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14条業務の現地立入調査で所有者が知るべき4項目

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

14条業務と現地立入調査の基本

所有者が知るべき項目1:通知が届いたときの確認事項

所有者が知るべき項目2:現地立入調査で確認される内容

所有者が知るべき項目3:立会いと筆界確認で注意すること

所有者が知るべき項目4:調査後の成果と登記への影響

実務担当者が所有者対応で押さえる説明のポイント

まとめ:14条業務の立入調査は早めの情報整理が安心につながる


14条業務と現地立入調査の基本

14条業務とは、一般に不動産登記法第14条第1項に規定される地図、いわゆる登記所備付地図を整備するための作業を指して使われる言葉です。本記事では、法務局が実施する登記所備付地図作成作業を中心に「14条業務」と呼び、所有者が現地立入調査や立会いの前後で知っておきたい点を整理します。


土地の登記記録には、所在、地番、地目、地積などの情報が記録されています。しかし、登記記録だけでは、土地が現地のどこにあり、どのような形で、隣接地や道路とどのように接しているかを十分に把握できない場合があります。そこで、土地の筆界や位置関係を調査し、測量成果に基づいて精度の高い地図を作成することが、14条業務の大きな目的になります。


14条業務の現地立入調査は、机上の資料だけでは分からない土地の状況を確認するために行われます。登記記録、既存の公図、地積測量図、過去の境界確認資料、道路や水路などの公共施設に関する資料を確認したうえで、現地に入り、境界標、塀、側溝、杭、石積み、フェンス、建物の位置、利用状況、地形の変化などを調べます。所有者にとっては、突然「立入調査」と聞くと、土地を取られるのではないか、勝手に登記が変わるのではないか、費用が発生するのではないかと不安になることがあります。しかし、14条業務の主な目的は、土地の位置や区画を公的な地図として明確にし、将来の取引、相続、管理、境界トラブルの予防に役立つ土地情報を整えることにあります。


実務担当者が所有者へ説明する際には、まず「何のための調査なのか」を分かりやすく伝えることが大切です。14条業務は、個別の売買や分筆のためだけに行われる民間の測量とは性格が異なります。対象区域全体の土地を調査し、各筆の位置関係を整理し、登記所に備え付ける地図の整備を目指すものです。そのため、所有者本人の土地だけでなく、隣接地、道路、水路、里道、共有地、空き地、相続未了の土地なども含めて、区域内を面的に確認するのが一般的です。


現地立入調査で特に重要になるのが、筆界と所有権界の違いです。筆界とは、土地が登記されたときに定められた公法上の境界を意味します。一方、所有権界は、所有権が及ぶ範囲を示す私法上の境界として説明されることがあります。日常会話ではどちらも「境界」と呼ばれますが、14条業務で確認する中心は、登記上の土地の区画を示す筆界です。長年使っている塀の位置、耕作している範囲、植栽の位置などが、必ずしも筆界と一致するとは限りません。この点を理解しないまま立会いに臨むと、調査の趣旨を誤解しやすくなります。


また、14条業務の調査は、所有者が自分の土地について持っている資料や記憶を確認する機会でもあります。古い売買契約書、境界確認書、地積測量図、建築時の配置図、道路後退に関する資料、過去に隣地所有者と取り交わした書面などは、現地調査や筆界確認の参考になる場合があります。特に、昔から同じ土地を所有している家では、先代が境界について何らかの説明を受けていた可能性があります。所有者本人が詳しく知らない場合でも、家族、親族、近隣住民、以前の管理者から話を聞けることがあります。


現地立入調査は、土地の形状や筆界に関する情報を正確に把握するための入口です。所有者にとっては負担に感じられる場面もありますが、後回しにすると、将来の売却、相続、建築、分筆、地目変更、隣地との調整で困る可能性があります。14条業務の対象区域に入った場合は、単に行政的な調査として受け身で対応するのではなく、自分の土地情報を整理する機会として捉えることが大切です。


所有者が知るべき項目1:通知が届いたときの確認事項

14条業務の現地立入調査が行われる場合、所有者や関係者には、調査の実施に関する案内や通知が届くことがあります。通知には、対象区域、調査の目的、作業期間、現地立入の予定、説明会や立会いの案内、問い合わせ先などが記載されているのが一般的です。所有者が最初にすべきことは、その通知を単なる事務連絡として処理せず、対象土地、日程、求められている対応を丁寧に確認することです。


