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88条申請で山留め工事は対象?掘削深さ別の確認ポイント

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

88条申請で山留め工事が対象になるかどうかは、山留めという工種名だけで一律に決まるものではありません。実務で88条申請と呼ばれるものは、労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出を指す通称です。山留め工事を確認するときは、掘削の高さまたは深さ、地山の掘削に該当するか、掘削面の下方に労働者が立ち入るか、土止め支保工の作業を伴うか、工事全体に別の届出対象が含まれるかを順番に確認する必要があります。


特に注意したいのは、掘削の高さまたは深さが10m以上である地山の掘削です。これは、一定の除外条件を確認したうえで、労働安全衛生法第88条に基づく建設工事・土石採取計画届の対象として確認すべき代表的な条件です。ただし、10m未満であれば安全管理が不要になるわけではありません。2m以上の地山掘削では作業主任者の選任が関係しやすくなり、土止め支保工の切りばりや腹おこしの取付け、取り外しを行う場合にも別途確認すべき事項があります。


この記事では、山留め工事と88条申請の関係を、掘削深さ別に整理します。最終判断は現場条件、所轄労働基準監督署の運用、設計内容によって変わるため、届出要否が微妙な案件では早めに所轄や安全衛生の専門担当へ確認する前提で読んでください。


目次

山留め工事と88条申請の関係を先に整理する

対象判断の中心は山留めの名称ではなく地山掘削の条件

掘削深さ2m未満で確認したいポイント

掘削深さ2m以上5m未満で確認したいポイント

掘削深さ5m以上10m未満で確認したいポイント

掘削深さ10m以上で確認すべき88条申請の要否

山留め計画で申請前に整理する書類と現場情報

対象外と思い込みやすい山留め工事の注意点

実務担当者が迷わない社内確認フロー

まとめ:山留め工事は深さと立入りと地山条件で確認する


山留め工事と88条申請の関係を先に整理する

山留め工事とは、掘削した地盤が崩れないように、土圧や水圧に対して支える仮設構造を設ける工事を指します。建築の地下階、擁壁基礎、橋台、ポンプ場、立坑、管路、深いピット、既設構造物に近接する掘削などで必要になることが多く、現場内の労働災害防止だけでなく、隣地、道路、埋設物、既設建物への影響管理にも関係します。


一方、88条申請という言葉は、実務上の通称であり、正確には労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出です。建設現場では、一定の機械や仮設物に関する届出、一定規模以上の建設工事に関する計画届などが、まとめて88条申請と呼ばれることがあります。そのため、山留め工事の話をしているつもりでも、実際には地山掘削としての建設工事・土石採取計画届なのか、土止め支保工として作業主任者や点検を確認すべきなのか、工事全体の別要件で届出が必要なのかが混ざりやすくなります。


山留め工事が88条申請の対象かを確認するときは、山留めがあるから必ず届出が必要、浅い掘削だから必ず不要、と決めつけないことが重要です。山留めの有無は重要な安全管理情報ですが、届出の対象判断では、まず法令上の対象となる仕事に該当するかを見ます。地山掘削であれば、掘削の高さまたは深さが10m以上かどうか、ずい道等の掘削や岩石採取のための掘削に当たらないか、掘削機械を用いる作業で掘削面の下方に労働者が立ち入らないものとして整理できるかを確認します。


現場担当者が注意したいのは、88条申請の対象外であっても、安全計画が不要になるわけではないという点です。浅い掘削でも、軟弱地盤、湧水、雨水、振動、既設構造物の荷重、近接施工、埋設物の露出などがあれば、崩壊や沈下のリスクは十分にあります。つまり、88条申請は届出が必要な規模かを確認する入口であり、山留め工事として安全に施工できるかは、施工計画、作業手順、点検、立入管理、計測管理で別途詰める必要があります。


対象判断の中心は山留めの名称ではなく地山掘削の条件

88条申請で山留め工事を確認するとき、最も大きな分岐になるのは、山留め工事という名称ではなく、地山の掘削に該当するかどうかです。地山は、一般に自然のままの地盤を指す実務用語として扱われます。造成済みの盛土、埋戻し土、既設構造物内部の土砂、仮置き土の掘削などは、現場の実態や作業目的によって確認が必要になるため、単に土を掘る作業だというだけで同じ扱いにしてはいけません。


たとえば、地下構造物を造るために自然地盤を掘り下げ、その側面を山留め壁や支保工で支える場合は、地山掘削として確認するのが自然です。反対に、建物内部の堆積土を撤去する作業や、すでに構築された躯体内の一部を清掃するような作業は、地山掘削とは性質が異なる場合があります。もちろん、労働者が崩壊や土砂落下にさらされる危険があれば安全対策は必要ですが、88条申請の対象判断では、作業の法令上の位置づけを丁寧に確認します。


