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88条申請の対象確認で提出漏れを防ぐ社内フロー6選

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

88条申請の対象確認は、単に「この工事は届出が必要か」を一度だけ判断すれば終わる作業ではありません。工事内容、設備仕様、仮設計画、施工方法、工程、発注範囲、変更履歴が少し変わるだけで、確認すべき観点が増えたり、提出書類の内容が変わったりすることがあります。特に工場設備の新設、既存設備の移設、主要構造部分の変更、足場や型枠支保工を伴う工事、掘削や解体、有害物質を扱う作業などでは、現場側では通常の改修工事と見えていても、安全衛生上は事前確認が必要な計画に該当する可能性があります。


提出漏れを防ぐには、担当者個人の知識だけに頼らず、社内で同じ順番、同じ基準、同じ証跡で確認できるフローを作ることが重要です。本記事では、「88条申請 対象」で検索する実務担当者に向けて、提出漏れを防ぐために社内で整備したい6つのフローを、実務に落とし込みやすい形で解説します。


目次

88条申請の対象確認で提出漏れが起きやすい理由

フロー1 工事発案時に対象候補を拾い上げる

フロー2 設備変更と施工方法を早期に棚卸しする

フロー3 図面と工程情報を一元化して判断材料をそろえる

フロー4 安全衛生部門と現場部門で対象区分を照合する

フロー5 所轄への相談前に社内レビューで論点を整理する

フロー6 提出後の変更管理と着手前確認を標準化する

88条申請の対象確認フローを定着させるポイント

まとめ


88条申請の対象確認で提出漏れが起きやすい理由

88条申請と呼ばれる手続きは、一般に労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出を指して使われることが多い言葉です。実務では「88条申請」「88条届」「計画届」など複数の呼び方が混在しますが、重要なのは名称よりも、工事や設備計画が法令上の届出対象に該当するかを、着手前に適切に確認することです。届出の対象には、一定の建設物、機械、設備、仮設物、工法、作業内容などが関係するため、建築、土木、設備、保全、安全衛生、発注、施工管理の各部門が持つ情報を組み合わせないと、正しい判断に到達しにくい特徴があります。


提出漏れが起きやすい第一の理由は、対象確認の入口が遅いことです。工事内容がほぼ固まり、施工業者との契約や着工準備が進んだ段階で初めて「これは88条申請の対象ではないか」と気づくと、図面、工程表、施工計画、安全対策資料の整備が間に合わなくなるおそれがあります。届出には事前提出が求められるものがあり、工事開始直前の確認では、提出期限や社内承認の時間を確保しにくくなります。結果として、工事開始日の変更、施工範囲の見直し、関係者への再調整が発生し、現場にも管理部門にも負担がかかります。


第二の理由は、工事名だけで判断してしまうことです。社内稟議や発注書の件名が「設備更新工事」「レイアウト変更工事」「補修工事」「足場設置工事」などの一般的な名称になっていると、そこに含まれる具体的な危険性が見えにくくなります。たとえば、既存設備の入替えに伴って局所排気装置、重量物の据付、クレーン作業、高所作業、掘削、解体、配管切断、仮設足場などが含まれる場合、単なる更新工事として扱うだけでは不十分です。88条申請の対象確認では、工事件名ではなく、実際に行う作業、設置する設備、変更する構造、使用する仮設物、作業場所の条件を見なければなりません。


第三の理由は、部門間で情報の粒度が違うことです。設備部門は機械仕様に詳しく、現場部門は作業手順や搬入経路に詳しく、安全衛生部門は法令や社内基準に詳しく、発注部門は契約範囲や納期に詳しいというように、必要な情報は分散しています。ところが、対象確認のフローが決まっていないと、それぞれが自分の担当範囲だけを確認し、全体として届出対象を見落とすことがあります。特に、工事途中で仕様変更や施工方法の変更が入った場合、変更情報が安全衛生部門まで届かず、当初は対象外と判断した計画が実質的には対象になっていた、という事態も起こり得ます。


第四の理由は、対象外判断の証跡が残りにくいことです。届出対象だと判断した場合は書類作成や提出手続きが残りますが、対象外と判断した場合は口頭確認だけで終わってしまうことがあります。しかし、あとから工事内容を振り返ったときに、誰が、どの資料を見て、どの基準で対象外と判断したのかが分からないと、社内説明や再発防止に苦労します。提出漏れを防ぐ社内フローでは、届出が必要な案件だけでなく、対象外と判断した案件についても、判断根拠を簡潔に残すことが大切です。