まず確認したいのは、通知に記載されている地番が、自分の所有する土地と一致しているかどうかです。日常生活で使う住所と、登記上の地番は異なる場合があります。住所だけを見て対象外だと思い込んだり、逆に地番を見慣れていないために自分の土地ではないと判断したりすると、必要な対応を見落とすことがあります。固定資産関係の書類、登記事項証明書、過去の権利証、相続関係書類などを確認し、通知に記載された土地がどの場所に当たるのかを把握しておく必要があります。


次に、所有者情報に誤りや未整理の点がないかを確認します。登記名義人が既に亡くなっている場合、相続登記が未了である場合、共有者が複数いる場合、住所変更が登記に反映されていない場合などは、通知が一部の関係者にしか届かないことがあります。実務では、所有者本人として対応していた人が、登記上は相続人の一人にすぎないということもあります。14条業務では、土地の筆界確認に関して関係者の確認や立会いが必要になる場面があるため、誰が登記名義人で、誰が実際に管理しており、誰が立会いに参加できるのかを早めに整理しておくことが重要です。


通知に立会い日程が記載されている場合は、参加できるかどうかを確認します。所有者本人が現地に行けない場合でも、家族、管理者、代理人などが対応できることがあります。その場合は、委任状など必要な手続や書面の有無を、通知の問い合わせ先に事前に確認しておくとスムーズです。代理人が参加する場合には、土地の位置、これまでの利用状況、隣地との過去のやり取り、境界標の場所などを本人から十分に聞いておく必要があります。単に「代わりに行くだけ」では、現地で質問されたときに判断できず、確認が先延ばしになることがあります。


現地立入調査の通知を受けたら、手元にある土地資料も整理しておくとよいです。登記事項証明書、地図や公図の写し、地積測量図、過去の境界確認書、建築確認関係の配置図、売買時の重要事項説明資料、農地や山林の管理図面、造成や道路工事に関する資料などが参考になる場合があります。すべてを完全にそろえる必要はありませんが、古い資料ほど所有者本人が保管場所を忘れていることが多いため、通知が届いた段階で探し始めることに意味があります。


特に注意したいのは、現地の筆界や利用範囲について不安や認識の違いがある場合です。隣地との間で昔から境界の話題が出ていた、塀の位置についてあいまいな認識がある、道路との境に古い杭があるが意味が分からない、過去に測量したが書類が見つからない、といった事情がある場合は、立会い当日に初めて話すのではなく、事前に問い合わせ先へ相談しておくとよいです。調査する側も、事前情報があれば現地確認のポイントを整理しやすくなります。


費用について不安がある場合も、通知や説明会資料を確認し、分からない点は問い合わせ先に確認しておくことが大切です。14条業務として行われる地図作成作業と、所有者が任意で依頼する個別の測量、登記申請、専門家相談は性格が異なります。通知された作業の範囲、所有者に求められる協力内容、個別に費用がかかる可能性のある手続を混同しないようにしましょう。


通知が届いた段階で不安を感じる所有者は少なくありません。しかし、通知は所有者に不利益を与えることを目的とするものではなく、調査内容を知らせ、必要な協力を得るための入口です。実務担当者は、所有者に対して「通知を受け取ったら、地番、日程、所有者情報、立会いの可否、手元資料の有無を確認してください」と説明すると、相手の行動が明確になります。所有者側も、分からない点を放置せず、早めに確認することで、立入調査への不安を減らすことができます。


所有者が知るべき項目2:現地立入調査で確認される内容

14条業務の現地立入調査では、対象地の利用状況や筆界に関係する物理的な情報が確認されます。所有者が知っておくべきなのは、調査員が土地に入る目的は、単に面積を測ることだけではないという点です。現地に存在する境界標、構造物、地形、道路や水路との接続、隣地との利用状況などを総合的に確認し、資料上の情報と照合することが目的です。


現地で確認される代表的なものが、境界標です。コンクリート杭、金属標、石杭、木杭、鋲、刻み、プレートなど、境界を示すものにはさまざまな形があります。古い境界標は土に埋もれていたり、草木に隠れていたり、工事によって傾いていたりすることがあります。所有者が普段見ている場所に杭があっても、その杭が筆界点を示すものなのか、工事用の目印なのか、所有者同士が便宜的に置いたものなのかは、資料や周辺状況と合わせて確認する必要があります。