もう一つの中心は、掘削の高さまたは深さです。実務では深さだけに目が向きがちですが、法面や切土では高さが問題になることもあります。底面から地表までの鉛直距離、段切りがある場合の各掘削面、局所的に深くなるピット、立坑、釜場、集水ます、設備基礎など、最大値をどう捉えるかが重要です。図面上の平均深さではなく、実際に施工中に到達する最大の掘削高さまたは深さを確認します。


また、労働者が掘削面の下方に立ち入るかも見落とせません。法令上、10m以上の地山掘削であっても、掘削機械を用いる作業で掘削面の下方に労働者が立ち入らないものは、対象範囲から除かれます。ただし、現場では測量、床付け確認、山留め部材の点検、支保工の取付け、湧水処理、埋設物確認、配筋、型枠、コンクリート打設などで人が入る場面が発生しがちです。計画上は立ち入らないつもりでも、実施工で入るなら、対象判断も安全計画も変わります。


掘削深さ2m未満で確認したいポイント

掘削深さが2m未満の場合、現場感覚では浅いから大きな届出は関係ないと判断されやすい領域です。実際、88条申請の地山掘削の代表的な基準である10m以上には届きません。しかし、浅い掘削であっても、山留め工事や土止めを軽視してよいという意味ではありません。特に、狭い溝、管路、既設基礎の際、道路際、隣地境界、雨水が集まりやすい低地、埋設物が多い場所では、深さだけでは危険性を評価しきれません。


2m未満の掘削では、まず人が入るのか、掘削面がほぼ鉛直なのか、土質が崩れやすいのかを確認します。作業員が溝内や掘削底に入らず、機械作業だけで完結するならリスクは比較的整理しやすくなります。一方で、配管接続、墨出し、床付け、写真撮影、検測、手直しなどで人が入る場合は、たとえ短時間でも掘削面の崩壊や土砂落下を受ける可能性があります。短時間だから安全という判断は危険です。


また、山留めが不要に見える浅い掘削でも、地盤条件によっては土留めや勾配確保が必要になることがあります。砂質土、緩い埋戻し土、含水した土、湧水のある地盤、車両や資材の上載荷重が近い場所では、掘削面が急に崩れることがあります。掘削肩に残土や資材を置く、重機を近づける、降雨後にそのまま作業を再開する、といった運用も危険を大きくします。


この深さ帯で大切なのは、88条申請の対象外かどうかだけで終わらせず、判断記録を残すことです。最大掘削深さ、土質の見立て、湧水の有無、近接構造物、作業員の立入り、土止めの要否、残土置場、重機走行位置、雨天時の中止判断を施工前に整理しておくと、後からなぜその山留め方法にしたのかを説明しやすくなります。浅い掘削ほど書類が簡略化されがちですが、事故が起きた場合には、浅いことよりも危険を予見していたかどうかが問われます。


掘削深さ2m以上5m未満で確認したいポイント

掘削深さが2m以上になると、山留め工事の確認は一段階重くなります。ここで注意したいのは、88条申請の10m基準とは別に、掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削作業では作業主任者の選任が関係することです。深さが10m未満で届出対象にならない見込みであっても、現場の作業体制として地山の掘削作業主任者を確認する必要があります。


この深さ帯では、作業員が掘削底に立ったとき、掘削面の崩壊が人の胸や頭部に及ぶ規模になりやすくなります。土砂は少量でも重く、崩壊時には退避が難しいため、すぐ終わる作業、一人だけ入る作業、写真を撮るだけの作業でも、立入り管理を曖昧にしないことが重要です。山留めを設ける場合は、部材の設置順序、支保工の間隔、切りばりの位置、腹おこしの固定、掘削と支保のタイミングを、工程と一体で整理します。


2m以上5m未満の掘削では、法面勾配で安定させるのか、土止めで支えるのか、または両方を組み合わせるのかを早めに決める必要があります。敷地に余裕があれば勾配を取る選択肢がありますが、都市部や既設構造物近接では、十分な法面を確保できないことが多くなります。その場合、山留め壁や簡易な土止めを検討することになりますが、仮設だからといって経験則だけで決めるのは危険です。