フロー1 工事発案時に対象候補を拾い上げる

提出漏れ防止の第一歩は、工事発案時点で88条申請の対象候補を拾い上げることです。ここでいう工事発案時点とは、正式な発注や詳細設計の前、社内で予算化、設備更新、レイアウト変更、修繕、増設、撤去、解体などの必要性が検討され始めた段階を指します。この段階では詳細な施工計画が決まっていないことも多いですが、対象確認の入口としては十分です。むしろ、細部が固まる前に対象候補を把握することで、後工程での手戻りを防ぎやすくなります。


社内フローとしては、工事発案書、設備投資申請、保全計画、改修依頼、工事見積依頼などの最初の書類に、88条申請の対象確認欄を設ける方法が有効です。この欄では、届出の要否を最終判断するのではなく、対象候補に該当しそうな要素があるかを確認します。たとえば、高所作業を伴うか、足場や作業床を設けるか、既存設備の主要構造部分を変更するか、局所排気や換気に関わる設備を変更するか、クレーンなどの荷役設備を新設または変更するか、掘削や解体を伴うか、有害物質や粉じん、騒音、振動、圧気、火気などのリスクを伴うか、といった観点を早期に確認します。


この段階で重要なのは、担当者に最終的な法令判断を背負わせすぎないことです。発案者が安全衛生法令に詳しいとは限らないため、最初の確認欄は「該当するかどうか」よりも「該当する可能性があるかどうか」を拾う設計にします。少しでも不明点があれば、安全衛生部門や工事管理部門に回付する運用にしておくと、現場担当者が一人で迷い続ける状況を避けられます。届出対象の判断は慎重さが求められるため、入口では広めに拾い、後段で絞り込む考え方が現実的です。


工事発案時の拾い上げでは、社内で使う言葉の統一も重要です。たとえば「軽微な改修」「簡単な移設」「一時的な足場」「小規模な更新」といった表現は、担当者によって受け止め方が異なります。軽微かどうかは工事金額や工期だけで決まるものではなく、作業内容や設備の危険性によって判断すべき場合があります。そのため、社内書類では曖昧な形容詞だけで終わらせず、作業高さ、設備種類、変更箇所、設置期間、施工場所、周辺設備との関係など、確認に使える具体情報を書ける欄を設けます。


また、対象候補を拾い上げるタイミングは、単発の工事だけではなく年間計画にも組み込むべきです。年度初めの保全計画、設備投資計画、大規模修繕計画、休転工事計画の段階で、88条申請の対象になり得る案件を仮登録しておくと、繁忙期に慌てて確認するリスクを下げられます。特に工場や大型施設では、定期修繕期間に複数の工事が集中しやすく、届出の対象確認も一気に増えます。年間計画の段階で候補を見える化しておけば、安全衛生部門が優先順位をつけて確認でき、提出漏れだけでなく確認遅れも防ぎやすくなります。


フロー2 設備変更と施工方法を早期に棚卸しする

次に必要なのは、設備変更と施工方法を早期に棚卸しするフローです。88条申請の対象確認では、完成後の設備だけでなく、工事中にどのような仮設物、機械、作業方法を使うかも重要になります。完成後の設備仕様だけを見て対象外と判断しても、施工途中で高所足場、型枠支保工、掘削、重量物の吊上げ、解体、有害物質の除去などが発生する場合、別の観点から確認が必要になることがあります。したがって、社内フローでは「何を作るか」と「どう作るか」を分けて確認することが大切です。


設備変更の棚卸しでは、新設、移設、撤去、増設、更新、能力変更、配置変更、主要部品の交換、制御方式の変更、排気や集じんの変更、作業環境に影響する変更などを整理します。対象確認で見落としやすいのは、外観上は同じように見える更新工事です。たとえば、古い設備を新しい設備に入れ替えるだけのように見えても、据付方法、基礎、荷重、作業範囲、搬入経路、安全装置、排気設備、点検用足場などが変われば、確認すべき事項は増えます。単に「同等品へ更新」と書くだけではなく、既存との相違点を明確にすることが、対象判断の精度を高めます。