塀、フェンス、擁壁、側溝、道路境界ブロック、畦畔、石積みなども重要な確認対象です。これらは土地の利用範囲を示す手掛かりになりますが、筆界そのものとは限りません。例えば、塀が自分の土地の内側に控えて設置されている場合もあれば、隣地との合意により境界線付近に設けられている場合もあります。古い農地や山林では、畦や水路の位置が長年の利用を示す一方で、登記上の区画とずれていることもあります。そのため、現地立入調査では、構造物の存在だけでなく、いつ、誰が、どのような目的で設置したのかという事情も参考になります。


土地の利用状況も確認されます。宅地として利用されているのか、駐車場なのか、農地なのか、山林なのか、空き地なのかによって、現地の見方は変わります。建物、庭、通路、排水施設、私道、進入路、農業用施設などがある場合、それらがどの土地に属しているのか、どの範囲で利用されているのかが確認されます。所有者が「昔からここまで使っている」と認識している範囲と、登記上の筆界が一致するかどうかは、調査を通じて慎重に見ていく必要があります。


また、道路や水路との境界も重要です。民有地同士の境界だけでなく、道路、里道、水路、公共施設用地との接点は、土地の形状や面積に大きく関係します。道路後退、拡幅、付け替え、過去の公共工事、側溝整備などが行われている場合、現況と古い資料の差が生じていることがあります。所有者が自分の土地だと思って管理していた部分が、実際には道路敷や水路敷に関係している可能性もあります。反対に、道路のように見える通路が私有地であることもあります。


調査では、必要に応じて写真撮影や測量機器による観測が行われます。所有者としては、敷地内で何が行われるのか不安に感じるかもしれませんが、通常は土地の状況を記録し、測量成果を作成するための作業です。建物内部に入ることが主目的ではなく、屋外の境界や地形を確認することが中心です。ただし、門扉の内側、庭、駐車場、農地、山林など、土地の範囲を確認するために立入りが必要になる場所があります。ペット、施錠、危険箇所、農作物、工事中の場所などがある場合は、事前に伝えておくと現地作業の安全性が高まります。


所有者にとって大切なのは、現地立入調査を「調査員に任せきり」にしないことです。自分が知っている境界標の位置、昔からの利用状況、過去に隣地所有者と確認した内容、工事で杭が移動した可能性、先代から聞いている話などは、調査の参考になることがあります。もちろん、所有者の記憶だけで筆界が決まるわけではありませんが、現地を理解するための重要な情報になります。実務担当者は、所有者に対して「分かる範囲で構わないので、現地の経緯を伝えてください」と促すと、調査の質を高めやすくなります。


なお、14条業務では地番、地目、地積などの登記記録上の情報と現地の状況が照合されることがあります。ただし、現地で見た利用状況だけで直ちに地目や権利関係が決まるわけではありません。調査結果がどのように整理されるかは、作業の内容や法務局の手続に従って確認する必要があります。


所有者が知るべき項目3:立会いと筆界確認で注意すること

14条業務の現地立入調査では、所有者や隣接地所有者の立会いが行われることがあります。立会いは、現地の状況を関係者で確認し、筆界に関する認識や資料を照合する大切な場面です。所有者が知っておくべきことは、立会いが「その場の雰囲気で境界を決める場」ではなく、資料、現況、関係者の認識を確認しながら、筆界を明らかにするための手続の一部だということです。


立会いに参加する前には、自分の土地の範囲について、分かる範囲で整理しておくことが望ましいです。どこに境界標があると思っているのか、隣地との境にある塀や側溝は誰が設置したのか、過去に測量や境界確認をしたことがあるのか、隣地所有者との間で境界に関する話し合いがあったのかを確認しておきます。相続した土地の場合は、先代がどのように管理していたのか、親族や近隣の人に聞いておくと役立つことがあります。


立会い当日は、分からないことを無理に断定しないことが重要です。所有者の中には、その場で確認を求められると、早く終わらせたい気持ちから深く考えずに返答してしまう人もいます。しかし、筆界確認は将来の土地管理や登記に関係する重要な確認です。納得できない点、資料を見ないと判断できない点、家族や共有者に確認したい点がある場合は、その旨を伝えるべきです。実務担当者側も、所有者が不安を抱えたまま形式的に同意することがないよう、説明の仕方に注意する必要があります。