この深さ帯でよくある見落としは、掘削完了時だけを見て計画することです。実際には、一次掘削、山留め設置、二次掘削、支保工取付け、床付け、人力手直し、検測、配筋、型枠、打設、埋戻し、支保工撤去というように、危険の形は工程ごとに変わります。掘削直後は安定して見えても、雨、振動、乾湿の繰り返し、地下水位の変化、周辺荷重によって状態が変わります。山留め計画では、完成形だけでなく、途中段階の安全性を確認することが欠かせません。


掘削深さ5m以上10m未満で確認したいポイント

掘削深さが5mを超えてくると、88条申請の10m基準には届かない場合でも、現場としてはかなり慎重な管理が必要になります。掘削面の高さが大きくなり、土圧、水圧、変位、支保工の座屈、根入れ不足、周辺沈下、埋設物の露出、重機作業との干渉など、確認すべき項目が一気に増えます。特に山留めを伴う場合は、施工計画、構造検討、計測管理、緊急時対応を一体で考えなければなりません。


5m以上10m未満で最初に確認したいのは、最終掘削深さが本当に10m未満で収まるかです。設計図の基礎底、設備ピット、排水釜場、エレベーター下部、支持層確認のための追加掘削、地中障害物撤去、改良体の確認掘り、仮設排水の集水部などで、局所的に10mに近づくことがあります。平均掘削深さや代表断面だけで判断すると、深い部分を見落とすおそれがあります。


次に、施工途中で掘削深さや掘削範囲が変わる可能性を見ます。地中障害物が見つかる、支持地盤が想定より深い、湧水対策で釜場を追加する、既設杭や既設基礎の撤去が必要になる、隣接構造物の保護で山留め形状を変更する、といった変更は珍しくありません。最初の計画では10m未満でも、変更後に10m以上となる可能性があるなら、届出要否の再確認を工程に組み込む必要があります。


この深さ帯では、地山の種類に応じた掘削こう配、山留め壁の安定、支保工の設置時期、土止め支保工の点検を一体で確認します。その他の地山では、掘削面の高さが5m以上になると、5m未満よりも勾配の確認が厳しくなります。支保工を設ける場合も、設置して終わりではなく、7日を超えない期間ごとの点検、大雨や中震以上の地震後の点検、損傷や変形が見つかった場合の補強や補修を計画に含めることが大切です。


また、5m以上10m未満は、もう少しで届出基準という心理的な盲点が生まれやすい領域です。担当者が10m未満だから88条申請は不要とだけ説明すると、安全審査そのものを省略してよいように受け取られるおそれがあります。実務では、10m未満なので地山掘削としての88条申請対象には該当しない見込みだが、山留め計画、作業主任者、土止め支保工、立入り、計測管理は別途確認するといった形で、判断の範囲を明確に分けて記録するのが安全です。


掘削深さ10m以上で確認すべき88条申請の要否

掘削深さが10m以上になる場合は、88条申請の要否確認を最優先で進めます。法令上、掘削の高さまたは深さが10m以上である地山の掘削の作業を行う仕事は、一定の除外条件を確認したうえで、建設工事・土石採取計画届の対象となる代表的な仕事です。ここで大切なのは、山留めの深さではなく、地山の掘削の高さまたは深さを見ることです。山留め壁の長さ、根入れ長、支保工段数だけで判断せず、掘削として人や機械が扱う最大の高さまたは深さを確認します。


10m以上の地山掘削で確認すべき条件は、まず対象となる掘削が地山の掘削かどうかです。次に、ずい道等の掘削や岩石採取のための掘削など、別の扱いになる作業でないかを確認します。さらに、掘削機械を用いる作業で、掘削面の下方に労働者が立ち入らないものとして整理できるかを確認します。ただし、山留め工事では、下方に人が入る工程が完全にないと言い切るのは簡単ではありません。支保工の取付け、腹おこしの確認、床付け、湧水処理、埋設物対応、躯体工事、検測などで立入りが発生するなら、その実態を前提に判断します。


提出時期の確認も重要です。掘削の高さまたは深さが10m以上である地山掘削として建設工事・土石採取計画届が必要になる場合、原則として仕事の開始の日の14日前までに所轄労働基準監督署長へ届け出る扱いになります。同じ労働安全衛生法第88条の届出でも、対象となる仕事の種類によって提出先や提出期限が異なる場合があるため、山留め工事だけでなく工事全体の届出区分も併せて確認します。


10m以上の掘削では、計画作成に関わる体制も整えます。山留めの計画は、単に図面をそろえるだけでは足りません。地盤調査、地下水、周辺構造物、施工順序、支保工、重機配置、揚重、作業員の動線、避難経路、計測管理、異常時対応、降雨時対応、夜間や休日の管理、関係者への周知まで含めて、安全衛生上の計画として説明できる必要があります。届出書類の作成担当者だけに任せず、現場所長、安全担当、土木担当、山留め施工の担当者、設計や監理に関わる担当者が早めにすり合わせることが大切です。