施工方法の棚卸しでは、作業床の設置、足場の組立、クレーン等による吊上げ、開口部の設置、火気使用、配管やダクトの切断、土間のはつり、掘削、仮設電源、仮囲い、搬入出経路、夜間作業、他作業との近接などを確認します。ここで注意したいのは、施工業者からの見積書や簡易工程表だけでは、届出対象の判断に必要な情報が不足しやすいことです。見積段階では「足場一式」「撤去一式」「据付一式」と表現されることが多く、規模や期間、構造、作業手順が分かりません。社内フローでは、見積依頼時に対象確認に必要な情報を施工側へ明示し、早めに概略施工計画を提出してもらう運用が有効です。


設備変更と施工方法の棚卸しは、工事担当者だけで行うのではなく、現場を知る担当者、安全衛生担当者、設備設計担当者、必要に応じて施工側の担当者を交えて行うと精度が上がります。図面だけでは分からない天井高さ、梁や配管との干渉、既存設備の稼働状況、作業スペース、通路幅、周辺作業者の動線、換気条件などは、現地確認で初めて見えることがあります。提出漏れを防ぐためには、机上の書類確認と現地確認を切り離さず、早い段階で現場条件を確認するフローを設けるべきです。


この棚卸しの結果は、対象確認シートとして残します。対象確認シートには、工事目的、工事場所、既存設備、変更後設備、施工方法、仮設計画、作業期間、関係業者、リスク要因、未確定事項を記録します。未確定事項を空欄のまま放置せず、「誰が」「いつまでに」「何を確認するか」を書くことで、確認漏れを減らせます。88条申請の対象確認では、最初から全情報がそろっていることは少ないため、未確定事項を管理する仕組みそのものが提出漏れ防止につながります。


フロー3 図面と工程情報を一元化して判断材料をそろえる

88条申請の対象確認では、図面と工程情報が判断材料の中心になります。どの設備をどこに設置するのか、どの範囲を撤去するのか、作業床や足場をどの位置に設けるのか、掘削や開口の範囲はどこか、周辺設備や通路との関係はどうか、工事はいつ始まりいつ終わるのか。これらの情報が分散していると、担当者ごとに異なる資料を見て判断してしまい、認識違いが起きます。提出漏れを防ぐ社内フローでは、対象確認に使う図面と工程情報を一元化し、最新版を明確にすることが欠かせません。


一元化すべき図面には、配置図、平面図、断面図、立面図、仮設計画図、搬入経路図、設備基礎図、周辺設備との関係を示す図、作業エリアを示す図などがあります。すべての工事で同じ図面が必要になるわけではありませんが、対象確認の段階では、少なくとも工事範囲、作業場所、設備の位置関係、作業高さや深さ、仮設物の有無が分かる資料が必要です。図面が古いままだと、実際の現場と合わず、危険源や干渉を見落とす原因になります。既存図面を使う場合は、現地確認によって現況との差異を確認し、必要に応じて赤字修正や補足図を作成します。


工程情報では、工事開始日、準備作業の開始日、足場や仮設物の設置期間、主要作業の実施日、試運転、撤去、復旧、引渡しの時期を整理します。88条申請に関わる届出は、工事開始前の一定期間を見込んだ対応が必要になるため、工程表が曖昧だと提出期限の管理ができません。ここでいう工事開始日は、現場で本格作業を始める日だけではなく、対象となる計画に関係する準備作業の扱いも含めて確認する必要があります。社内では、工程表のどの日付を提出期限管理の起点にするかを明確にし、安全衛生部門と現場部門の認識を合わせます。


図面と工程情報を一元化する際には、ファイルの最新版管理も重要です。工事の検討段階では、見積用図面、発注用図面、施工用図面、変更図面、承認図などが短期間に更新されます。どの図面をもとに対象確認したのかが分からないと、あとから変更があったときに再確認が必要か判断できません。社内フローでは、対象確認に使用した資料の名称、版数、日付、作成者を記録し、変更があった場合は安全衛生部門に通知するルールを設けます。これにより、対象判断が古い資料に基づいたまま放置されるリスクを下げられます。