一方で、感情的な主張だけで立会いを進めるのも避けるべきです。隣地との関係が悪い場合や、過去にトラブルがあった場合、境界確認の場が感情的な対立に発展することがあります。しかし、14条業務で確認する筆界は、登記された土地の区画を明らかにするためのものです。「長年使っているから」「相手が気に入らないから」「昔からそう聞いているから」という主張だけでは、客観的な確認として十分でない場合があります。自分の認識を伝える際には、できるだけ資料、現地の痕跡、過去の経緯と結びつけて説明することが大切です。


筆界確認では、隣接地所有者との認識の違いが明らかになることがあります。例えば、自分は塀の外側が境界だと思っていたが、隣地所有者は塀の中心だと考えている場合があります。自分は古い杭を境界標だと思っていたが、隣地所有者は別の地点を境界として管理していた場合もあります。このような違いが出たときに、すぐに相手を否定するのではなく、どの資料に基づく認識なのか、現地のどの事実を根拠にしているのかを確認することが重要です。


共有地や相続未了の土地では、立会いの意思確認が複雑になりやすいです。共有者の一人だけが現地に参加しても、他の共有者が内容を知らないままでは後で問題になることがあります。相続人が複数いる場合も、誰が代表して対応するのか、他の相続人に説明しているのかを整理しておく必要があります。実務担当者は、所有者らしき人が現地に来ているだけで安心せず、登記名義、相続関係、代理関係を確認し、必要に応じて追加説明や書面確認を行うことが求められます。


立会いで確認した内容は、後から思い出しやすいように記録しておくと安心です。所有者自身も、当日説明を受けた内容、確認した地点、疑問点、今後の手続をメモしておくとよいです。現地で見た境界標や構造物の位置を写真に残しておくことも、自己管理の面では有用です。ただし、写真やメモだけで法的な判断が完結するわけではないため、正式な調査成果や説明内容と混同しないようにする必要があります。


立会いと筆界確認で最も大切なのは、所有者が「よく分からないまま同意した」と感じる状態を避けることです。14条業務は地域全体の地図整備に関わるため、一定の手続に沿って進められますが、所有者の理解と協力が欠かせません。疑問があればその場で質問し、判断に迷う場合は理由を伝え、必要な資料があれば提出するという姿勢が、後のトラブル防止につながります。


なお、筆界そのものは、所有者同士の合意だけで自由に移動できるものではありません。利用実態や所有権に関する主張がある場合でも、筆界の確認とは別に、所有権界、越境、通行、時効取得などの民事上の問題として整理が必要になることがあります。立会いの場で不明点がある場合は、無理に結論を急がず、管轄法務局、実施機関、土地家屋調査士などに相談する余地を残しておくことが安全です。


所有者が知るべき項目4:調査後の成果と登記への影響

現地立入調査や筆界確認が終わると、測量結果や調査内容をもとに地図作成の作業が進められます。所有者が知っておくべき重要な点は、14条業務の成果は、登記所に備え付けられる地図として土地情報の基礎になることが予定されているということです。これにより、土地の位置、形状、隣接関係が以前より明確になり、将来の不動産取引や相続、土地管理に活用しやすくなります。


調査後には、土地の面積、地番、地目などについて、登記記録や現地の状況との整合が確認されることがあります。これまで登記上の地積と測量結果に差があった場合、作業成果に基づいて表示に関する登記の整理が行われることがあります。所有者にとっては、面積が変わることに不安を感じる場面です。ただし、これは土地が一方的に取られたり増えたりするという単純な話ではなく、従来の登記情報と現地測量成果の差を踏まえて、土地の表示をより正確に整理するための手続として理解することが大切です。


地積の変化については、古い測量技術、過去の公図の精度、地形の変化、道路や水路との関係、分筆や合筆の履歴など、さまざまな要因が関係します。登記上の面積が長年そのままだった土地では、実測値との差が生じることがあります。所有者が固定資産関係の情報や売買時の資料と比較して疑問を持つこともありますが、面積の差だけを見て直ちに損得を判断するのではなく、どのような調査と測量に基づく成果なのかを確認することが大切です。