山留め計画で申請前に整理する書類と現場情報

山留め工事を伴う88条申請では、書類をそろえる前に、現場情報を正しく整理することが出発点になります。建設工事・土石採取計画届では、様式による届書に加えて、仕事を行う場所の周囲の状況や四隣との関係、建設物等の概要、工事用機械や設備の配置、工法の概要、労働災害を防止するための方法や設備の概要、工程表などを示す書類が必要になります。計画の作成に参画する有資格者が必要になる場合は、その資格を示す書面も確認対象になります。


山留め計画でまず整理したいのは、掘削の形状です。平面範囲、断面、最大深さ、段切りの有無、掘削底の高さ、局所的なピット、既設構造物との距離、仮設通路、重機配置、土砂搬出経路を一つの流れで把握します。図面が複数に分かれている場合、建築図、構造図、設備図、外構図、仮設計画図、地盤調査資料を照合しないと、深い部分を見落とすことがあります。


次に、地盤と水の情報を整理します。土質柱状図、地下水位、透水性、軟弱層、砂層、粘性土、玉石、転石、既設杭、地中障害物、埋設管、湧水の可能性を確認します。山留めは土圧だけでなく水圧にも影響されるため、排水計画や止水計画も安全計画と切り離せません。降雨時に掘削底へ水が集まる現場では、釜場や排水ポンプの配置、停電時対応、排水先、濁水処理、作業中止基準まで確認します。


さらに、周辺影響の情報も必要です。隣接建物、道路、歩道、電柱、架空線、地下埋設物、側溝、擁壁、既設塀、近隣の出入口、通学路、第三者動線などは、山留めの変位や施工時の振動と関係します。88条申請の目的は、労働災害を防止する計画を事前に確認することにありますが、現場の安全は周辺条件と一体です。掘削面の内側だけを見ていると、資材置場、重機旋回、搬出車両、歩行者、近接構造物の変状といったリスクを拾いきれません。


書類化では、現場で使える粒度に落とし込むことが重要です。工法概要には山留めの種類名だけでなく、施工順序、掘削段階、支保工の取付け時期、掘削底に人が入る作業、立入禁止範囲、点検方法、異常時の連絡系統を含めます。労働災害防止の方法には、崩壊防止、土砂落下防止、重機接触防止、墜落転落防止、昇降設備、照明、換気、排水、避難、気象対応、点検記録を盛り込みます。書類が審査用に整っていても、現場で読まれない計画では意味が薄くなります。


対象外と思い込みやすい山留め工事の注意点

山留め工事で最も多い失敗は、深さが10m未満だから88条申請は関係ないと短絡することです。確かに、地山掘削としての代表的な届出基準は10m以上ですが、工事全体には別の88条届出対象が含まれることがあります。高さのある建築物や工作物、一定の仮設物、圧気工法、ずい道等、その他の対象工事が同じ現場に含まれる場合は、山留め単独ではなく工事全体として確認しなければなりません。


また、掘削深さの測り方を誤るケースもあります。設計地盤面から基礎底までで見れば9.8mでも、釜場や局所ピットを含めると10mを超える場合があります。掘削範囲の一部だけが深い場合、全体ではないから対象外と考えたくなりますが、最大深さを無視してよいとは限りません。特に深いピットや立坑は、人が入るか、掘削面の下方作業があるか、山留めや支保工の取付け作業があるかを慎重に確認します。


機械掘削だけだから対象外と思い込むのも危険です。法令上は、掘削機械を用いる作業で掘削面の下方に労働者が立ち入らないものは除外条件として整理されていますが、実際の山留め工事では人の立入りが発生しやすいです。掘削後の床付け確認、測量、写真記録、支保工点検、排水ポンプ設置、埋設物確認、配筋や型枠の準備など、どれか一つでも掘削面下方で行うなら、当初の説明と実態がずれることになります。


さらに、山留め支保工の組立てや取り外しを付随作業として軽く扱うことも避けるべきです。土止め支保工については、構造、組立図、部材の取付け、立入禁止、点検、作業主任者など、独自に確認すべき安全管理項目があります。切りばりや腹おこしの取付けまたは取り外しを行う場合は、土止め支保工作業主任者の選任を確認します。支保工を設けた後も、7日を超えない期間ごとの点検、大雨や中震以上の地震後の点検、異常時の補強や補修を計画に含める必要があります。