また、図面と工程情報は、社内レビューだけでなく、必要に応じて所轄へ相談する際の説明資料にもなります。相談時に情報が整理されていないと、確認したい論点が伝わらず、再整理が必要になることがあります。逆に、工事範囲、作業内容、設備仕様、仮設計画、工程、リスク対策が一つの資料群として整理されていれば、社内外の確認がスムーズになります。提出漏れ防止のための一元化は、単なる保管ルールではなく、対象判断の品質を上げるための基盤だと考えるべきです。


フロー4 安全衛生部門と現場部門で対象区分を照合する

対象候補の拾い上げ、設備変更と施工方法の棚卸し、図面と工程情報の整理ができたら、安全衛生部門と現場部門で対象区分を照合します。この段階では、工事や設備が88条申請の対象に該当するか、該当する可能性がある場合にどの区分で確認すべきか、提出期限や提出先、必要な添付資料、資格を有する者の参画要否などを整理します。ここで大切なのは、安全衛生部門だけが法令表を見て判断するのではなく、現場部門が実際の作業内容を説明しながら照合することです。


安全衛生部門は、法令、通達、社内基準、過去の届出事例、所轄との相談履歴に基づいて確認します。一方、現場部門は、作業場所の条件、施工手順、作業高さ、使用する機械、仮設物の構造、同時作業、稼働中設備との関係などを説明します。両者の情報が重なることで、工事件名からは見えないリスクを拾いやすくなります。たとえば、現場部門が「短期間の足場」と考えていても、安全衛生部門が高さや設置期間、構造を確認することで、届出要否の確認が必要だと判断する場合があります。


対象区分の照合では、対象である可能性、対象外である可能性、追加確認が必要な状態を明確に分けます。実務では、すぐに白黒をつけられない案件もあります。設備仕様が未確定、施工方法が施工側提案待ち、図面が古い、作業高さが現地確認前、使用する仮設物の構造が未定といった場合は、無理に対象外と判断せず、保留事項として管理します。保留事項には期限を設け、次の設計会議や施工打合せまでに確認する内容を決めます。対象外判断を急ぐよりも、不明点を残したまま着工に進まない仕組みを作ることが重要です。


また、対象区分の照合では、法令上の届出要否だけでなく、社内の安全審査や工事許可の要否も同時に確認すると効率的です。88条申請の対象外であっても、社内基準上は安全審査が必要な工事、火気使用許可が必要な作業、停電やエネルギー遮断が必要な作業、有害物質の事前確認が必要な作業はあります。届出対象ではないから安全確認も不要、という誤った理解を避けるために、社内フローでは法令届出と社内安全手続を並行して確認します。これにより、88条申請の対象確認が単なる書類対応ではなく、工事全体の安全管理に結びつきます。


照合結果は、会議メモや確認シートとして記録します。記録には、対象判断、判断理由、確認した資料、未確認事項、次回確認日、担当者、承認者を残します。特に対象外と判断した場合は、対象外の理由を短くてもよいので明記します。「規模が基準に該当しない」「主要構造部分の変更に当たらないと整理した」「該当する仮設物を使用しない計画である」「施工方法変更時は再確認する」など、後で読み返して分かる表現にします。提出漏れを防ぐフローでは、判断そのものと同じくらい、判断の証跡が重要です。


フロー5 所轄への相談前に社内レビューで論点を整理する

88条申請の対象確認では、判断に迷う案件や、対象に該当する可能性が高い案件について、所轄の労働基準監督署などに相談する場面があります。ただし、相談前に社内で論点を整理していないと、何を確認したいのかが曖昧になり、必要な回答を得にくくなります。提出漏れを防ぐ社内フローでは、外部相談に進む前に、社内レビューで相談事項を整理する工程を設けることが有効です。


社内レビューでは、まず工事概要を短く説明できる状態にします。工事の目的、場所、対象設備、施工内容、仮設物、作業方法、工程、周辺環境、安全対策、現時点での判断案をまとめます。そのうえで、相談したい論点を具体化します。たとえば、「この設備変更が主要構造部分の変更に該当するか」「この仮設計画で届出対象となる可能性があるか」「工事開始日の考え方をどの日付で整理すべきか」「添付資料としてどこまでの図面を準備すべきか」など、相談項目を明確にします。漠然と「対象ですか」と聞くよりも、工事内容と判断に迷う点を示したほうが、確認が進みやすくなります。


