と管理単位を固定し、その前提を関係者で共有することが欠かせません。範囲と単位がそろっていれば、その後の測点照合、図面照合、写真照合、変更履歴の確認も進めやすくなります。


照合方法2:測点名・区間名・部位名を統一して照合する

二重計上を防ぐ2つ目の方法は、測点名、区間名、部位名を統一して照合することです。出来形管理では、同じ場所を複数の資料で扱います。図面、測定記録、写真台帳、日報、数量表、協力会社の提出資料などに同じ場所が登場しますが、それぞれの表記が少しずつ違うと、同一箇所か別箇所かを判断しにくくなります。この表記揺れが、数量集計における二重計上の大きな原因になります。


たとえば、ある区間を図面では正式な測点で表し、現場写真では略称で記載し、日報では施工班が使っている呼び名で記録している場合があります。担当者が内容を理解していれば問題なく見えるかもしれませんが、検査資料をまとめる段階や、別の担当者が引き継いだ段階では、同じ場所が別々の項目として扱われる可能性があります。出来形管理の数量集計では、名称の統一は単なる見た目の整理ではなく、数量の重複を防ぐための基本作業です。


測点名を統一する際は、正式な基準を一つ決めます。図面上の測点、発注者との協議で使う測点、社内管理で使う測点がある場合は、どれを主キーとして扱うのかを決めます。主キーとは、同じ箇所を一意に識別するための基準となる情報です。実務では、測点に加えて工区、工種、構造物番号、部位名などを組み合わせることで、より確実に識別できます。


区間名については、起点と終点の表記を統一することが重要です。ある資料では「起点から終点」、別の資料では「終点から起点」のように逆向きで記載されていると、同じ区間なのか隣接区間なのか分かりにくくなります。区間名は、同じ方向、同じ表記、同じ桁数で管理するのが望ましいです。数字や記号の表記も統一します。全角と半角、ハイフンの有無、ゼロ埋めの有無が混在すると、集計表上では別の文字列として扱われることがあります。


部位名の統一も見落とせません。構造物や土工、舗装、排水、基礎、擁壁などでは、現場ごとに部位の呼び方が異なることがあります。たとえば、同じ箇所を「基礎部」「下部」「底版」「ベース」などと呼び分けていると、数量集計時に重複する可能性があります。出来形管理では、測定対象の名称を現場内で統一し、図面、写真、測定表、数量表で同じ表記を使うことが大切です。


名称統一の実務では、変換表を作ると効果的です。正式名称、現場での略称、図面番号、写真台帳の表記、日報の表記を対応させておくことで、資料間の照合がしやすくなります。特に、協力会社ごとに独自の呼び方がある場合は、提出資料を受け取った段階で正式名称に置き換える運用が必要です。後からまとめて修正しようとすると、どの項目が同じ場所を指しているのか確認する手間が大きくなります。


また、測点や部位の名称を統一するだけでなく、廃止した名称を使い続けないことも重要です。設計変更や施工範囲の変更で区間名が変わった場合、旧名称を残したまま新名称を追加すると、同じ範囲が二つの名称で存在します。この状態で数量を合計すると、重複に気づきにくくなります。名称変更があった場合は、旧名称を履歴として管理し、集計対象には有効な名称だけを使うようにします。


出来形管理の数量集計では、名称がそろっていれば、重複の発見がしやすくなります。同じ測点、同じ区間、同じ部位が複数行に出てきた場合、すぐに確認できます。一方、名称がばらばらだと、見た目には別項目に見えるため、重複が集計後まで残りやすくなります。数量集計を正確に行うためには、測定精度だけでなく、名称管理の精度も重要です。


照合方法3:図面数量と実測数量を分けて確認する

二重計上を防ぐ3つ目の方法は、図面数量と実測数量を分けて確認することです。出来形管理では、設計図面から拾った数量と、現場で測定した数量の両方を扱います。図面数量は計画や設計上の基準を示し、実測数量は実際に施工された結果を示します。この2つを区別せずに同じ集計表へ混在させると、同じ対象を図面由来と実測由来の両方で計上してしまうことがあります。


図面数量は、設計寸法や標準断面、数量計算書などから算出されます。一方、実測数量は、出来形測定、現地確認、測量成果、写真記録などをもとに整理されます。工事内容によっては、図面数量を基準にして出来形を確認する場合もあれば、実測数量をもとに出来形数量を確定する場合もあります。どちらを正式な数量として採用するのかを明確にしなければ、集計時に重複が発生します。


特に注意が必要なのは、図面数量を仮集計として使い、その後に実測数量へ置き換える場合です。集計表に当初の図面数量を入力し、後から現場測定の数量を追記するだけでは、図面数量と実測数量が両方残ることがあります。これは、出来形管理資料を作成する過程で起きやすいミスです。仮数量を正式数量に置き換える場合は、古い数量を控除するのか、参考値として別欄に残すのかを決めておく必要があります。