14条業務によって整備された地図は、将来の土地取引や建築計画において重要な参考資料になります。土地を売却する際、買主や関係者は境界や面積に関する情報を重視します。相続の際にも、土地の範囲が明確であれば、遺産分割や管理方針を検討しやすくなります。建物の建築、塀の設置、駐車場整備、農地の転用、土地の分筆などを行う場合にも、基礎となる土地情報が明確であることは大きな意味を持ちます。


ただし、14条業務の成果があるからといって、すべての土地問題が自動的に解決するわけではありません。所有権に関する争い、越境物の撤去、通行権の問題、利用権の問題、隣地との合意内容などは、筆界の確認とは別に整理が必要になる場合があります。筆界が明らかになった結果、塀や樹木、排水設備などが越境している可能性が見えてくることもあります。その場合は、感情的に対応するのではなく、事実確認、関係者との協議、必要に応じた専門家への相談を順に進めることが重要です。


調査後の説明、縦覧、成果確認の機会がある場合は、所有者は積極的に確認すべきです。現地で聞いた内容と成果がどのように反映されているのか、自分の土地の形状や面積がどう整理されているのか、隣接地との位置関係がどう示されているのかを確認します。疑問がある場合は、指定された期間や方法に従って問い合わせることが大切です。後から「見ていなかった」「知らなかった」と言っても、手続が進んでからでは確認に時間がかかる場合があります。


実務担当者にとっては、調査後の説明が所有者満足度を左右します。現地立入調査の段階では協力的だった所有者でも、成果の内容を十分に理解できないと不信感を持つことがあります。特に、地積が変わる、地目に関する確認が行われる、境界の認識に差がある、隣地との関係が気になるといった場合は、専門用語を並べるのではなく、所有者が自分の土地に置き換えて理解できるように説明する必要があります。


14条業務の調査後は、所有者自身も土地資料を整理して保管することをおすすめします。通知書、説明資料、調査時のメモ、確認した図面、関係者とのやり取りの記録などを一つにまとめておくと、将来の相続や売却の際に役立ちます。土地の情報は、所有者本人が元気なうちは感覚的に分かっていても、次世代に引き継がれると急に不明確になることがあります。14条業務を機に、土地の場所、境界、利用状況、関係資料を見える形で残しておくことが、将来の負担軽減につながります。


実務担当者が所有者対応で押さえる説明のポイント

14条業務で現地立入調査を行う実務担当者は、測量や登記の知識だけでなく、所有者の不安をくみ取る説明力も求められます。所有者の多くは、14条業務という言葉に慣れていません。通知を受け取っても、何の調査なのか、なぜ自分の土地に人が入るのか、立会いで何を聞かれるのか、登記がどう変わるのかをすぐには理解できないことがあります。そのため、最初の説明では、制度の正確性と同時に、生活者の目線に立った分かりやすさが必要です。


まず伝えるべきことは、現地立入調査の目的です。所有者に対しては、土地の位置や区画を明確にするための調査であり、対象区域全体の地図整備の一環であることを説明します。個別の所有者を疑って調査するものではなく、地域の土地情報を整備するために必要な作業であることを伝えると、不安が和らぎます。特に、立入りという言葉には強い印象があるため、どの範囲を確認するのか、屋外の境界や地形の確認が中心であること、危険箇所や施錠箇所があれば事前に調整できることを説明するとよいです。


次に、所有者に求める協力内容を明確にします。通知を読んでください、立会いに来てください、資料を持ってきてください、というだけでは、所有者は何をどこまで準備すべきか分かりません。実務担当者は、対象地番の確認、立会い参加の可否、代理人対応の有無、手元資料の確認、境界に関する記憶や過去の経緯の共有が重要であることを、具体的な言葉で説明する必要があります。高齢の所有者や遠方在住の所有者には、家族や管理者を通じた連絡方法も配慮が必要です。


筆界と所有権界の違いも、早い段階で説明しておきたいポイントです。所有者は、塀がある場所、草刈りをしている範囲、固定資産の課税対象として認識している範囲を「自分の土地の境界」と考えていることがあります。しかし、14条業務で確認する筆界は、登記上の土地の区画を明らかにするものです。この違いを説明せずに立会いを進めると、所有者は「自分の使っている範囲を否定された」と感じることがあります。筆界の確認は所有者の生活実態を軽視するものではなく、資料と現況を踏まえて登記上の区画を整理するものだと伝えることが重要です。