社内レビューには、工事担当、安全衛生担当、設備担当、必要に応じて設計担当、施工側の担当者を参加させます。ここで重要なのは、相談に持ち込む前に社内の事実関係を一致させることです。現場部門は足場を使うと言っているのに、設計資料には足場計画が反映されていない。施工側は夜間作業を予定しているのに、工程表には記載がない。設備担当は既存基礎を流用すると考えているのに、施工側は基礎改修を見込んでいる。このような不一致があると、対象確認以前に工事計画そのものが不安定です。社内レビューは、対象判断のためだけでなく、計画の整合性を整える場として機能します。


所轄への相談内容は、相談後に必ず記録します。口頭で確認した場合でも、相談日、相談先、相談者、説明した工事概要、提示した資料、確認した内容、今後必要な対応を社内メモとして残します。ここで注意したいのは、相談結果を過度に一般化しないことです。ある工事で確認した内容が、別の工事にもそのまま当てはまるとは限りません。規模、構造、作業方法、場所、時期、関係する設備が変われば判断も変わる可能性があります。相談履歴は参考情報として活用しつつ、案件ごとの事実関係に基づいて再確認する姿勢が必要です。


また、社内レビューでは提出期限から逆算したスケジュールも確認します。対象に該当する可能性があるなら、書類作成、社内承認、関係者確認、提出、補正対応、工事開始前確認に必要な期間を見込む必要があります。工事担当者が工程短縮を求められている場合でも、届出に必要な期間を無視して着工予定を組むことは避けなければなりません。対象確認が遅れると、提出漏れだけでなく、工程全体の信頼性にも影響します。したがって、社内レビューでは法令上の要否だけでなく、実際に間に合う工程になっているかを確認します。


フロー6 提出後の変更管理と着手前確認を標準化する

88条申請の対象確認は、提出したら終わりではありません。提出後に工事内容、図面、工程、施工方法、仮設計画、安全対策が変更されることがあります。変更内容によっては、提出済みの内容との整合確認や追加説明、再確認が必要になる可能性があります。提出漏れを防ぐ社内フローでは、提出前の確認だけでなく、提出後から着手前までの変更管理を標準化することが重要です。


変更管理でまず決めるべきなのは、どのような変更があった場合に安全衛生部門へ連絡するかです。設備の仕様変更、設置位置の変更、作業範囲の拡大、足場や作業床の構造変更、施工期間の変更、工事開始日の前倒し、使用機械の変更、掘削範囲の変更、解体方法の変更、有害物質に関わる新たな情報の判明、周辺稼働設備との干渉などは、対象判断や提出内容に影響する可能性があります。これらを現場判断だけで処理せず、変更連絡の対象として社内基準に明記します。


提出後の変更を確実に拾うには、工事定例や施工打合せの議題に「88条申請関連の変更有無」を入れる方法が有効です。毎回長時間議論する必要はありませんが、変更がないことを確認し、変更がある場合は内容を記録するだけでも、見落とし防止になります。特に工事開始前の短期間は、施工側から実施方法の見直しや搬入手順の変更が出やすい時期です。ここで安全衛生部門に情報が届かないと、提出時点の計画と現場実態がずれたまま着工するおそれがあります。


着手前確認では、提出書類、社内承認、現場掲示、関係者周知、施工計画、安全対策、作業許可、教育、資格、保護具、立入管理、緊急時対応などが整っているかを確認します。88条申請の対象である工事は、事前に計画を確認する趣旨が強いため、書類を出した事実だけで安心するのではなく、提出した計画に沿って現場が準備されているかを見る必要があります。たとえば、図面上は作業区画を設定していても、現場で区画材や表示が未設置なら安全管理として不十分です。着手前確認は、書類と現場をつなぐ最後の関門です。


変更管理と着手前確認の結果も記録します。変更がなかった場合は「変更なし」と残し、変更があった場合は変更内容、判断結果、必要な対応、承認者を記録します。工事後に振り返る際、提出前確認だけでなく提出後の変更管理まで追える状態になっていれば、社内の説明責任を果たしやすくなります。また、次回以降の類似工事で、どのような変更が起きやすいかを把握できるため、フロー改善にも役立ちます。