図面数量と実測数量を分けるには、集計表の中で数量の種別を明記します。設計数量、変更設計数量、施工予定数量、実測数量、出来形確定数量など、数量の意味を分けて管理します。これにより、どの数量を合計対象にするのか、どの数量は照合用なのかが明確になります。単に数値だけを並べるのではなく、その数値がどの段階の数量なのかを示すことが重要です。


また、図面数量を確認するときは、拾い出し範囲と計算条件を合わせて確認します。図面上では同じ部位に見えても、数量計算では控除対象や対象外範囲が含まれていることがあります。開口部、重複する構造物、施工しない範囲、別工種で計上する範囲などがある場合、図面数量をそのまま出来形数量として扱うと、重複や過大計上につながります。出来形管理では、図面に描かれているかどうかだけでなく、どの数量区分に含めるのかを確認する必要があります。


実測数量を確認するときは、測定方法と計算方法の関係を明確にします。測定値から面積や体積を算出する場合、計算過程の中で同じ測定値を複数回使っていないかを確認します。たとえば、同じ断面を複数の区間計算に使う場合や、同じ測量成果から複数の数量を算出する場合は、計算範囲が重なっていないかを確認することが大切です。実測値は現場の実態に近い反面、処理方法によっては重複を見落とす可能性があります。


図面数量と実測数量を照合する際は、差分を見るだけでなく、差分が発生した理由を確認します。差があるからといってすぐに誤りとは限りません。施工変更、現場条件、出来形寸法の範囲内の変動、控除範囲の違いなどが理由になることがあります。しかし、差分の理由が説明できない場合は、二重計上や数量漏れの可能性があります。差分の根拠を記録しておくことで、検査前の確認や社内レビューがしやすくなります。


図面数量と実測数量を同じ表で管理する場合でも、合計欄を分けることが重要です。設計との比較に使う欄、出来形として採用する欄、参考値として残す欄を分けておけば、誤って参考数量を合計に含めるリスクを減らせます。出来形管理の数量集計では、数値そのものよりも、その数値の役割を正しく管理することが、二重計上防止の鍵になります。


照合方法4:写真・日報・出来形表を横断して確認する

二重計上を防ぐ4つ目の方法は、写真、日報、出来形表を横断して確認することです。出来形管理では、数量表だけを見ていても、重複に気づけないことがあります。数量が正しく見えても、実際には同じ施工範囲を別の日報で重ねて記録していたり、同じ写真を複数の部位の根拠として使っていたりする場合があります。数量集計の妥当性を確認するには、数量表以外の資料と照合することが欠かせません。


写真は、出来形の根拠を示す重要な資料です。測定状況、施工完了状況、寸法確認、出来形確認の様子などが記録されます。しかし、写真の整理が不十分だと、同じ写真が複数の集計項目に紐づいたり、同じ場所を別の名称で登録したりすることがあります。写真台帳を見ると、同じ背景、同じ測定器、同じ位置関係の写真が別項目に入っている場合があります。このような写真は、数量重複の手がかりになります。


日報は、施工した日、施工班、施工範囲、施工量を確認する資料です。出来形表の数量が日報上の施工範囲と合わない場合、二重計上や漏れが起きている可能性があります。たとえば、ある日の施工範囲が次の日の日報にも含まれている場合、実際には仕上げや確認作業だけだったのか、それとも同じ数量を再度記録してしまったのかを確認する必要があります。日報は現場の時系列を示すため、数量の重複を発見するうえで有効です。


出来形表は、測定結果や規格値、管理値、判定結果を整理する資料です。出来形表では、測点ごとの寸法や数量が整って見えますが、測点の重複や範囲の重なりは、表だけでは分かりにくい場合があります。そのため、出来形表の各行が、どの写真、どの日報、どの図面範囲に対応しているのかを確認します。対応関係が不明な行は、後から確認が必要な項目として扱うべきです。


横断照合を行う際は、まず数量表の各行に根拠資料を紐づけます。どの写真で確認できるのか、どの日報に施工記録があるのか、どの出来形表に測定値があるのかを整理します。根拠資料が複数あること自体は問題ではありませんが、同じ根拠資料が別の数量行に使われている場合は注意が必要です。同じ写真や同じ日報が複数行に関係する場合、それが正当な分割なのか、重複なのかを確認します。


写真と日報を照合する際は、施工日の一致だけでなく、施工範囲の一致を見ることが大切です。写真撮影日と施工日がずれていることはありますが、範囲が一致していなければ、数量の根拠として弱くなります。特に、検査前にまとめて写真を整理した場合、似たような写真を別の測点に割り当ててしまうことがあります。撮影位置、黒板や記録表示、背景、周辺構造物などを確認し、数量表の範囲と対応しているかを見ます。