現地での説明では、専門用語の使い方にも注意が必要です。一筆地、筆界、地積、地番、地目、登記所備付地図、地図に準ずる図面といった言葉は、実務担当者には日常的でも、所有者には難しく感じられます。言い換えを交えながら説明し、所有者が理解しているかを確認することが大切です。単に「ここが筆界です」と言うのではなく、「登記上の土地の区切りとして、この位置を確認しています」と説明すると、受け止められやすくなります。


所有者とのやり取りでは、記録の正確性も重要です。誰が立ち会ったのか、どの地点を確認したのか、どのような資料が提示されたのか、所有者がどの点に疑問を持ったのかを整理しておくことで、後の説明や再確認がしやすくなります。特に、所有者が不在だった土地、相続関係が複雑な土地、隣地との認識差がある土地では、記録の質が手続全体の安定性に影響します。現場で得た情報を正確に残すことは、測量成果の精度だけでなく、所有者対応の信頼性にも関わります。


また、現地立入調査では安全管理も欠かせません。山林、農地、空き家周辺、傾斜地、河川沿い、老朽化した擁壁付近では、足元や構造物に危険がある場合があります。所有者の敷地内にペットがいる場合、施錠された門扉がある場合、農作物や資材が置かれている場合もあります。事前連絡と現地での確認を丁寧に行うことで、所有者の財産を傷つけるリスクや作業者の事故を減らすことができます。


所有者対応で最も避けたいのは、説明不足による不信感です。14条業務は公共性の高い作業ですが、所有者から見れば自分の財産に関わる重要な出来事です。正しいことをしているから理解される、通知を出しているから問題ない、という姿勢ではなく、所有者が不安を持つのは自然なことだと捉える必要があります。丁寧な説明、早めの情報提供、現地での誠実な対応、調査後の分かりやすい案内が、円滑な14条業務につながります。


まとめ:14条業務の立入調査は早めの情報整理が安心につながる

14条業務の現地立入調査で所有者が知るべき4項目は、通知が届いたときの確認事項、現地で確認される内容、立会いと筆界確認の注意点、調査後の成果と登記への影響です。どれも難しい専門知識が必要に見えますが、基本は、自分の土地を正しく知り、必要な資料を整理し、分からない点を早めに確認することにあります。


通知が届いたら、まず対象地番と日程を確認し、所有者や共有者、相続人、代理人の関係を整理します。手元にある登記関係資料や過去の境界確認資料を探し、現地の境界標や利用状況について分かる範囲で把握しておきます。現地立入調査では、境界標、塀、側溝、道路、水路、地形、土地利用などが確認されるため、所有者が知っている過去の経緯も重要な情報になります。


立会いでは、分からないことを無理に断定せず、納得できない点は質問することが大切です。筆界は単なる利用範囲ではなく、登記上の土地の区画を示すものです。隣地との認識が違う場合でも、感情的に対立するのではなく、資料や現況に基づいて確認していく姿勢が求められます。調査後は、成果の内容、地積や地目に関する確認事項、将来の土地管理への活用方法を確認し、関係資料を保管しておくと安心です。


実務担当者にとっても、所有者への説明は14条業務を円滑に進める重要な要素です。制度の説明だけでなく、所有者が何を不安に感じるのか、どのような行動を取ればよいのかを具体的に伝えることで、立入調査への協力を得やすくなります。現地での確認内容を正確に記録し、調査後の説明まで丁寧に行うことが、信頼される業務対応につながります。


土地の境界や地図整備は、普段の生活では意識しにくい分野です。しかし、相続、売買、建築、管理、近隣関係のどれにも関わる重要な基盤です。14条業務の現地立入調査をきっかけに、所有者が自分の土地情報を整理し、実務担当者が分かりやすく記録と説明を行えば、将来のトラブル予防に役立ちます。


現地調査の記録、境界標や構造物の撮影、位置情報の整理、関係者への共有を効率化したい場合は、特定の製品名に頼らず、現場で扱いやすく、記録の保存・共有がしやすい環境を整えることも重要です。14条業務の現地立入調査をより確実に、分かりやすく、後から確認しやすい形で進めるために、通知内容、現地での確認事項、提出資料、調査後の成果を一連の記録として残しておきましょう。


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