88条申請の対象確認フローを定着させるポイント

6つのフローを作っても、現場で使われなければ提出漏れは防げません。定着させるためには、複雑な規程を作るだけでなく、日常の工事管理に自然に組み込むことが大切です。まず必要なのは、対象確認を特別な大規模工事だけの手続きにしないことです。実際には、設備更新、レイアウト変更、仮設足場、解体、掘削、排気設備の変更など、日常的な工事の中にも確認すべき要素が含まれることがあります。社内では「一定規模以上の大工事だけが対象」という思い込みを避け、工事の性質に応じて確認する文化を作る必要があります。


次に、フローを短い判断シートに落とし込むことが有効です。分厚い規程は重要ですが、現場担当者が毎回読み込むのは現実的ではありません。発案時、設計時、発注前、着手前の各段階で確認すべき項目を簡潔にまとめ、詳細判断が必要な場合は安全衛生部門へつなぐ形式にします。判断シートでは、対象外判断を誘導する表現を避け、不明な場合に相談しやすい設計にすることが重要です。担当者が「分からない」と書きやすい欄を設けるだけでも、無理な自己判断による提出漏れを減らせます。


教育も欠かせません。88条申請の対象確認は、法令名や条文だけを覚える教育では定着しにくい分野です。実際の社内工事を題材にして、どこで対象候補を拾うのか、どの資料が不足していたのか、どの変更が判断に影響したのかを共有すると、担当者の感度が上がります。特に過去に提出遅れや確認漏れに近い事例があった場合は、個人のミスとして終わらせず、フローのどこが弱かったのかを振り返ることが大切です。発案時に拾えなかったのか、図面管理が不十分だったのか、変更情報が伝わらなかったのかを分析することで、再発防止につながります。


さらに、フローの責任者を明確にします。工事担当者、安全衛生部門、設備部門、発注部門、施工側の誰がどの段階で何を確認するのかが曖昧だと、結局は誰かがやっているはずという状態になります。提出漏れは、知識不足だけでなく責任境界の曖昧さから起こることが多いものです。発案時の一次確認は工事担当、対象区分の照合は安全衛生部門、図面の最新版管理は設備担当、工程変更の連絡は現場責任者、着手前確認は現場と安全衛生部門の合同確認というように、役割を具体化します。


最後に、工事完了後の振り返りをフローに入れます。提出が必要だった案件、対象外と判断した案件、途中で変更があった案件、所轄へ相談した案件を定期的に振り返ることで、社内基準や判断シートを改善できます。88条申請の対象確認は、法令を読む力だけでなく、社内の工事実態を理解する力が求められます。工事が終わるたびに知見を蓄積し、次の案件で同じ迷いを減らすことが、提出漏れ防止の実効性を高めます。


まとめ

88条申請の対象確認で提出漏れを防ぐには、法令に詳しい一部の担当者に任せるだけでは不十分です。工事発案時に対象候補を広く拾い、設備変更と施工方法を棚卸しし、図面と工程情報を一元化し、安全衛生部門と現場部門で対象区分を照合し、必要に応じて所轄への相談前に社内レビューで論点を整理し、提出後も変更管理と着手前確認を続ける。この一連の流れを社内フローとして標準化することで、担当者の経験差による判断ばらつきを減らし、提出漏れや工程遅延のリスクを抑えやすくなります。


88条申請の対象となるかどうかは、工事件名や金額だけでは判断できません。実際の作業内容、設備の種類、主要構造部分の変更有無、仮設物の規模や期間、施工方法、作業場所の条件、工程、変更履歴を総合的に確認する必要があります。対象外と判断する場合でも、どの資料を見て、どの観点で判断したのかを残すことが、社内の安全管理と説明責任を支えます。迷う案件ほど早めに拾い上げ、関係部門で確認し、必要な相談や書類準備に進めることが重要です。


また、提出漏れ防止の社内フローは、単なる手続き管理ではなく、現場の安全を事前に設計するための仕組みでもあります。図面、工程、施工計画、現地状況を正確に把握し、関係者が同じ情報をもとに判断できる状態を作れば、88条申請の対象確認だけでなく、工事全体の安全性と段取りの精度も高まります。工場や建設現場では、設備や仮設物の位置、作業範囲、危険箇所を正確に記録し共有することが、確認漏れを減らすうえで大きな助けになります。


現場の位置情報や施工記録をより確実に残し、図面や点群、写真と結びつけて社内確認の精度を高めたい場合は、現場計測と記録を一体化できるLRTK Phoneの活用も有効な選択肢になります。


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