日報と出来形表を照合する際は、施工量と測定数量の関係を確認します。日報上の施工量が出来形表の数量と完全に一致する必要はありませんが、大きく異なる場合は理由を確認する必要があります。日報は概算で、出来形表は実測値である場合もあります。この場合は差分が出ても自然ですが、同じ施工範囲が複数の日報にまたがっている場合は、重複して集計していないかを確認します。


写真、日報、出来形表を横断して確認することで、数量表だけでは見えない重複を発見できます。出来形管理では、資料ごとに目的が異なります。写真は視覚的な根拠、日報は時系列の記録、出来形表は測定結果の整理、数量表は合計の管理です。それぞれを別々に作るだけでなく、互いに矛盾がないかを確認することで、数量集計の精度が高まります。


照合方法5:変更数量と控除数量を履歴で追跡する

二重計上を防ぐ5つ目の方法は、変更数量と控除数量を履歴で追跡することです。出来形管理の数量集計では、当初設計どおりに施工が進むとは限りません。現場条件の違い、設計変更、施工方法の見直し、追加施工、取りやめ、再施工などにより、数量は途中で変わります。このとき、追加数量だけを記録し、控除数量を整理しないままにすると、重複や過大計上が発生しやすくなります。


変更数量を管理する際に重要なのは、変更前、変更後、増減、確定数量を分けて記録することです。変更があった場合、単に新しい数量を追加するのではなく、元の数量がどう扱われるのかを明確にします。元の数量に追加するのか、元の数量を置き換えるのか、元の数量の一部を控除するのかによって、集計結果は大きく変わります。出来形管理では、変更後の数量だけを見ても、正しい合計になっているか判断できません。


控除数量は、二重計上を防ぐうえで特に重要です。追加数量は目立つため記録されやすい一方で、控除数量は見落とされやすい傾向があります。たとえば、施工範囲が広がった場合、追加範囲の数量は集計されますが、設計変更によって不要になった範囲の数量が残ったままになることがあります。また、再施工が発生した場合、撤去前の数量と再施工後の数量を両方とも出来形として扱ってしまうと、実際の完成数量を超えてしまいます。


変更履歴を追跡するには、変更の理由と根拠を記録することが必要です。いつ、誰が、どの範囲について、どのような変更を確認したのかを残します。口頭の指示や現場判断だけで数量表を修正すると、後から理由を説明できなくなります。出来形管理資料は、検査や社内確認の場で説明できることが重要です。変更数量には、図面の改訂、協議記録、現場確認記録、施工指示、測定結果などの根拠を紐づけておくと安心です。


変更数量の照合では、履歴を時系列で確認します。最初の設計数量、一次変更、二次変更、現場調整、最終出来形の流れを追うことで、どの数量が現在有効なのかが分かります。複数回の変更がある場合、古い変更数量が残っていると、最新数量と重複する可能性があります。変更履歴を時系列で管理しておけば、最新の有効数量だけを集計対象にしやすくなります。


また、変更範囲が部分的な場合は、全体数量と部分数量の関係を確認します。全体数量を更新したうえで、さらに部分追加数量を足してしまうと二重計上になります。逆に、部分数量だけを更新し、全体数量の中に古い数量が残っている場合もあります。変更が全体の置き換えなのか、部分追加なのか、部分控除なのかを明確にしておくことが大切です。


再施工や手直しが発生した場合も注意が必要です。出来形管理では、最終的に完成した状態を確認することが基本です。手直し前の数量を参考記録として残すことはありますが、出来形数量として合計に含めるかどうかは慎重に判断する必要があります。手直し前後の数量を両方とも合計すると、実際より多く計上されます。再施工がある場合は、旧数量を無効扱いにするのか、控除として処理するのかを明確にします。


変更数量と控除数量を履歴で追跡できれば、数量集計の説明力が高まります。単に最終合計を示すだけでなく、どのような変更を経てその数量になったのかを説明できます。出来形管理の数量集計では、正しい数字を出すことに加えて、その数字に至る過程を確認できる状態にしておくことが重要です。


数量集計を属人化させないための運用ポイント

出来形管理の数量集計で二重計上を防ぐには、担当者の注意力だけに頼らない運用が必要です。経験豊富な担当者であれば、図面や現場状況を見て重複に気づけることもあります。しかし、工事が複雑になり、関係者が増え、資料の種類が多くなるほど、個人の記憶や感覚だけで管理するのは難しくなります。数量集計を安定させるには、誰が作業しても同じ確認ができる仕組みを作ることが大切です。