対象外判断をする場合こそ、記録が重要です。対象外ですとだけ残すのではなく、最大掘削深さ、地山該当性、労働者の立入り、掘削機械作業の範囲、山留めの種類、支保工作業の有無、別の88条申請対象の有無、所轄への事前相談の有無を整理しておくと、社内説明や発注者説明がしやすくなります。対象外の根拠が曖昧なまま工程を進めると、後で変更や追加掘削が出たときに、誰も判断経緯を追えなくなります。


実務担当者が迷わない社内確認フロー

実務担当者が山留め工事の88条申請で迷わないためには、掘削深さだけを単独で確認するのではなく、社内で同じ順番で確認できる流れを作ることが有効です。最初に確認するのは、工事全体の中に山留めや地山掘削が含まれるかどうかです。次に、最大掘削深さと最大掘削高さを確認します。ここでは、代表断面だけでなく、局所ピット、釜場、立坑、基礎梁下、設備スペース、障害物撤去部を含めて見ます。


その次に、地山の掘削かどうかを確認します。自然地盤を掘るのか、盛土や埋戻し土を扱うのか、既設構造物内の掘削なのか、岩石採取やずい道等の別領域に入るのかを整理します。判断が微妙な場合は、用語だけで処理せず、地盤資料、施工場所、作業目的、掘削断面を示して確認することが大切です。


続いて、人の立入りを確認します。掘削面の下方に労働者が立ち入る工程があるか、あるならいつ、誰が、何の作業で、どの範囲に入るかを明確にします。山留め工事では、施工者側は基本的には機械施工と考えていても、元請や別職種の作業員が検測や写真撮影で入ることがあります。実際の工程表と作業分担を見ながら確認しないと、立入りなしという前提が崩れます。


そのうえで、10m以上なら88条申請の要否、提出先、提出期限、必要書類を具体的に確認します。10m未満でも、作業主任者、土止め支保工、勾配、点検、降雨時対応、昇降設備、避難設備、立入禁止を確認します。2m以上の地山掘削や、土止め支保工の切りばり、腹おこしの取付けまたは取り外し作業では、作業主任者の選任確認が必要になります。


社内確認では、責任分担も明確にしておきます。元請が届出を行うのか、専門工事会社が資料を作成するのか、設計者が山留め計算や図面を作成するのか、安全担当が労働災害防止計画を確認するのか、現場所長が最終判断するのかを決めます。88条申請は書類提出だけの作業に見えますが、実際には施工計画の妥当性を関係者で確認するプロセスです。提出者と資料作成者が違う場合は、最新版の図面、工程、掘削深さ、施工順序が一致しているかを必ず確認します。


最後に、変更時の再確認ルールを決めます。掘削深さが増える、山留め形式が変わる、支保工段数が変わる、施工順序が変わる、人が入る工程が追加される、地下水対策が変わる、近接構造物への影響対策が追加される場合は、88条申請や安全計画の見直しが必要になることがあります。最初の判断が正しくても、変更後の条件が変われば結論も変わります。変更のたびに、届出対象か、届出済み計画と整合しているか、現場掲示や作業手順書に反映されているかを確認する運用が安全です。


まとめ:山留め工事は深さと立入りと地山条件で確認する

88条申請で山留め工事が対象になるかどうかは、山留めという工種名だけでは判断できません。中心になるのは、掘削の高さまたは深さが10m以上となる地山掘削に該当するか、掘削面の下方に労働者が立ち入るか、除外条件に当てはまるか、工事全体に別の届出対象が含まれないかという確認です。10m以上であれば、早い段階で88条申請の要否、提出先、提出時期、必要書類、計画参画者、工程への影響を確認する必要があります。


一方で、10m未満だから安全管理が軽くてよいわけではありません。2m以上では作業主任者の選任確認が関係しやすくなり、土止め支保工の組立てや取り外しを伴う場合は、支保工に関する作業主任者や点検、組立図、立入禁止措置なども確認対象になります。5m以上10m未満では、届出基準に届かない場合でも、山留め変位、地下水、近接構造物、支保工、重機動線、避難、計測管理を丁寧に計画する必要があります。


実務では、最大掘削深さ、地山該当性、人の立入り、山留め形式、支保工作業、周辺条件、工程変更の可能性を、早めに一つの確認資料へまとめておくことが有効です。図面や工程表が更新されるたびに、88条申請の判断も安全計画も変わる可能性があります。対象か対象外かを一度だけ判定するのではなく、計画、施工、変更、記録をつなげて管理することが、山留め工事の事故防止と申請漏れ防止につながります。


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