まず必要なのは、集計表の入力ルールを標準化することです。工区名、測点名、部位名、単位、数量種別、根拠資料、変更履歴など、必要な項目をあらかじめ決めておきます。担当者ごとに自由な形式で入力すると、同じ意味の項目が複数の表記で存在し、照合が難しくなります。入力欄を固定し、表記ルールを統一することで、重複確認がしやすくなります。


次に、集計対象と参考情報を分けることが重要です。出来形管理では、確認のために多くの数値を扱います。測定値、設計値、許容差、補助寸法、写真番号、施工量、参考数量などです。これらをすべて合計対象として扱うと、重複の原因になります。正式な出来形数量として合計する欄と、照合のために参照する欄を分けておけば、誤って参考値を合計に含めるリスクを減らせます。


確認者を分けることも有効です。集計した本人だけで確認すると、同じ前提のまま見てしまい、ミスに気づきにくいことがあります。別の担当者が、施工範囲、測点、図面、写真、日報、変更履歴の観点で確認することで、重複や漏れを発見しやすくなります。確認者は単に合計値を見るのではなく、どの数量がどの根拠に基づいているのかを追えるかどうかを確認します。


数量集計の締め作業では、重複チェック専用の確認時間を設けることも大切です。検査資料の作成直前は、写真整理や書類整備に追われ、数量の重複確認が後回しになりがちです。早い段階で暫定数量を整理し、施工が進むたびに更新していけば、最後に大きな手戻りが発生しにくくなります。出来形管理は、完了後にまとめて整理するよりも、日々の記録と連動させたほうが精度が高まります。


また、変更が発生したときの処理ルールを決めておくことも重要です。変更数量を追記するだけなのか、既存数量を修正するのか、控除行を追加するのか、履歴欄に残すのかを現場で統一します。変更時のルールが決まっていないと、担当者によって処理方法が変わり、後から照合しにくくなります。特に、追加と控除は必ずセットで確認する運用にしておくと、二重計上の防止につながります。


数量集計を属人化させないためには、資料の保管場所と最新版の管理も欠かせません。古い図面、修正前の数量表、未確認の日報、差し替え前の写真台帳が混在していると、どれを正とするのか分からなくなります。最新版を明確にし、過去版は履歴として扱うことで、古い数量を誤って集計に使うリスクを減らせます。


現場では、すべてを完璧に管理しようとすると運用が重くなります。そのため、二重計上に直結しやすい項目から優先して標準化するのが現実的です。施工範囲、測点名、数量種別、変更履歴、根拠資料の5つを最低限そろえるだけでも、数量集計の確認は進めやすくなります。出来形管理の目的は、書類を増やすことではなく、現場の実態を正確に説明できる状態にすることです。


まとめ:出来形管理の数量集計は照合ルールの標準化で安定する

出来形管理の数量集計で二重計上を防ぐには、集計後の合計値だけを確認するのではなく、集計前の前提づくりから整えることが大切です。施工範囲と管理単位を固定し、測点名や区間名を統一し、図面数量と実測数量を分け、写真や日報と横断して確認し、変更数量と控除数量を履歴で追跡する。この一連の流れを押さえることで、同じ数量を重複して拾うリスクを減らしやすくなります。


二重計上は、単純な足し算の間違いだけで起きるものではありません。範囲の境界が曖昧なとき、名称が揺れているとき、図面数量と実測数量が混在しているとき、変更前後の数量が整理されていないときに発生します。つまり、数量集計のミスは、集計表の中だけでなく、現場記録、図面管理、写真整理、変更管理のつながりの中で起きます。


実務では、担当者が忙しいほど、分かっているつもりの範囲や名称をそのまま使ってしまいがちです。しかし、出来形管理資料は、作成者だけでなく、確認者、管理者、発注者、検査担当者など、複数の人が見る資料です。誰が見ても同じ施工範囲、同じ数量、同じ根拠をたどれる状態にしておくことが、信頼できる数量集計につながります。


数量集計を安定させるためには、現場ごとに照合ルールを決め、日々の記録段階から統一しておくことが重要です。測点名の付け方、写真との紐づけ方、変更数量の扱い方、控除数量の記録方法を標準化しておけば、検査前に慌てて確認する負担を減らせます。出来形管理は、後から帳尻を合わせる作業ではなく、施工の進行に合わせて根拠を積み上げる作業です。


今後は、現場で取得した測位情報、写真、測量成果、出来形記録を一体で扱う運用も重要になります。紙や表計算だけで整理していると、測点名の揺れや写真との紐づけ漏れが起きやすくなる場合があります。現場で記録した位置情報と数量根拠を早い段階で結び付けられれば、二重計上の確認も進めやすくなります。出来形管理の数量集計をより確実に行うには、施工範囲、名称、根拠資料、変更履歴をつなげて確認できる運用を整えることが大切です。


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